集合時間だ。全員集合
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「お前……先にクエストを進んで失敗したのか!! こんな恐ろしい敵に待ち伏せされるなんて」
午前0時。ルパンと【カント】の宿屋で集合する時間。そこには黒の装備に包まれた人物が、ルパソを待ち構えていた。勿論、そのプレイヤーは黒鉄さんだ。それも俺を肩に担いだ形なもんだから、ルパソが勘違いしてもおかしくないんだけど……
「……こんな馬鹿と一緒に行動しないと駄目なのか」
黒鉄さんはルパソの発言に呆れたような声を出している。ルパソが黒鉄さんに驚いて、変な行動をしたのかもしれない。
「この人はプレイヤーだし、協力して貰う事になったから。勿論、ルパソの報酬が減る事もないし。俺が担がれてるのも、毒が関係してるだけ。それも三十分ぐらいで取り込み完了するから大丈夫」
俺が黒鉄さんの肩に乗っているのは、【グリーンスライム】の【暗闇毒】のせいだ。黒鉄さんと協力して貰う事になって、まずはスライムの絵が描かれてる場所に向かった。そこは案の定、【グリーンスライム】が多くいる場所で、行けるのは一回きり。そこで【グリーンスライム】の毒を大量に受け、取り込みが始まった。
ルパソが毒になった時と同じ、目が見えない状態になるだけで、HPが減る事は無かった。それを連続で受けてる内に、取り込みの時間が短縮されていき、三時間で完了。LVも8→11になり、LV7→8の時も含めるとPPが+10も入った。それを
HP24→26 MP4→6 力2→4 耐久6→8 敏捷4→6
と今回は重要なクエストだから均等に割り振ってみた……じゃなくて、【暗闇毒】のせいでまともに進む事も出来なくなったのが原因。時間が勿体ないと黒鉄さんが強制的に運んでくれたわけだ。
なので、黒鉄さんとルパソがどんな行動を取ったのか分からないし、ポイがどうしてるのかも全然。ポイが【グリーンスライム】に噛り付いたところまでは見えていたけど……
「全然大丈夫そうには見えないが……このいかつい男は仲間で問題ないと」
「私はいかつい男なのではなく、女なのだがな。声で分からなかったのか?」
黒鉄さんの装備は職業【要塞】の名の通り、重装備に身を包んでいるから男性と思うだろうが、女性なのだ。声も一言しかいってないから判断するのは難しいんだけど……二人の相性は悪いかも。
「そ、それはスマン。一緒に行動するなら、フレンドやパーティーに入るのか? 俺の名前はルパソ……アンタの名前は」
「プレイヤーの表示された名前を見れば分かる。私はヤク中とフレンドになり、パーティーを組むだけで十分。お前とフレンドになるつもりはないし、ヤク中とパーティーを組むなら勝手にしろ」
そういえば、俺も黒鉄さんと最初に会った時はこんな態度だった。アカツキさんやウルが関係してなかったら、この状態が続いたかもしれない。
「えっと……黒鉄さんはこんな言い方をするけど、悪い人じゃないから。誰に対しても態度は同じというか……」
ルパソが凹んでいるか、怒っているか押し黙った状態なので、フォローを入れてみる。
「目が見えない状態だから、買い物も助けてくれたんですよ。預かり所にあった道具もくれたり、ルパソに渡す道具だって」
これは本当の事だ。【カントの秘密地下通路】で集めた素材を売って、【薬草(食用)】、【薬草(貼用】、【ビリビリ玉】……【ビリビリ玉】は俺の毒取り込み用じゃなく、道具を全ロスしたルパソ用。こういうのが無いと心許ないというか……
他にもポイの装備を見繕ってもらったり、預かり所で道具をくれたり……毒の素材はまだ何も分かってない。流石に今からだと毒の取り込みは間に合わないと思ったから、インベントリに入れたまま。ポイが俺の目が見えないのを良い事に、食べてる可能性もあるよな……
「いや……ヤク中をここまで運んで来てくれた時点で良い奴なのは分かってる。ただ……黒鉄のこういう態度の方が格好良いというか、目立つというか……ヤク中はどう思う?」
ルパソを心配するだけ馬鹿だという事が分かった。黒鉄さんも小さな声で『アカツキ以上に馬鹿な奴がいるとは……』と言ったくらいだ。
ちなみにアカツキさんはどうしたのか? 黒鉄さん曰く、自称相方ながらも神出鬼没。ログイン時間もランダム。今はログアウト状態なのは、フレンドになった俺にも分かる事なんだけど……
「それで……強制クエストだと聞いたが? お前達が二人揃ったのに始まる様子がないぞ」
黒鉄さんには俺達のクエストについて話してるから、強制的に進行する事も知っている。
「ヤク中が目が見えないから仕方ないか。二人揃ったところで突如開始じゃなく、準備時間を用意してくれたみたいだ。残り一分を切ったぐらいだぞ」
それを先に言え!! ……って、目が見えない状態と言うのが遅かった俺が悪いのか。ルパンに道具を渡せてない状態で始まってしまうぞ。




