特別:MOJの2人
「なぁなぁ、ハンテのやつ 朝から居ないんやけどどこいったんやろ」
いつもの河川敷の近くで座る2人組の声が橋の下から響いて聞こえる
夏休みが始まったの初日のことだった。
リトは停学処分になったあと、親に合わせる顔がなくMOJの秘密基地に入り浸っていた。
むしろ、親自体が失望して放置してるの方が正しいかもしれない。
カネヅ自身、昔から秘密基地が家のように暮らしてはいたため、リトが暮らすことに嫌な顔をせず歓迎した。
「なんか危険なことをするらしいよ。」
カネヅは河川敷の揺れる水面に浮いてる枯葉を見つめながら、どこか寂しそうに呟いた。
「…まぁ、気持ちわかるよ」
リトやカネヅにとって秘密基地に行くといつもハンテが居た、特に集合時間を決めていた訳ではなく、放課後チラッと覗きに来た時も、依頼人に頼まれてボロボロになりながら負けた時も、逆に身体や顔に傷をつけながらも勝利を噛み締めてた日も居た存在が、旅立ったように感じ、リトは隣でどこか寂しそうな表情で秘密基地に背中を向けていたカネヅを同情する反面、ハンテの発言も思い返していた。
『なんで裏切り行為を考えるお前が尊敬されて!なんで必死にあのグループを信じて我慢してきた私があんたより下なんだよ!」』
放課後で夕焼けで照らされてる住宅街に響いたあのハンテの発言は少なくとも、ずっとここでリトやカネヅを信頼し 1人の時寂しくても我慢してここでひとりで待っていた事も含まれていたんだろう。
『私だって同じ立場でいたかったんだ!!』
待たせすぎた、いつもリトとカネヅは戦いに出ていつも待っていたハンテに我慢させすぎた結果ハンテの口から出た本音、リトはよく知っていた。戦友としてライバルとして出た本音を目の前で聞いていたから
「縛りすぎたんやろな」
リトはそう語りながら、座っていた近くにあった石を浮いてる枯葉に当てようと投げたが、枯葉に少しだけ掠れただけであたりもしなかった。
「また、帰ってくるよなぁ、」
と少し不安そうになりながらカネヅは呟いた。
「大丈夫やで」
リトはハンテ自身がここを帰る場所として、ただ外に出ただけだろうと、思い少しだけ心残りを残しながら空を自由に飛ぶ鳥を見つめた。
「あ、」
カネヅが一言だけ発して指をさした先にはリトが先程落とそうとしてた枯葉の近くに若い緑の葉っぱが2つ追いつくように流れてきた。
「あの枯葉、俺らみたいじゃない?」
カネヅは呟き、枯葉を自分 若葉の2つをリトとハンテみたいだと説明した。
「ん、?」
一緒に流れていた枯葉と若葉だったが、一つの若い葉だけが少し早めに枯葉と若葉を通り過ぎて行った。
「成長ってことかな」
とカネヅは流れていく葉っぱを見ながら微笑んだ。
「…せやな。」
リトは少しだけ寂しがりながらも早く進んでいく若葉を見つめた。




