決戦魔帝国っ!
村の特産は異世界です
・決戦魔帝国っ!
余は誰か……と聞いてくれないのか。そうか、見た目だけでわかると言ってくれるのだな。ああ、余も有名になったのだと少しばかり感動などさせて貰っておる。
それで、余が出てきた理由なのだが。そうか、それも知っていると言ってくれるのだな。なるほど、『今日の異世界に行こう!』でも特別コーナーで紹介していると言うのか。一つ聞いておくが、余のことはどう紹介されていたのだ? なるほど、先輩魔王として立ち会うと紹介されておったのか。うむ、魔族に対しての扱いの良さなら、余が証人になることが出来るからな。何しろこの世界に来て、うまいものをたらふく食べさせて貰っておるのだ。
それにだ、温泉と言う至福の時も味わっておる。最初はどうかと思った雪も、温泉に入りながら見るのは格別だと教えられたのだ。しかも、温泉に入りながら飲む酒はこれまた格別としか言い様がないのだ。
それからもう一つ。炬燵と言う甘い罠も触れておくことにしよう。少し部屋を寒くして、だな。その状態で炬燵に入ると、本当に動くことが出来なくなるのだ。そしてその状態で食べるミカンのなんと美味なことか。勿論、ちびちびと飲む酒も絶品だぞ。肴は……炙ったイカが今のところベストマッチだと思っておる。
だから長い名前の世界だったか、その魔王にも至福と言うものを教えてやろうと思っておるところだ。
ところで、戦闘とは何のことを言っておるのだ? 余はな、平和主義者なのだぞ。ああ、人を丸かぶりしていた余は死んだのだ。戦闘など、見た目に不自由しているエルフと、エリシオン様に任せておけば良いことだ……
急に悪寒がしてきたぞ
マオウ後ろ後ろって……振り返ったら何が起きるのか。そうか、怖いもの見たさと言ってくれるのか。余は、余は、まだ命が惜しいのだっ! 絶対に振り返ったりしないからなっ!
はいはぁい、可愛らしいシャルロットちゃんですよ。ちゃんと自分で言うな。そんな歳じゃないだろうって。可愛らしいにはツッコミは無いんですね。つまり私は可愛らしいと言うのがファイナルアンサーですよね。
だから、可哀想な子を見る目で見ないでください。一応、自覚と言うものもしているんですから。
それはそうとして、まさかもう一度この世界に来るとは思っていませんでした。だって、命からがら逃げ出してきたんですよ。二度とあの世界になんか行こうと思いませんよ、普通は。
でもですよ、今回は諸星さん直々の指名なんです。リズじゃ無くて私って所がポイントが高いと思いませんか? これで、私も諸星ガールズに加わることになるんですね。なんです、その『ナイナイ』と言うのは。同じ否定するにしても、もう少し考えてほしいものですね。尤も、私もパスかなと思っているので良いんですけどね。
前回魔帝国に攻め込んだときには、仲間30人に加えて5カ国連合の兵隊さん1万と言う陣容でした。しかも1万の兵隊さんは、各国選りすぐりの人たちばかりだったんですよね。ちなみに姫騎士セフィーロさんなんですけど、カタリナ王女に頼まれて支援なんかしていました。私たちの間では、レズダチなんて噂されていたんですけどねぇ。どっちがネコなのかしら?
ええっと、話が脱線しましたね。話をずずっと戻すと、ですね。あの時は、大軍だったのに怖かったんです。もう、魔帝国が恐ろしくて恐ろしくて、逃げられるのなら逃げたかったぐらいなんですよ。それに比べて今回は、どう言う訳か全く怖くないんです。その辺り、諸星さんと言う非常識さんがいるからなんでしょうね。
非常識って言うなっ!
やぁーい、歩く非常識って言うのは良いんですけど。諸星さん以外にもラズライティシア様とかエリシオンさんとか……魔王様、そこで自分を指差さないように。勿論、魔王様も頼りにしていますからね。もうね、戦力が凄すぎると言って良いと思います。
一方普通の人3人……朽木さんと鴻池さんは、顔色の悪さを隠せませんね。と言うより、唇まで真っ青になっているんです。まあ、気持ちはわかりますよ。何しろ、恩恵持ちの私たちでも怖かったぐらいですからね。だから、二人を見ていると逆に安心してしまうんです。
それで問題のもう一人。ええ、少しもびびっていない立木さんがいるんです。普通に喧嘩をしたら、間違いなくこの中では一番弱いと思うんです。それどころか、体力的にも一番無いはずなんですよね。それなのに、どうして余裕の表情を浮かべてくれるんでしょう。絶対に、頭のネジが足りなくなっていると思います。
それはそうとして、どうして私たちは自動車で移動しているんでしょう。しかも、ごっつい自衛隊車両……そうですか、自衛隊から借りてきた高機動車なんですね。そりゃあ、馬とか使えませんし、歩いてなんか行ける場所じゃありませんからね。空間転移で乗り込むのも、喧嘩を売りに行くようなものだと思うんですよ。でもこの車、どうして立木さんが運転してるの? 年寄の普通免許は、8トンまでは走らせることが出来るから……もしもし、ここって運転免許の制限を受けましたっけ?
それは良いんですけど……本当は良くないんですけどぉ。前の方に、魔物の集団が見えますよ。多分ですけど、10傑衆の配下の魔物だと思います。間違いなく、私たちを襲おうとしていますよね。
そうですか、このまま突っ込むんですね。でも、幾ら自衛隊車両でも、正面衝突したら無事では済まないと思いますよ。なんです諸星さん、その『まかせなさぁい』と言うのは。
道を空けろ!
