第33話:キャサリン捜査官の過去
喜屋武はテレビアニメに出てくる青い猫型ロボットの真似をして、
「ぐふふ。しょうがないなぁ、結城クンは。今回だけだよ」
勿体振りながら話し出す。
「よぉーく、耳をかっぽじって聞き給え」
「はい・・・」
「そもそも、君は信用しないかもしれないが、キャサリン捜査官とイヴ捜査官は話が出来る。いや、厳密にはかなり繊細なレベルでの意志疎通が出来るのさ。そればかりか、イヴ捜査官は他の猫から聞き込みもね。そう言う意味では警察犬以上といっても過言ではない。ほら、今回の犯行現場には猫が居ただろ。だからさ・・・。マサチューセッツ工科大学の動物行動学の権威、ミノーグ教授によれば、“ヒト以外の動物は嘘をつかない”らしいね。“生態的に嘘をつく必要性が無い”かららしいけど。それに目を付けたアメリカ連邦捜査局のお偉いさんが命令を出し、研究機関が作られ。そして、数年に渡る研究と様々な実験の結果、キャサリン捜査官とイヴ捜査官が、FBI特別“猫”捜査官として任命されるに到った。これが彼女達の経緯さ。勿論、どの猫でも特別“猫”捜査官になれる訳でも無い。猫の知能指数は、固体差が激しいらしいからね」
結城は驚いた。
「へぇ、そんなに差が・・・」
「あぁ、そうさ。レポートによれば、イヴ捜査官の知能レベルは一般成人と変わらない。また、キャサリン捜査官は・・・」
「キャシーも何かあるんですか?」
「気になるかい?彼女ああ見えても意外と若いんだぜ。今年、22歳だそうだ」
「うそぉ!」
結城は思わず声に出す。
《だって、そうだろ。ボクより年下であのベテランぶり・・・。有り得ない・・・》
「結城クンが驚くのも無理は無い。キャサリン捜査官のIQは250を越え、14歳で既に飛び級で大学を卒業している。何本も見事な論文も発表しているんだぜ。俺も彼女は凄いと思うよ」
「へぇ、そうなんですか・・・」
《喜屋武が認めているって、やっぱり凄いんだ・・・、キャシー。サインくらいもらっておこうかな、ははは》
喜屋武は続け、
「で、大学卒業以降は、ずっとFBIの研究員だったらしいからね。まぁ、そんな彼女ですらFBI特別“猫”捜査官になってからも、中々現場には信用してもらえなかったらしい。まぁ、一般の地方ポリスには、普通理解出来んだろ」
「そんな事が・・・」
結城はキャシーの過去に愕然とする。
喜屋武はキャシーが起こす行動が楽しみな様で、
「それで、キャサリン捜査官は猫を集めろって?」
「は、はい。“現場に集めてくれ”って言ってました」
「ほぉ、ソレは、極上の松坂牛A-5の肉に勝るとも劣らないご馳走だねぇ。了解った。明日、ウチからポテを連れて来よう。それから結城クン、早速課に残っている迫水課長に連絡してくれないか。課長んトコで預かってるもう一匹の猫、“戎”も、明日府警本部までは連れて来てもらわないといけないからね」




