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38話

「……あ、ありがとう、ディーネ……」


 飛んできた蛾に、パニックになってしまったオレは、なにも考えられずに、最大限のファイアボールを放ってしまった。

 直撃した巨大な蛾は燃え上がり、地面に落ちた。


 そこまでは良かったが、その火は周囲に燃え移ってしまったのだ。

 ディーネが咄嗟に水を出して消火してくれたが、危うく大変なことになるところだった。


 あー、ビックリした。

 蛾と火のダブルショックで、心臓がバクバクしているよ。


 本当に、虫は嫌いなんだよ。

 しかも、サイズがあり得ないことになってた。

 まさか、アレが標準じゃないよね?


 昼間はあんな虫はいなかったはず。

 見付からなかっただけ、かもしれないけどさ。

 あー、ヤダヤダ、もう帰ろう、ディーネさん。


 え? ダメですか? そうですか。

 じゃあ、夜中ではなく、昼間なら……いる? 昨日は見なかっただけ、ですか。

 マジか……。


 仕方ない……見つけ次第殺虫サーチアンドデストロイするしかない。

 いや、日本にいた頃より、今の方がマシかもしれない。

 サイズが大きい分、見つけやすいし、魔法のお陰で殺虫の手段はたくさんある。


 よし。虫を全滅させるぞ!




[戦闘終了! 【氷魔法】のレベルが上がりました!]


 はい。現場のラムダです。

 虫は燃やすと火事になる可能性があるので、凍らせて動けなくしてから、杖で撲殺する簡単なお仕事です。デストロイ万歳。


 出てきた虫は、蛾と蝶、蟻、芋虫、ムカデです。

 どいつもこいつもサイズが大きく、特にムカデが出てきたときは、涙が出てきました。


 思わず燃やしてしまいたくなりましたが、オレはクールです。

 オレは狂う、ではありません。

 ファイアボール後、ちゃんと消火しました。

 ディーネさんには、怒られましたけど。


 蝶は色鮮やかな羽だと思いますが、暗い森の中なので、あまり関係ありません。石の弾丸で即射殺しました。

 芋虫はザコです。のったりのったりしているので、石の弾丸で即射殺しました。

 困るのが蟻です。最初は二、三匹なのですが、モタモタしていると、どんどん増量していきます。あまりに増えたので、思わず逃げました。次は燃やそうと……ダメですか?


 魔法では、基本的に単体用の攻撃魔法しかありません。

 もっとまとめて、サクッと殺虫できる魔法が欲しいです。

 以上、現場のラムダでした。




[戦闘終了! ラムダのレベルが上がりました!]

[戦闘終了! 【杖】のレベルが上がりました!]

[戦闘終了! 【光魔法】のレベルが上がりました!]


 おお!

 いっぱいレベルが上がった。

 大量に蟻を殺したからなぁ。


 この森の中にどれだけいるんだ? 常に湧いて(ポップして)いるんじゃないか? っていうくらい、大量に虫がいた。

 

 魔法だと対処しきれない。

 けど、近接戦闘はあまりしたくない。(たか)られたくない。

 石の弾丸を射出する『ストーンバレット』は、オレの魔改造により貫通力が増しているが、蟻の甲殻が中々硬く、二匹か、良くて三匹しか倒せない。

 その間に、増援がやって来るので、逃げるしかなくなるのだ。


 燃やすのが一番効果的かつ効率的なのだが、万が一消火が遅れてしまうと、大惨事になる。


 というわけで、範囲魔法ができないか試行錯誤してみた。


 水を大量にぶちまける、という方法が思い付いたのでやってみたが、あまりダメージはないし、地面がドロドロになって動き辛くなったのでボツ。

 同様に、土を大量に……も、虫どもが埋まっただけで倒せなかった。

 もう一手間必要な感じだが、今はちょっとムリっぽい。


 氷と風を合わせて、ブリザード! とか、それっぽいことはできたが、MPがものすごく減った。

 すぐに回復はするが、集中しないとならないので連発できないし、それくらいなら、高水圧カッターの方がマシです。地面ドロドロだけど。


 そこで【光魔法】である。

 今まで、この【光魔法】にはてこずっていた。

 照明用の魔法『ライト』があるが、あくまでも照明用なので、ダメージを与えられない。

 瞬間的に強く光らせて、目を眩ませるくらいだろうか。


 うーん、と考えて出た結論は、光を増幅、収束して熱光線を射出する、というものだった。

 虫だけに虫メガネ、という発想なわけだ。

 今は夜だから太陽は出てないが、そこは魔法という謎の力でやってやる。

 

 というわけでできました、『ソーラーレイ』です。

 まずは光の玉を出す。通常は頭上だが、今は夜の森の中、虫が集るので離れたところに出す。

 その光の玉から狙った場所に、増幅し収束した熱光線を射出する。

 完了。


 欠点は、貫通するものの、その一点のみにしか効果がない。

 普通の生物なら、急所──心臓や脳──を狙えば良いが、虫は痛覚がなく鈍いので、なかなかそうはいかない。

 よって、連射して穴だらけにする必要があるのだ。


 この魔法はオレ向きのもので、一発放つのに50MP減る。同時に五発放てるので、250MPだ。

 この程度ならほんの一瞬で回復できるので、ほとんど途切れることなく連射できるのだ。


 これは良い魔法です。


 名前 :ラムダ

 レベル:3(+1)

 SP :200(+110)


 生命力:1260(1150+110)

 精神力:2420(2200+220)

 筋力 :195(184+11)

 耐久 :193(182+11)

 敏捷 :186(185+11)

 器用 :202(191+11)

 魔力 :1331(1210+121)

 幸運 :20


 スキル:不死 状態異常無効 超回復

     杖の才能 魔法の才能 高速思考

     杖LV.3(+1) 剣LV.2 投擲LV.2

     錬金術LV.2 耐久走LV.1 解体LV.1

     必中LV.2 召喚魔法LV.2

     火魔法LV.2 水魔法LV.2 

     風魔法LV.2 地魔法LV.2 

     光魔法LV.2(+1) 無魔法LV.2

     氷魔法LV.2(+1) 夜目

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