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「異世界は金で強くなるらしいので、現代から稼いで成り上がります」  作者: れいじ


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142/162

142話 三十億への商談

魔物除けの水晶を強化する方法を探すララたちは、アストリアの王宮へ。


一方、海賊船から持ち帰った宝を託されたガイオは、ある人物のもとを訪れます。


果たして、目標の三十億マニーに届くのか。

「面白くなってきたじゃねぇか」


 ガイオは楽しそうに笑いながら、机の上に並べられた品々を改めて眺めた。


 海賊船から持ち帰った宝石や装飾品。


 人魚エリスの首飾り。


 海賊ダリオンが残した航海日誌。


 そして、首飾りを身につけたエリスが描かれている一枚の絵。


 先ほどまでは、宝石や装飾品そのものの価値を見ていた。


 だが、今は違う。


 特に人魚の首飾りには、航海日誌と絵が揃ったことで、宝石としての価値だけでは測れない物語が生まれている。


「兄貴、心当たりがあるのか?」


 レオンが尋ねると、ガイオは首飾りを手に取った。


「一人いる」


「買ってくれそうなんですか?」


 悠真が期待を込めて聞く。


「さあな」


「え?」


「こういう物は値札をつけて店に並べりゃ売れるってもんじゃない。相手が欲しがるかどうかだ」


「さっき面白くなってきたって言ってたじゃん」


「面白くなってきたのと、三十億以上で売れるのは別の話だ」


「急に現実的だな……」


 悠真が肩を落とす。


 そんな様子を見て、ガイオは笑った。


「だから俺が行くんだよ」


 首飾りを机へ戻し、海賊船の宝と航海日誌、絵をまとめる。


「ヴァレンティ侯爵って人がいる。王都でもかなり上の貴族だ」


「侯爵……」


 クランの表情が変わった。


「そんな方とお知り合いなんですか?」


「何度か取引してる」


「何度かって……」


「金はたんまり持ってる。それに、あの人は普通の宝石より珍しい物が好きなんだ。特に世界に一つしかないような品には目がない」


 ガイオが首飾りを指差した。


「今回の宝をまとめて売るなら、あの人が一番いい」


「じゃあ俺たちも行く?」


「来なくていい」


 悠真の提案を、ガイオは即座に断った。


「交渉は人数が多けりゃいいってもんじゃない。それに、お前らが三十億欲しがってるなんて知られたら足元を見られる」


「なるほど……」


「ここから先は俺の仕事だ」


 ガイオは品々を慎重にしまう。


 さっきまで騒がしかった男の顔が、少しだけ変わっていた。


 商人の顔。


 悠真にも、それくらいは分かった。


「任せていいんだな?」


 レオンが聞く。


「誰に言ってんだ」


 ガイオは笑った。


「兄貴を信用しろ」


「金に関しては信用してる」


「それ以外も信用しろよ!」


 最後だけ、いつものガイオに戻っていた。


 一方その頃。


 ララたちはアストリアの王宮を訪れていた。


 以前、バランとの戦いで大きな被害を受けた王宮も、かなり修復が進んでいる。


 崩れていた外壁はほとんど直され、行き交う王宮魔導師たちの姿にも、かつての慌ただしさはない。


 ただ、遠くを見ると足場が組まれたままの塔があり、修復作業を続けている職人たちの姿も見えた。


「だいぶ戻ったみたいだね」


 リズが王宮を見上げる。


 以前訪れた時と比べれば、確かに修復はかなり進んでいた。


 ラパンも大きな王宮を見上げ、感心したように息を漏らした。


「ここが王宮か。半壊したって話は聞いてたけど、今じゃそんなふうには見えないな」


「まだ直してるところはあるみたいだけどね」


 リズが遠くを指差す。


 そこには足場の組まれた塔があり、今も職人たちが作業を続けていた。


「これだけの建物を直すのは大変そうですね」


 メリーも周囲を見回す。


「完全に元通りになるには、まだ時間がかかるでしょうね」


