表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
27/93

顔合わせ

 王家の方々と賢者様が相談した結果、王太子殿下の婚約者となる女性とともに王宮で週3回学ぶことになった。

「ミーナが国王陛下の姪であることを公表する予定はない。だが、状況が変わればどうなるかわからない。だから淑女として、そして王家の一員として一通りのことは学んで欲しいと思う。だが、もしどうしても嫌ならば策は考えよう。結論は今すぐ出さなくてもいいから、よく考えて欲しい」

 賢者様にそう言われるも、私は即答する。

「いいえ、大丈夫です。学ぶことは嫌いではありませんから」

 賢者様は微笑んでくれた。


「ありがとう。ただ、王太子殿下の婚約者については正式発表にはなっていない。だからまだ話すことが出来ないんだ。だから最初の授業で顔合わせとなる」

「わかりました」

 もっとも、私が人間界で知っているのは勇者パーティと王家の方々とこのお屋敷の人達くらいだから、聞いたところできっとわからない気もするけど。

「そしてミーナはその女性の世話係という役どころで王宮に出入りすることになる。だからいつものメイド服でかまわない」

「はい」

 ドレスじゃなくていいことに少しホッとした。



 そして王宮での初めての授業の日。

 賢者様と勇者様とともに馬車で王宮へ向かう。私はいつものメイド服。

「ミーナ、今日は顔合わせだけだから、そんなに緊張しなくてもいい」

 賢者様が緊張している私の頭をなでる。

「そうそう、気楽に行こうぜ!」

 勇者様がポンッと私の肩を叩いた。

「王太子殿下の婚約者となる女性については今日行けばわかるが、以前も話したように建国祭での正式発表までは口外しないように」

「はい」

「そして明日からはその女性とともに王宮に通ってもらいたい」

「わかりました」

 私はうなずいた。



 王宮に入ると勇者様は

「俺、ちょっと近衛騎士団の方に顔を出してくる」

 と言って離れていった。

 私達は案内する職員についていく。

 あちことに装飾品が飾られた廊下を数分歩き、たどり着いた部屋の扉が開かれる。

 なぜか私が一番最初に入るよう促され、足を踏み入れると女性の声がした。

「ミーナ!待ってたわよ~」

 そこにいたのはドレス姿の聖女様だった。

「あれ、どうしてここに…?」

 思わず首をかしげる。

「あ、もしかして聞いてなかった?」

「王宮で学ぶのは王太子殿下の婚約者になられる方と一緒だとは聞いていましたが…」

「それ、私」

 ニッコリ笑う聖女様。

「は?」

「前に話したでしょ、将来を誓った人がいるって」

「そうだったんですか…」

 あまりの驚きで私は緊張をすっかり忘れてしまっていた。


 だが一時は忘れた緊張も、時間が発つにつれてよみがえってくる。

「ミーナ、肩の力を抜いて楽にしていいのよ。ミーナからすれば親戚のおじさんの家じゃない」

 聖女様が無茶なことを言う。

「あの、その親戚のおじさんが国で一番偉い人だから緊張しているのですが」

「ふふふ、そのうち慣れるわよ」

 聖女様は楽しげに笑っていた。


 国王陛下と王太子殿下、そして講師達が入ってきて顔合わせが始まる。

 だが、講師達は紹介された後すぐに退出し、不思議に思っていると国王陛下の筆頭侍従が話を始める。

「予定通り来月の建国祭に王太子殿下の婚約を発表し、来年の秋に結婚式を執り行います。そしてウィルヘルミナ様には聖女殿の世話係として王宮に通っていただき、聖女殿とともに王家の一員として必要なことを学んでいただきます」

 聖女様が優雅に立ち上がって頭を下げる。

「皆様、どうそよろしくお願いいたします」

 私もあわてて立ち上がって挨拶する。

「よ、よろしくお願いいたします!」

次回は1/7(木)に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<完結> 魔王さんちの勇者メイド
魔王と記憶をなくした勇者の少女の物語

勇者は獲物を逃さない【連載版】
完結しました

「名前のない物語」シリーズ
人名地名が出てこないあっさり風味の短編集
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