セパルの行く末
「【INVERT】!」(逆転にして!)
とハンテはセパルのいる方向へと唱えた。
「くっそぉ!」
自分の語りグセに足をすくわれた、セパルは先程まで空に浮いていた水で作った椅子をトライデントに変え、シーサーナイトに飛ばしたがその時にはもう遅かった。
「なに…これ…?」
セパルは水の温度が上がり、水ではなく、お湯になってしまったことにより人工的なものは操れないということに悔しい半面、身体を和らげてくれるようなお湯の温かさにたまっていた息が自然と外に吐き出してしまった。
が、その温度は徐々に熱くなり始め
「あっつい!!!」
火傷しそうな程のお湯の熱さに、セパルはおしりを両手で抑えながら、飛び上がった。
「今だぁ! 獅子空蹴!!!」
シーサーナイトはそう叫びながら空で1度だけ回転をし片足にタンジェリンクォーツを集中させて、一撃必殺の急降下キックを飛び跳ね上がったセパルに直撃させた。
「ザッパーーン!!!!」
という激しい水飛沫が上がり、激昂する波のなかにシーサーナイトの身体とセパルの身体は海深くに潜り呑み込まれていった。
「解除…!」
ハンテはそう呟き、お湯を再び水へと戻した。
「―せて! もう一度見せてよ!」
セパルは目を覚ますとそこは懐かしい雰囲気が漂い、まだ自然が生き生きとしていた過去だった。
目の前には、楽しそうに人々と話している昔のセパルが和服を着ており前髪だけが伸びている子供たちと居る風景が写ってた。
「わたし…?」
そう言いながら、セパルは昔の自分に近づこうとするとそこには透明な壁が置かれており、近づこうにも声をかけようにも響かないし、届かない。
そんな状況にセパルは仕方なく昔のセパルは見守ることにした。
「仕方ないなぁ…!じゃあ見ておれ!」
昔のセパルはそう微笑みながら湖の水を一掬いし
「ほれ!音の鳴らない水で出来たでんでん太鼓〜!」
と水で出来ているでんでん太鼓を音も鳴らないのにフリフリと振りながら子供たちの前で披露をした。
子供たちはケラケラと笑い楽しみ、それを見ていたセパルも声を潜めながらクスクスと微笑んだ。
夜の月が湖の水面に映る頃、1人寂しくなったセパルの元に提灯の灯りがぼんやりと近づいてくる。
「…はは、来たか 待っておったぞ!男ども」
提灯を持ってきたちょんまげに和服を着たガタイの良い男の大人達が通い徳利を片手にセパルの元へと集まってきた。
「よぉ、磯女!相変わらず夜に浸っておったか?」
顔を赤さを見る限りどいつもこいつも、飲み歩き終わりにセパルのいる湖に歩いてきたという感じに見える。
「おう、言っとくけど私は あの血を吸う馬鹿女と一緒にしないでちょうだい、 ほら新鮮な水受け取りな」
そう言いながらセパルは湖の水を再び掬い、顔が赤い連中にかけた。
「あ、あの…!」
顔も赤くなく、まだ若そうな男がセパルに声をかけてきた、その手には通い徳利ではなく、矢立とウールを固めて作られた毛氈そして和紙を持っていた。
「なに?もしかしてあんた画工かい?」
セパルの発言に男は小さく頷いた。
「よくいるんだよ、珍しいからって私を書こうとする人達 悪いけどお断わ」
「美しく綺麗だからです!」
男はセパルの発言を遮るようにそう返した。




