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僕のキャラが崩壊します!!  作者: さくら
I・夏休み+勉強合宿
19/75

賑やかな朝

 それから一時間後、木崎が起床し下の階へと下りてきた。


 「なんだ。お前ら起きるの早いなぁ?」 

 「おはよう、木崎」

 「おはようございます」


 「おうっ。おはよっ~地味子、今日の朝飯って何?」

 「とりあえず、卵焼きと味噌汁。もう少ししたらご飯炊けますから」

 「朝からすごいな、お前」

 木崎は櫻田を見直した。あだ名の通り地味な女子が朝早く起きて朝食を作っていることに驚いたので

 ある。そして木崎が下りてから1分も経たないうちに東間も下りてきた。

 

 「おはよう~」

 「あっ、おはよう東間」

 「櫻田お腹すいた…」

 「今作ってるよ。もうちょっと待って」

 「待てない!おなかすいた~」

 東間は今にも死にそうな声で櫻田にガシッと抱きついてきた。

 それをやめさせようと櫻田は東間の両肩に手をやり必死で引きはがそうとするも力の方は彼女の

 方が上でなかなか離れない。

 「あぁ~もうくっつくなよ。暑いんだから」

 「いいじゃん、女同士なんだからさぁ~仲良くしようぜ?」

 「ちょっ。お前、やめろって…くすぐったい」

 東間は櫻田の脇をくすぐり攻撃を仕掛けた。同じ中学ということもあって彼女の弱点を知り尽くしてい

 る東間にとっては最高の責め。これに櫻田は何度もやられてしまっており、今度は必死に彼女の両手か

 ら自分の脇を守るために逃走する。東間は「待て~逃げるなぁ」と彼女を追いかけて行ったのであっ

 た。


 二人の楽しそうな様子を見ていた木崎は宮間に向かって独り言を呟いた。

 

 「やっぱりまだ壁があるよな~地味子って」

 「そりゃあそうだろ。人間は誰にでもすぐに心を打ち明けるわけじゃない」

 木崎と宮間は櫻田と知り合ってまだ半年も経っていない。宮間の言う通り、人間はすぐには心を打ち

 明けるわけではない。個人差にもよるかもしれないが、やはり少しずつ信頼を深めていくか積極的に

 相手に自分のことを知ってもらおうと努力していくしか方法はないのである。

 

 「結斗、お前このままでいいのか?」

 「俺が決めることじゃない。決めるのは櫻田自身だ」

 「やれやれ。お前にも、まだ壁があったか」

 

 木崎が宮間に聞いた言葉がどういう意味を指しているのかはすぐ理解した。

 だが彼は無理に行動するタイプじゃない。常に自分の計算とペースによって行動していくタイプだ。

 木崎が言っていることも分からなくはないが、それでも今の関係が崩れる恐れがある以上は動かない

 と決めている。

 

 「壁」というのは、本物の壁ではなく心の壁のことであり宮間自身にも木崎との間にまだ薄い壁が

 存在しているということを指している。だが、この薄い壁は別に木崎を嫌ってというわけではない。

 信頼しているからこその壁を作るのだ。木崎にばかりに頼ってばかりではいられないと彼自身も

 分かっている。だから、彼の力を借りずに自分の力でなんとかしようと考えているのだ。


 木崎は何となくだが、宮間の考えていることがだいたい分かっていたので

 あえて気づかないふりをして見逃し、彼を温かい目で見守ることにしたのである。


「おーい、いつまで遊んでんだ?もう飯炊けてるぞ?」と木崎が櫻田と東間に叫ぶ。

「あっ。はーい!東間、手伝え」

「やったー!飯だ、飯!」


「お前テンション高いな…ご飯でそんなテンションが上がるか?大丈夫、頭?」

櫻田が心配するのも無理はない。この暑さの上に空腹という状態で東間のテンションがやけに高いのを

見て彼女のおでこに手を当てて確認する櫻田。

「大丈夫だって。それより私は何をすればいいんだ?」

「えっとまず味噌汁を温めて」

「了解」


大丈夫だとは言っているものの、ますます心配になる櫻田に宮間が声をかける。

「櫻田、手伝おうか?」

「えっ?でも…」

「卵焼きの礼だ」

「あぁ、それだったらご飯炊けたからお茶碗に入れてもらえるかな?」

「分かった。木崎、手伝え」

「えっ、俺!?」

「お前だけ働かないというのは不公平だろ?」

「結斗てめぇ…さっきの仕返しか?」

「さぁ?何のことだか俺にはさっぱりだ」


こうして朝食を済ませた後、また厳しい鬼教師による勉強会が行われたのであった。




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