180話
朝、ジーク師匠に転移魔法のことを相談したら、もう出来るだろうと言われた。
師匠の転移魔法で一緒に移動していること。
短距離転移が出来ること。
方法は別だけど自分で長距離転移していること。
という理由なのだけど、なるほど、と思った。
それに、オレは【時空魔法】のスキルがある。
ならば、出来ないことはないはずだ。
やってやろう。
とはいえ、いきなりダンジョンに行くのは怖い──『石の中にいる』なんてイヤすぎる──ので、家に行くことにした。
いつもは水を通って転移する。
そのときに思い浮かべるのは、転移先のイメージだ。
同じように、家の庭をイメージして──。
水の中ではなく、マナの中を通って──。
オレは、【時空魔法】を発動させる──。
「『テレポート』」
フッと身体が軽くなった感覚があったと思ったら、既に家にいた。
おお!
成功した!
これで移動がかなり楽になるなぁ。
ねえ、アヤノさん……?
ぎゃー!?
アヤノさんとディーネがいない!
オレ一人だ!?
え? なんでだ!? うわ? マジで!?
もしかして、はぐれちゃった?
マズくないか、それ! リアル『石の中にいる』か!?
ど、どうしよう?
いや、落ち着け!
深呼吸だ!
すーはーすーはー。
はふぅ……。
とりあえず、学院に戻ろう。さっきまでいた場所に取り残されている可能性もある。
もう一度、
「『テレポート』」
先程と同じように、フッと身体が軽くなり──、
目の前に学院の校舎と、アヤノさんとディーネが立っていた。
「あ、転移魔法、成功したんですね!
良いなぁ! 羨ましいです!」
……あぁ、良かった。
「あれ? どうかしましたか?」
ホッとして、腰ぬけちゃったよ……。
もう……はずかしいなー……。
ふぅ。
よし。落ち着いた。
マジで焦ったけど、何事もなくて良かった。
少し、『テレポート』の魔法の検証が必要かな?
何故、アヤノさんとディーネが取り残されたのか?
何故、ディーネは一緒に転移出来なかったのか?
ディーネはオレと契約している。
なんとなく同一の扱いになると思っていたけど……。
衣類や道具とは違うんだな、当たり前だけど。
となると……一度送還して転移してから再召喚、というのがベターかな?
ただ、これだと転移先に何かあった場合、対処が遅れる可能性がある。
特にダンジョンに転移するときは、出来るだけ戦力を整えておきたい。
オレとアヤノさんだけで、魔物の集団のど真ん中に転移してしまった、なんて笑い話にもならない。
あり得ない話ではないのだ。
精霊たちはみんな召喚しておきたい。
ならば、どうするか?
うーん?
ジーク師匠はどうでしたっけ?
確か……?
クライネ師匠は、ジーク師匠の肩に手を置いていたはず。
それで、オレたちは……ジーク師匠の目の前に立っていたんだった。
……?
クライネ師匠はなんとなくわかる。
身体に接触していれば、一緒に転移出来るわけだ。
服とかはこの扱いかな?
じゃあ、オレたちは?
別に身体に触れていたわけじゃないけど……?
あぁ、そうか。
ジーク師匠の視界内に入っていれば、それで良かった……のかな?
もっと言うと、視界内に入れたものを選択すれば良いのか?
でないと、なんでもかんでも一緒に転移しかねないからね。
よし! 試してみよう。
実験の結果、想像通りだった。
術者に触れているか、視界内に入れたものを選択すれば、一緒に転移出来る。
少し慣れがいるけど、そんなに難しくないね。
しかし、だとすると、この魔法、かなり凶悪である。
目前にいる魔物とかを、空中や海中とかに転移させてしまえば、一撃ではないだろうか?
……ふむ。
良い手段かもしれない。
覚えておきましょう。
それはさておき。
少し遅くなっちゃいましたけど、ダンジョンに行こうか。
ジュリアたちを召喚して、と。
では、参りましょう。
地下二階から再スタートです。
まずは、アヤノさんがこの階にいる魔物との戦闘に慣れてから、というのが良いかな?
特にリザードマンは、尻尾攻撃が少し厄介だ。
まぁ、アヤノさんなら、数回戦えば大丈夫だろうけど。
ヴィヴィとユミルには宙に飛んでもらって、周辺の警戒をしてもらう。
……そういえば、ユミルには近接攻撃の手段がないな。
ショートソードを渡しておこう。
いざというときにあるとないとでは、大違いだからね。
ん?
ディーネも欲しい?
じゃあ、この短剣を持ってて。
夜にでも、ミスリルかなんかで改めて作るから、それまではそれで我慢しててね。
うん。準備出来た。
それでは、行こうか。
相変わらず、魔物が多いなぁ。
まぁ、素材を剥ぎ取り出来れば、お金になるから、それはそれで良いんだけど……。
なかなか先に進めない。
それでも、地図があるだけマシなんだけど。
アヤノさんは、やっぱり近接戦闘は凄い。
巨大な昆虫とか、空を飛ぶコウモリなんかはちょっと躊躇うけど、すぐに慣れたし。
人型のオークやオーガは、相手に攻撃させる隙さえ与えない。
鎧袖一触とは、このことを言うのだろう。
逆に遠距離攻撃、特に魔法攻撃はちょっと苦手そうだ。
タイミングなんかは、一緒にいるディーネに合わせているだけみたいだからね。
多分、前にいるジュリアとかに当たらないように、って考えて躊躇してしまうのだろう。
まぁ、少しずつ慣れてくれれば良いかな?
それと、スキルにある【神聖魔法】以外の属性魔法も覚えられないか、アヤノさんはいろいろ試しているけど、なかなか上手くいかないみたい。
帰ってから、ジーク師匠に相談した方が良いかも。
ダンジョン内で、片手間にやることじゃなかったな……。
うん。
お腹も空いたし、区切りも良いし、ここまでにして帰ろう。
では、みんな、集合して。
『テレポート』でさくっと転移しましょう。
いやー、こんな便利な魔法が使えるようになって、本当に良かったなぁ!
スキル
不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
夜目 魔闘撃 魔力制御 魔力操作
魔法並列起動 バランス 身軽
空間把握 空間機動 空歩
杖術LV.12 剣術LV.11 体術LV.11 盾術LV.11
投擲LV.10 必中LV.12 回避LV.12
ジャンプLV.10 ダッシュLV.11 耐久走LV.11
身体強化LV.3(+2) 精神強化LV.4(+2) 防御力強化LV.3(+2)
解体LV.10 危険察知LV.11
錬金術LV.11 結界術LV.12
召喚魔法LV.12 時空魔法LV.11(+1)
火魔法LV.10 水魔法LV.10 風魔法LV.11(+1)
地魔法LV.11 氷魔法LV.11(+1) 雷魔法LV.11
光魔法LV.11 闇魔法LV.11 無魔法LV.12




