138話
午後7時45分。
少し早いけど模擬戦を終えて、身支度を整える。
オレは【光魔法】の『清浄』を使うと、汗やら汚れが取れて、スッキリサワヤカになった。
この魔法は、魔力を調整するとこんなことにも使えるので、本当に重宝している。
ただ、加減を間違うと、肌がピリピリして赤くなってしまう。
もっともオレの場合、すぐに【超回復】によって治り、なおかつ、古い角質が取れて、ツヤツヤの剥きたて茹で卵みたいな肌になる。
いつの間にか虫歯は治っているし、肌や髪の毛もツヤツヤになっていたから(別にハゲていたわけではない)、異世界に来てやたら健康的になってしまった。
ありがたいことです。
しかし、オレの肌を見てアヤノさんが親の敵のような目をしているのは、勘弁して欲しい。
アヤノさんにオレと同じように『清浄』を使うと、逆に良くないと思って、少し弱めにしているのだが、どうも気に入らないらしい。
まだ若いのだから、そんなに気にしなくても良いと思うけど……。
もう少し、オレの身体で人体実験して試すから、それまで待っててください。
美容にこだわるのは、女性としての当然の本能なんだな……。
年齢とか関係ないようだ。
一つ勉強になった。
多分、回復魔法を使えば、同じような効果があると思うのだけど。
あ、だからこの世界の人は、みんな美形なのかな?
関係ないか……。
夕食を食べ終わりました。
アヤノさんの言った通り、パスタ──カルボナーラ、ボンゴレにミートソースでした。
美味かった。
特に、ミートソースは粗びき肉がゴロゴロしていて、食べ応えがあった。オレは、ミートボールが入っているのも好きだけど。
今度、ナポリタンが食べたいけど、ケチャップをどうするか?
それらしきものは作れるらしいから、大量に作っておいて、保存しておけば良い。いつでも、ナポリタンが食べられる。
あ、パスタマシーン作らないと。
イメージとしては、グルグル回せる取っ手で、生地を平たく出来れば良いはず。
材料は……ミスリルがあるから、それでやろう。錆びなさそうだし。
とりゃ!
出来ました!
アヤノさんに見せてみると、どうやら良さそうだ。
麺棒は渡してあるので、万が一使い物にならなくても、まぁ大丈夫だろう。
ついでなので、ミートチョッパーも作りたかったが、詳しい構造がわからず断念。今度、試行錯誤してみよう。そんなに複雑ではなさそうだから、なんとかなりそうな気がするけど……。今すぐはムリかな。
代わりに、ミスリル製の包丁と肉叩き(正式名なんだっけ?)を渡した。
オーク肉が結構大量にあるから、しばらく肉料理がメインになりそうだ。
そのための調理機具は必要だしね。
美味しい食事、期待していますよ。
ディーネたちと森に来た。
いつもならお屋敷の周辺の魔物を倒すのだけど、今回はちょっと離れた場所に来てみた。
理由としては、まぁ、レベルを上げることかな?
なんか、上がりにくくなってきた気がするので、試しに別の場所で戦闘してみることにしたのだ。
もう、ゴブリンやコボルトなんかじゃ、経験値が入らないのかも。
ゲームだとよくあるパターンだね。
ディーネによると、この辺りは猿系統の魔物が多いのだそうだ。
森の中で、猿を相手にするのは骨が折れそうだけど、まぁ、やってやれないことはないはず。
っと。ボンヤリしていると、魔物に襲われる。
簡易マップで索敵して、こちらから仕掛けるようにしないとな。
では、行くか。
[戦闘終了! 【回避】のレベルが上がりました!]
[戦闘終了! 【ジャンプ】のレベルが上がりました!]
まず遭遇したのは、身体の小さな猿の魔物だった。
テナガザルみたいに腕が長く、それで投げられる石が強力だったが、結界を貫通するほどの威力はなかったようだ。
カウンターで石を投げ返したら、簡単に倒せてしまった。
続いて、オランウータンみたいな魔物が出てきた。
何故か、格闘戦を仕掛けてきたので、魔法で返り討ちにしてやったけど、なにがしたかったんだろう?
なので、次の奴は魔法を使わないで相手してみることに。
ビックリしたことに、かなり強かった。
自信があったんだね。
でも、こちらは四人いる。
いくらなんでも素手では、ジュリアの盾をどうにか出来ないと思うよ。
でも、こいつは一対一で戦うには、ちょうど良いかも。
練習台にしてみようっと。
[戦闘終了! 【体術】のレベルが上がりました!]
[戦闘終了! 【ジャンプ】のレベルが上がりました!]
オランウータンモドキ以外にも、猿型の魔物が出てくるが、それほど大きな体形の魔物はおらず、それでいて、力が強いし、動きも速いので、相手をするのには、なかなか良かった。
一、二匹ずつしかいないから、オレが優先して戦ったけど、もう少し数が多いと、ディーネたちも手持ち無沙汰にならないで済んだのに……まぁ、夜だから仕方ないかな。
スキルというのは不思議なもので、日本にいた頃には全く縁のなかった技術が使えてしまう。
しかも、オランウータンモドキが寝技を仕掛けてきたので、抵抗しようとバタバタしているうちに、逆に関節技を仕掛け返して、極めてしまったのには、驚いた。
自分の身体なのにも関わらず、気持ち悪いもんだね。
まぁ、今更か。
ただ、関節を極めた後、骨を折った感触というのか、あの背筋がゾクゾクする感覚は忘れられない。
日本にいた頃には出来なかったことで、こうなってみると、『力』というものを存分に奮いたがる人の気持ちがわかった気がする。
またやってみたいと思ったオレは、手遅れなんだろうか?
それともこの世界にいる以上、必要なことなんだろうか?
答えは、いつか出るのかな?
スキル
不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
夜目 魔闘撃 魔力制御 魔力操作
魔法並列起動 バランス 身軽
空間把握 空間機動 空歩
杖LV.10 剣LV.8 体術LV.9(+1) 盾LV.8
投擲LV.9 必中LV.10 回避LV.10(+1) ジャンプLV.3(+2)
ダッシュLV.9 耐久走LV.8 解体LV.8
危険察知LV.9 錬金術LV.9 結界術LV.9
召喚魔法LV.10 空間魔法LV.9
火魔法LV.9 水魔法LV.8 風魔法LV.8
地魔法LV.8 氷魔法LV.9 雷魔法LV.9
光魔法LV.9 闇魔法LV.9 無魔法LV.10




