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神剣のセレスティア  作者: 玉響すばる


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第96話 界盾神の盾

 翌朝。


 邪神戦争記録所の空は、晴れていた。


 だが、完全な青ではなかった。


 封印地外縁の上空には、細い灰色の線が残っている。


 侵軍神バルガノスが退いた裂け目の跡。


 そこに、巨大な盾の影が重なっていた。


 遠い。


 しかし、見える。


 空の向こう側に、山脈のような盾がある。


 界盾神ガルディオン。


 攻めてくる気配はない。


 だが、そこにいる。


 異界と異界の狭間を塞ぎ、こちらから届く刃を防ぐために。


 セレスティアは、記録所の屋上でその影を見ていた。


 背には黒星。


 左腰には閃白。


 背には解白。


 懐には、ゴルドから渡された古い看板片がある。


 バカ姫、帰ってこい。


 ただの木片。


 だが、今のセレスティアには、神剣とは別の重さがあった。


 ルシェル・クラルテ・アルヴァレインが屋上へ上がってきた。


 その後ろには、ミレーヌ・エトワール・アルヴァレイン。


 さらに、ゴルド・ガルガンドとバルド・ガルガンドもいる。


 昨夜の疲労は、皆の顔に残っている。


 それでも、誰も止まらない。


 ルシェルが言った。


「姉上」


「はい」


「界盾神ガルディオンの盾について、観測結果が出ました」


「お願いします」


 ルシェルは記録板を開いた。


「盾は、単一の神具ではありません」


「はい」


「複数の世界片を重ねた構造です」


「世界片」


「はい。侵界神ヴァルゼオンが過去に融合、接収、または退けた世界の残骸が、盾の表層に組み込まれているようです」


 セレスティアは、空の向こうの盾を見た。


 たしかに、盾の表面は一色ではない。


 石のような部分。


 海のように揺れる部分。


 森の葉のような部分。


 星の破片のような部分。


 骨のような部分。


 それらが、巨大な盾の表面に縫い合わされている。


 まるで、奪われた世界の墓標を鎧にしているようだった。


 ミレーヌが小さく言った。


「ひどい」


 ルシェルは続ける。


「さらに、盾の内側には黒い鎖状の構造が見えます」


「黒い鎖」


「はい。異界側の神格拘束、あるいは世界拘束に近い反応です」


 解白が淡く光った。


『徴収痕』


 セレスティアは、解白を見る。


「徴収痕」


『はい』


「それは、何ですか」


『世界の一部を、上位存在へ引き渡した痕跡です』


 屋上の空気が凍った。


 ゴルドの眉が動く。


 ルシェルの筆が止まりかける。


 ミレーヌは、死者名簿の写しを抱きしめた。


 セレスティアは静かに問う。


「上位存在」


 その時、精霊流が揺れた。


 精霊王の声が届く。


「セレスティア」


「はい」


「ヴァルゼオンは、ただ世界の寿命に怯えた神ではない」


「はい」


「その世界は、何かに削られている」


「何か」


「我らにも、完全には名を呼べぬ存在だ」


 精霊王の声は重かった。


「世界泡の外側にいるもの」


「世界片を徴収するもの」


「神であっても抗いきれぬ上位存在」


「ヴァルゼオンは、それに縛られている」


 セレスティアは、空の盾を見た。


「ヴァルゼオンは、自分の世界の一部を献上している」


「そうだ」


「自分の世界を削られ続けている」


「そうだ」


「だから、他の世界を侵略し、融合し、その一部を献上して、自分の世界を延命させている」


「その可能性が高い」


 ゴルドが低く言った。


「世界の税取りか」


 精霊王は答えない。


 だが、その沈黙が肯定に近かった。


 バルドが眉を寄せる。


「つまり、ヴァルゼオンは、上位存在に勝てないため、別の世界を差し出している」


 ルシェルが記録する。


「自世界延命及び上位存在への献上のため、他世界融合を実行」


 ミレーヌが震える声で言った。


「それでも、この世界が差し出されていい理由にはなりません」


 セレスティアは頷いた。


「はい」


 ゴルドも言う。


「自分が勝てねぇ相手に払う分を、よその世界から盗むってことだろ」


「そうですね」


「なら、やっぱり駄目だ」


「はい」


 精霊王の声が続いた。


「だが、見誤るな」


「はい」


「ヴァルゼオンは、ただの略奪神ではない」


「はい」


「もとは、自らの世界を守る神だったはずだ」


「はい」


「上位存在に勝てず、自世界を削られ続けた」


「はい」


「守るために、奪う神になった」


 セレスティアは、静かに目を伏せた。


 奪われた神が、奪う神になる。


 百年前の邪神と同じ構図。


