52話
戦闘はすぐに終了した。
別に瞬殺したとか、されたとかではなく、あることにディーネが気付いたからだった。
ナッシュ君の行方だ。
オレは言われるまで忘れていた。
薄情なようだけど、目の前でいろいろなことが起きたし、デュラハンに攻撃されたので、その対処に集中するとなると、他のことは後回しになってしまうのだ。
これは反省が必要だけど、それはまた後で。
改めて簡易マップでナッシュ君の反応を探したが……目の前にある。
でも、そこにはデュラハンしかいなかった。
待て待て。どういうこと……?
ディーネによると、あのデュラハンはナッシュ君を取り込んで、後付けの動力源代わりにしているとのこと。
このままにしておけば、ナッシュ君の魔力が尽きて死んでまうそうだ。
かといって、攻撃してデュラハンを倒してしまっても、やっぱりナッシュ君は死んでまう。
つまり、ナッシュ君を助けるためには、オレたちはあのデュラハンを倒さずに、拘束しなければならなかった。
オレはそれを聞いてホッとした。
なんせオレもディーネも、決定力のある魔法が少ない。
やるにしても、リスクがそれなりにある。
しかし、倒さずに足止め、拘束するとなると、その難易度は下がる。
少なくとも、今の状況だとイケると思った。
オレたちが立っているのは、一〇m以上はある高い城壁の上。
遠距離攻撃の手段が多い。
一方、デュラハンは攻撃手段は近距離のみ。もしかしたら、何か遠くを攻撃できる手段があるかもしれないが。
ただ、低い場所から高い場所に攻撃するのは、それだけで不利になる。
いくら、騎馬であるコシュタ・バワーが機動力があろうと、一足跳びに城壁に上がれない。
よしんば、跳び上がってきても、狙い打ちするだけだ。
一方的に攻撃するだけの簡単なお仕事です。
まずデュラハンは跳び上がるべく、助走をしようとコシュタ・バワーを下がらせた。
そこに、ディーネが大量の水を降らせる。
咄嗟に避けようとするが、広範囲に渡って降らせているので、避けきれない。
デュラハンは、全身に水を浴びた。
続いて、オレはその水を利用して、【地魔法】で地面を泥沼にした。日本と違って、コンクリ舗装されてないから良いね。
コシュタ・バワーは泥に足をとられて動き辛そうだ。
と、バランスを崩す。
かかった!
泥沼にしたのは、動きを制限させるのと同時に、落とし穴を見つけにくくするためだ。
コシュタ・バワーの足が、泥に埋まった。
即座に凍らせる。
デュラハンはコシュタ・バワーの上からランスで氷を破壊しようとするが、そんなことはさせるわけがない。
ディーネが水の散弾を放った。
デュラハンとコシュタ・バワーに散弾を放つと、デュラハンは馬から降りて避けた。
しかし、動けないコシュタ・バワーは無防備に受けるしかない。
さらに、水を凍らすオレ。
コシュタ・バワーは暴れて氷を砕こうとするが、已に下半身は氷漬けだ。ムリムリ。
ディーネはデュラハンに水弾で攻撃をし続けた。
しかし、足場が悪くて動きが鈍い。
当然だ。
泥沼で、さらに水が撒き散らされている。
その上、コシュタ・バワーが完全に動けなくなったので、オレの手が空いた。
広範囲に冷気を浴びせる。
泥が氷混じりになり、そこに落とし穴を仕掛けた。
デュラハンの鎧にも、氷が付き始め、動き辛くなり、落とし穴に足をとられた。
コシュタ・バワー同様、凍らせる。
これで終わりだ。
[戦闘終了! 【火魔法】のレベルが上がりました!]
[戦闘終了! 【氷魔法】のレベルが上がりました!]
うむ。
狙い通り。
ただ火を着けるだけじゃないのだ、【火魔法】は。
温度の調節も可能なので、周辺を零度になるように魔法をかけていた。魔力の消費がキツかったけど。
【地魔法】が上がってもよかったけど、まぁしょうがない。
レベルが5になるのはまだ先かな?
っていうか、スキルを確認してたら、思い出した。
【空間魔法】があった!
『ショートジャンプ』の魔法があった!
あんなに全力で走る必要なんかなかった!
ロープで城壁をよじ登る必要なんかなかった!
記憶力のないこの頭が憎い。
orz
スキル
不死 状態異常無効 超回復 魔力制御 杖の才能 魔法の才能
高速思考 夜目
杖LV.4 剣LV.3 盾LV.1 投擲LV.3 必中LV.4 回避LV.1
ダッシュLV.1 耐久走LV.2 解体LV.3 危険察知LV.2
錬金術LV.3 召喚魔法LV.4 空間魔法LV.2
火魔法LV.3(+1) 水魔法LV.3 風魔法LV.3 地魔法LV.4
氷魔法LV.4(+1) 雷魔法LV.2 光魔法LV.4 無魔法LV.3




