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「異世界は金で強くなるらしいので、現代から稼いで成り上がります」  作者: れいじ


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第45話「出場資格」

第45話です。


石版を起動するために必要な“特殊な魔法石”。

その手がかりを求め、一行は再びグラード・マーケットへ向かいます。

神殿の一室。


 テーブルの上に並べられた、色とりどりの魔法石。


 赤、青、緑、黄色――


 それぞれが淡く光を放っている。


「これが、この世界の基本となる魔法石よ」


 ララが順に示していく。


「赤は火、青は水。緑は回復系」


「黄色は雷、紫は解毒や状態異常の解除」


「ピンクは精神干渉、白は生活魔法」


「黒は闇、茶色は土」


「灰色は高度な魔法操作系」


「金は光」


 そして――


「銀」


 最後に置かれた、小さな石。


 だがそれは、他の魔法石とは違い、光が曖昧だった。


「それ、ほんとに存在してるのか?」


 悠真が言う。


 ララは静かに答える。


「存在はしているはず」


「でも、用途も系統も分からない」


「記録もほとんど残っていないの」


 セレフィナが補足する。


「金や黒は高価でも手に入る」


「でも銀は違う」


「そもそも流通しない」


 悠真は腕を組む。


「一番厄介なやつか」


 ララは小さく頷いた。


 十二色すべて。


 しかも、その一つが“ほぼ存在しない”。


 簡単に揃う話ではない。


 重い沈黙。


 その時。


「……グラード・マーケットだな」


 レオンが言った。


 悠真が顔を上げる。


「金の街か」


「珍しいものなら、あそこに集まる」


 レオンは続ける。


「表に出ないものも含めてな」


 ララが考える。


「……でも、情報を得るのは簡単じゃない」


「ああ」


 レオンは頷いた。


「大会に出るしかないな」


 リズが反応する。


「あの大会……」


 悠真も思い出す。


「連勝していくやつだろ?」


「五連勝」


 レオンが言う。


「それでチャンピオン大会に出られる」


「そこで結果を出せば、裏の情報にも届くかもしれない」


 ララが静かに息を吐く。


「遠いわね……」


「だが現実的なルートだ」


 悠真はレオンを見る。


「じゃあ、レオンが出ればいいじゃん」


 レオンは一瞬だけ視線を逸らした。


「無理だ」


「前回優勝してる」


 ララがすぐに理解する。


「……優勝者は、次回出場できないのよね」


「ああ」


 レオンは短く答える。


「だから今回は出られない」


 悠真は少しだけ笑う。


「強すぎるのも不便だな」


「そういうルールだ」


 淡々としている。


 ララは一歩前に出る。


「……私が出るわ」


 迷いはなかった。


「前にも一度出てるし」


「流れは分かってる」


 そして続ける。


「前回みたいなレベルの参加者は、そう簡単に揃わないはず」


「勝ち上がる可能性はある」


 現実的な判断だった。


 リズが手を上げる。


「じゃあ、わたしも出ようかな」


「腕試ししてみたいし」


 ララが少しだけ笑う。


「無理はしないでよ」


「大丈夫」


 リズは頷く。


 悠真は二人を見て、肩をすくめた。


「……せっかくだし俺もチャレンジしてみようかな」


 ララがすぐに言う。


「悠真は魔力――」


「関係ないだろ」


 軽く遮る。


「この大会、基本はスキルカードだ」


「魔法カード使うやつもいるけど、必須じゃない」


 レオンが小さく頷く。


「その通りだ」


「むしろ戦い方の幅が重要になる」


 悠真は笑う。


「なら問題ないな」


「一回勝てれば上出来ってことで」


 リズが苦笑する。


「またそれ言う……」


「現実的だろ」


 ララは少し考えたあと、頷いた。


「……いいわ」


「でも、無茶はしないで」


「約束する」


 レオンが言う。


「まずエントリーして試合は3日後ってとこかな」


「準備しとけ」


 転移カードが取り出される。


 光が広がる。


 視界が歪む。



 次の瞬間。


 グラード・マーケット。


 あの喧騒が戻ってくる。


 金の街。


 人の熱気と、欲望の匂い。


「……戻ってきたな」


 悠真が小さく言う。


「相変わらずだね」


 リズが周囲を見回す。


 ララは迷いなく歩き出した。


「行くわよ」


 向かう先は一つ。


 Lumiere Kitchen。


 扉を開けると――


「お、帰ってきたか」


 ユウジが顔を上げる。


「あれ、もう帰ってきたんだ」


 カウンターの奥では、師匠が静かに仕込みをしていた。


「ちょっと色々あってな」


 悠真が答える。


 店の空気は変わらない。


 それが妙に安心する。


「飯、あるか?」


「あるに決まってんだろ」


 ユウジが笑う。


「そこに座ってて」


 席につく。


 料理の匂いが広がる。


 ララが小さく息を吐く。


「……少し落ち着いた」


 やがて料理が運ばれてくる。


 湯気が立ち上る。


「で、どうするんだ?」


 ユウジが聞く。


 悠真が答える。


「大会に出る」


 ユウジの眉が上がる。


「ほう」


 ララが続ける。


「目的は情報」


「銀の魔法石の手がかりを探す」


 師匠が手を止めずに言った。


「簡単じゃねえぞ」


「分かってます」


 ララは真っ直ぐ答える。


 リズも頷く。


「でも、やるしかないから」


 悠真は箸を持ちながら言う。


「一回勝てればいいんだけどな」


「甘いな」


 ユウジが笑う。


「でもいいんじゃない」


 店の空気が少しだけ和らぐ。


 だが、やることは決まっている。


 ララがテーブルに手を置く。


「おそらく三日後」


「その間に戦い方を考えよう」


「カードの組み合わせ、連携、対策」


 真剣な声。


 悠真も頷く。


「やるしかないな」


 リズも静かに言う。


「うん」


 レオンは壁にもたれたまま、何も言わない。


 だがその視線は、三人をしっかり見ていた。


 試されるのはここからだ。


 銀の魔法石。


 その手がかりのために――


 一行は再び、戦いの舞台へ向かう。

第45話を読んでいただきありがとうございます。


レオンは前回優勝者のため出場不可。

その代わりにララ・リズ・悠真が大会へ挑みます。


次回から大会編スタートです。

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