 ララはそう答えると、王宮の中へ向かった。


 四人は受付でアークを訪ねる。


 すると、案内されたのはララとリズが以前訪れた場所とは違う区画だった。


「こっちだったかしら?」


 ララが眉を寄せる。


 案内役の王宮魔導師が振り返った。


「アーク様は現在、上級王宮魔導師ですので」


「上級?」


 ララが足を止める。


「はい。バラン討伐における功績が認められ、昇格されました」


「へえ!」


 リズが嬉しそうな声を上げた。


「アーク、偉くなったんだ」


「知らなかったわ」


 ララも少し意外そうだった。


「知り合いなのか?」


 ラパンが尋ねる。


「ええ。前にいろいろあってね」


「いろいろ?」


「長くなるから後で」


 やがて一つの部屋へ案内される。


 扉を開けると、机いっぱいに書類を広げていたアークが顔を上げた。


「ララ?」


 驚いたように目を見開く。


「久しぶり」


「リズも一緒か」


「久しぶり、アーク」


 アークの視線が、その後ろにいるラパンとメリーへ向いた。


「そっちの二人は?」


「ラパンとメリー。二人ともアストリアの出身なのよ」


「ラパンだ。よろしく」


「メリーです。よろしくお願いします」


「アークだ。よろしく」


 簡単な挨拶を交わしたあと、ラパンが部屋の中を見回す。


「ずいぶん偉そうな部屋にいるんだな」


「ちょっと、ラパン」


 メリーが慌てて止める。


「いや、部屋がだぞ。本人じゃなくて」


「それ、余計に失礼じゃない?」


 リズが笑う。


「本当に偉くなったみたいだよ。上級王宮魔導師だって」


「上級?」


 ラパンが改めてアークを見る。


「すごい人だったんだな」


「その言い方だと、会って数秒で大したことないと思ったみたいに聞こえるぞ」


「そこまでは言ってない」


「そこまでは、って何だよ」


 アークは苦笑してからララを見る。


「それで?」


「出世したらしいわね」


「誰から聞いた」


「ここに来れば嫌でも分かるわよ。上級王宮魔導師様」


「その呼び方はやめてくれ。バランの件で昇格しただけだ。仕事が増えただけだぞ」


「やっぱりそう言うと思った」


「だったら聞くな」


 以前と変わらないやり取りに、張っていた空気が少しだけ緩んだ。


「それで、わざわざ四人で来たってことは何かあるんだろ?」


「見てもらいたいものがあるの」


 ララが空間収納へ手を入れた。


 次の瞬間、大きな水晶が部屋の中央に姿を現す。


 アークの表情が変わった。


「……なんだ、これは」


「エーデルで見つけたものよ」


「エーデル?」


 ララは簡単に説明した。


 かつてエーデルに存在した魔物除けの水晶。


 何者かによって持ち出され、それ以降、町が魔物に襲われるようになった可能性があること。


 そしてレオンの持つ《コピー》のスキルカードで複製したことも話す。


「複製はできた。でも性能が本物の八割程度まで落ちたの」


「八割か」


「ウィストンとノルディアには、そのコピーを設置してきたわ」


 アークは水晶の周囲をゆっくり歩く。


 手をかざし、目を閉じる。


 しばらくすると眉間に皺が寄った。


「古いな……」


「分かる?」


「古いってことだけはな」


「役に立たないわね」


「久しぶりに会って早々ひどくないか?」


 アークは苦笑しながら、再び水晶へ手をかざした。


「ただ、普通の魔道具とは違う。内部で何かが循環してる」


「魔力?」


「それだけじゃない気がする」


 アークはしばらく調べたが、やがて手を離した。


「悪い。俺一人じゃ判断できない」


「そう……」


「でも、心当たりはある」


 ララが顔を上げる。


「誰?」


「セレフィナ様だ」


 その名前が出た瞬間、ララが黙った。


 リズも「あ……」と小さく声を漏らす。


 以前フェルシア家を訪れた時のことを覚えている。


 一方、ラパンとメリーは二人の反応を不思議そうに見ていた。


「誰なんだ?」


 ラパンが尋ねる。


