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「ハーモーニーサウンド」 中盤脱落のクソボンボンだけど ロボットには乗りたいので知識チートします。  作者: sirosugi
アフタースペース290 リンガット 7歳

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EX1 アフタスペース299 スラムの青年

本編IF

円盤の特典とかにありそうな特典小説風なお話。

 人類が宇宙に移住を決意し最初のコロニーが作られ、およそ300年。

 いくつかの技術的な革新と深刻な環境破壊によって、人類は母なる地球を見限り、その繁栄の版図を広大な宇宙に求めるようになった。

 地球軌道上に造られた無数のコロニーは13の集団に分かれ、それぞれの風土と文化、技術をもって独立し、広いを宇宙を開拓した。今やコロニーの人口は100億を超え、かつての地球と同規模の社会体制が作られていた。

 それだけ技術も場所も進歩したというのに、この世界では、今だに貧富の差が存在する。毎日捨てるほどの食料を持て余す人々がいる一方で、今日食う飯にも困る人々がコロニーの片隅にくすぶっている。


 カナデという少年もその一人だ。


 コロニー外壁の整備員だった両親は、彼が幼い時に事故で亡くなった。しばらくは両親の残していた家と周囲の好意で生きてこれたが、頼る人間の居ない彼は気づけばスラムの片隅で寝泊まりするようになった。

 そんな孤児でも、拾った端末や周囲の同類から最低限の教育を受けることができ、ゴミ拾いや日雇いの仕事で食いつなぐことができる。そんな生活を続けて、気づけば10年、少年は青年へと成長し、それなりにたくましく生きていた。

 それもここ数年はそうも言ってられなくなってきた。


「よお、カナデ。調子はどうだ。」

「最悪だよ、いつも通り仕事もなければ、配給もない。」


 こそこそと裏通りを歩いていたら見知った顔と出会う。自分と同じく孤児で、お互いに景気の悪い顔をしており、そこに安心しつつ、ため息が漏れる。

 スラム。そう呼ばれているこの場所は、都市開発の失敗で放置された区画だ。限られた土地であるコロニーだが、人が生活する以上、どうしても場所によって使い勝手が悪かったり、インフラ整備が遅れたりする場所がある。そう言った場所は価値が下がり、人が寄り付かなくなる。コスパの関係で放置したほうがましと判断されたそれらの場所に、カナデのような家無しの人達が住み着くようになり、いつしかその場所は旧時代のスラングから、スラムと呼ばれるようになった。設備が不便でも、管理されたコロニーの環境下なら凍死することもないし、ゴミ拾いや清掃業など彼らにしかできない仕事もあった。また、定期的に生活支援の物資供給や炊き出しなども行われていた。

 しかし、最近はどこかから流れてきた不良や根なし草が増え、わずかな仕事は奪いあいになったし、働き手がふえたせいで、報酬を下げられたりただ働きにされたりすることも増えた。おまけに公的に行われていた物資供給や炊き出しも、停止され、彼らの生活は苦しくなる一方だった。


「先代のジジイが生きていた頃は、まだマシだったんだけどな。あのボンボンが領主になってからはゴミもクズも増えてまいるぜ。」


 やれやれといつもの言葉とため息をする男に、カナデは首をかしげる。彼からしたら、領主なんて、顔も知らないお偉いさんだった。それが代替わりし、新しい領主の意向で、余所のコロニーから人を招き入れたり、経費削減と言って物資供給や炊き出しを廃止したという話を数年前から聞かされているけど、彼からすると、この厳しい現状が現実なので、ピンとこない。


「そうだ、連絡通路の方には近づくなよ。最近また変な連中が増えた。」

「わかった。気を付けるよ。」


 勘のいいやつはそう言った連中とは関わらない。だが、飯のタネや住処は徐々に圧迫されている。このままでは遠からず干上がるか、危ない連中に頭を下げるしかなくなるだろう。


「あーあー、俺にもESPがあったらなー。」

「やめとけ、やめとけ、そんなもんがあったってめんどうになるだけだぞ。」

「そうかなー。でもESPがあったら優遇されるんだろ?」

「それは余所のコロニーの話だ。ここのコロニーでは、ボンボンに嫉妬されて余所に売られるって噂だぞ。」

「そうなのか?」

「そうそう先代が覚醒しなかったせいで、もともと嫌われていたけど、ボンボンも「解析」なんて平凡なESPだったせいで、ESP持ちは身分問わず冷遇されてるって話だ。」

「それはまた。」

「お偉いさんの考えることなんて、俺らと変わらないさ。メンツのためなら、他がどうなろうと関係ないんだよ。」


 自称情報通のこいつが言うなら確かなんだろう。結局、自分の身は自分でなんとかするしかないということだ。

 男の話に感謝しつつ、カナデの頭の中には今日の食い扶持をどうするかにシフトしていた。


 この世界に救いなんてものはない。ESPに覚醒するなんて、夢物語のそれだ。

 未来に希望がない。現実は過酷だ。そんなどん底の日々がまた続くのだろう。

 スラムに生きる他の人達と同様に、カナデはまだ現実を楽観していた。


現時点の改変

1 リンガットはグレておらず、ESPもめっちゃ活用しているので、コロニーの運営は安定している。

2 サイト40の問題が解決しているため、他のコロニーからの侵入がなく、テロの可能性は低い?

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