悪魔セパル戦
セキヤは初めて、目をつぶりながら布越しに感じた温かさに咄嗟に目を開けて、温もりを感じた石を巾着袋から取り出した。
「…これは、あの時のタンジェリンクォーツ…!」
セキヤは温かく感じるこのタンジェリンクォーツをここで消費するべきかを悩んでいた。
何より消えてしまうことへの不安もあり、これを能力を使って武器にするのを躊躇っていた。
「色男!休んでる暇は無いでしょ!」
セパルはそう声掛けながら、湖の水を両手ですくい、救った水をトライデントの形に変えてセキヤに対して構え、投げ始めた。
セキヤは咄嗟に行動が取れず、飛んでくるトライデントに対してそのまま立ち尽くすことしか出来なかった。
「何をしておる!!」
セキヤのやられてしまうという、諦めてるムードを切り替えさせるように、サタナキアの声がセキヤの耳に響いた。
「ガキンッ!」
サタナキアは立ち尽くしていた、セキヤの目の前に現れてセパルが投げてきたトライデントを、【GOATRIDENT】で弾いた。
「水のくせに硬いのぉ…!」
サタナキアは弾いた時にきた衝撃に手をブラブラと振りながら、呑気にそう語っていた。
そんなサタナキアすらもボロボロになってる身体を震わせながらも、その場で必死立とうしていた。
そんなサタナキアにセキヤは顔向けが出来ない感情が揺らぎ始めた。
タンジェリンクォーツを使えば、たしかにここを乗り切れるかもしれない、しかしそれは大切な思い出の品ここで使い切り消えてしまう事の方が、セキヤにとってすごく心苦しいのだ。
「何をよそ見しておる!」
目の前からサタナキアはそうセキヤに語りかけてきた。
「貴様、将来の夢はヒーローじゃなかったのか…!夢物語だと笑われてもええのか!」
サタナキアは次から次へと飛んでくるトライデントを弾きながら、セキヤにそう語り続けてきた。
「でも、このタンジェリンクォーツだけは…」
セキヤは能力1つで消えてしまうかもしれないと怯えながら震える手で葛藤してることをサタナキアに告げながらタンジェリンクォーツを握る。
「貴様の思い出の品はそんな簡単に消えるものなのか!?貴様の能力は石を変化させるだけじゃないじゃろ! 貴様が大事にしておる限りその物の耐久性も変わるんじゃろ!!」
サタナキアは大きな声で怒鳴りあげながら、セキヤに言い聞かせていた。
(そうだ、おれが大切にずっと思ってれば、これはどれだけ変化させても…壊れたりなんてしない!)
夕焼けが登り始める夕方頃、セキヤは自分の意思を固めるため、目をつぶりながら1歩だけ踏み込んだ。
「今こそ!変わるんじゃ!ヒーロー!!」
サタナキアのその声に目を開け、飛んでくるトライデントに対して、タンジェリンクォーツを持っており、握っている手を勢いよく振りかぶりながら
「【STONECHANGE】!!」(石よ変形しろ!!)
セキヤはそう雄叫びをあげるように水のトライデントに対して強いパンチを入れた。
その瞬間、手は橙色の光に包まれ、太陽の様な装飾に彩られている黒い密着型インナースーツにタンジェリンクォーツがたてがみのようになっている獅子をモチーフにした思われる仮面に白と金そして鮮烈な橙色で構成されたのフルアーマーのヒーローがそこには現れていた、いや セキヤがそのヒーローへとなったのだ。
「サタナキア、一旦ここは任せよう」
ハンテはサタナキアを後ろから下がりながらそうサタナキアの耳元で囁いた。
「いや、しかし」
「見たらわかるでしょ…あいつはもう 立派なヒーローよ」
ハンテは夕焼けに照らされているアーマーに少しだけ羨ましそうにそしてかっこいいことに悔しがりながらニヤつきサタナキアへ答えた。
「石化ヒーロー!獅子騎士!!」
シーサーナイトはそう自分を語り、片腕を斜め前方へ大きく突き出し、もう片方の腕は胸元付近まで引き、拳を強く握りながら両脚を大きく左右に開いて腰を低く落とす決めポーズを見せた。
「悪魔セパル、最後の忠告だ 襲った人間達を返してくれ」
シーサーナイトは片足を船から乗り出すように構えて、湖にいるセパルにそう語りかけた。
「色男、あんたの友達が居たなら可哀想だと思うわ! なぜなら その子達はみーんな!私のおもちゃとして遊ぶための道具へとなり変わったんだからね!」
セパルはそう、笑いながらシーサーナイトへ答えた。
「そうか、」
シーサーナイトはたった一言そう呟き、セパルの居る湖の中心へと飛び上がった。




