4話 お前らのせいじゃん!!
「お前らのせいじゃああああーーん!!」
俺の声が、虚しく森に響き渡る。
森の闇の中、三体に乗ったまま、しばらく進んだ。
月明かりだけが頼りの、静かな夜の森。
誰も、何も言わない。
俺は、その静寂に耐えられなくなって、思わず叫んでしまった。
……。
「……いや、人のせいにするのは、違うな」
深呼吸して、頭の中を整理する。
「物を魔物にする力を持ってるなんて、平凡な暮らしとは程遠い。けどまあ……今の俺に、仲間がいるだけでも、良しとしよう」
「殿!我ら、生涯を賭してお傍に。決して離れません!!!」
柵が、足の筋肉をバキッと膨れ上がらせながら、力強く言った。
「あー、はいはい。ありがとね」
「滅相もございません!!!!」
……夜でも元気だな、お前。
「これからどうするよ〜」
俺は、三体に向かって問いかける。
結局、夜の森に逆戻りだ。
「お前らは熊型魔物を瞬殺するくらい強かったから、襲われる心配はなさそうだけど。流石に、そこら辺で雑魚寝するのもなあ……」
「殿、ご意見失礼します」
「ん、どうした?御座」
「お気に障ったら申し訳ありませんが――先ほどの村人たちの反応から、我らは『災厄をもたらす者』と判断されていました」
「……そうだなー」
めっちゃ怖がってたよな、村人たち。
それは、しょうがないとしても……せめて話くらい、聞いてほしかった。向こうも、決めつけてくるのは、よくないよなー……。
「可能性の話ですが――村人たちが、冒険者に討伐依頼を出す可能性もあり得るかと」
「うわああ。俺の人生、終わったーー」
「殿♪俺たちが付いてるっすよ!」
「うるせー!あー、終わったああーー!」
「結論から言うと――この森からは、一刻も早く出るべきかと考えます」
御座は、淡々と意見を述べる。
確かに、冒険者が捜索に来るなら――すぐに、遠くへ逃げなきゃいけない。
三身一体の「乗り物」――いや、もう「魔車」とでも呼ぶべきか――に揺られながら、俺は、うーん、うーんと考え続けた。
答えは、もう御座が出してくれている。考える必要なんて、ないのに。
主としての威厳、というか――現実から、ちょっと逃げたいというか――。
考えているフリをしながら、気づくと、俺は眠っていた。
肝、座ってんぜ。俺。
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