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談夜山とセイレーン

「セイレーンだ。」

フォルが見てる方向へと5人が向かうとそこには海のように透明な水色の髪にポニーテールに貝殻や真珠が飾り付けられている 白色のワンピースを着た女性が綺麗な歌声を奏でていた。


あまりに綺麗な声と姿で、談夜湖の鳴り響いている声に5人は息を吸うのも忘れかけるほど魅了されていた。


「は、おい!目を覚ませ!!」

ハンテは正気に戻り目を覚ました時にはもう遅かった、フォルおじさんが耳を塞いで苦しみながら、泡を吹いていた。


「どうした!フォル!!」

フォルはそう言いながら体を揺すり心配するハンテに、何かを言い残そうとしたが、口から出てる泡が邪魔して声を出せなくなっていた。


ハンテはフォルの心配より先に4人の仲間を優先するように、最初にサタナキアの後ろに走り体を近づけてから、膝カックンをかました。


「なんじゃ!?」

サタナキアは膝カックンの衝撃で目を覚ました時にはもう姿勢は整えられず、大きい物音を立てながらその場から倒れた。


「貴様!」

サタナキアはそう言いながら膝カックンをしたハンテの方を振り向くと、ハンテは泡を吐いて気絶してるフォルを無言で指を指し


「3人も目を覚まさせるよ」

とだけ呟いた。今のフォルみたいにさせない、と2人の意思は言うまでもなく揃っていた。


「魚女ァ!」

サタナキアは罵声をあげながら綺麗な歌声を出してるセイレーンに襲いかかろうと船から身を乗り出した勢いのまま海に飛び降りようとした。


「くっ、悪魔風情が私の歌を邪魔しないでっ!」

セイレーンは歌の邪魔をしようとするサタナキアに対して、大きい水面を立てたその時 水面から水で出来た大きな手がサタナキアの動向を阻み、そのまま、サタナキアは海に触れることが出来ず、水で出来た 大きな手に戦艦へと押し返された。


「ぐあぁぁ!!」

押し返す勢いで吹き飛ばされた サタナキアはデッキの上で受身を取ることができず、勢いのまま転がり続けた後、1番ハンテ達から見ていちばん後ろの方のデッキの壁に背中をぶつけた。


「くっそ、」

水で出来た大きな手がハンテ達に迫り来る中、ハンテはひたすらドリーの身体を揺らすのに精一杯になっていた。


「起きろ!天使!!」

耳元でそうハンテが大きく声を上げた瞬間、ドリーの身体は少しだけピクっと動き 息を吸い始めた。

ハンテはドリーが目を覚ましたと理解しサタナキアが転がった方まで走り出し、地面に倒れてるサタナキアに対して耳を塞げと伝えるため両耳の中に指を突っ込むジェスチャーをした。

サタナキアはすぐさまハンテの真似をし、きゅっと強く目と耳の中に入れている指に力を入れた。


「サァァァァァモーーーーーーン!!!!」

耳を塞いでも鳴り響くその声はセイレーンの綺麗な音もかき消すほど大きな声で、ドリーの近くにいたテータ、セキヤすらもその声の衝撃で吹き飛ばされてしまうほどだった。

ドリーに近づいていた大きな水の手すらもその大声に揺れ、崩れるようにドリー達から遠ざかった。


「さすが、天使…」

目を覚ましてるのか定かじゃない状態で吹き飛ばされたセキヤはそう呟きながらドリーを褒めたたえた。


「ありがとっ!」

と嬉しそうに両手を背後に隠すその姿は先程まで、声だけで全員を吹き飛ばした子と同一人物とは思えないほど可愛く、ハンテには本当に天使に見えた。

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