セキヤという男についてⅢ
これがアニメならドーンという効果音が流れそうなほど勢いよくぶつかったセキヤとターリャは、そのまま畑で倒れてしまった。
「あぁ!ごめんごめん!」
そう言い依頼人からターリャと呼ばれていた少女は身体全体を使いセキヤを地面に押し潰していた事に気づき立ち上がった。
「おい、大丈夫か!?セキヤァ」
父親の声が遠く聞こえ、セミの鳴き声がよく響き渡る場所でセキヤは久しぶりの外と勢いよく倒れた頭の衝撃で立ち上がることもできず、その場で目を閉じてしまった。
「―ヤくん! セキヤちゃーん!」
セキヤは自分を呼ぶ声に反応し目を開けた。
そこは先程居た外とは違い、白い天井が見える場所で自分の身体はモコモコとした布団に気づいたら入っていた。
「セキヤ!!」
白い天井を見ていたセキヤの視線から唐突に横から先程ぶつかってきた少女の顔が現れた。
「うわぁ!!」
セキヤは驚きながら横にしてた身体を起き上がらせた。
「あ、起きた〜、良かったよぉ…」
そう心配しながらも自分の体重が重たかったのか、とかブツブツ言いながら少女は自分のお腹を摘んだりしてた。
「君は…?」
セキヤがそう問いかけると、自身のお腹の肉をつまんでいた指を離し
「私はターリャ! ここ基癒山の管理人 キユじいちゃんの孫!よろしくね!セキヤン!」
「 セ、セキヤン?」
「セキヤくんもちゃんもさんもピッタリ来なかったから、セキヤン!」
ターリャは手を差し伸べながらセキヤに対して唐突に付けたあだ名で呼び始め、セキヤも訳も分からないまま差し伸べられた手に握手をした。
「ところで、えっと…ターリャさんはなんで山の中を冒険してたの?」
セキヤは自分にぶつかる前に依頼人のキユさんが孫は冒険が好きと言ってたのを思い出しそう質問した、するとターリャは少し不服そうな顔をして
「ターリャさん!じゃなくて ターリャ でいいよ!それに、冒険じゃなくて探検!」
「そうなんだね、ターリャ」
セキヤは不服そうな態度を取ってたターリャを見ていったん言うことを聞こうと呼び名をさん付けするのを辞めた。
するとターリャは少し嬉しそうに微笑んだ。
「おじいちゃんも間違えてるんだけど、冒険は危険を冒してまで挑戦をすること、私がやってるのはあくまで危険は冒さない程度に洞穴という未知なるところの調査をしてるの!」
と持論をターリャはどこか楽しそうに説明しセキヤはその持論に頷き、納得することしか出来なかった。
(ん、待てよ 基癒山…洞穴…調査?)
セキヤはそのワードに引っかかることがひとつあった。
「そして!私の目的はあの洞穴で輝く宝石!」
「「タンジェリンクォーツ」」
2人の口から同時にそのワードが出た。
「え、えぇ!?タンジェリンクォーツ知ってるの!?」
ターリャはその場で嬉しさのあまり飛び跳ねながら自分以外もあの宝石のことを知っていたセキヤに笑った。
「え、えっと確か、タンジェリンクォーツは赤鉄鉱の成分が表面付着して、それが酸化したら橙色になる水晶 だったよね、」
セキヤはここに来る前に父が教えてくれた知識を使ってそう答えた。
「そう!!そうなの!?あれって透明なんじゃ?」
「たしか、タンジェリンクォーツ自体は透明で、表面が酸化するから、橙色に見えるはず」
これもまた父から教わっていた知識だ。
「へぇ〜!君も欲しかったの!?タンジェリンクォーツ」
ニヤニヤと微笑みながらターリャはセキヤを肘でツンツンした。
「うん。欲しい、君と取りに行きたい」
セキヤは真剣な目でターリャの目を見ながらそう答えた。
「あ、その洞穴の場所がわかんないし、基癒山に関しては君の方が詳しいと思うから君と言った方がいいかなって…ターリャ?」
セキヤは自分の発言のせいでターリャが赤面してその場でしゃがんでいるということを知らずにしゃがんでるターリャの肩を揺らした。




