悪魔と天使の上に立つ者
「あなた…何者…?」
セパルは恐れ怯え震えながら精一杯声を振り絞ってキルフィールに問いかけた。
「私は父ゼウスの娘であり、母ルシファーの愛娘、ルーシー 禍々しく恐ろしい闇の契約能力である悪魔力と光り輝く正義の印である天使創成力の両方を持つ 天と地の上に立つ存在」
そう発した発言にセパルは喉に唾も通らなかった。
「私は人類が好きだ 悪魔が好きだ 天使が好きだ 動物が好きだ 植物が好きだ そして、私は私が好きだ」
にやけたように発するその独り言はまるでセパルを置き去りにした状態での自分を自己紹介してるようだった。
「あのさ、人 いや悪魔?いや天使か? まぁなんでもいいや話してる時はさ目を合わせなよ」
そう語るキルフィールにセパルは咄嗟に忠誠を誓うようにキルフィールのいる方向に振り向き 足の両膝を地面に当てながら立ててその場に座り込み頭を下げた。
「あの、私はゼウスやルシファーの娘であって ゼウスやルシファーじゃないからその肩苦しいのやめてよ もう見飽きた。」
そう言いながらキルフィールはセパルの行動を嫌悪し手を払った。
セパルは咄嗟に両膝を立てる仕草をやめてその場で腰を抜かすように座り込んだ。
今までは辞めろって言われたら少なくとも正座をする奴らが大半だったのに セパルは初めて足を崩し前に投げ出して座った その姿勢にキルフィールは面白いと関心を持った。
「ところで、君は人間は好きかい?」
先程まで明らかなる異様なオーラを放っていたのに急に恋愛話のようなノリで聞いてくるキルフィールに対して、セパルは
「ふぇ、?」
という腑抜けた声しか出せなかった。
キルフィールはセパルのいる方向に片手の平をさしだしながら目を瞑った。
「なにを?」
「君が話さないなら、私の全知全能の能力で過去を覗いてやろうと思ってさぁ〜」
キルフィールは当たり前のようにその能力を使いこなしがらセパルに答えた。
(それが、あったなら最初から、全球凍結の生き残った理由を探れば)
「なんて、思ってるでしょ?」
とセパルの心を読み解きながらキルフィールは目をつぶったまま問いかけた。
「残念だけど私が探すことができる全知全能の能力はあなたの記憶ではなくて身体の記憶なの 少なくとも生まれた時はその女の姿ではなかったでしょ だからその女の記憶と君がその女の身体に取り付いてからこれまでの記憶しか得られないのよ」
と説明した。
要は身体自身の記憶を探ることができるだけで、セパルが全球凍結が始まってから生き残るまでの間はセパルの本当の姿であった為
本当の姿を見ないと探ることができないというのがあの能力の難点らしい。
「さぁ、セパル あなたの過去を見せてちょうだい」
キルフィールがそう呟くと差し出していた手のひらが水色に光り始めた。




