第37話:お仕置き?ご褒美?
「結城君、喜屋武さん、紹介するわ。こちら、篠山亜理紗さん」
「初めまして、篠山です」
篠山さんは、ペコリと頭を下げた。
《ショートボブの女性もいいもんだな》
東警部補は春日さんのPCを指差し、
「で、亜理紗ちゃん、このPCのメールと閲覧サイト履歴の中から“弁天”・“布袋”・“戎”、そして“簀巻き”の言葉があればピックアップしてくれないかしら、削除分も含めて」
篠山は驚き、
「私、一人でですか?」
「大丈夫、大丈夫。亜理紗ちゃんならやれるわ。困ったらアタシがサポートするし。それとも出来ないと諦め、お仕置きがいいかしら?クスッ」
東警部補は目を細め微笑む。
篠山は、顔を真っ赤にし、
「お、お仕置き・・・、お仕置きはイヤ!絶対イヤです!」
「だったら、どうするの?」
東警部補の冷ややかな問いに篠山は、
「うっ・・・。了解りました。なんとか一人でやってみます。明日中でいいですか?その代わり・・・」
「ええ、無事に出来たら、ご褒美あげなくちゃね」
東警部補は、 工口ティックに唇をペロリと舐めた。
篠山さんは更に顔を赤くして、
「ご、ご褒美・・・。か、畏まりました。喜屋武さん、結城さん、すいません、仕事がありますので。解析終わったら、お教えします」
深々と頭を下げ、篠山さんは戻って行った。
《微妙に腰をくねらせていた気もするが・・・。一体、何なんだ?お仕置きに、ご褒美って》
結城がチラリと喜屋武を横目で見ると、何とも複雑な表情だ。
喜屋武はポンとボクの肩を叩き、小声で囁く。
「結城クン、世の中には知らない方がいい世界もあるって事だよ。興味有るならしかたないが・・・、俺はゴメンだねぇ」
《知らない方がいい世界って・・・。ははははは。綺麗な世界なら興味無くも無いが、痛みを伴う世界は嫌だな・・・》
「どうやらそのようですね。ボク達は、そろそろ課に戻りましょうか?」
結城は立ち上がると、喜屋武さんを促した。
東警部補は少し残念そうに、
「あら、もうお帰り?ご依頼の件は、亜理紗ちゃんにちゃんと処理させるからご安心を。ウフフ」
妖艶に笑い結城達を見送った。
「噂には聞いてましたけど、何なんすか?あの東警部補?」
科捜研の扉が閉まったのを確認し、喜屋武さんにボクは尋ねた。
喜屋武さんは肩を竦め、
「まぁ、趣味の範囲だからね。誰に迷惑が掛かる訳でも無し。俺達は静かに解析結果を待つだけだよ。でも、安心したまえ、あんな性 癖・・・、いや、趣味の持ち主でも仕事は確かだから」
え?
喜屋武さん、今、性 癖って言った?
性 癖って言ったよね?
ははは・・・。
「確かなんですか・・・」
ボクは頷くしか無かった。
とりあえず、課に戻って事務処理しよ。




