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私が君である証明  作者: 言施矜持
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我等が抱く意思の証左

 なんとなく、ここで一区切りとさせて頂きます。とはいえこれからもアップしていきますので、特に気にせずお楽しみ頂けたら幸い。

 例えば。本当に例えばの話である。私という人物が存在しておらず、例えば無意識下の君が独自のアドレスを使ってもうひとつのIDを駆使し、これを書いていたとしよう。


 そんなはずが無いと君は思うだろう。私が『もしかしたら』と言えば、君は『ならば証明してみろ』と笑うだろう。そして証明出来ない私を見て、君は『ほら見ろ』と(あざけ)るだろう。


 そこから私は反論するのだ。開き直ってこう問うとしよう。ならば否定するだけの条件を提示してみろと。


 するとどうだ。君はさらに嘲る。どこかで聞いたような台詞と定義でもってなんらかの文句を言うはずだ。


 果たして。


 果たしてここに、我々は存在しているのだろうか。このやりとりは、本当に我々のやり取りだったろうか。知らぬ誰かの代弁者に成り下がってはいないか。


 常識とはつまり、今まで我々が歩いてきた道のりの風景によって、見て聞いて触れて培われてきたものだ。つまり、異なる人生を歩んでいれば多少なりとも常識に誤差が生じるだろう。自らの人生の代弁者となった私と君は、果たして本当に、それが私達の意思だと言えるだろうか。


 言えるはずだ。そうでなければならない。


 さて。方針は示された。


 では、間違えた証明を――独りよがりの考察を――始めよう。








 経験とは。言わずもがな、今まで見聞きしたもの、行った事などの総称だ。勉強もその一環となれば、経験とはつまり常識だ。まずはここを『経験≦常識』で繋いでみよう。


 次に、ならば我々が各々で抱いている常識が自分の存在証明になるのかいなかを。楽観的に見れば、なると言う事も出来る。だが私は(いな)と断じよう。経験は多くが後生の役に立つが、その全てが経験値として蓄積されるわけでは無い。つまり経験値から漏れ出ている経験があるということだ。


 虫食いの穴あき状態でしかない経験を自己とするには、些か頼りない。ならば経験と≦で繋がっている常識は自己と≠(ノットイコール)と言えよう。


『経験≦常識≠自己』これでは存在証明にはならない。


 しかし、今回の議題は存在証明ではなく『それが本当に我々の意思か』の証明だ。ともすれば、『経験≦常識≠自己』である以上、自己と意思が=(イコール)で繋がりさえすれば、此度の証明は成功と言えるはずだ。自分は過去の代弁者などでは無いと胸を張って言えるはずだ。


 では自己と意思について。


 自己を貫いているのなら、自己と意思は同義になり、=で繋ぐ事も出来る。しかし残念ながら、人は自己を貫けない。社会がそれぞれの常識を個人に押し付けてくるため、環境次第で自己を変えなければならない。その観点からすると、自己とは変わるものであり意思は変えるものとなる。自己は車で意思が燃料だと思ってくれればいい。


 セットではあるが、決して同じではない。


 自己≠意思はここで証明される。


『経験≦常識≠自己≠意思』となってしまったわけだ。


 だが、意思が自己に働きかけて人が変わる場合、自己+意思=経験=常識と言えるのではないだろうか。つまり、明確な意思をもって自己を変えた事のある人間に限り自己≦常識が成立するのではないだろうか。


 この式が成り立たない場合は、振りかざしている常識は自己ではなく、誰かの、何かの代弁なのではないだろうか。隣人は鑑なりと誰かが言っていたが、それはつまり、そういう事なのだろう。




 結論。


 自己を存在を証明するのは自分の意思である。それ以外は代弁だ。

 いかかでしょう。この考察を楽しんで頂けたら幸い。


 イメージとしては、『私』というキャラクターに語らせているだけなので、エッセイというよりもそこはかとなく語り草タッチになっているのではないでしょうか。


 ここまで読んで下さった方はだいたい把握しているかとは思いますが、この考察を楽しんで頂く方法としては、とりあえず『考察を始めよう』まで読んでみて、タイトルがオチに関連している場合が多い事も含め、読みたいやつだけ読む、みたいにして欲しいものですな。


 では、よろしければこれからも『私』の考察をお楽しみ下さい。

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