37話
オレは気付いた。【地魔法】と【錬金術】の相性が良いことに。
なにせ【錬金術】には何らかの材料が必要だが、【地魔法】ではその材料が用意できるのだから。
具体的には、【地魔法】で土や砂を出せば良い。
もっとレベルが上がれば、石どころか、金属も可能だろう。
しかも、通常であれば、魔法には精神力が必要であるけど、オレの場合はすぐに回復する。
魔法使用→回復→【錬金術】→魔法使用→……
このループだ。
っていうか、これ、レベリングに使えるな。【地魔法】と【錬金術】のレベルが上げ放題ですよ。
やってみた。
作り方は簡単です。
メニュー画面から『スキル』内の【錬金術】を選択。
すると、今のオレが作れるものが並ぶから、そこから選択。
必要な材料を『アイテム』から選択。
決定。
しばらく待つと、MPが減ってピカリと画面が光る。
土を使って錬金をすると、陶器を作れた。
砂を使って錬金をすると、ガラスを作れた。
何故だかはわからない。
確かに原料はそうだけど!
そんな簡単に作れるものか!
なんで、ゲームみたいに画面をポチっとしたら、ちょっとの時間で完成するんだ?
全国の職人に謝れ、このチートスキルめ!
……。
はふぅ。
落ち着こう。
陶器で食器を作ったけど、20個を越えたところで止めた。
そんなにいらない。
代わりに、ガラスで色んな形の容器を作り、最終的には薬瓶をたくさん作った。
ポーションを作るから、容器が必要なことを思い出したのだ。
職人ギルドで薬草は買ってある。
ちなみに、薬草はそこらへんにいくらでも生えているため、冒険者志望の子供がギルドの準構成員として、採取する仕事をしているのだ。
だから、オレは最初の仕事で薬草採取の仕事は、選べなかったのです。
同じように、画面からポチっと、ピカリ。
ポチっと、ピカリ。
ポチっと、ピカリ。
うだー!
なんだこれ!
ものを作ってる感、まるでなし!
もっと、こう、薬草をすり潰す作業とか、鍋で煮立たせるとか、いろいろあるだろう!
はぁ。
急にゲームをやってるような感じになった。
もっとも、ステータスとか、レベルとか、今さらかな。
こういうものだと、諦めよう。
適当にポチポチやりながら、薬草がなくなるまで、ポーションを作成する。
たくさん作ればレベル上げになるかな、と思ったが、どうも同じものを作り続けても、あまり経験値にはならないのかも。
レベリングとしては、非効率的な気がする。
もうやらない。
ある程度の数のポーションができたので、【錬金術】は終わりにする。
あとで売ろう。
これから、どうしよう?
今、何時だ? 21時か。
ヤバい。眠る必要がないと、夜ってこんなに長いのか。
うーん。
明るくなってから、森の中に入ろうと思っていたが、予定変更するか。
【夜目】のお陰で良く見えるし、なんとかなるかな。
ディーネもいるし。
任せた、と目で合図すると、ディーネは微笑んで頷いた。
ちょっと思い付いて薪で松明を作り、『アイテム』に収納する。
取り出しても、ちゃんと火は点いている。
いくつか松明を作っておくと、便利かな。
いざというときに、咄嗟に『アイテム』から照明になるものが出せるというのは、アドバンテージになる。
さっきまでは剣を使っていたから、今度は杖にしよう。
合間に魔法で攻撃する。
これで行こう。
森の中に足を踏み入れる。
何となく、空気が違う。
ゲームで言うならば、マップが切り替わった、というところか。
簡易マップにある光点へ、ゆっくりと進む。
油断せずに杖を構える。
いつでも戻れるように、あまり奥には向かわない。
いた。
蛾だ。
デカイ。人の顔くらいの大きさの蛾が、樹にへばりついている。
うむ。
帰ろう。虫は嫌いなんだよ、オレ……。
うぎゃあ!
飛んできた!




