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毒・毒・毒!!  作者: マネージャー
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このタイミングで専用イベですか!!

「おおっ!! 凄いな……遠くからでも城が見えるぞ。海外にある城もあんな感じなのか。乃木さんはそっち方面に行かないかな」



【カント】の城は日本の城というより、西洋風? ファンタジーの世界でお馴染みと言えばいいのか、そんな城が遠くからでも分かる。というのも、開けた景色。草原地帯になってるからだな。それに【イチバン】がある山を含めると、三つの山に囲まれた場所にある。【ガルダイン】がいるとすれば、残りのどちらかの山のような気がするけど……



「敵は……いつも通り、他のプレイヤー達が倒してくれてるわけなんだけど、あの敵を見るとある意味安心するな。毒とは無関係だと思うし、今も未来も戦うつもりはないな」



 橋を通り抜けて、【カント】までに見た敵は【スライム】と【ゴブリン】とゲーム、ファンタジーでは定番の魔物で、主に序盤で登場する。これなくてして、魔物は語れないと俺は思ってるので、【ガナガナ蛇】や【モリノコ】と遭遇した時以上の喜びがある……あるけど、毒持ちじゃないから、見れただけで満足。他のプレイヤー達のEXPに消化されていく。



「他は……あれはNPCじゃないよな?」



【スライム】LV3、【ゴブリン】LV6が周辺を移動してる中で、人の姿があった。プレイヤーというわけじゃなく、【野盗】LV10と表示され、同じ姿の【野盗】が少ないながらも歩いている。流石に声を掛ける事はしないぞ。



「カントにあるクエストの一つでも関係してるのかもな」



【野盗】達は自分達よりも強いと分かっているのか、プレイヤー達から遠ざかるように動いているような……俺の場合は【野盗】よりもLVが低いし、攻撃してきそう……なのは置いといて、城近くにいる【野盗】はクエストっぽい。街にあるクエストの一つとか、職業【盗賊】専用のクエストだったり……



「流石に『お宝の匂いがする』みたいな感じで、俺の存在に気付く事はないだろうけど、用心に越した事はないよな」



【ウルフ(森)】は臭いで姿がバレたし、【空気のような存在】は絶対に見つからないわけじゃない。【先制攻撃率80%】だから、二割は見つかる可能性もあるわけだし、ポイが余計な事をする事だって……今回は大人しいな。【野盗】も毒を所持してないって事かも。




「何か人が集まってるよ。面倒だから、私は先に行くね」



【カント】入口前。城壁と大きな扉がある。城は街よりも少し高い場所にあって、中に別の城壁も遠くから見えたから、二十構造の形だ。街を繋ぐ開かれた門に人だかりが出来ている。



「あれは門番じゃなくて……プレイヤー達か? 揉めてるようにも見えないけど」



 近付いてみると、俺以外の【カント】を訪れたプレイヤーに、複数のメンバーが【ガルダイン】の事を聞いてる。これは……参加したいプレイヤー達のアピール合戦か!? それともパーティーやチームに引き入れるために待ち構えている!? 



「アカツキさんが見つけるのは難しいとコメントしたから、入口前から……こんな事する人達と一緒なのはちょっと……嫌だよな」



 ポイはプレイヤー達の集団を一切無視して、突っ切っていく。その姿はティッシュやチラシを渡そうとしてくる人達を無視するかの如く。子供が走り去るような素振りもあるから、誰も止めやしない。


「俺も早く追いかけないとだな」



 多分、誰にも気付かれないはず。このプレイヤー達の検問の方が俺よりもずっと目立ってるから。それに仲間達と和気あいあいになってるのもいれば、互いに牽制してるプレイヤーもいる。注意散漫になってるわけだ。



「…………よし!!」



 検問突破成功!! ポイが先に通り過ぎたのも功を奏した。会話の中にポイの話題も出ていたからな。



「人の多さもそうだけど、流石に【イチバン】とは全然違うな」



 広い。【イチバン】の建物は木が多かったけど、【カント】は全てが石造りで、地面も舗装されている。街の大きさを表してるように、入口を過ぎた辺りに街の案内図が建てられている。



「中央の道を真っ直ぐ行けば、城。露店もそこに並んでて……左右で住宅街と商店街に分かれてる感じか?」



 露店だけじゃなく、商店街も存在する。【イチバン】では酒場だったけど、【カント】ではギルドになっている。案内図を見ても、ギルドの建物の大きさは他とは明らかに違っている。



「ギルドは大きいよな……他の店の何倍だ? 門以上にプレイヤー達が待ち構えてそうだし」



 クエスト依頼を確認したり、受託するのはギルドで行われるわけで、普通にプレイヤー達の溜まり場になっている。それに加えて【ガルダイン討伐】だ。ギルドの店員は【空気のような存在】が通用しないだろうから、危険な場所でもある。



「預かり所もあるみたいだけど……まずは王様に会って、手紙を渡すのを優先だな。それで勝手にクエスト進行するのが一番なんだけど……」



【空気のような存在】があっても、警戒しながら【カント】の街を歩くのはしんどいぞ。ギルドで【ガルダイン討伐】以外のクエストも確認したいし。



「あれ? ポイは……」



 ポイは中央、左右に分岐を示す噴水前で待ってくれていたけど、俺の姿を見つけるなり、中央の道を進んでいく。確かに中央の道に行くつもりだったけど、声に出した覚えはないぞ。



「そんなに先に行くなよ。人混みも多くなるだろうから、迷子になるぞ」



 俺も油断してたら、人とぶつかるかも。そうすると【空気のような存在】は解除され、その人には見えてしまうからな……っと、言ったそばから……



「ごめんね」



 と、ポイよりも少し大きいぐらいの子供?とぶつかり、俺の姿を気にする事なく、走り去ってしまう。深く帽子を被っていたから、性別は分からない。けど、明らかに俺を狙って、ぶつかってきたような……



「おい!! 待て」



 俺がその子供に言ったわけじゃなく、誰かが俺に言ったわけでもない。NPCの兵士達があの子供を追いかけいるようだ。



「これはイベント、クエストのフラグが立ったのでは……」



【子供の正体は】……ヤク中は自身の素性を知るため、【カント】の街にたどり着いた。そこで兵士に追われる子供とぶつかる。道具を盗まれている事に気付き、その子供を捜す事になるのだが……



「これって……毒専用のクエストと表示されてる。ちゃんと話を進めるつもりはあるんだな。あの子供が実は俺と一緒で半魔って展開……道具を盗まれる!? まさか……」



 インベントリの中が空になってる。【形見の槍】だけじゃなく、手紙も一緒に盗まれてるぞ!!

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