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「異世界は金で強くなるらしいので、現代から稼いで成り上がります」  作者: れいじ


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第19話 軽い約束

第19話です。


今回は新たな仲間との出会いと、物語の核心に関わる“ある謎”に触れる回になります。


これまでとは少し違う展開、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。


夕方。


露店の客足も落ち着き、辺りは少し静かになっていた。


「……ふう」


ユウイチが小さく息を吐く。


「今日は結構売れたね」


リズが笑う。


「まあな」


そのとき。


「あ、やっぱりここだ」


明るい声が響く。


振り向くと、レオンがいた。


「今日もやってるね」


いつもの軽い笑顔。


「来てくれてありがとう」


ユウイチが言う。


「いやいや、こっちがだよ」


レオンは笑いながら料理を受け取る。


一口食べる。


「……うん、やっぱうまい」


満足そうに頷く。


少しして。


レオンがふと口を開く。


「さ」


「ん?」


ユウイチが顔を上げる。


「これ、どこの料理?」


「……え?」


「見たことないんだよね」


皿を見ながら言う。


「この辺のものじゃないよな?」


少しだけ鋭い視線。


ユウイチは一瞬考える。


ごまかすか。


でも――


「……まあ、そうだな」


レオンは笑う。


「やっぱり」


「いいね、そういうの」


リズが少し警戒する。


「……レオン」


「大丈夫大丈夫」


軽く手を振る。


「詮索するつもりはないよ」


そして。


少しだけ真面目な顔になる。


「むしろ、見てほしいものがある」


収納鞄から取り出したのは――


一枚の石の板。


表面に、奇妙な絵が刻まれている。


「……それ」


ユウイチの視線が止まる。


「これ、俺が集めてるやつ」


レオンが言う。


「いろいろ調べてみたんだけど どうやら世界中に散らばってるらしいんだ」


リズが覗き込む。


「なにこれ?」


「最初に見つけたのは、俺の家の近く」


レオンは少し笑う。


「ただの石かと思ったんだけどさ」


「この絵見て、なんか気になって」


もう一枚取り出す。


「これも」


ユウイチは目を細める。


刻まれているのは――


見覚えのある形。


「……それ」


自然と声が出る。


「山、か?」


レオンが頷く。


「そう見えるよな」


「でも、この形どこにもない」


さらにもう一枚。


細長い塔のような絵。


途中で区切られた独特な形。


「……」


ユウイチは言葉を失う。


リズが聞く。


「知ってるの?」


少しだけ迷う。


でも。


「……知ってる」


はっきり言う。


レオンの目が変わる。


「マジで?」


ユウイチは石板を指さす。


「これは山じゃない」


「……?」


「富士山っていう」


「フジ……?」


レオンが首をかしげる。


「で、こっちは」


塔の方を見る。


「東京タワー」


空気が止まる。


レオンが少し笑う。


「……この世界の名前じゃないな」


「うん」


ユウイチは頷く。


「この世界のものじゃない」


少し間を置く。


「俺は」


「地球っていう場所から来た」


静かに言う。


リズも黙っている。


レオンは少し考えて。


そして。


笑う。


「……いいね」


「めっちゃ面白い」


その目は完全に変わっていた。


「じゃあさ」


一歩近づく。


「その地球ってとこ、一緒に行ってみたいんだけど」


ユウイチは少し驚く。


「……いいのか?」


「うん、めっちゃ気になる」


レオンは楽しそうに言う。


ユウイチはリズを見る。


リズも頷く。


「……タイミング見てなら」


少し控えめに答える。


「やった」


レオンが笑う。


少しだけ間。


ユウイチが言葉を探す。


「……あのさ」


「ん?」


「その……よかったらだけど」


少しだけ視線を逸らす。


「一緒に動かないか?」


レオンが首をかしげる。


「一緒に?」


「うん」


少し言い直す。


「その……パーティ、みたいな感じで」


少しぎこちない。


でも、本音だ。


リズがフォローする。


「二人だと、ちょっと大変なこともあるし」


レオンは少し考えて。


そして笑う。


「いいね」


あっさりだった。


「面白そうだし、やるよ」


ユウイチが少し安心したように息を吐く。


「……ほんとか」


「うん」


レオンが軽く言う。


「よろしく」


ユウイチも手を出す。


「よろしく」


リズも。


「よろしくね」


三人の手が重なる。


そのあと。


レオンが少しだけ真面目な顔になる。


「あ、でも一個だけいい?」


ユウイチが頷く。


「なに?」


「お金はそれぞれで管理な」


「……ああ」


「一緒に稼いだ分はちゃんと分けるけど」


軽く肩をすくめる。


「金ってトラブルになりやすいしさ」


リズが頷く。


「それは分かる」


ユウイチも言う。


「……その方が安心だな」


レオンが笑う。


「だろ?」


そして。


「まあそれ以外は」


軽く言う。


「普通に助け合うってことで」


ユウイチも頷く。


「うん、それでいい」


リズも笑う。


「いいチームになりそう」


レオンが満足そうに言う。


「だな」


その言葉は軽い。


でも。


確かに、何かが始まった。


ただの偶然じゃない。


ただの出会いでもない。


三人の関係が、ここで繋がった。

第19話を読んでいただきありがとうございます。


今回は、

・レオンとの再会と関係の進展

・石板という新たな謎の登場

・異世界と地球が繋がる伏線

・パーティ結成

を描いています。


特に石板に描かれていたものが、

この世界のものではなく“地球の風景”だったという点は、

物語の大きな軸になっていきます。


そしてレオンというキャラクターも、

ただの強い冒険者ではなく「目的を持った人物」として関わってきます。


悠真ユウイチも、少しずつですが

自分から関係を作るようになってきました。


次回は、

三人での初行動や、地球への移動など、

いよいよ本格的な展開に入っていきます。


よろしければブックマークや評価をいただけると励みになります。


引き続きよろしくお願いします。

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