29話
朝日が昇り、白々と明るくなっていくのが、部屋の中にいても感じられたので、オレは目を開ける。
結局、一睡もできなかった。
それなのに、全く眠くならない。
どうして、こうなった?
※※※※※
昨日、魔法使いギルドでの用件を済まし、宿屋に戻ろうとしたところ、一人の獣人の少女――ではなく少年に声をかけられた。
何か頼みたいことがある様子だったが、もう日が暮れていたのと、面倒だったからだ。
それと、その少年が人目を憚ることなく騒ぎを起こしていたので、なおさらだった。
とりあえず断ろうとしたが、すがり付いてきたので、話を聞くのは翌日に、ということにして、オレとディーネは宿屋に戻った。
宿屋で食事をして、風呂――本当に宿屋にあった――に入り、さて寝ようとしたところで、問題を一つ思い出したのだった。
部屋が一人用だったんだよ! ちくしょう!
ディーネが風呂から出て身体からほこほこと湯気を上らせ、ほんわりと微笑みながら部屋に戻ってきたとき、オレの心拍数が急上昇したよ。
もちろんオレも男なので、ディーネのような美女と同衾できるなんて嬉しいに決まっているが、だからといって出逢ってその日の内に、なんて言うほど腐ってもいない。
しかも、ディーネは精霊様で、さらにオレの配下(この呼び方は好きではないけど)でもあるのだ。
ちょっと手を出しづらい。
もっとも、その内ガマンできなくなりそうなオレがいるが。
何はともあれ、ベッドに入るオレとディーネ。
ちゃうねん。
オレが床で寝ようとすると、ディーネは悲しい顔をするんだ。
仕方ないんや。
当たり前だけど、眠れない。
魅力的な身体つきをした美女が、狭いベッドに一緒に寝ている。
眠れたら、男じゃない。
手を出したいのに、出せないジレンマ。
いや、手を出さないと決めたのはオレだけどさ。
もう頭の中が沸騰して、身体中の血液が工業廃液になったようです。
なにいってるのか、もはや意味不明だけどさ。
少し身体を離そうとすると、ディーネも一緒に付いてくる。
今にも床に落ちそうだよ、オレ。
落ちたら楽になれそうだけど、気付くよね、ディーネ、絶対。
眠るのは諦めて、ステータスの確認でもしよう。
何か他の事に気を紛らせば、その内眠れるさ。
では。
名前 :ラムダ
レベル:2
SP :100
生命力:1150
精神力:2200
筋力 :184
耐久 :182
敏捷 :185
器用 :191
魔力 :1210
幸運 :20
スキル:不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
杖LV.2(+1) 剣LV.1 投擲LV.2(+1)
錬金術LV.1 耐久走LV.1 解体LV.1
必中LV.2(+1) 召喚魔法LV.2(+1)
加護 :【創造神】【創世神】
呪 :【創世神】
精霊 :【水】
ふむ。
スキルのレベルがいくつか上がっている。
【杖】【投擲】【必中】【召喚魔法】だな。
戦闘で使ったのが、レベルアップしたんだ。ナイフはあまり使用してないから、【剣】が上がらなかったようです。
……ナイフは【剣】で良いんだよね?
Wikiで調べられないだろうか?
【召喚魔法】は、ディーネを召喚しているから……で良いはず。
常時召喚しているけど、MPが減っていない。
多分、減っているより、【超回復】で増えている量の方が多いんだと思うのだけど。
もう少し、配下が増えればわかるはず。
……って、そこそこ時間が経ったけど、一向に眠くならない、どうしよう?
うーん、では、SPの使い途を考えよう。
ステータス値を増やすことに使うより、スキル獲得に使うべきなんだけど、何のスキルを取ろう。たくさんあって、悩む。
それともSPを溜めておいて、強力なスキルを取るか?
悩むなぁ。
オレはこういうとき、優柔不断になってしまうのです。
魔法を使えるようになりたいけど、ここでSPを使うのは、時期尚早だ。
魔法使いギルドに行って、相談してからでも遅くない。
昨日は長くなりそうだから、止めたけど。
となると、戦闘に役立つパッシブスキル辺りが欲しい。
あぁ、悩む……。
背中にディーネの柔らかい身体を感じる。
あぁ、悩ましい……。
……………………
………………
…………
……
あれ?
外が明るい。
ディーネとスキルに悶々としている間に、夜が明けたのだった。
名前 :ラムダ
レベル:2
SP :100
生命力:1150
精神力:2200
筋力 :184
耐久 :182
敏捷 :185
器用 :191
魔力 :1210
幸運 :20
スキル:不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
杖LV.2(+1) 剣LV.1 投擲LV.2(+1)
錬金術LV.1 耐久走LV.1 解体LV.1
必中LV.2(+1) 召喚魔法LV.2(+1)
加護 :【創造神】【創世神】
呪 :【創世神】
精霊 :【水】




