表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
79/93

賢者side:手紙(2)

 ミーナから手紙をもらった翌々日、新たな手紙が届いた。

 前回とは封筒と便箋の色が異なり、見覚えのない淡い緑色のものだ。海王殿からいただいたのだろうか?



『賢者様へ


 お元気ですか?研究の方はいかがでしょうか?

 私の体調もだいぶよくなってきましたが、まだ移動は念のため車椅子を使っています。

 私の世話をしてくれている海の民の女性とも仲良くなりました。海王様のお屋敷に勤めている海の民の方々は女性が多く、とてもきれいな方ばかりです。

 海の民について話してくださることもあります。知らなかったことばかりで驚きの連続です。手紙では書ききれないので、戻ったらお話しますね。

 海王様のお屋敷は常に移動しているそうで、今は見渡す限り陸地が見えなくて、どこにいるのかさっぱりわかりません。建物の下部は海の中で、私が寝泊りしている部屋の窓の外ではお魚が泳いでいます。そうそう、図鑑でしか見たことのなかったイルカも来てくれたんですよ!賢者様にも見せてあげたかったです。

 またお手紙を書きますね。


ミーナより』



 どうやら海王殿の屋敷というのは普通の建物ではないらしい。かなり気になるが、まずはミーナが無事でさえあればそれでいい。

 研究の方は、魔道具工房の親方殿や弟子の皆さんと毎日のように議論したり実験したりしているが、今日は城下町の魔道具店を案内してもらった。これが人間界にもあったら便利そうだと思うものをいくつか見つけた。

 毎日新しい発見があり、私もミーナに話したいことがたくさんできた。



 2通目が届いた翌々日には3通目が届いた。



『賢者様へ


 お元気ですか?魔王城での生活は慣れましたか?

 私の体調もすっかりよくなり、海王様より歩いてもよいとのお許しが出たので、気分転換と体力づくりを兼ねて廊下を歩いたりしています。

 お屋敷の図書室で魔石や魔道具に関する本を何冊か見つけたので、海王様に貸してくださいとお願いしてみたら、「一度読んだものを読み返すことはないので、好きなだけ持って帰っていい」と言われました。研究のお役に立つかわかりませんが、持ち帰りますので楽しみにしていてくださいね。

 またお手紙を書きますね。


ミーナより』



 便りは嬉しいが、やはりこちらから返事を出せないのがもどかしい。

 昨日は魔王殿の配慮により親方殿と魔石の鉱山を見学に行ったし、夜は魔道具工房の面々と酒を酌み交わしたりもしていた。ミーナの子供時代の話で盛り上がったりもした。



 そして今日届いた4通目。



『賢者様へ


 お元気ですか?私はすっかり元気になりました。

 今日は海王様に癒しの加護の使い方を教わり、傷ついた海鳥を治すことができました。聖女様ほどの力はないけれど、動物や植物を癒すのに向いているらしいです。もう少し加護の使い方に慣れたら帰ってもよい、とのお言葉を海王様からいただきました。

 もう少しで帰れると思いますので、お手紙は今回が最後になるかもしれません。


ミーナより


追伸

帰ったら大事なお話があるので、お時間をいただければと思います』



 とうとう来るべきものが来たか。そう思った。


次回は4/21(水)に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<完結> 魔王さんちの勇者メイド
魔王と記憶をなくした勇者の少女の物語

勇者は獲物を逃さない【連載版】
完結しました

「名前のない物語」シリーズ
人名地名が出てこないあっさり風味の短編集
― 新着の感想 ―
[良い点] 書簡挿入は、難しいのか、なかなか他の作者がしないので、ハッとする感じがあります。 >追伸 帰ったら大事なお話 >とうとう来るべきものが 凄い引きだと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