100話
ちょっと短いです。
なんとか所持金で支払えた。
まぁ、サービスしてくれたんだろうな……奴隷商さんには感謝しよう。
残金は残り少なくなったけど。
諸々の手続きを終えて、奴隷を購入するという、日本にいた頃には考えられないことをしたが、まぁ、従業員を雇ったのだ、と思うことにしよう。
奴隷の二人──レベッカとエリーゼを連れて、お屋敷に戻ろう。
あ、二人に必要なものを買わないと。
「君たちの荷物はそれだけですか?」
「……はい、そうっす」
二人共、バッグを一つずつ持っているだけだ。
何を持っているか、教えて欲しいんだけど……。
返事したのは、レベッカだ。「〜っす」が口癖なのかな。
そして、エリーゼは大きな身体をレベッカの小さな身体に隠すようにして、オレを無言で見ている。
……バリバリ警戒されてるね。隠れられてないけど。
はふう。
とりあえず、買い物はディーネたちに任せよう。
同性の方が、安心できるだろう。
オレは、少し離れたところでブラブラしてようかな。
買い物を終えて、お屋敷に戻ってきました。
結局、時間がなくなり全て買い揃えたとは言えないが、それはまた今度、ということで。
水による転移に驚いているレベッカとエリーゼを連れて、お屋敷の中に入る。
「君たちには、ここで働いてもらいます。してもらうことは、家事全般ですね。特に、料理を中心にやってもらいたいのです」
それと、どうしようかな? 掃除とかもやってもらうか。でも、ここは広いしな。それはオレが魔法でやった方が良いか。
あぁ、でも、キッチン周辺とか食堂なんかは、二人に掃除してもらうか。その方が、愛着が湧いたりするかな?
洗濯は、ディーネが魔法でやった方が効率が良い。って言うか、スピードが圧倒的に違うんだよね。
洗濯物をまとめて置いて、パッとやって、パサッと乾く。
一分もかからないのです。
これと、人の手による作業を比べるとか、ないよね。
うーん、あまりしてもらうことがないし、二人もいらなかったかも。
まぁ、今更か。
「あの……質問があるっす」
オレが考え事をしていると、レベッカがおずおずと手を上げて聞いてきた。
「なんですか?」
「……ここは、どこっすか?
さっきの、水の中に入ったのは、なんなんすか?
なんで、精霊様が三人もいらっしゃっているっすか?
ご主人様は、何者なんすか?」
ふむ?
質問が多いな。どこまで答えようか?
「ここは、メルガルド大森林の中。大体、中央付近。
移動方法は、水の精霊による転移。水を介して移動できます。
三人の精霊とは、契約をして一緒に行動しています。
そして、私はただの冒険者です」
「そんなわけ、ないっす!」
オレの答えは、レベッカに即座にツッコミされた。
ひどい。
「メルガルド大森林って言ったら、奥まで入ったら生きて還れない、とまで言われている場所っす!
精霊契約は、エルフにしかできないはずで、そんなのがただの冒険者って言われても、説得力がないっす!」
うーん、と言われても……。
「なんじゃ、騒々しい。
ラムダよ、誰じゃ、こやつらは?」
「オオッ!? 本当に、精霊様がいらっしゃるなんて! なんということじゃ!」
クライネ師匠が奥からやって来た。
しかも、一人ではない。
ローブを纏ったご老人が一緒です。
それこそ、誰だよ!?
「……とりあえず、お茶でも淹れますので、落ち着きましょう。話はそれからで」
なんか、疲れた……。




