第3話:仲間集め開始 ~獣人少女との出会い
翌朝。
宿屋の食堂で、ユーマとアイは朝食を取っていた。
焼きたてのパンにスープ、果物が少し。豪華ではないが、昨日まで森を歩いていた二人には十分だった。
「ユーマ、昨日の戦いどうだった? 体、慣れてきた?」
アイが尋ねる。
ユーマは銀髪を耳にかけながら頷いた。
「うん。最初は胸が邪魔かなって思ったけど、意外と動きやすいんだ。この体、結構速く動けるみたい」
「確かに。見ててびっくりしたよ」
「アイの魔法もすごかったけどね」
二人は顔を見合わせて笑った。
食事を終えたあと、再び冒険者ギルドへ向かう。
今日は仲間探しだ。
魔王を倒すなら、二人だけでは厳しい。
ギルドに入ると、すぐ近くから元気な声が飛んできた。
「あっ! 昨日の人たち!」
振り返ると、獣耳の少女が勢いよく駆け寄ってきた。
茶色の耳と尻尾。
背中には弓。
年齢は二人と同じくらいだろう。
「銀髪のお姉さんと黒髪のお兄さんですよね!? 昨日ギルドで噂になってたんです!」
「噂?」
ユーマが首を傾げる。
少女は大きく頷いた。
「連携がすごかったって! 私、ミアっていいます! 獣人族の弓使いです!」
そう言うと、ぐっと身を乗り出した。
「よかったらパーティに入れてください!」
あまりにも勢いがよくて、ユーマは思わず笑ってしまう。
「ちょうど仲間を探してたんだ。一緒にやろうか」
「本当ですか!?」
「俺はアイ。よろしく」
「よろしくお願いします!」
ミアの尻尾がぶんぶん揺れる。
見ているだけで元気が伝わってきた。
三人はさっそく依頼を探した。
選んだのは廃墟探索の依頼だ。
危険度は少し高いが、報酬も悪くない。
街を出て半日。
森の奥にある廃墟へ辿り着いた。
崩れた石壁には苔が張り付き、昼なのに薄暗い。
「なんか出そうだな……」
ユーマが小声で呟く。
「出ると思うよ」
アイがさらっと返した。
その直後だった。
奥から骨の擦れる音が響く。
骸骨兵が数体、剣を持って近づいてきた。
「来た!」
ユーマが前へ飛び出す。
振り下ろされた剣をかわし、そのまま横薙ぎに一閃。
骸骨兵が砕け散った。
「すごっ!」
ミアも負けじと弓を引く。
放たれた矢が骸骨の頭蓋骨を撃ち抜いた。
「《ライト・バースト》!」
続いてアイの魔法が炸裂する。
眩い光が広がり、残っていたアンデッドを吹き飛ばした。
さらに奥へ進むと罠も現れた。
床が抜け、壁から矢が飛ぶ。
ユーマが先に危険を見つけ、アイが魔法で道を作り、ミアが周囲を警戒する。
思った以上に連携は悪くなかった。
最深部では巨大な骸骨騎士が待ち構えていた。
普通の骸骨兵とは比べものにならない大きさだ。
「でかっ……!」
ミアが思わず声を上げる。
骸骨騎士が大剣を振り下ろした。
ユーマは横へ飛んで回避する。
その隙にミアの矢が飛ぶ。
アイの魔法が続く。
三人で攻撃を重ね、最後はアイの放った光魔法が骸骨騎士を貫いた。
巨体が崩れ落ちる。
静寂が戻った。
「勝った……」
ミアがほっと息を吐いた。
次の瞬間、勢いよくユーマへ駆け寄る。
「ユーマさんすごかったです!」
そして背伸びをして頭をぽんぽんと叩いた。
ユーマは目を丸くする。
「わっ」
「かっこよかったです!」
「そ、そうかな……」
頬が少し熱くなる。
頭を撫でられるなんて久しぶりだった。
アイはそんな二人を見て苦笑する。
「仲良くなるの早いな」
「えへへ」
ミアが笑う。
廃墟を出る頃には、空は赤く染まっていた。
街へ戻り、依頼達成の報告を済ませる。
三人で軽く食事をしていると、ミアの笑い声が何度も響いた。
「これでパーティ結成だね」
ユーマが言う。
アイが頷き、ミアは勢いよく手を挙げた。
「これからよろしくお願いします!」
こうして三人のパーティが正式に始まった。