 そして、ヴァルゼオン自身もまた、さらに上位の存在に縛られている。


 被害と加害の連鎖。


 それが、世界を越えて続いている。


 セレスティアは、ゆっくり息を吐いた。


「だからこそ、ここで斬らなければなりません」


 ルシェルが顔を上げる。


「ヴァルゼオンを、ですか」


「いいえ」


 セレスティアは首を横に振った。


「まずは、この世界へ伸びた侵略の根です」


「はい」


「そして、もし可能なら」


「はい」


「ヴァルゼオンの世界を縛る鎖の一筋」


 ゴルドが、セレスティアを見た。


「届くのか」


「分かりません」


「分からねぇなら、無理すんな」


「はい」


「お前の仕事は、この世界を守ることだ」


「分かっています」


 ゴルドは、少しだけ目を細めた。


「他の世界まで背負うなよ」


 セレスティアは、静かに頷いた。


「背負いません」


「本当だな」


「はい」


「お前は、背負えると思うと背負う」


「……」


「黙るな」


 セレスティアは、少しだけ困った顔をした。


「努力します」


「努力じゃ足りねぇ」


 王妃エルフィリアの声が背後からした。


「約束なさい」


 全員が振り向く。


 王妃が、屋上へ上がってきていた。


 その手には、朝食の包みがある。


 アウレリウス王も後ろにいる。


 王妃は、セレスティアをまっすぐ見た。


「セレスティア」


「はい」


「あなたは、この世界へ伸びた侵略の根を斬るために行く」


「はい」


「ヴァルゼオンの世界を救済しに行くのではありません」


「はい」


「上位存在を討ちに行くのでもありません」


「はい」


「できることと、すべきことを混同してはなりません」


 セレスティアは、深く頷いた。


「承知しました」


 王が言った。


「剣神は、全てを救う神ではない」


「はい」


「必要な一点を斬る神だ」


「はい」


「ならば、斬る一点を見失うな」


「はい」


 セレスティアは、懐の看板片に触れた。


 バカ姫、帰ってこい。


 帰るための錨。


 背負いすぎないための錨でもあった。


 その日の午前。


 封印資料室で、界盾神ガルディオンの盾に関する詳細観測が始まった。


 封印資料室の中央には、観測水晶が置かれている。


 水晶には、灰色の裂け目の向こうにある盾の影が映し出されていた。


 ルシェル。


 ミレーヌ。


 セレスティア。


 ゴルド。


 バルド。


 精霊術師。


 水術師。


 竜の谷の使い。


 皆が、観測水晶を囲む。


 盾の表面に、世界片が見える。


 割れた大地。


 枯れた海。


 石化した森。


 名を失った都市の壁。


 白くなった碑文。


 燃えた星の欠片。


 そして、その一角に、奇妙な紋があった。


 薄い黒と白が絡み合う紋。


 百年前、邪神座跡から採取された白い薄片に似た文様。


 解白が淡く光った。


『一致反応あり』


 ルシェルの筆が止まる。


「何と一致」


『百年前の邪神座跡に残る異界擦過痕』


 部屋が静まった。


 セレスティアは、水晶の中の盾を見つめる。


 そこにある紋。


 かつて邪神が属していたかもしれない世界の痕。


 界盾神ガルディオンの盾に、それが組み込まれている。


 精霊王の声が響いた。


「これで、ほぼ確定だ」


 ミレーヌが小さく言う。


「邪神の世界は」


 ルシェルが続ける。


「侵界神ヴァルゼオンによって侵略、融合、または接収された」


 セレスティアは、静かに言った。


「そして、邪神は追放された」


「はい」


「世界を失い、この世界へ流れ着いた」


「はい」


「この世界を、自分の理想の世界に作り替えようとした」


「はい」


「わたくしが斬った」


「はい」


「ヴァルゼオンは、それを見ていた」


 解白が淡く告げる。


『可能性、高』


 セレスティアは、目を細めた。


「白い薄片は、残骸であると同時に、座標だったのですね」


『はい』


 ルシェルが記録する。


「邪神座跡異界擦過痕は、ヴァルゼオン側から見た座標痕として機能していた可能性あり」


 バルドが顔を上げる。


「つまり、百年間、記録所に保管されていたあの薄片が、この世界の位置を示していたと」


 精霊王が答える。


「封印されていたため、微弱だった」


「はい」


「だが、世界泡の境界が再び近づいた時、座標として反応した」


 ゴルドが低く唸った。


「厄介な置き土産だな」


 セレスティアは首を横に振った。


「ですが、保管しなければ、もっと危険でした」


 ルシェルが頷く。


「はい。破棄していれば、管理外で反応した可能性があります」


「記録所にあったから、反応を確認できた」


「その通りです」


 ミレーヌが死者名簿を抱いた。


