談夜湖で揃う者たち
セキヤはニヤッと口角を上げ、布巾着から橙色に輝く宝石を取り出し
「ヒーロー準備満タンよ!」
と笑顔でハンテの問いに答えた。
すると先程まで、深い眠りにでも入っていたように目を覚まさなかったテータがゆっくりと目を開けながら起き上がった。
「何があった、?」
テータは完全には身体が目を覚ましてない状態でその場から起き上がろうとした為、フラつきその場で転びそうになったが、咄嗟にセキヤが反応しテータの身体を支えた。
―数分後
「要は悪魔全員騙されていました キルフィールが潜んでいるかもしれないこの湖から脱出しようってことか」
テータはセキヤ達が戦艦内で起きたこと、セパルとの戦闘の事今の状況を語ってくれた事により理解した。
「少なくとも、もうキルフィールの気配は感じはする」
フォルは周りを警戒しながら杖を地面に刺し、その場を見渡し始めた。
「ざっばぁぁぁん」
セパルはテータが目を覚まし今までの話を理解するまでの間、1度深海に潜り自分の住処から、海の幽霊の噂を聞いて談夜山に来た5人を連れて現れた。
「じゃあ、作戦通り実行するのよね?」
セパルは全員が集まってなにかをするという状況にワクワクしながらそう声をかけた。
「あぁ!談夜山生還作戦をこれより実行する!」
セキヤは高らかに声を出し片手を空に掲げた。
談夜山生還作戦 とはまず最初にフォルを先頭にセパルに管理されてた5人とハンテを談夜山出口へと送り、その後ハンテは5人の家にそれぞれの家まで見送りする。ハンテ達が出口から外に出たタイミングでフォルがセパルに動くように指示をしてサタナキアを前進に置き、気を失ってるドリーをセキヤが持ち テータは力尽きてるナキアを背負い、出口まで安全かつキルフィールに気をつけながら行動する作戦のことである。
「セキヤ、考える時間なんてどこにあったのか知らないけど凄いな」
ハンテは純粋にこの作戦のことを褒め、尊敬してたヒーローに褒められたセキヤは少しだけ小さくガッツポーズをした。
「では、時間が無い 奴が来る前に動こう」
フォルはそう言うと同時に地面に刺していた杖を抜き 動くための準備を始めた。
「そこの黒髪の少年は 悪魔が好きなのかい?」
フォルは服を整えながら急にテータに微笑みながら声を掛けてきた、その声は最初出会った時と同じような優しい声色だった。
「え、あ はい好きです」
テータはフォルの問いに一瞬戸惑ったものの、すぐ自分の意見を答えた。
「ふぉふぉふぉ!」
フォルは戦闘して以来初めてで久しぶりの高らかに笑った。
その笑い声にテータもセキヤもハンテも少しだけギスギスしてたフォルとの関係に少しだけ距離が戻ったような気がして 安心したようにそれぞれ笑ったり、胸を撫で下ろしたりした。
「さぁ、人間の子達よ もう間違えても迷うでないぞ」
フォルはそういう語り始めた瞬間、ハンテはセキヤに頷き動く合図をした。
セパルは5人の子供たちのところに行き
「あの白髪のおじいちゃんが山の出口まで送ってくれるらしいからついて行ってね!」
と優しい声で5人に説明した。
5人は色々とお互いの耳元で囁きあったと思ったら
全員でセパルの方を向き
「せーの」
「「迷子の間、僕たちが飽きないように水の手品見せてくれたり、面倒見てくれたりしてくれてありがとうございました!」」
と声を合わせてセパルに感謝を伝え、頭を同時に下げた。
その状況にセパルは少しだけ泣きそうになりながら目をこすって
「次は連れ去られず自分たちの足で来なさいね!」
と笑顔で指をさし、返した。
「あの言葉、紫髪の子や ワシが最後にあったとき言った言葉覚えておるか?」
フォルはハンテの方を向きながらそう質問をした、ハンテはその答えを知っており微笑んだ後
「帰るまでが遠足 だろ?」
そう返すハンテにフォルは
「覚えてるなら充分じゃ、生きて帰るぞ」
そう言い、暗い山道へ1歩踏み出し始めた。




