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「ハーモーニーサウンド」 中盤脱落のクソボンボンだけど ロボットには乗りたいので知識チートします。  作者: sirosugi
アフタスペース294 リンガット11歳

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34 アフタスペース294 お坊ちゃんと舐められたので、それを利用させてもらいました。 

やと、13コロニーを紹介です。

 円筒型のコロニーの集合体であるビックツリーに対して、ギャラクシーは球体型コロニーで、見た目はデ〇スターだ。あるいは、ユ二〇ロン?

 赤銅色の外壁は、遠目に見ていると、地球から見上げる月を連想させる丸みだった。聞けば内部に小惑星を運び込んで、その資源を使って外壁を広げ、居住スペースを拡大しているんだとか。

 

「でっかいリンゴだな。」

『NO。あれはブラットオレンジだ。』


 カナデたちの素直な感想に僕は苦笑する。アレを見て、果物を連想するのは宇宙広しと言えどもビックツリー出身者ぐらいだろう。

 20日ほどの楽しくも騒がしい旅を終えた俺たちはついにギャラクシーを視界に捕らえ、今は小型船で入港の準備をしている。胡弓も入港はするのだが、その巨体ゆえに時間がかかるため、俺たちみたいな客人は自前の艦載機やコロニー側が迎えに寄こすシャトルなどで先行するのが一般的だ。


「リンガット様、あと20分ほどで入港ですので、シートの方でお待ちください。」

「はいはい。心配はしてないけど、安全運転でお願いね。」

「もちろんです、水も揺らさぬ快適さでお届けします。」


 小型船のパイロットはライスさん。先日の一件で気心が知れたという理由でご指名をさせてもらった。最初はアルさんにお願いする予定だったんだけど。


「万が一のトラブルがあったときに、船を動かせる人員をのせておくべきです。」

「そうなの?」

「ええ、スーザンやクォータも操縦はできますけど、いざって時にリンガット様を乗せてそのまま胡弓まで敵を振り切れる腕前の奴がいたら安心ですよ。」

「ふーん、つまり?」

「・・・ライス嬢なら任せられるかと。」


 なんと、そのアルさんからライスさんは推薦されたのだ。確かに俺たちと面識もあり腕前も披露している彼女なら適任であるが、まさかの彼から推薦に、みんながニヤニヤしてしまったよ。

 そんなわけで、先行メンバーは、交渉役として俺とスーザン、サンブラーの運用や現地での護衛として、アルさんにカナデとクオータさんノホ爺のスラムメンバーにライスさんだ。そこにメトルとカウントがしれっと加わり定員となった。ゴゲン艦長は護衛をつけてくれたけど、彼らは別の船で並走している。


「てかさ、今更だけど、リンガット様って偉い人なのに、こんな少数でいいのか?」

「ほんと今更だねカナデ。理由はブリーフィングの時に説明したじゃん。」

「肯定。メンバー選出は妥当。指摘。カナデは寝ていた。」

「そうだったねー。まあいいけど。」


 入港まですることもないので、僕は改めてカナデにギャラクシーの特異性を説明することにした。


「13あるコロニーには、それぞれ役割がある。それはわかるね。」

「おう。ちゃんと勉強したぞ。」


 地球への帰還を目的に環境改善の研究をしている「フリーダ」

 ESPをはじめとした人類の進化の可能性を追求、研究している「メンデル」

 造船とコロニー建材の生産をしている「ノア」

 太陽系外への宇宙への進出を目指す「アビス」

 医療研究の最先端で、義肢や欠損部位の再生治療すら可能な医療コロニー「リバイブ」 

 水資源の生産と海洋生物の保護を目的とした「ビックオーシャン」 

 貴重な林業と農業をおこなう「ビックツリー」

 各地の企業や組織の出資によって運営され、人と情報が集まる完全機械化コロニー「ギャラクシー」

 空気の浄化と宇宙船向けの圧縮空気生産販売をしている「ウイングス」

 機械化コロニーの初期モデルであり、再生可能エネルギーの研究をしている「フロンティア」

 地球生物の保護を目的に作られた自然特化型「マウンテン」

 自然循環型の初期モデルであり、300年の人類史が記録、保管されている「ガーデン」

 ハイパーレーンの監理とコロニー間の調整役である「ホープ」


 月軌道上に並んだ13のコロニーはそれぞれの役割と文化によって独立していて、その政治形態も様々だ。その性質上、君主制がほとんであるが、そんな中で、ギャラクシーは唯一、共和制というか寄合所的な管理がされているコロニーである。


「ギャラクシーには領主がいないんだ。」

「ああ、それはなんか覚えてる。たしか企業とか船乗りが縄張りを決めてるんだろ?」

「縄張りって、いや、間違ってはないけど。」


 ギャラクシーの運営形態を分かりやすく例えるならば仲卸の倉庫街だ。球形のコロニーは細かくエリア分けされ、それぞれに宇宙中から技術と情報を集められている。そして、それらの管理は持ち込んだ企業や組織がそれぞれ独自に行っている。

