隠しダンジョンが見つかったようです
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「同じ場所の行き来を繰り返してるよな。一瞬で戻る方法はないもんかな」
爺さんを残して、【イチバン】の街へ逆戻り。その時には敵を引き寄せるプレイヤーはいなくなってたから、【空気のような存在】を利用しての敵への不意討ち、【薬草】を入手等に力を注ぎながら。一瞬で街に戻りたい気持ちはあるけど、所持金Gがすっからかん状態。素材を集めて、売るしか方法がない。前回は爺さん飲みかけの【薬酒】を貰っただけで、酒場でタダでくれるわけもないだろうし……
「消える?」
俺の独り言にポイが返答する。俺の真似をするように、【薬草】を摘んでくれている。しかも、俺のインベントリに入らないから、所持数枠が増えたた言っても過言ではないかも。
「消える? ……ああっ!! そんな事は出来るだけしたくない」
ポイが言ってるのは死に戻りだ。ポイから見れば、死んだというよりも姿を消しただけ。しかも、街に戻ってるわけだから瞬間移動したと思うのも仕方がないよな。
「そろそろ深夜か……」
【求】は昼にやろうとしてるぐらいで、現実の方では深夜帯に入る。再開して時間はそれほどだけど、睡眠を取って万全な状態で挑むのもありだ。
「ん……街。入らない。多い。ここで。待つ」
【イチバン】の街に到着したのはいいけど、ポイが中に入ろうとしない。多い……というのは、プレイヤー達の事か? 無理矢理連れていくのも申し訳ないか。死んだ時や、一人で外に出た時も、ポイは俺を見つける事が出来たんだから大丈夫だろう。
「まずは道具屋で素材を売らないと……って、マジか」
【イチバン】の中を進んでいくと分かるんだけど、プレイヤーの数が倍以上に増えてる。勿論、新規プレイヤーよりもベテランのような雰囲気を持つ冒険者も。
「おっ……戻ってきたのかい? 【原初の森】が行けるようになって、この活気よ。冒険者達が品物を売ってくれるから、新作も増える予定だよ」
道具屋は俺に気付き、声をかけてきた。道具屋の置かれてる物が増えてるのは確かで、プレイヤー達が売ってきた商品かもしれない。今も近くにプレイヤーはいるんだけど、道具屋の事を不思議そうに見ている。俺が相手には見えてないようだから、独り言を呟いてるとしか思えないだろう。
「そんな良い時で悪いんだけど……これを買い取って欲しいんだけど」
【毒消し草】、【ガナの蛇皮】、【獣肉(生)】と【イチバン】周辺で手に入る素材なだけに目新しさが全然ない。
「気にする事ないぞ。それも需要があるからな」
道具屋は嫌な顔一つせずに受け取ってくれた。
0→150G
【ガナの蛇皮】と【獣肉(生)】が高くついたのかも。これだけあれば【薬酒】は買えるだろう……買えるはず。一杯分じゃなく、樽や瓶なら分からないけど……
「いらっしゃいませ!! 立ち飲みでよかったら、どうぞ」
酒場の中は満席。それもNPCじゃなく、プレイヤー達で埋まっている。昨日、今日の寂れ具合が嘘みたいだ。女店員姉妹、マスターと全員がせっせと働いている
「うおっ……凄いな。俺の存在が本当に薄れるぐらいだぞ」
【空気のような存在】で周囲に発見されないでいるけど、般若の仮面に着物姿、海パン一丁、着ぐるみ、プレイヤー達の姿にガスマスクだけでは全然目立てないと実感する。
「けど、何でこんなにプレイヤー達がいるんだ? 新しいクエストはないと言われたんだけど」
掲示板にも新しいクエストは貼られてない。
「原初の森という場所でダンジョンが発見されたんですよ。そこを攻略するために集まってきてるの。人数制限や様々なギミックがあるみたいで、その攻略の会話をしてるんですよ」
女店員姉が酒を運びながらも、俺の何気ない一言に答えてくれた。
「新しいダンジョン? 俺が調べた時はそんなのはなかったんだけど」
俺が住んでいるだろう小屋すらも見つからなかったのに、他のプレイヤー達は凄いな。
「あのダンジョンの制限は五人までか。職業の構成は必要かも」
「LV制限もあるよな。初心者は絶対入れないし」
「一度失敗すると、その日は入れなくなるみたいだ」
「一階から毒だらけのダンジョンだろ。道具だと限界あるから、回復職は絶対必要だな」
と酒場は情報交換の溜まり場とかしている。クエストを受けるプレイヤーはなくても、酒が売れてるようなので違った意味で、マスター達も忙しいんだろうな。




