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「異世界は金で強くなるらしいので、現代から稼いで成り上がります」  作者: れいじ


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23/50

第23話 この街のルール

第23話です。


金の街での生活が始まり、

いよいよこの街の“本当の厳しさ”に触れていきます。


少し悔しい展開ですが、

ここからが本当のスタートです。

黄金殿の中は、外の喧騒とはまるで違っていた。


静かだ。


だが、その静けさが逆に重い。


足音がやけに響く。


床も、壁も、柱も。


すべてが金色に近い色で統一されている。


「……なんか、落ち着かないな」


悠真が小さく呟く。


リズも周囲を見回す。


「空気が違う」


レオンは慣れた様子で進む。


「奥だ」


三人はゆっくりと歩く。


やがて。


視界が開ける。


中央の台座。


そこにあった。


一枚の石版。


透明な結界に包まれ、厳重に守られている。


悠真は足を止める。


そして、目を凝らす。


「……これって」


近づく。


結界の手前まで。


はっきりと見える。


金色の建物。


水面に映る形。


「……金閣寺だ」


ぽつりと呟く。


リズが首をかしげる。


「知ってるの?」


「ああ」


悠真はゆっくり頷く。


「日本の建物だ」


レオンが少し目を細める。


「やっぱりそうか」


悠真はさらに近づこうとする。


だが。


結界に触れた瞬間。


弾かれる。


「っ……!」


軽く後ろによろける。


「触れないのか……」


「当然だ」


後ろから低い声。


振り向く。


警備の男。


無表情。


鋭い目。


「そんな簡単に近づけるもんじゃないよ」


睨まれる。


三人はそれ以上踏み込まない。


悠真は視線を石版に戻す。


「……なんで、これがここにあるんだ」


答えは出ない。


でも。


確実に“繋がっている”。



外へ出る。


空気が一気に軽くなる。


悠真は息を吐く。


「……なあ」


「ここ、人多いし」


「商売できそうじゃない?」


リズが頷く。


「料理とかいけそう」


レオンは笑う。


「いいと思う」


「でも俺は――」


少し間を置いて。


「出る」


「勝負に」


悠真が驚く。


「マジか」


「こういう街はな」


レオンが言う。


「一回やっといた方がいい」


「流れが分かる」


リズが聞く。


「いくら必要?」


「本戦は10000マニー」


「……高いな」


悠真が言う。


レオンは肩をすくめる。


「しかも順番待ち」


「一週間後だって」


「そんなにか」


悠真は考える。


「じゃあそれまでに」


「資金稼ぎ」


「だな」



まずは拠点。


部屋を借りる。


値段を見て。


「……高っ」


思わず声が出る。


レオンが笑う。


「この街だしな」


三人で割る。


……はずだったが。


「……俺、今ないよ」


悠真が言う。


リズがすぐに言う。


「いいよ、出す」


「あとで返してくれれば」


「……ありがとう」


契約完了。


部屋確保。



外へ出る。


街を少し歩く。


そのとき。


「……おい」


声。


振り向く。


三人組。


装備。


雰囲気。


明らかに強い。


「見ねえ顔だな」


「新人か?」


悠真が少し構える。


「……まあ」


男が笑う。


「いいね」


「ちょっと遊ぼうぜ」


嫌な空気。


「簡単な勝負だ」


「参加費1000マニー」


「勝てば倍」


悠真は一瞬迷う。


だが。


「……わかった」


リズが少しだけ視線を送る。


レオンは何も言わない。


ただ見ている。



即席の闘技スペース。


円形。


人が集まる。


「始めろー!」


軽いノリ。


でも。


空気は張り詰めている。


相手が前に出る。


速い。


踏み込み。


一瞬で距離を詰めてくる。


「っ!」


悠真は反応する。


身体強化カード。


発動。


避ける。


だが。


重い。


速い。


次の一撃。


受ける。


「ぐっ……!」


腕に衝撃。


痛い。


明らかに格上。


「……くそ」


押される。


防ぐだけで精一杯。


「まだかよ」


相手が笑う。


余裕。


完全に。


遊ばれている。


悠真は歯を食いしばる。


(こんなはずじゃ……)


一瞬の隙。


攻撃に出る。


だが。


簡単に読まれる。


「甘いな」


反撃。


直撃。


吹き飛ぶ。


地面に転がる。


息が詰まる。


「がはっ……」


立てない。


視界が揺れる。


相手が近づく。


「終わりだな」


そのとき。


「もういい!」


リズが飛び出す。


二人の間に入る。


「そこまで」


空気が止まる。


相手が舌打ちする。


「……チッ」


「ギブアップか」


リズが言う。


「そう」


静かに。


でもはっきり。


「これ以上はやらせない」


相手は少しだけ考えて。


肩をすくめる。


「まあいい」


「つまんねえしな」


周囲がざわつく。


「終わりかよ」


「はえーな」


男は金を回収する。


「いい勉強になったろ」


去り際。


一言。


「本戦で待ってるぜ」


消えていく。



静かになる。


悠真はそのまま座り込んでいる。


拳を握る。


震えている。


悔しさ。


情けなさ。


全部混ざる。


「……くそ」


リズが隣に座る。


「大丈夫?」


「……ああ」


でも。


声は弱い。


レオンが来る。


「いい経験だ」


悠真は顔を上げる。


「……全然ダメだな」


レオンは少し笑う。


「最初はそんなもんだ」


「ここはレベル高い」


悠真は地面を見る。


そして。


ゆっくり立ち上がる。


「……やる」


リズが見る。


「え?」


悠真は黄金殿を見る。


「勝てるようになる」


「稼ぐ」


「強くなる」


拳を握る。


さっきより、強く。


「で、あれを取る」


金閣寺の石版。


そのために。


この街で。


戦う理由ができた。

第23話を読んでいただきありがとうございます。


今回は、

・黄金殿での石版の確認

・この街での行動方針

・拠点の確保

・そして初めての敗北

を描いています。


特に今回の戦いは、

悠真の「現在地」をはっきりさせるためのものです。


この街では、

中途半端な力では通用しない。


勝てば大金。

負ければ何も得られない。


そんな世界の中で、

悠真は初めて“自分の弱さ”を実感します。


ですが、この悔しさがあるからこそ、

ここからの成長に繋がっていきます。


そして、黄金殿に祀られていた石版――

物語の核心も、少しずつ動き始めています。


次回は、

「どうやって強くなるのか」

「どうやって稼ぐのか」

その選択が描かれていきます。


よろしければブックマークや評価をいただけると励みになります。


引き続きよろしくお願いします。

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