セキヤという男についてⅡ
「タンジェリンクォーツ 赤鉄鉱の成分が表面付着していて、それが酸化してオレンジ色になった水晶なんだよな、確か、表面は美しいオレンジ色をしているけど、中身は透明なんだよな」
と淡々と説明している父親の顔をセキヤは知識がちゃんとあるところに少しだけかっこいい憧れている父はやっぱこの人なんだな、なんて思っていた。
セキヤはタンジェリンクオーツの画像と説明を見つめていたら、見覚えのある言葉があり指をなぞった。
「採掘場所:コワニアイランド 『其癒山 洞穴』」
と辞典には書かれていた。
「父さん、これ ここでしか見つからないの?」
セキヤは後ろにいた父にそう声をかけると、父は少しだけ鼻を鳴らし
「昔は色んな所で宝石は取れていた、けどこの異能力者が居る世界だ 宝石だって能力で出せるヤツが存在してもおかしくない。つまりは取りに行って危険を犯すリスクが無くなった為、図鑑には最後に見つけた身近である所だけを適当に記し当てたのだよ」
とセキヤ父は少しだけ呆れてるような顔をした。
「ほら、建築の時間だお前も今日は学校休みだろ?さぁ行くぞ!」
セキヤ父は話を逸らし仕事の手伝いをするようにセキヤに伝え仕事着を着る準備を始めた。
「お父さんはね、子供の頃、将来の夢が探検家だったんだけど、その職業が無くなって、石とかに触れる建築家になったのよね」
セキヤ母がセキヤに対しセキヤ父に聞こえない程度に小さい小声を耳元で囁いたが、
「おーい聞こえておるぞ!」
とまたまた丸聞こえだったらしく、父に指摘された。
「昔のことだ、気にすんなセキヤ、ほら!行くぞ」
眩しい日差しに照らされた外の暑さに少しやる気を削がれながらも、セキヤは渋々父親の指示に従うようにトラックに乗った。
―数分後
「着いたぞ」
そう言いながら父親はトラックの運転席から降りた、続くようにセキヤは降りた時 そこは作物や柵が荒らされ、倉庫と思わしきとこの屋根が半壊していた畑だった。
「いや、ごめんね こんな遠くまで来させちゃって」
「いやいや、こちらこそ、わざわざご依頼ありがとうございますっ! 」
父親と依頼人が話し合ってる間、セキヤは見覚えのある風景をクルクルと見渡しながら、畑の中を動き回っていた。
「おい、セキヤ!キョロキョロせずこっち来て挨拶しな!」
とセキヤをセキヤの父が大声で叫ぶ声に、反応し セキヤは父親の方へと振り向き戻った。
「この人!この畑とその山の管理人のキユさん!」
セキヤの父はそう依頼人を手のひらで相手の方へと差し出しながら説明をした。
「どーも、中学生かな? ワシにも同じくらいの年齢の子がおってな」
依頼人のキユはすこし緊張で固まってるセキヤにニコニコしながら声をかけた後に 後ろを振り返り
「ターリャ!」
と大きな声で誰か女性のような名前を呼んだ。
すると依頼人の後ろの木陰がガサゴソと物音を立てながら動き始めた。
「すまんね、ワシの孫 冒険が好きみたいで」
キユさんがそう笑いながら声かけてきてくれた瞬間、木陰から、こっちに勢いよく誰かが飛び出てきた
「じっちゃー!!」
そう言いながら笑顔でセキヤの方へ飛び込んでくる彼女は青い柄入りバンダナをヘアバンドのように頭に巻き、後ろ側をリボン状に結んでおり青い薄手の長袖シャツを羽織り、白いシャツをインナーにしているカーキ色のズボンを履いた、泥で顔や服が汚れてる女性だった。
これがアニメならドーンという効果音が流れそうなほど勢いよくぶつかった2人は、そのまま畑で倒れてしまった。