 また、機械化コロニーの最大の特徴として絶えず増改築が行われ、日々そのマップが更新されている。当然ながら増改築したエリアは出資した企業や組織に所有権が存在し、権力構造も複雑だ。

 そんな日々変化する場所の管理と運営をする場合、うちのようなトップダウン型だと限界があり、いつしかギャラクシーは相互不可侵と倫理遵守という大まかなルール以外は各地の所有者によって管理される寄合所的なコロニーとなってしまったのだ。


「そんなわけで、領主とか次期領主であっても客の1人って扱いになるんだよ。まあ、客としては大物だから歓迎はされるだろうけど、ホープのときみたいにコロニーをあげて歓迎なんてことはしないし、大勢で乗り込んだら迷惑に思われてしまうんだ。」

「うーんなるほど?」

「ようは、人数を送り込むと、それ相応にお金がかかるってこと。そんなムダ金は必要ないでしょ。」

「わかりやすい。流石だなリンガット様。」


 今回も俺の目的地も造船メーカーのショップがあるブロックで、他へ行く予定はない。そうでもなくても、今回は親善訪問ではなくプライベートな取引だ。当然、特別な歓迎なんてものはない。


『船体コードおよび、IDの認証が完了しました。ようこそギャラクシーへ。』

「リンガット様、入港手続きが完了しました。予定通りこのままショップへ向かいます。」


 入港から出国の手続きもすべてAI管理。徹底した住み分けによって生まれたのは、「来る者拒まず、去る者追わず」の特殊な形態。

 宇宙でもっとも自由で物騒な場所。ギャラクシーはそう呼ばれている。


「だから、こんなにごちゃごちゃしてるのか。」

「そうだね、だから勝手に探検とかいかないようにね。」

「はーい。」


 まあ、この手軽さとお忍び感がいいと思う人も多く、ギャラクシーは常に賑わっている。一方でドロップアウトした連中が流れついていたりもしているので治安に関しては自己責任。

 なんなら、クソダディーが逃げ込んで潜伏しているのもギャラクシーって噂だしね。


「カナデもそうですが、リンガット様もお気をつけください。入港してからはけして、一人にはならないようにお願いします。必ず私かメトルの傍にいてください。アル達ももちろんですが、単独では動かないように。」


 スーザンの注意に俺たちは素直にうなづく。もっともこんな物騒なコロニーで単独行動なんて無謀な事は絶対しないし、この船はそのままショップへと向かう予定だ。船からショップまでの直通なので、ドアからドアで、交渉の場にたどり着ける。

 まあ、それで安心というわけにはいかないんだけどね。


「これはこれは、噂に名高きビックツリーの次代様とお会いできる機会に恵まれるとは、商人として至上の喜びですな。」

「商人にとって至上の喜びは儲けじゃないの?」

「ふふふ、その通りです。ぜひとも互いに実りのあるビジネスが出来ればと願います」


 通された応接室、そこで待っていたのたは、ゆったりとしたスーツを着こんだ中年だった。ワックスでカチカチに固められた髪に人のよさそうな恵比寿顔、出っ張った腹と太い手足のわりに小柄な姿はいかにも商人といった風体であり、物理的な脅威は感じない。


「ブラヴール・ゲザウゼと申します、以後お見知りおきを、若きビックツリー。」

「リンガット・ビックツリーだ。まさか、経営一族の人が直々に交渉の席についてくれるとはありがたい限りだ。」


 だが、その見た目に騙されてはいけない。というか、なぜここにいるんだよって、台パンしたくなるような厄介な人物だ。


「いやはや、事前に送っていただいた資料を拝見したところ、経営陣一同大変感心しましてな。今後のことを考えるとそれなりの人間がでるのが礼儀という話になりましてな。」

「それで、4大メーカーの経営者の1人が直々に、これはずいぶんと高く評価されたもんだ。」

「ははは、私個人がリンガット様に興味があったのもあります。」


 このおっさんとは初対面だ。だが「ゲザウゼ」という姓は無視できない。

 この宇宙で造船メーカーで有名どころは4つあるが、その中でも貨物系の大型船を取り扱っているのが「ゲザウゼ」だ。前世日本人の感覚では、なんとも珍妙な名前であるが、創始者一族が代々経営をしており「ゲザウゼ」の性を名乗れるのは、経営に深く関わる人だけだ。

 思いがけない大物。いや、次期領主が相手なら当然なんだろうか?リンガット様は優秀だけど、こういった交渉事は勝手がわからない。


「さて、簡単なコンセプトは事前に送っていただけましたが、改めて。」

「そうだね、ここに映しても?」

「はい、もちろんです。」


 それでも、やることは変わらない。俺は、ブラヴールに断りをいれて交渉のテーブルにアーテムの立体映像を映し出す。


「ほう、これはまた変わった形の船ですな。」

「サンブラーを運用するための専用艦だからね。」


 あらかじめ大まかなコンセプトは伝えてあるが、ヨハン博士などの意見も取り入れた船の設計図を見せるのはこの場が初めてだ。アーテムの設計図や細かい情報は、今後の事業展開のキーとなる情報なので、こういった場所でなければ見せられない。当然ながらここでの会話には守秘義務を互いに約束してある。