「ララのお母さん」


 リズが小声で答える。


「へえ。じゃあちょうどいいじゃないか」


 ラパンが何気なく言った。


 ララとリズが同時にラパンを見る。


「……何だよ」


「別に」


 ララは短く答えた。


 アークは苦笑する。


「まだ仲直りしてないのか?」


「喧嘩した覚えはないわ」


「それを仲直りしてないって言うんじゃないのか」


 ララがアークを睨む。


「余計なこと言わないで」


「はいはい」


「そのセレフィナ様なら分かるんですか?」


 メリーが尋ねる。


「絶対とは言えない。ただ、古い術式の解析なら俺より詳しい。見てもらう価値はある」


 ララはしばらく黙っていた。


 やがて、小さく息を吐く。


「……分かった。行きましょう」


 どう考えても気乗りしている顔ではなかった。


 久しぶりにくぐるフェルシア家の白い門。


 整えられた庭園も、静かな屋敷も以前と変わっていない。


 ラパンとメリーは初めて訪れる屋敷を興味深そうに眺めていた。


「すごい家だな……」


 ラパンが思わず呟く。


「ララって、本当にいいところのお嬢様だったんですね」


 メリーも驚いている。


「今さら?」


 ララは淡々と答えた。


 変わっているとすれば、彼女の足取りだった。


 普段より、ほんの少しだけ重い。


 使用人に案内され、応接室へ入る。


 しばらくして扉が開いた。


 セレフィナが姿を現す。


 ラパンとメリーにとっては初めて見るララの母親だった。


 セレフィナの視線が室内を巡り、最後にララで止まる。


 二人とも、すぐには言葉を発しなかった。


「……久しぶりね、ララ」


「お久しぶりです、母様」


 それだけ。


 抱き合うこともなければ、笑顔を見せることもない。


 ラパンが何か言おうとしたが、隣のメリーが小さく首を振った。


「今日はどうしたの?」


「見てもらいたいものがあります」


「石版?」


「違います」


 その答えに、セレフィナの表情がほんの少しだけ緩んだ。


「そう。では見せてもらいましょう」


 ララが本物の水晶を取り出す。


 事情を説明すると、セレフィナの目が魔導師のものへ変わった。


「エーデルにこんなものが……」


「コピーすると、性能が八割程度まで落ちます」


「それで不足した二割を補いたいのね」


「できそうですか?」


「すぐには答えられないわ」


 セレフィナが水晶へ手を触れる。


 目を閉じ、ゆっくりと魔力を流していく。


 やがて目を開いた。


「興味深いわね」


「何か分かった?」


「まだ何も」


「……母様」


「一度触っただけですべて分かるほど、魔法は簡単ではないでしょう?」


「それはそうだけど」


 セレフィナは水晶を見つめる。


「ただし、可能性はあると思うわ」


「本当に?」


「コピーした水晶そのものを本物と同じ状態へ戻すのは難しいかもしれない。でも、足りない力を外から補う方法なら考えられる」


 ララの目が変わった。


「魔法陣?」


「それも一つの方法ね。ただ、実際に八割からどこまで引き上げられるかは調べてみないと分からない」


「俺も協力します」


 同行していたアークが言った。


「王宮の設備も使えます。何人か詳しい魔導師にも声をかけてみます」


 セレフィナが頷く。


「それがいいでしょうね」


 ララは少し考えてから、水晶を見る。


「……じゃあ、これを預けます」


「いいの?」


「本物がなければ調べられないでしょう」


「ええ」


「ただし」


 ララがセレフィナを見る。


「壊さないでくださいね」


「誰に言っているの?」


「母様だから言ってるんです」


「相変わらずね、あなたは」


 リズが隣で小さく笑う。


 ラパンは母娘を見比べていたが、今度は何も言わなかった。


 結論が出るまでには時間がかかる。


 それでも、コピーした水晶を強化できる可能性は見えてきた。


「何か分かったら連絡する」


 アークが言う。


「お願い」


 用事を終え、ララたちは部屋を出ようとする。


