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七歳で世界を変えた少年〜前世の知識と禁断の魔法理論で、僻地を最強都市に作り替える〜  作者: 霧里 野蒜


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第7話 転生者、魔道具を改善する

 僕は博士に3つの提案をした。

 一つ目は、中心核におく魔石がズレない様なガードを作ること。

 二つ目は、魔力を溜め込む回路を3種類作り、それぞれ魔力が一杯になったら魔力を遮断する機能を作る事。

 三つ目は魔道具の外周でなく、魔法陣と反対の面に水の出口を作ること。

 だった。

 提案関して難しかったのは、水の出口を反対面に作る事だった。一枚の金属板に穴を開けるのは至難の業だったのだ。そして、それが現在の実力で出来ないことが分かると、苦肉の策で外周の円の外に一つの星を描いて、そこを水の出口にした。外周の円を切ることになり、安定性が損なわれることを危惧したが、テストではこれと言った不具合が出なかった。

 結果オーライであるが、かと言って、基本の決まりからは逸脱している。使っているうちに不具合が出ないとも限らず、そこは様子見とした。

 博士は今にもこれを誰かに見せ、次の商売に繋げたいという気持ちを隠そうともしなかった。

 「アルス君、これは私の発明の中でも傑作に入ります。早く、知り合いの商人に見せたいのですが、構いませんよね?」

 「博士、僕が言うことでは無いのですが、これは昔からの魔法陣の規約を守らない箇所があり、魔法陣としては不完全です。もう少し、様子見をするか、最初の設計通り、底面から水を出す様に改善するまで市販を待ちませんか?」

 「うーん」

 博士はまた思考停止してしまった。僕は禁断の一言を投げかける。

 「では、これを持ち帰り、お父様と相談すると言うのはどうでしょうか?もし、父の力をお借りできれば何とかなると思いますし、博士への父の印象も良くなると思います」

 その言葉は博士の硬直を解いた。

 「公爵に?相談?私の事で?」

 彼は僕の小さな腕を掴み、ぶんぶんと振り回しながら、

 「是非、公爵へご紹介お願いします」

 と言う。僕は答える。

 「紹介するのはこの魔道具の事です。結果的に博士の紹介もするとは思いますが」

 「アルス君、是非。さあ、もうお帰りの時間ですね。明日、良い返事をお待ちします。この試作の魔道具と魔石は預けますので、是非、公爵への紹介をお願いします。そこまで送ります。さあ、行きましょう」

 僕は博士の研究室を追い出された。


 夕食の時間になる。僕のプレゼンの時間である。博士の紹介よりも、魔道具そのものの便利さを伝えて普及させたい。それが今夜の本題だ。

 夕食前に父上から兄弟に今日あった事を聞かれる。的確に端的に報告する必要がある。

 長男と次男は武術と勉学の成果を報告した。

 「アルス、お前はどうだ、何があった」

 来た、僕の番だ。

 「はい、本日ですが、博士と協力して、新しい水の魔道具を作りました。しかし、改善点があり、お父様のお力添えをいただきたいと思って報告いたします。

 お見せします。この水の魔道具の特徴は、従来品で出来なかった水量の調節と、水の方向指定が可能になります。従来品の樽に入れっぱなしの使い勝手を改善し、従来品では難しかった、必要な時に必要な量を決まった場所へ出す、という使い方ができます」

 僕はセバスにお願いして、大中小の桶を持って来てもらい、デモンストレーションをする。

 「この円盤の真ん中に水属性の魔石を置きます。以前の魔道具ではこの時点で水が出ていたのですが、この魔道具はこれだけでは水が出ません。この円盤の星の下にある丸い枠が三つあり、このうちのどれかを選ばないといけません。少量の水の場合はここを押します」

 小さな桶にチョロチョロと円盤の先から水が出る。それを中と大でも繰り返す。

 「如何でしょうか?これで水汲みは必要無くなり、必要な時に必要な水を出すことができます。また、旅にも持ち運びできるので、重い水桶を持ち歩くことがなくなりますので、冒険者や旅人も助かると思います」

 僕はデモを終える。父である公爵が言う。

 「おう、中々便利な魔道具だ。上手くすれば大層評判になるだろう。さて、私は何をすれば良いのだ?」

 「はい、この魔道具の生産と販売を助けて貰えないかと思っております」

 「生産はともかく販売は以前から委託している商人がいるのでは無いか?問題は出ないのか?」

 「はい、今回の魔道具は新しい物で、以前の物とは仕組みも違いますので、販路も異なります。博士からの了解はとっており、問題ありません。また、改善点もあり、公爵家の力が無いと生産も思う様になりません。ご協力をお願いします」

 「アルスの頼みだから無下には出来ないが、私は販売は素人だ。セバス、何か手立てがあるか?」

 「はい、以前、旦那様が不正を見逃してやったリマン商会というところがございます。旦那様のお名前を出し、協力を求めれば必ず役に立つでしょう。如何でしょうか?」

 「そうか、セバス。この件は其方そなたに一任する。アルス、セバスを頼れ。但し、公爵家の名を汚す事なき様、注意しなさい。また、入用なモノがあればそれもセバスに相談しなさい。後の者は何かあるか?無ければ食事をしよう」

 食事が始まった。

  

 食事が終わった後、ついてきたセバスと打ち合わせをする。そして、生産の変更点と魔石、魔道具の材料の調達をお願いし、魔道具の生産工房の立ち上げを話す。だが、僕は、魔道具製作に関しての量産の秘策があった。


 翌日、授業終了後、アーネスト博士の研究室に行く。公爵家の協力が得られ、工房と販売商会が出来た事を話す。そして、工房で魔道具量産に向けた秘策を説明した。

 博士はしばらく口を開けたまま、何も言えなかった。

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