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「ハーモーニーサウンド」 中盤脱落のクソボンボンだけど ロボットには乗りたいので知識チートします。  作者: sirosugi
アフタスペース296 リンガット13歳

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63 アフタスペース296 やっぱりこのヒロインにニーズは少なそう。1

 ちょっとだけロマンスな話?

 ビックオーシャンには逆さ水の宮殿と呼ばれる場所がある。実際には宮殿ではなく、水の循環設備なのだが、そこでは下から上へと昇っていく滝というこのコロニーならではの光景を見ることができ、その神秘的な光景が見える公園は観光名所にもなっている。水の流れを一望できる展望台は、ウッドデッキで、ベンチもあるだけのシンプルなものながら、普段はそれなりに賑わっているらしい。だが、幸運なことに、今日は他に客はいなかった。絶景を1人占めである。


「ほえー、まさに宇宙って感じだね。」

「疑問、どこら辺が宇宙?」

「地球ではありえない光景じゃないか。貴重だよね。」

「納得、微否定。今では地球の光景も見れない。滝そのものが貴重。」

「確かに。」

 

 ビックオーシャンを訪れたら必ず行くべし、そう言われているその場所に俺はメトルと共に訪れていた。スーザンや護衛もいるが、ゆっくり見たいので今は少し離れた場所で待機してもらっている。正直言えばメトルにも離れてもらいたいが、電子精霊は何者にも縛られないので致し方ない。


「いやーしかし絶景だね。無理して時間を作ったかいがあるよ。」

「意外。リンガットはロボットにしか興味がないと推測。」

「そんなことないよ。」


 気づけば、宙賊狩りから2日ほど経っていたた。そのほとんどは移動で、その間にドーリス夫人が用意しておいた誓約書を確認をし、宙賊狩りの後始末はビックオーシャンに丸投げ、もとい譲ったら仕事はなくなってしまった。ハウンドチームの活躍もあり、ハイフィッシュはほぼ壊滅し、残っているわずかな取り逃しの探索や遺留品の回収のみ、そんな些細な仕事によそ者な俺たちがでしゃばるのはかえって問題になるからだ。

 ともあれ、訪問の目的は達成できた。アーテムと乗員たちには帰還の準備を進めてもらい。手持ち無沙汰になった俺は、空き時間を利用してこの場所を訪れていた。お店とか工場は、色々とアレだから、受け入れる余裕はない感じだったよ。どうしてだろうねー。

 それに、ここは原作でもよく出ていた場所なので生で見ておきたかった。


「あら、リンガット卿?」

「・・・今度も誰かの差し金ですか?」

「そんなわけないでしょ。ここは私のお気に入りの場所なんです。」


 だから、ここで、テティスに会うことは完全に予想外だった。いや、まじで何でいるのこの人。


「リンガット卿こそ、なぜここに?」

「ビックオーシャンを訪ねたらなら、この光景を見るべきだと教えてもらったので。」

「なるほど。」


 悪い事をしていないので素直に答えるとテティスは納得した様子で俺の隣に腰かけた。ここで、彼女が俺に会い来たなんて、自惚れる気はない。仮にそうだとしたら、スーザンから連絡があったはずだ。


「いい景色ですね、ここ。」

「ええ、ここが一番よく見えるんです。」


 このベンチから見える光景は、彼女のお気に入りなのだ。それこそ、どんな先客がいてもこのベンチに座るぐらい気に入っている。原作では、節目節目でカナデなどの主人公組と言葉を交わし、絆を深めていた。ここでの会話がピンチを突破するきっかけになったりもした。

 とはいえ、このタイミングで遭遇するとは思わなかった。

 だいぶ落ち着いてきたとはいえ、ビックオーシャン内部の混乱は続いている。ドゥシュとその一味は、自宅待機という名の軟禁で外部との接触は禁止され、オーベンとフェイステル様は事態の収拾に大慌て、ドーリス夫人は治安維持や宙賊狩りの後始末に奔走している。テティスはそれぞれの連絡役として忙しくしていると報告はうけていたけど。


「誰だって休憩は必要なのよ。」

「何も言ってませんけど。」

「その目と顔で丸わかりよ。なんでいるんだよって態度を少しは隠したらどうなのよ。」

「息抜きって大事ですよねー。」

「誰の所為でこんなに忙しくなってると?」


 息抜きは否定されなかった。実際テティスの恰好もカジュアルなものだった。細く長い足にぴったりとくっつくスリムジーンズにゆったりとした長袖のシャツ、その上から着物のような上着を羽織っている。長い髪をアップでまとめているのでぱっと見は花のようにも見える。派手なようで、彼女の姿勢とスタイルがいいから華やかなながらどこか凛としている。原作でも見たことのあるプライベートのときの恰好だった。息抜きでここを訪れ、会いたくない相手を会ったのは彼女もらしい。

 どうでもいいがこの世界は子供の成長が早い、重力がないからか、それとも栄養学が発展しているからか分からない。13歳の俺も高校生とか大学生で通じるレベルの見た目だし、彼女に関してはオフィスとかバーにいても違和感がないだろう。自分で言うのもあれだが、美少年美少女というよりは、美男美女、なかなか絵になる光景だと思う。


「しかし、領主一家のお1人が護衛もなしに一人歩きというのはいかがでしょう。」

「この場所は観光地だしいざという時は避難所も兼ねているのよ。それにこの時間は人が少ないから、家よりも安全よ。」

「そうですか。ビックオーシャンは治安がいいんですね。」

「ええ、特に今日は、誰かさんのおかげで犯罪なんて馬鹿なことをする人もいないから。」


 そんな素敵な絵の中で交わされるのは皮肉の数々。お互いに滝を眺めているので目を合わせることもない。根本的にリンガットとテティスは馬が合わないらしい。

 さて、どうしたものか。


リンガット「気まずい。」

テティス「気まずい。」

 会話パートが長くなりそうなので、前後編に分けさせていただきました。

 果たして、どんな会話になるのか、次回をお楽しみ

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