「ララ」


 背後から声がした。


 ララが足を止める。


「……何ですか?」


「石版のことは、まだ調べているの?」


 少しの沈黙。


「はい」


「そう」


 セレフィナはそれ以上、やめろとは言わなかった。


「無茶だけはしないように」


 ララは母を見た。


 以前なら、その言葉にも反発していたかもしれない。


「……分かっています」


 それだけ答え、今度こそ部屋を出た。


 同じ頃。


 王都グランセルにあるヴァレンティ侯爵邸。


 応接室へ通されたガイオは、部屋へ入った瞬間から周囲を見回していた。


 壁には見たことのない絵画。


 棚には古びた剣や王冠のような装飾品。


 奇妙な形をした壺に、透明な鉱石。


 どれも普通の店ではまず見かけない。


 この部屋だけで、一体いくらになるのか。


「相変わらず増えてますな」


 ガイオが笑う。


「当然だ」


 向かいに座る男も笑った。


 ヴァレンティ侯爵。


 四十五歳ほどの恰幅のいい男で、きれいに整えられた髭を蓄えている。


「それで? 今日は何を持ってきた」


「侯爵様がお好きそうなものを」


「お前がそう言う時は、高いからな」


「価値ある品は高いものです」


「まず見せろ」


 ガイオは持ってきた宝を順番に並べていった。


 海賊船から持ち帰った宝石。


 金や銀を使った装飾品。


 細かな細工が施された品々。


 そして最後に、人魚エリスの首飾り。


 ヴァレンティの目が、ほんのわずかに動いた。


 だが、それだけだった。


 一つずつ手に取り、時間をかけて確認していく。


「なるほど。確かに悪くない」


「でしょう?」


「全部で十五億でどうだ」


「では失礼します」


 ガイオが宝を片づけようとする。


「待て」


「何か?」


「まだ話は終わっていない」


「私の中では終わりました」


 ヴァレンティの眉が動く。


「じゃあいくらだ」


「全部まとめて四十億」


「馬鹿を言うな」


「では帰ります」


「座れ!」


 ガイオは笑いながら座り直した。


「二十億」


「四十億です」


「二十三億」


「四十億」


「二十五億」


「四十億」


 ヴァレンティの眉間に皺が増えていく。


「お前は交渉する気があるのか?」


「もちろん」


「なら少しは下げろ」


「では三十九億八千万」


「二千万しか下がっておらんではないか!」


「下げましたぞ」


「そういう問題ではない!」


 ガイオは楽しそうに笑っていた。


 だが、目は笑っていない。


 ヴァレンティが値段を上げ続けている。


 それだけで十分だった。


 宝石や装飾品だけではない。


 ヴァレンティは先ほどから何度も、人魚の首飾りへ視線を向けている。


 この男は欲しがっている。


「二十八億」


「四十億」


「三十億」


「四十億」


「三十二億」


「四十億」


「三十四億」


「四十億」


「……三十五億」


 ガイオは首を横に振った。


「なら諦めろ」


「そうしますか」


 ガイオが立ち上がる。


 今度は先ほどとは違う。


 本当に宝を片づけ始めた。


「待て」


 ガイオは止まった。


「最後に一つ聞こう」


「何でしょう?」


「なぜ、そこまで強気なんだ」


 ガイオはゆっくり座り直した。


「では、今回の宝の中で最も価値のある品について、まだお話ししていないことがあります」


 人魚の首飾りへ手を伸ばす。


「これか」


「ええ」


 ガイオは航海日誌を取り出した。


「この首飾りを作らせたのは、海賊ダリオン」


 続いて、一枚の絵を広げる。


 そこには美しい人魚エリスと、その胸元で輝く首飾り。


「愛した人魚エリスのために、世界中から集めた宝石の中でも最良のものを選び、作らせた品です」


 ヴァレンティの目が絵へ向く。


「日誌にも、その記録が残っております」


 ヴァレンティは黙ったまま、航海日誌へ手を伸ばした。


 ページをめくる。


