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毒・毒・毒!!  作者: マネージャー
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攻撃は禁じられてるようです

「この場所から強制クエストが開始されるなら、ある程度の展開は予想出来るか」



 黒鉄さんのLVからして、幾つものクエストを経験してるから、似たような事があったのかもしれない。



「それはどういう……」



 俺が黒鉄さんに聞くよりも先に、クエストの開始を知らせるように、俺達のいる部屋の窓が割れる音が響き渡ってきた。



「お前達が持っている地図を渡して貰おうか!!」



「あんな奴を人質にしなくても、奪い取ればいいんだよ」



 野盗の襲撃!? 地図を持って来るよう命令しておきながら、刺客を差し向けるのかよ。



「襲撃、誰かが訪ねてくる、外で騒がしい声がする、部屋から始まるクエストはこんな物だ」



 黒鉄さんは落ち着いて説明してるけど、野盗が襲ってきてる状態なんだよね? 目が回復してないし、黒鉄さんに担がれたままでいいのか?



「おいおいおいおい!! 最初からLV10の野盗の登場だぞ。これから敵も増えて、LVも上がっていくとすればきつくないか……」



 ルパンも野盗の襲撃を予想してなかったみたいで、声からして慌ててるみたいだ。推奨LV15だから、これから敵が押し寄せてくる感じなのか?



「ここは黒鉄の実力を見せてもらおうか。軽く蹴散らしてやってくれ!!」



 黒鉄さん任せなのか!? ルパソから攻撃してないだろ。



「……無理だな」



 黒鉄さんはルパソの頼みを拒否。壁役、囮はしてくれると言ったけど、攻撃はしてくれない? それとも、ルパソが何もしないからか?



「ええっ!? こっちはヤク中が動けない状態なんだから、手伝う場面だろ。何のための協力……反撃もしないのかよ」



 金属と金属がぶつかるような音が至近距離で聞こえてきた。ルパソが『反撃もしないのかよ』という言葉に、黒鉄さんが野盗に攻撃を受けたんだろう。



「そういうわけじゃない。ここは逃げるのが正解だ。敵を倒すのはお前と……ポイも頼めるか」



「任せて。物を貰ったお礼ぐらいは出来るんだから」



「……彼女だけに任せるわけにはいかないだろ。アンタは力を温存するためか?」



 黒鉄さんは俺を抱えて、移動を始める。ルパソはポイが協力する事で渋々、野盗相手に牽制してるみたいだけど……何かおかしいというか、違和感があるというか……



「あっ!! 黒鉄さんが移動してるのがおかしいんだな」



「はっ? 移動するのは当たり前だろ。逃げると言い出したのは黒鉄なんだから」



 黒鉄さんより先にルパソが答えてきたけど、野盗はどうしたんだ?



「野盗は私が攻撃したら、逃げて行ったよ」



 逃げたという事は……仲間を呼びに行った? まずはこの街から脱出する事から始めるわけか。



「正門から脱出するよりも、彼が言っていた下水道から行くのが正解だな。ヤク中は地図を開いてくれ。私の【カント】の【MAP】と照らし合わせる」



 ウルは野盗達が下水道の存在を知らないと言ってたし、地図も欲しがっていたから、そこから逃げるのは正解かも。



「おい!! 答えがまだなんだけど? 黒鉄が移動するのが何でおかしいんだ!?」



 ルパソは俺の台詞が気になってるみたいだ。そういえば、黒鉄さんがオンリーワンの職業【要塞】だという事を教えてなかった。



「黒鉄さんは戦闘中、一歩も動けない職業なんだよ。逃げるという行動自体がおかしいだろ?」



【要塞】は攻撃力も高いだろうけど、防御は鉄壁に近い職業。その代わり、戦闘中では一歩も動けないというデメリットがある。つまり、逃げる事が出来ない事も意味してるんだと思う。それが野盗の戦闘中なのに移動出来たのがおかしいわけだ。



「そんな職業……黒鉄もオンリーワン職業なのか!?」



「あの時は攻撃を禁じられていたからな。二人以外攻撃出来ないとも思ったが、足が動いた時点で逃げる選択なのが分かった。少し新鮮な気分だ」



 つまり、逃げる展開のせいで黒鉄さんのデメリットが反転してしまったというわけだ。足が動く分、攻撃する事は出来ない。黒鉄さんはそれを少し喜んでるみたいけど……

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