第15話 影への対策
第15話です。
今回は、シャドウビースト討伐に向けた準備回になります。
しっかり対策を整えつつ、
いよいよ戦闘が始まる直前まで進みます。
部屋のリビング。
テーブルの上に、金貨が並んでいる。
「……八万マニーか」
悠真が呟く。
露店の売上。
ここまで来たのはすごい。
でも。
「これで足りるかな……」
相手はシャドウビースト。
今の自分では、まともに戦えない相手だ。
リズは腕を組みながら言う。
「普通に行けば無理」
「ですよね……」
即答だった。
悠真は苦笑する。
「じゃあどうするの?」
「対策する」
リズの答えはシンプルだった。
「シャドウビーストは影に潜る魔物」
「影?」
「うん。見えにくいし、物理も通りにくい」
悠真は少しだけ顔をしかめる。
「めちゃくちゃ厄介じゃん」
「だから対策する」
リズは続ける。
「弱点は光」
「光?」
「強い光で炙り出せば、動きが鈍る」
なるほど、と悠真は思う。
「じゃあ光を用意すればいいのか」
「それと、動きについていける準備」
「……それも必要だな」
悠真は立ち上がる。
「買いに行くか」
二人は商店街へ向かう。
魔道具、スキルカード、装備。
必要なものを一つずつ揃えていく。
光石ランタン。
発光弾。
フラッシュのスキルカード。
バリアカード。
軽量防具。
短剣をもう一本。
「……だいぶ使ったな」
「命の値段」
リズが言う。
悠真は苦笑する。
「そうだな」
準備は整った。
でも、不安は消えない。
「……これでいける?」
悠真が聞く。
リズは少し考える。
「勝てるかは別」
「まあ、そうだよな」
正直な答えだった。
「でも、何もなしよりは全然いい」
「……ですよね」
悠真は息を吐く。
「怖い?」
リズが聞く。
「……普通に怖い」
正直に答える。
でも。
「やるしかない」
ここで止まったら終わる。
「……行くか」
リズが頷く。
二人は街を出て、森へ向かう。
木々が増える。
光が少しずつ減っていく。
足元の土も柔らかくなる。
しばらく進むと――
「……ここ」
リズが立ち止まる。
視線の先。
岩肌にぽっかりと空いた穴。
洞窟だった。
中は暗い。
奥が見えない。
「……ここにいるのか」
「うん」
リズは短く答える。
「シャドウビーストは暗い場所を好む」
納得するしかない。
悠真はランタンを取り出す。
火を灯す。
淡い光が広がる。
洞窟の中を照らす。
「……行くぞ」
「うん」
二人は中へ入る。
足音が響く。
ひんやりした空気。
外とは明らかに違う。
「……静かすぎるな」
悠真が呟く。
「それが普通」
リズは周囲を警戒している。
少し進む。
さらに奥へ。
光が届かない場所が増える。
影が濃くなる。
「……この辺りから出る」
リズが小さく言う。
悠真はランタンを握る手に力を入れる。
心臓の音が早くなる。
そのとき。
「……来るよ」
リズの声。
同時に。
壁の影が、わずかに揺れた。
「……っ」
悠真は息を飲む。
地面。
壁。
天井。
影が、動いている。
それは形を持たない。
でも確かに“いる”。
「……マジかよ」
小さく呟く。
背中に冷たい汗が流れる。
準備はした。
でも。
ここからは本番だ。
影の中から、何かが這い出る。
それを、確かに感じていた。
第15話を読んでいただきありがとうございます。
今回は、
・シャドウビーストの特徴と対策
・装備とスキルの強化
・洞窟への突入
を描いています。
特に今回は、
「準備の大切さ」を意識した回になっています。
しっかり準備しても怖い相手。
それがシャドウビーストです。
そして最後に、ついに気配が現れました。
次回は、いよいよ戦闘本番です。
悠真がどこまで戦えるのか、
そしてソウルコアは手に入るのか。
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引き続きよろしくお願いします。




