セイレーンと言われしモノ
「さぁ、観念しなさい!セイレーン!」
ドリーはセキヤ達の方を見ていたが、身体を振り返らせてデッキからセイレーンを見るや否や指を指し、大声でそう叫んだ。
「あんたらぁ、私はセイレーンじゃない!!」
悔しそうな顔で船内に居るドリーを睨みつけながら、セイレーンであることを否定した。
「私は!セパル!!セイレーンの姿をした悪魔よ!!」
腕を組みながらドヤ顔で自慢そうに語るその姿は、今まで見た悪魔の中でも1番悪魔っぽく感じない存在だった。
「なぁ、今の聞こえたか?」
ハンテは吹き飛ばされたサタナキアに寄り添いながら、ドリーが誰かと話してるのは理解したが何を話してるかまでは理解できず、サタナキアに質問をした。
「貴様が聞こえないなら、我も聞こえんに決まっておるじゃろ」
仮面で隠れて表情は見えづらいが多分呆れた顔でサタナキアはハンテに答えた。
「なぁ、いまゼパルって悪魔いるのか?」
目を覚ました、セキヤは立ち上がりデッキからセパルを見上げるように見つめながら、ドリーの大声から来た衝撃で横になっているテータに対して質問した。
テータは衝撃のせいか、周りがぼーっと見えながら
「あぁ、いるよ ゼパルね 赤い鎧をつけた兵士のような存在だったはず…、愛情や不妊を能力としていて、人の姿をその人の交際相手の望む姿に変えることができるらしいよ。」
と説明をした、意識があやふやな状態でも悪魔のことは語れるテータにセキヤはセパルの可愛さに少しだけ魅了されてつつも知識も含めて感心をした。
「おーい!ゼパル!!その姿は誰かのタイプの形だったりするのかぁ!」
セキヤは口元に手を添えながら大声で声を掛けた。
その瞬間セパルは顔を真っ赤にして
「あー!!言ったわね!ついに別の悪魔と間違えたわね そこの色男!! いい?私はセパル!!!濁点をつけないでちょうだい!!」
と明らかに怒りを露わにしながらセパルはセキヤに対して水をバシャバシャと音を立てながら水を飛ばす仕草をするが、その水は全然セキヤには届かず、セキヤには遊んでるように見えた。
「あいつなんて言ったのかわかんねーけど、遊んでて楽しそうだなぁ」
とセキヤは子供が遊んでるところを観覧する親のような眼差しをセパルに向けた。
「あいつ、濁点付けんなって怒ってたよ」
セパルの大声が聞こえて、意識をちゃんと覚ましたテータはセキヤの呑気そうな姿を見つめながらそう答えた。
「濁点をつけるなってことは、セパルってことか?」
「そう、セパル まぁウェパルと言う呼び名もある悪魔だよ 人魚やセイレーンの姿で現れ、海を支配する力を持つ悪魔、船を助けたり、逆に邪魔をするように水の嵐を起こしたり 1番危険なのは傷口からウジ虫をわかせて、3日で死に至らせたりするらしいよ」
テータはセパルの知識もあったことから、セキヤに何も言われずともペラペラと喋り始めたが、その姿をセキヤは知識自慢してるように見え少しだけ距離を置くそぶりを見せた。
「おーい!セパル!!なんで、フォルおじさんを気絶させたんだぁ!!」
セキヤは次こそは名前を間違えずにセパルに問いかけた。
「…うるさいわね!あんたら人間には関係ないのよ!!」
そう言いながら、セパルは両手で水をすくい フーッとすくった水に息を吹きかけた。
その瞬間、吹かれた水は小さな渦を巻き初め、セパルはその渦を巻いてる水を湖に付けた
するとゆっくり、ゆっくりと渦は大きくなり、気づけば先程セパルが作った渦よりも数倍大きい渦が、湖に現れた。
「感謝しなさい!色男!!私が直々にあんたを殺してあげるから!!」
ニヤニヤと悪い顔をしながらセパルはセキヤにそう吐き 再び渦を作る動きを始めた。




