90話
短いです。
オークとの戦闘中、クライネさんから何度かアドバイスをもらった。
できるだけ言われた通り修正したが、オレの動きにクライネさんは首を捻る。
「やはり、基礎からやらんとダメか……?」
小さく呟いていたが、まぁ、そうだろうね。
オレは日本にいた頃から完全なインドア派で、なるべく動きたくない、家から出たくない、と思っていた。
スポーツもほとんどせず、せいぜい自転車に乗るのが好きだったくらいだ。
身体を動かすことは、ほとんどなかったですよ。
それがこの世界に来て、何の因果か、戦う力を得てしまった。
その力だって、ステータスとかスキルとかよくわからないものだ。
上手く扱えていると思っては、ダメだろう。
それでもなんとかなっているのは、【不死】を含むいくつかのスキルと、ちょっと優遇されているステータス値のお蔭だと思う。
クライネさんに勝てたのも、ディーネたち精霊がいたのと、たまたま運が良かっただけだ。
そんな不自然なオレは、経験豊富なクライネさんからすれば、首を捻りたくもなるよね。
今後のことを考えれば、ちゃんと鍛えるのはオレにとってマイナスではない、とわかってはいるけど……オークに集られているこの状況に納得できるかと言われれば、ちょっとくらい愚痴っても良いよね?
[戦闘終了! 【空間魔法】のレベルが上がりました!]
だー!
終わった!
とりあえず、周囲にもうオークはいない。
遠くにいるかもだけど、今はもう良いよね。
「ここまでじゃな。……つまらん」
クライネさんがなんか言っているが、スルーしよう。
舌打ちしない。
かなりの数のオークを倒したのだ。
充分です。
ジュリアもどこか物足りない顔をしているが、ディーネとヴィヴィは疲れた顔をしている。
特に、ヴィヴィは眠たそうな目をしていた。
え? 普段もそんな目をしていた? そう?
あー、お腹空いたのか?
あんなに食べたのに……エンゲル係数、どうなることやら?
では、冒険者ギルドに行って報告してから、食事にしよう。
食事を終えて、お屋敷に戻ってきました。
転移の場所がバレなければ、このままここで行き来をしよう。
クライネさんがオレに、木剣を作るように言ってきた。
いくつか持っているのを見せると、他にも様々な形状の木剣を指定してきた。
ショートソード。
エストック。
シミター。
バスタードソード。
ツヴァイハンダー。
などなど、どれだけ必要なのか、予備を含めてかなりの量の木剣を作った。
[戦闘終了! 【錬金術】のレベルが上がりました!]
こんな作業でレベルが上がるのか……疑問に思わなくもないが、まぁ良いか。
「なかなか丈夫そうな木剣じゃな。
よろしい。
これから、お主──ラムダを教導しよう」
クライネさんはそう言って、長剣型の木剣を構える。
「と言っても、あたしは、剣しか使えない。
剣を使った戦闘しか教えられんのじゃ。
他のことは、自分でなんとかせい」
まさかの丸投げです。
クライネさんから、教導とか言い出したのに……。
「まぁ、そこら辺はやっているうちになんとかなる。
問題ない」
不安だ……。
「まずは、構えじゃ。
基礎からしっかりやらんとな……」
──こうして唐突に、オレの修行が始まるのだった。
スキル
不死 状態異常無効 超回復 杖の才能 魔法の才能
高速思考 夜目 魔闘撃 魔力制御 魔法並列起動
空間把握 空間機動 空歩
杖LV.9 剣LV.8 体術LV.8 盾LV.8
投擲LV.7 必中LV.8 回避LV.9 ダッシュLV.7
耐久走LV.6 解体LV.5 危険察知LV.7
錬金術LV.6(+1) 結界術LV.5
召喚魔法LV.9 空間魔法LV.8(+1)
火魔法LV.7 水魔法LV.7 風魔法LV.7
地魔法LV.7 氷魔法LV.7 雷魔法LV.7
光魔法LV.7 闇魔法LV.7 無魔法LV.8