「記録していたから、気づけた」


「はい」


 セレスティアは、水晶の中の盾を見た。


「ヴァルゼオンは、百年前からこの世界を見ていた」


 精霊王が静かに言う。


「正確には、邪神を通じてこの世界を知った」


「はい」


「邪神がこの世界を侵し」


「はい」


「この世界が邪神を退け」


「はい」


「現世神セレスティアが生まれた」


「はい」


「ヴァルゼオンは、それを見た」


「はい」


「この世界には、強い世界核がある」


「はい」


「古神が根づいている」


「はい」


「死者の名を守る記録がある」


「はい」


「そして、異界神を斬る刃がある」


 セレスティアは、静かに答えた。


「だから、欲した」


「そうだ」


「強い世界ほど、献上物として価値がある」


「ヴァルゼオンにとってはな」


 その言葉に、部屋の空気が重くなった。


 この世界の強さが、狙われる理由になった。


 邪神を斬ったことが、ヴァルゼオンの視線を呼んだ。


 死者名簿を守ったことが、世界核の強さを示した。


 だが、それは間違いではない。


 この世界が抵抗したから、今もここにある。


 セレスティアは、静かに言った。


「ならば、今度も抵抗します」


 ゴルドが鼻を鳴らす。


「当たり前だ」


 ルシェルが記録した。


 ヴァルゼオンがこの世界に目をつけた理由。


 一、百年前、被侵略神であった邪神がこの世界へ流れ着いたこと。


 二、その邪神がこの世界を侵略しようとしたこと。


 三、この世界が邪神を退けたこと。


 四、剣神セレスティアが邪神を斬ったこと。


 五、邪神座跡に残った異界擦過痕が座標痕として機能した可能性。


 六、この世界の世界核、古神、死者名簿、記録所の存在が、強い融合素材として観測された可能性。


 ルシェルは、最後に一文を書き加えた。


 この世界は、融合素材ではない。


 セレスティアは、それを見て頷いた。


「はい」


 観測水晶の中で、界盾神ガルディオンの盾がゆっくり動いた。


 まるで、こちらの観測に気づいたように。


 盾の表面に、無数の世界片が浮かび上がる。


 その中に、邪神の世界の紋もある。


 そして、黒い鎖が盾の裏側へ伸びている。


 その鎖は、さらに奥へ。


 ヴァルゼオンの世界へ。


 さらにその外へ。


 名も分からない上位存在へ。


 解白が淡く告げる。


『盾の機能、三層』


 セレスティアが問う。


「言いなさい」


『一、異界側への侵入遮断』


「はい」


『二、ヴァルゼオン世界の徴収痕隠蔽』


「はい」


『三、上位存在への献上路防護』


 部屋の空気がさらに重くなる。


 ゴルドが言った。


「盾ってのは、守るもんだ」


「はい」


「だが、こいつは何を守ってる」


 セレスティアは、観測水晶を見た。


「ヴァルゼオンの世界」


「はい」


「徴収される構造」


「はい」


「献上路」


「はい」


「そして、この世界へ伸びた侵略の根」


『はい』


 ゴルドは吐き捨てた。


「ろくでもねぇ盾だ」


 バルドが静かに言う。


「父上、盾そのものに罪があるというより、守っている対象が歪んでいます」


「同じだ」


「少し違います」


「面倒だな」


「大事です」


 セレスティアは、二人のやり取りを聞いて少しだけ微笑んだ。


 だが、すぐに表情を戻す。


「盾を壊せば、ヴァルゼオンの世界に影響しますか」


 解白が答える。


『全面破壊すれば、影響大』


「では、全面破壊はしません」


『推奨。侵略経路と、この世界への遮断部のみ切断』


「つまり、盾を壊すのではなく、こちらへ伸びる防壁の結び目を斬る」


『その通りです』


 精霊王が言う。


「それが、お前らしい」


「はい」


「ガルディオンを滅ぼす必要はない」


「はい」


「だが、この世界へ伸びた侵略根を守る盾の働きは斬れ」


「承知しました」


 ミレーヌが不安そうに言った。


「お姉様、異界と異界の狭間へ行くのですか」


「はい」


「一人で」


「神は群れません」


「でも」


 セレスティアは、ミレーヌを見た。


「一人で行きます」


「……はい」


「ですが、一人で帰る場所を失うわけではありません」


 セレスティアは懐の看板片に触れた。


「親方の看板があります」


 ゴルドが鼻を鳴らす。


「足りねぇなら、もっと書くぞ」


「大丈夫です」


 王妃エルフィリアが静かに言った。


「食事包みも持ちなさい」


「お母様」


「異界と異界の狭間でも、食べられるものを用意します」


 バルドが真面目に言う。


「保存食第百七十三改良版を使用しましょう」


「今ですか」


「はい。神域会議用より、さらに噛み切りやすく、しかし保存性を落とさない仕様です」


 ゴルドが頷いた。


「持ってけ」


