50話
オレの能力というか、チートなメニュー画面には『マップ』がある。
これは、まず画面上に世界地図が映し出され、それを縮小、拡大して見ることができる。
移動したところが、自動で記録される便利仕様になっているので、手間がかからなくて、有難い。
もっとも現状では、ほんの一部しか見ることができない。
拡大していくと、自分の周囲の状況がわかる。
しかも、三次元の地図なので、高低差もよくわかる優れものです。
今いるところは平地なので、それほど恩恵はないけど。
未だに行動範囲が狭いので、全くの宝の持ち腐れなのだが、とてもスゴい機能なのである。
さらに便利なのが、人や魔物などの情報がわかるのである。
一度は認識しなくてはならない、という条件はあるけど、逆に言えば、一度でも認識しさえすれば、その相手の居場所などがわかってしまう、というストーカー垂涎の機能なのだ。
ちなみに、これは魔力だかマナだかに反応するようなので、大抵のものの情報がわかる。
──仮にそれが生物でなくても。
例えば、オレは精霊草を手に入れたことがあるので、『マップ』から精霊草を探すことができる。
これは反則だね。
もっとも、『マップ』は一度でも行ったことがないと映し出されないので、知らない場所には反応しないのだが。
故に、行ったことのある場所の知っているもの、であるなら、オレに探せないものはない。
でも、この機能はあまり使いたくない。
なぜなら、簡単にストーキングできてしまうのだ。
オレはそんな趣味は持っていない。
しかし、やろうと思えばできてしまう。
それが、とても気持ち悪い。
今回の件も、ナッシュ君が行方不明だと聞いて、オレなら探せるな、と思った。
同時に、怪しまれているこの状況で、オレがナッシュ君を見付けてしまうのはとてもマズイ、とも思った。
もちろん、時間をかけて釈明すれば、たぶんわかってくれるだろう、とは思うが、その一方で、冤罪ってコワイと知っている。
オレはそういう経験があったわけではないが、ニュースなど見ていれば、『明日は我が身かも』と考えることくらいはあるのだ。
本当に仲の良い友人とかなら探そうと思うが、ナッシュ君はただの依頼人だし、そこまでの義理はない。
トラブルに巻き込まれた──オレでもナッシュ君でも──なら話は別だけど、それほど緊急事態でもない。
ならば、オレがやることでもない。
そう──考えていた。
ディーネに、精霊が暴走していることを伝えられるまで。
「ナッシュ君から精霊の気配がした。
今、その精霊の気配がおかしい……というか、暴走の危険がある。
恐らく、精霊草はそれを抑えるために必要だった。
これで合ってる? ディーネ?」
こくり、と頷いたディーネ。
「依頼を受けたとき、その精霊が危険だってわからなかった?
……小康状態だとわからない? 特に面と向かって話さなかったらムリ? なるほど、もっともだ」
あの時点で、ディーネはナッシュ君が精霊と関係があることはわかっていた。
しかし、その精霊と契約しているわけではなく、その関係性が希薄だったので、いくらディーネでも詳しいことはわからなかったのだ。
むしろ精霊草を求めていたために、衰弱した精霊を見付けて治療しようとする優しい子供、だと思っていたそうだ。
ちなみに、過去に弱った精霊を精霊草で治療し契約した、という出来事があったそうな。
それは、人にも精霊にも有名な話だったので、ディーネはナッシュ君のことを同様に考えたという。
「これは、オレのミス、だな。
ナッシュ君には、依頼内容のことを、もっと詳しく訊いて、おけば良かった。
そうすれば、ディーネには、ナッシュ君の、したかったこと、が伝わった、のに」
いくらナッシュ君が優秀でも、精霊のことは精霊の方がよく知っている。
どういう状況なのか訊いておけば、ディーネから何らかのアドバイスができたかもしれないのだ。
もしそうなら、ナッシュ君も行方不明にならなかった、かもしれない。
ハァ。
いくらすぐに体力が回復するとはいっても、全力疾走はキツイ。
走りながら喋るので、舌を噛みそうになった。
しかも、そろそろ日が落ちる頃なので、帰路に就く人が多く、ぶつからないように走るのは、骨がおれる。
人の頭より高く宙に浮いて、人波を避けているディーネが羨ましい。
ええい! 上を見るな!
ディーネのスカートの中は、オレが守る!
まぁ、裾が足下まであるタイトなロングスカートだし、キチンと手で押さえているので、見えないけど。
だぁっ!
人が多い!
ディーネの下にいる人! ちょっと、ごめんなさい!
ぶつかったのは、悪気はありません!
突然、ディーネが立ち止まった。
今の場所は、都市の中心部、城の近くだ。
ディーネは城を囲む城壁の上に立っている。
何かあった? 大丈夫? いろんな意味で!?
と、壁の下でどぎまぎしていると──
どぉぉん!
ものすごい音と、ビリビリと足下を揺らす衝撃がした。
遠くに煙が上がっているのが見える。
嫌な予感がする。
あれは、ナッシュ君の反応がある方向だ。
何が起こったんだ!?
スキル
不死 状態異常無効 超回復 魔力制御 杖の才能 魔法の才能
高速思考 夜目
杖LV.4 剣LV.3 盾LV.1 投擲LV.3 必中LV.4 回避LV.1(new)
ダッシュLV.1(new) 耐久走LV.2 解体LV.3 危険察知LV.2
錬金術LV.3 召喚魔法LV.4 空間魔法LV.2
火魔法LV.2 水魔法LV.3 風魔法LV.3 地魔法LV.4
氷魔法LV.3 雷魔法LV.2 光魔法LV.4 無魔法LV.3




