繋がる道
ギルドの建物の中に入ると、受付の女性がこちらに気づきました。
さて、まずは何から話を始めますか? 追放者という経緯を正直に話すべきか、それとも隠すべきでしょうか。
>>聞かれた事以外は話さない。門番から言われたことを伝え登録してもらう。
ギルドの扉を開けると、武骨な武器の匂いと、少しばかり酒臭い活気が私を出迎えた。
私は場違いな装いに違和感を覚えつつも、受付のカウンターへまっすぐ向かう。カウンター越しに座る、眼鏡をかけた事務的な様子の女性がこちらを見上げた。
「……何かご用でしょうか? 冒険者登録をご希望ですか?」
私は衛兵から言われた通り、単刀直入に用件を伝えた。
「門番の方に指示されて来ました。身元不明者の登録をしたい。それと、街に入る許可をいただく代わりに、最低限の仕事を探すようにと言われています」
余計なことは言わない。追放されたとか、勇者候補だったとか、そんな同情を誘うような言い訳は今の私には不要だ。
受付の女性は少しだけ驚いた表情を浮かべたが、すぐに慣れた様子で書類を書き始めた。
「……身元不明者、ですね。分かりました。本来なら身分証の提示が必要ですが、今回は特例ということで進めます。……お名前は?」
「スフィアだ」
「スフィア様、ですね。では、こちらに署名を。――登録完了です。身元不明者としての仮登録となりますので、活動範囲に制限がかかる場合があります。何か特定のスキルや、得意分野はありますか? お仕事を紹介する際に必要になります」
淡々と進む手続き。私はペンを握り、簡潔に答える。
「鑑定と、もの作り。それから、少しばかりの道具の手入れならできる」
受付の女性は、あなたの「鑑定ともの作り」という言葉に小さく頷き、ギルドの掲示板から一枚の依頼書を剥がしてカウンターに置きました。
「……分かりました。では、まずはそのスキルを確認できる簡単な依頼から始めてみませんか?
『街の郊外で栽培している薬草が、最近何者かに荒らされているんです。薬草の知識があるなら、荒らされた跡から原因を特定してほしい』
という依頼です。報酬は少額ですが、実績作りには最適ですよ」
さて、この依頼を受けるか、それとも他に何か尋ねることはありますか?
>>依頼を受ける。ついでに眼鏡っ子の顔をよく見る。塗り薬が売れるところは無いか聞く。
私は差し出された依頼書に視線を落とし、迷うことなく頷いた。
「この依頼、引き受けよう。薬草の知識なら、少しは自信があるんでね」
私は依頼書を受け取りながら、ついでとばかりに彼女の顔を正面から捉えた。仕事熱心そうな眼鏡の奥にある瞳。事務的だが、冷徹ではない。街の入り口で衛兵に見せつけたあの「塗り薬」の小瓶を、再びポケットから取り出し、彼女の視界にちらつかせる。
「……ついでに聞きたいんだが、この街で『個人で作った薬』を買い取ってくれる場所はあるか? 見ての通り、これくらいの品質ならそこそこ自信があるんだ」
私は努めて淡々と、商談を持ちかけるような口調でそう言った。
「戦うのが苦手な分、こういう『地味な仕事』で稼いでいこうと思ってね。もし良さそうな店を知っていたら、教えてくれないか?」
【判定フェーズ】
あなたの観察眼と交渉の姿勢が、受付嬢にどう伝わるか。
行動:依頼の受諾および、薬の販路について情報を聞き出す。
GM補正:目的が明確で、かつ礼儀正しく提案しているため、+1の状況補正を付与します。
スキル補正:器用貧乏(Lv2)により、自分の製品の価値を的確に伝えるため、+1の補正を加算します。
ダイスロール:
1d20 = 16
最終値:16(ダイス)+ 1(状況補正)+ 1(スキル補正)= 18
判定結果:成功
【結果:繋がる道】
受付の女性は、私の視線を真っ向から受け止めたあと、少しだけ柔らかい表情を浮かべて眼鏡の位置を直した。
「……お目が高いですね、スフィア様。その薬、確かに良い香りがします。実は、このギルドから少し歩いたところに『錬金術師の工房』というお店があるんです。店主は偏屈ですが、良いものには正当な対価を払う方ですよ。……私の紹介だと言えば、多少は話を聞いてくれるはずです」
彼女は依頼書の裏に、さらさらと地図を書き加え、私に手渡した。
「薬草の調査、期待していますよ。無事に片付いたら、工房へ向かってみるといいでしょう」
私は彼女の親切に感謝を示し、ギルドを後にした。街の喧騒の中、足取りは昨日よりもずっと軽い。
「……鑑定ともの作り。勇者候補の肩書きより、この手に残った小さな力が、今は何より頼もしいな」
あなたは現在、ギルドの外にいます。
受付嬢を画像生成してもらったらショートヘアの眼鏡っ子でした。