 ルシェルも言う。


「死者名簿の短縮写しを用意します」


 ミレーヌが続けた。


「私が読み上げた声を、記録水晶に入れます」


 セレスティアは、皆を見た。


「それでは、荷物が増えます」


 ゴルドが言った。


「文句言うな」


 王妃も言った。


「必要です」


 ルシェルも言った。


「現世との錨です」


 ミレーヌも言った。


「帰ってくるためです」


 セレスティアは、静かに目を伏せた。


「分かりました」


 その日の午後。


 邪神戦争記録所の中庭に、新しい作業台が並んだ。


 逆斬攻準備。


 そう書かれた札が置かれている。


 神事ではない。


 祭礼でもない。


 準備である。


 ゴルド工房は、携行用の小型封印箱と、看板片を収める革袋を作った。


 バルドは、保存食を包む耐湿布を調整した。


 ルシェルは、死者名簿短縮写しと、侵界神ヴァルゼオン関連記録の要約を用意した。


 ミレーヌは、記録水晶へ声を入れた。


「氏名未判明」


「探索継続対象」


「忘却せず」


「お姉様、帰ってきてください」


 最後の一文で、セレスティアは少しだけ動きを止めた。


「ミレーヌ」


「必要です」


「記録水晶に」


「はい」


「私的な言葉では」


「現世との錨です」


 ルシェルが頷いた。


「記録分類としては、帰還誘導音声です」


「その分類は」


「今作りました」


 ゴルドが笑った。


「いい分類だ」


 王妃エルフィリアは、食事包みを整えていた。


 包みの中には、保存食。


 乾燥果実。


 塩を控えた豆粉菓子。


 小さな水精霊瓶。


 食事というより、帰還用の錨だった。


 王妃は言った。


「味が分からなくなったら、すぐ戻りなさい」


「はい」


「硬さが分からなくなっても、戻りなさい」


「はい」


「自分が誰の娘か、一瞬でも遠くなったら、戻りなさい」


 セレスティアは、母を見た。


「はい」


「あなたは剣神です」


「はい」


「ですが、私の娘でもあります」


 セレスティアは、少しだけ目を伏せた。


「はい、お母様」


 夕方。


 観測水晶の中で、界盾神ガルディオンの盾がさらに鮮明になった。


 盾は、こちらへ攻めては来ない。


 ただ、閉じている。


 その奥へ行かせないために。


 その防御は、侵略を守るための防御だった。


 セレスティアは、三振りの神剣を確認した。


 黒星。


 閃白。


 解白。


 そして、懐の看板片。


 腰の革袋には、保存食。


 小さな記録水晶。


 死者名簿短縮写し。


 それらを持つ剣神など、他の世界にいるのだろうか。


 いないかもしれない。


 だが、それでよい。


 剣神セレスティアは、この世界の現世神である。


 この世界の食卓と、記録と、看板と、死者名簿を持って行く。


 夜。


 セレスティアは、記録所の石碑の前に立った。


 祈る前に、記録を読め。


 生者は、死者を利用せず、死者から学ぶべし。


 その横の補助掲示。


 拝むな。


 読め。


 覚えろ。


 飯を食え。


 さらに新しい掲示。


 この世界は、融合素材ではない。


 ゴルドが、太い字で書いたものだった。


 セレスティアは、その文字を見て静かに頷いた。


「はい」


 背後からゴルドが言った。


「明日か」


「はい」


「盾を見に行くのか」


「斬るべき結び目を見に行きます」


「無理なら帰れ」


「はい」


「斬ったら帰れ」


「はい」


「迷ったら」


「はい」


「看板を読め」


 セレスティアは、少しだけ笑った。


「分かりました」


 ゴルドは、珍しくそれ以上言わなかった。


 ただ、セレスティアの背を見る。


 百年前。


 前世のセレスティアへ、帰ってこいと言った。


 その者は帰らなかった。


 だが、今のセレスティアは帰ってきた。


 何度も。


 食卓へ。


 工房へ。


 記録所へ。


 だから今回も、帰る。


 ゴルドは、低く言った。


「バカ姫」


「はい」


「帰ってこい」


 セレスティアは振り返らずに答えた。


「はい」


 夜空の向こうで、界盾神ガルディオンの盾が静かに光っていた。


 その奥に、侵界神ヴァルゼオンの世界がある。


 さらに奥に、名も分からない上位存在の徴収痕がある。


 だが、今斬るべきものは決まっている。


 この世界へ伸びた侵略の根。


 その根を守る盾の結び目。


 セレスティアは、静かに目を閉じた。


 神は群れない。


 神は祈らない。


 神は支配しない。


 剣神は、必要な一点だけを斬る。


 そして。


 帰る。


 この世界へ。

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