基癒山探検隊!Ⅱ
「それで、ここに引っ越してきた理由が知りたいんだっけ?」
とセキヤは照れていたターリャに声色を変え問いかけた。
「あ、うん セキヤンって アビリシティっていう大都会出身でしょ? 倒れてる時おじさんから聞いてさ」
ターリャは座ってる岩場から足を出しぶらぶらさせながらセキヤにそう問いかけた。
「んー、まぁな ここよりはだいぶ都会かも」
「そんな都会からなんで、ここみたいな島国に来たの?」
「んー、俺の父さんと母さんの出身地が、ここコワニアイランドらしいのよね でさ、ここら辺は結構台風が接近したり上陸したりすることが多くて荒らされたりするじゃん?」
とセキヤは語り始めた。
その出来事にはターリャも思う節があった。
なぜならターリャのおじいちゃんが今回、セキヤの父に依頼した理由は畑や倉庫が荒れていたことによる修理依頼であり、その原因は食物を食べ荒らされた訳ではなく、自然現象の台風によって荒らされてしまったからだ。
「うちの父さんたち昔から正義感強くて 自分たちの実家の島国が最近自然現象で荒らされてるのニュースで見て、引越しをすることにしたんだってさ」
とセキヤもどこか誇りに思ってそうな表情と話し方で両親のことを語った。
「え、じゃあ セキヤンは都会に帰らないの?」
ターリャは少し嬉しそうに頬に手を当てながらセキヤに聞いた。
すると、その場で少しの沈黙が続いた。
ターリャがセキヤの方を向くとセキヤは何かを真剣に考え少しだけ地面を見つめていた。
セキヤはこのまま、コワニアイランドに暮らすのも良いかもしれないなと思ってる反面、今日見たニュースのことを 例の悪魔事件の出来事を思い出していた。
自分の出身地を守るため、引っ越しをした両親と同じような正義感がセキヤにも多少はあったからだ。
「いや、俺は高校受験で都会に戻るよ やっぱり守りたいものがあるからね」
セキヤはそうターリャの問いに答えながら、座っていた岩場から立ち上がりズボンの後ろをパッパと手で払った。
「ヒーローだね。」
ターリャは小さくその単語を呟いた。
「ヒーロー?」
聞き返すようにセキヤはターリャの方へ振り返った。
「だってそうじゃん 守りたいものにすぐに手を差し伸べに向かう、私をお姫様抱っこしてくれた時も本当は足の疲れで限界が来てたの 知ってたんでしょ?」
そう語るターリャの表情は今までに見たことないほど、真剣でどこか温かい表情をしておりセキヤはそんな表情をするターリャに少しだけ見とれてしまった。
「ま、まぁな」
セキヤは照れながらポリポリと指で頭を掻きながらそうつぶやくように答えた。
「私も、頑張らないとなっ」
とターリャも岩場から立ち上がりセキヤの真似をするようにズボンの後ろをパッパと手で払いセキヤに微笑んだ。
その瞬間
「うわっ!!」
ターリャは立ち上がった時に、足の裏をちゃんと地面につけれてなかったのか、それとも長時間座っていた為急に立ったことが原因なのか足元をぐらつかせて身体をよろめかせた。
(あ、これはやばい…!)
そう思いながら受け身も取れずにターリャは目をつぶり倒れる事をわかった上で目をつぶった。
(…あれ?)
倒れた衝撃が身体に走るはずだったが、痛みは来ずにターリャは何が起きたか分からず目を開けた。
するとそこには、バランスを崩したターリャの体を、ちゃんと見ていたセキヤは長い腕が伸ばし、ターリャの腰を後ろから抱きすくめるようにして支えていた。
「よかった、このまま倒れていたらあのとんがったツララに刺さるところだったぞ…!」
とセキヤは支えながら、ターリャが倒れた先にあったツララのようなものに指を刺し ターリャを心配するように怒った。
「あ、ありがと」
ターリャの身体はぴったりとセキヤに触れており胸の鼓動を激しく響かせながら感謝を述べた。
「でも、なんで地面にツララがこんな所に…」
とセキヤはターリャの身体を立ち上がらせるように支えそう呟いた。
ターリャも立ち上がり際にそのツララを見た。
「って!それツララじゃないよ! これがタンジェリンクォーツ!!ほら少し光が当たってる場所が橙色になってるでしょ!」
とターリャは驚きながらもそこにあるのはツララではなく、タンジェリンクォーツだとセキヤの発言を否定し、正しく訂正をした。
「ええぇ!?!?これが!?」
とセキヤも驚きを隠せない表情で地面に着いてるタンジェリンクォーツに目が釘付けになるのではないかと思うほど顔を近づけた。