「なるほど、我々に求められているのは、ジョイント部分の開発と生産ですかね。」

「そうだね、できるならば既存の船にちょっとした改造でジョイントを増設できるのが理想かな。あっ、これは0から造船予定だけど。」

「いやはや、これはなかなかの大仕事になりそうですな。」

 

 ブラヴールはそのわずかな情報からこちらの要望を理解した。いや面談のアポイントメントの段階でこれを想定していたのかもしれない。どちらにしろ、話が早くて助かる。


「われながら、面白い発想なんだけど、うちのコロニーでは大きな船を作る場所も技術も不足しているんだよね。技術者たちもジョイント部分に関しては自力生産は難しいって。」

「だからこその外注ですか。」

「そういうこと。今回を試作として、ゆくゆくは継続的な発注をお願いしたいと思っているよ。」

「それはありがたい話ですが。しかしながら、この形状に使用頻度、我々としても新たに開発する必要がありますので、それなりにコストがかかるかと。」

「そっか、そうなるよねー。」

「ええ、私どもとしては、前向きに検討していきたいと思っているのですが。」


 乗り気なようで、このおっさんは具体的なコストや料金については話していない。依頼に前向きなようで、難点をあげて値段を吊り上げようとしているのは明らかだ。

 

「そうか、おたくのところのFCシステムの技術を応用すれば行けると思ってたんだけど。」

「ほう、わが社の製品を高く評価してくれるようで。」

「まあ、あれは軍用だけど。だからこそ強度は充分じゃない?」


 俺だって準備なしではない。今日にいたるまであらゆる手段を模索していた。そのひとつがFCシステムだ。

 FCファイヤーチェンジシステムは、車のオプションのようなものだ。デブリや宙賊などが跋扈するこの世界で船に武装は必須、しかし、日進月歩でグレードアップしていく兵器を取り付けるために一々工場に持ち込むのは効率が悪い。そこで、多くの機器は企業ごとに共通規格のジョイントで、個人でも交換が可能なものを販売している。メーカーごとに多少の違いがあるが、似た用途なら簡単に交換ができるし、緊急時には遠隔でパージすることもできる。車でいうタイヤやバンパーのような感覚だ。


「しかしながら、リンガット様が想定されているサイズですと、従来品のように簡単には。」

「そっか、無理なのか。」

「いえいえ、そういうわけでは、ただそれなりにコストがかかることはご理解いただきたい。」


 FCシステムを引け合いに出されて、やや驚いた様子ながら、ブラヴールは余裕を崩さなかった。俺の知識が想定以上だったことには驚いたようだけど、前例のない注文であることは変わらないからだろう。俺が注文しようとしている物と比べれば、自転車とバスぐらい規模が違う。

 なにより僕の見た目を見て、まだ舐めている。夢見がちなお坊ちゃんからどれだけ搾り取れるか。そういう裏が透けて見えている。


「リンガット様は聡明なようですが、流石に造船には詳しくないようですな。餅は餅屋というのは旧時代のことわざですか。」

「うん、そうだね、だからこそ専門家の意見を聞くのが大事だ。」

「その通りです。お任せください。必ずご期待に応えみせます。」

 

 そんな探るようなやり取りのあと、提示された見積りは、想定の倍以上の金額だった。それでいて次期領主で、最近景気のいいビックツリーなら無理なく払える金額。こっちの懐事情はしっかりと推測されていると。

 前例のないオーダーメイドだ。今後のことを考えればその金額でも構わないんだけど。

 

「で、実際どうなの、ノホ爺。」  

「ぼったくりもいいところですな。この規模の依頼にこの金額なんて、メーカー側が無能と言われてもおかしくないですな。」

「はっ。」


 ほんと専門家の意見って大事だ。それも超一流のものとなれば価値は計り知れない。


「ははは、ブラヴールの小僧が出張ってくるとはな。それだけ坊ちゃんの考える船は魅力的だったか?」

「ノホさん?なんであんたが。」

「ははは、死にぞこなってな。今は坊ちゃんの元で働かせてもらっている。」


 今回、ゲザウゼへ依頼することに決めた理由には、求めるスペック的にこの企業が一番適任だったこともある。だが一番の理由にこちらに、そこ出身の優秀なメカニック、ノホ爺がいることだった。


「ははは、人が悪い。こちらの内情はご理解しておられるというわけですか。」

「そうでもないよ。ただ、設計にはノホ爺が監修してもらったから、自信作だ。」

「そうでしょうな、異様に完成度が高いのも納得です。」


 うんうん、突然の身内の登場に動揺している間に条件を押し通させてもらおう。

 

 ゲザウゼはドイツ語の音楽用語で「海や風がざわめく音」という意味です。船のメーカー名としてはあり?


 ギャラクシーの見た目はピンクの悪魔の願望機にするか迷いました。

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― 新着の感想 ―
そいつだとなんか別の狙いがありそうwww
その見た目だと漏れなく大爆発した挙句 欠片から厄介なマシン生み出すやん
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