 絵を見る。


 そして、もう一度首飾りを見る。


 部屋には数え切れないほどの珍品がある。


 だからこそ、その価値が分かる。


「同じ物は?」


「確認されておりません」


「模造品は?」


「少なくとも、これと同じ由来を持つ物は存在しません」


 ガイオは静かに笑った。


「侯爵様」


「なんだ」


「世界に一つしかない代物ですぞ」


 ヴァレンティの指が止まった。


 長い沈黙。


 視線が首飾りへ向かう。


 そして、その周囲に並べられた海賊船の宝へ移った。


「……三十六億」


 ガイオは何も言わない。


「首飾りを含め、ここにある宝すべてで三十六億だ。それ以上は一マニーたりとも出さん」


 今度はガイオが笑った。


「決まりですな」


 ヴァレンティが大きく息を吐く。


「相変わらず、お前との取引は疲れる」


「また珍しい物が入りましたら、お持ちしますよ」


「しばらく来るな」


「そうおっしゃらずに」


 ガイオの笑い声が、珍品に囲まれた部屋に響いた。


 その日の夕方。


 ガイオの会社へ戻ってきた悠真たちは、机の前に集まっていた。


「それで?」


 悠真が身を乗り出す。


「いくらだった?」


 ガイオはわざとらしく咳払いをする。


「三十六億」


「……え?」


「海賊船から持ち帰った宝と、人魚の首飾り。全部まとめて三十六億マニーで売れた」


「三十六億!?」


 悠真が思わず立ち上がる。


「三十億超えてるじゃん!」


「だから俺に任せろって言っただろ」


「すごい……」


 クランも呆然としている。


 ドゴルドは感心したように腕を組んでいた。


「大したものだな」


「もっと褒めていいぞ」


「調子に乗るな、兄貴」


 レオンだけはいつも通りだった。


 ガイオが悠真たちへ金を渡す。


 悠真は確認する。


 そして首を傾げた。


「……あれ?」


「どうした?」


「六億足りなくない?」


「あ、まあな」


 ガイオは平然と答えた。


「それは俺の取り分だ」


「六億!?」


 悠真の声が部屋に響いた。


「取りすぎじゃないですか!?」


「普通に売れば全部合わせて十億前後だったんだぞ。それを三十六億まで持っていったのは誰だ?」


「ガイオだけど……」


「自分で交渉して三十六億にできたか?」


「……できません」


「なら問題ない」


「六億……」


 悠真はまだ納得しきれない顔をしていた。


 クランが小さく呟く。


「六億マニーを手数料って言う人、初めて見ました……」


「俺もだ」


 ドゴルドが笑う。


 レオンは最初から分かっていたような顔をしている。


「兄貴なら、それくらい取ると思ってた」


「さすが弟。よく分かってるな!」


「褒めてない」


 悠真もつられて笑った。


 六億は大きい。


 とんでもなく大きい。


 それでも、目の前には目的だった三十億マニーがある。


 海賊船を探し。


 エーデルへ向かい。


 フロストオーガと戦い。


 地下に眠っていたダリオンとエリスの物語へ辿り着いた。


 長かった。


 だが、ようやく。


「これで……三十億か」 


 悠真が呟く。


 レオンも頷いた。


「そうだな」


 悠真の顔に笑みが浮かぶ。


 これだけあれば、あの剣に手が届く。


「よし、これで聖剣マクベスが買える」


 ようやく目的の金額が揃った。


 悠真は疑うことなく、そう信じていた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


ガイオの交渉によって、ついに三十億マニーを確保!


これでようやく、念願の聖剣マクベスに手が届きます。


……悠真は、そう信じています。


そして魔物除けの水晶は、セレフィナとアークの研究へ。

こちらが今後どうなるのかも、少し先で描いていく予定です。


次回、いよいよ聖剣マクベスを買いに向かいます。


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