92話
お屋敷の周りの森の中にやってきました。
先日、オレが下級悪魔に殺された辺りだ。
当然だけど、そんな痕跡は残ってない。
生活費を稼ぐため、魔物を狩るわけだが、オレはそれに基本的には参加しない。
クライネさん──師匠から、許可が出るまでは戦闘を控えるように言われているからだ。
いや、魔法で魔物を倒すのは良いので、この際だから、後方から魔法のレベル上げをしようと思っていた。
だが……。
現れる魔物を、ジュリアとヴィヴィがことごとく倒してしまうのだ。
おかげで、何もすることがない。
ディーネとのんびり散歩しているのと、全く変わらなかった。
特に、ヴィヴィが凄まじい。
彼女は三つの姿に変化できる。
10mの半人半龍の姿──初期形態。
150cmくらいの身長の少女の姿──少女形態。
2mほどの、蝙蝠の羽、鷲の脚、龍の尾を持つ美女の姿──戦闘形態。
少女形態のときは、眠そうなボンヤリとした表情なのだけど、戦闘形態になると、口の端を吊り上げ、嬉々として魔物を倒すのだ。
──ちょっと怖いです。
このときの状態が戦闘狂みたいな感じになるので、『戦闘形態』と勝手に呼んでいる。
音もなく羽ばたき、樹から樹へと翔び移り、上空から魔物を蹴爪で仕留める。
まるでハンターですね。
ヴィヴィが飛び込んで混乱しているところに、ジュリアが突撃槍で突き掛かるか、もしくは大鎌で斬り裂くというコンボで、大抵の魔物は倒されていった。
マジにオレの出番がない……。
うーん。
つまらん。
どうしたものか……?
何か別の方法で、戦闘に参加できないものか……。
まぁ、普通に考えるなら、支援魔法的なものを使うところだよなぁ。
敵を弱体化させる魔法は【闇魔法】があるけど……ダメだな、その前に倒される。
この場合に必要なのは、味方を強化させる魔法だ──実際に必要なのかはさておいて。
【結界術】も一種の強化魔法と言えるが、もっと直接的なものが欲しいかな。
そうなると……。
あ、そういえば、ディーネって支援魔法を何か使えない?
使えるそうです。
詳しく聞くと、血流を操作して、怪我や疲労の回復速度を速めたりできるのだとか。
ふむ? リジェネレーションというやつか。
なかなか便利かも。
早速、試してみよう。
まずはオレに……はっ!? オレはスキルで常にその状態だった。
意味ない。
な、ならば、ジュリアがヴィヴィに……はっ!? 精霊って血液流れているの?
ディーネ、目を逸らさないで!?
ディーネ曰く、あまり精霊には効果がないそうです。
肉体に影響させる魔法より、魔力に影響させる方が良さそうだ。
取得可能なスキルのリストを見ると、『付与魔法』というのがあった。
これかな、と思うが、これだけだと何を何に付与するのかわからん。
ちょっと保留だな。
[戦闘終了! 【結界術】のレベルが上がりました!]
そうこうしているうちに、ジュリアとヴィヴィが魔物を倒し続け、レベルが上がった。
楽っちゃ楽なんだけど……やっぱりつまらないなぁ。
なんでも、基礎って大事だよね?
あまりにも暇なため、自分の所持するスキルを確認していたら、【魔力制御】【魔法並列起動】【空歩】があった。
なので、歩く度に、足裏に魔力の板を作り、5cmくらい宙に浮き続けてみることにした。
これが意外に難しい。
勢い良く走っていたら問題なかったが、ゆっくり歩くとバランス取るのが難しい。
非効率的だが、板状ではなく厚みを持たせると安定しやすかった。しかし、地面に接地してしまうと意味ないので、浮かせるとまだまだフラフラしてしまうのだった。
これは良いトレーニングになるかも。
このちょっと宙に浮いている状態で、風の基礎魔法『ウィンド』を使って、姿勢を制御してみる。
バランスを崩したら、自動で風が吹いて姿勢を直す。
これを歩きながらやるのは、非常に難しい。
でも、魔法の練習には良いかな?
しばらく続けてみよう。
どうせ、暇なんだし……。
ジュリアとヴィヴィの無双状態を眺めながら、そう思ったのだった。
スキル
不死 状態異常無効 超回復 杖の才能 魔法の才能
高速思考 夜目 魔闘撃 魔力制御 魔法並列起動
空間把握 空間機動 空歩
杖LV.9 剣LV.8 体術LV.8 盾LV.8
投擲LV.7 必中LV.8 回避LV.9 ダッシュLV.7
耐久走LV.6 解体LV.5 危険察知LV.7
錬金術LV.6 結界術LV.6(+1)
召喚魔法LV.9 空間魔法LV.8
火魔法LV.7 水魔法LV.7 風魔法LV.7
地魔法LV.7 氷魔法LV.7 雷魔法LV.7
光魔法LV.7 闇魔法LV.7 無魔法LV.8




