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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
I・夏休み+勉強合宿
18/75

櫻田と宮間の家族について その2

翌朝。櫻田はいつもの調子で早く目が覚め、階段を下りて台所へと向かう。

するとそこには既に宮間の姿があった。


「おはよう…早いね。結斗君」

「あぁ。やっと起きたか」

「えっ?やっとって…」


櫻田は宮間の言葉が一瞬理解できなかった。

だがすぐにその謎は彼によって解明される。


「昨日話で、この時間帯ぐらいに起きてくると思ってな」

「まさかそのために早く起きて、待ち伏せを?」

「俺はそんな趣味はないぞ?勘違いするな」


すべては計算済みとでも言うような感じの彼だが、それならいったい何のために早く起きたというの

だろうか?この時間に自分が起きるというだけでわざわざ下りてきてどうする?

勉強のためなら彼のことだ。木崎と共に無理やりにでも起こすだろうが、ここにいるのは自分と宮間の

二人のみ。ますます分からない。頭の良い人間の思考というのは…。


「腹が減った。軽く朝食を作ってくれ」

「えっ…あぁ、うん。結斗君は洋食派?和食派?」

「何でもいい。とにかく作れ」


わざわざ聞いたのに、何でもいいと言われてしまった櫻田は「せめて、どちらでもいけると言えよ」と

彼に心の中で突っ込みを入れる。言葉にしてしまえば喧嘩になるのを恐れたからだ。

命は大事にしなければならない。それに朝から怒鳴りちらせば東間と木崎が起きてしまうことも考えて

櫻田は黙って、朝食の支度をすることにした。


櫻田の家はどちらかと言えば和食派。

軽く作れと言われて和食と言えば卵焼きかと思い、とりあえず卵焼きを作ることにした。


「どっ…どうぞ」

「あぁ」


ただ卵を混ぜて焼いただけのため、気に入らなかったらどうしようかと櫻田は心臓ばくばく状態。

櫻田の作った熱々の卵焼きをパクッと食べる宮間。果たして彼の舌に合うのだろうか…その結果は――。


「美味い」

「っ!?ほっ、本当?」

「こんなことで嘘をついてどうする」

「…そっか。良かった~まずいって言われたらどうしようかと」


だが、この後宮間の口から衝撃的な事実が明かされる。

「うちの母親が作った卵焼きより、お前の作った方が断然に美味いよ」

「えっ?」

「昨日の夕飯も美味かった。久しぶりに手料理と言ったものを味わった気がする」

「それはちょっと大げさなんじゃ…」


櫻田は宮間があまりにも自分の作った料理を褒める。

嬉しいことだが、それはそれで怖かったのだ。


「母は料理下手でね。例えば、肉じゃがを作ろうとして砂糖と塩を間違えて入れてしまったり。

 卵焼きには生クリームよね?と言ってどういうわけかケーキ作りの知識が入っていて泡だて器で

混ぜてしまったり。玉ねぎを切るのは苦手だからと言って、玉ねぎを真っ黒焦げに焼いて皮をむこうと

したりと。まぁ…たぶん、トマトと勘違いしたんだと思うんだが」


「なんだそれは…」

「だから家事は基本お手伝いに任せてある。もしくは外食になったりするがな」


櫻田は納得した。昨日の木崎と宮間の会話を聞いた時は分からなかったが、彼らが宮間の母親のことを

そう言いたい気持ちは今の話を聞いて理解出来る。

なぜなら櫻田の母親も同じだったからだ。小学五年生の時に病気でこの世を去った櫻田の母親は、家事の

ほとんどを父親に任せきりだった。本人は不器用といっており、自分でやろうともするがなぜか整理整頓

が出来なかったりとして家の中がめちゃくちゃになるということから、母親として任されていた唯一の仕事は、子供達の世話。父親は優しい性格のため注意してもあまり効果がない。そのため悪戯したりすると

怒る役は母親だったのだ。


「お互い…大変だね」


櫻田は宮間に対して初めて「仲間意識」を持った。

家族に悩み?を抱える者同士として。貧乏にしても金持ちにしても、何かしらの悩みを抱えているのだな

と思いながら―――。


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