なんて非常識な……いえ、諸星さんが命令したら、前の魔物たちが本当に道を空けてくれたんです。これが、諸星さんの強制力なんですね。いえ、今更ながらに恐ろしい能力だなって思います。映像ですか、勿論バッチリと撮っていますよ。
ええっとですね、前の方に川があるんですけど。この車で大丈夫なんですか? 自衛隊の特殊車両は伊達じゃ無い……本当ですか?
それからなんですけど、川を越え、道なき道を走り続けました。道が悪いので、速度はあまり上がりませんでしたね。でも、えっ、こんなところもっ! と言うところを、高機動車さんはしっかりと走破してくれたんです。知らなかったんですけど、日本の車って凄いんですね。
ええっと妨害ですか、妨害なら沢山ありましたよ。本当に山のように魔物が寄ってきたんです。でも、その都度『道を空けろ!』でどけてくれるんです。もうね、諸星さん凄すぎますよ。『惚れてまうやろぅ!』って、こう言う時に使うんですよね。
全行程で、およそ3時間ぐらいですかね。それだけ走ったところで、大きな魔物さんが道を塞いでくれました。はい、10傑衆が勢揃いしてくれたんです。どうやら私たち、目的地に到着したみたいですね。それで、ここからどうするんですか?
「魔王様。手はず通りお願いいたします」
ここで魔王様の出番なんですか? あっ、魔王様が巨大化したっ!
「余は、異世界の魔王ヴェルサティスである」
ええ、迫力満点ですね。10傑衆に負けていないと言って良いと思います。よっ、魔王様っ!
「新魔王への挨拶に来た。迅速なる取り次ぎを願うぞ!」
宣戦布告じゃなくて挨拶ですもんね。あっちが混乱するのも仕方がないと思いますよ。でも、信用して貰えるのかな?
「挨拶代わりに一つ教えてやろう。女神パナメーラは、罪を問うため拘束しておる。ここには、パナメーラの罪を確認するために来てやったのだっ!」
良いですよね。この上から目線。やっぱり魔王様って、偉そうじゃ無いといけないと思うんですよ。偉そうじゃ無い、実際に偉いと言うのですね。だそうですよ、ラズライティシア様、エリシオンさん。
「そしてこれは、お前たちに対する慈悲であるのを忘れるな。余は、裁定者たる諸星様をお連れしたのだ。取り次ぎを断るのは構わん。だがな、その時は無慈悲な滅びが待っていると思えっ!」
ふわはははは……って。もの凄く堂に入っていると思うんですよ。なるほど、魔王城公開で練習した結果なんですね、了解です。
ところで立木さん、本当に大丈夫なんでしょうね? そうですか、話を聞いている時点でこちらの勝ちなんですね。魔帝国側は、受け入れる以外に道がないのだと……
どうやら、あちらも覚悟を決めたようですね。10傑衆の一人……人間サイズになれるのを初めて知りました。10傑衆の一人……女性形態をしているんですけど、魔王様に向かって頭を下げてくれました。これで、第一段階が完了と言うことですね。
10傑衆が道を空けてくれたので、そこからは……そう、車に乗っていくのですか。ところであなたは、何さんと言えば良いんです? ベルランゴさん……おっきな羊の姿をしていたんですけど。あれって、仮想体なんですか? いえ、私は先代の勇者御一行にいたんです。10傑衆は見たことがあったんですけど、まさかこんなに綺麗な女性だとは思いませんでした。角が無ければ、普通……ごめんなさい、私たちとの違いがわからないぐらいです。
勇者はどうしたのか、ですか。パナメーラたちの罠に掛かって死にましたよ。ええ、私は仲間3人となんとか逃げ出せたので無事だっただけです。ええ、あの女神は絞め殺したいと言うのが仲間の総意なんです。はい、簡単に殺したりなんかしませんよ。
それはそうと、行き先は魔王城ではないんですね。なんです、あれは戦争用の砦でしか無いと言うのは。普段は、あんな住みにくいところに住んでいないと言うのですね。だから、これから向かうのは居住区画と言うことですか。なるほど、そこに魔王様の屋敷があるんですね。
ところで、前に家があるんですけど。あれが目的地とは言いませんよね? そうですか、あれが目的地なんですか。そこそこ大きいと思うのですけど、魔王様の居城にしては小さすぎないかなと思ったんです。
あとですね、小さな家が沢山あるんですけど……そうですか、魔帝国住人の家なんですね。なにか、思ったのとは違うと言えば良いのか。スの国と比べても、とても質素な家なんですね。いえ、見窄らしいとは……そうですか、遠慮は要らないと言うのですね。でしたら、かなり見窄らしいと思います。
「これが、魔帝国の現実と言うことです」
魔帝国の現実と言ってくださいますか。なんです立木さん、概ね予想通りと言うのは。立木さん、ここまで予想していたんですか?
「当たって欲しくない予想でしたけどね」
当たって欲しくないと言うのは……そうですか、予想よりも悪かったと言うのですね。
それで私たちはどうすれば……中に入れてくださるのですね。そこで、魔王様と謁見させて貰えるのだと。だそうです皆さん、ベルランゴさんに付いて行けば良いそうです。
案内されて入ったんですけど、外観同様に中はとても質素な作りになっていました。質素と言うより、貧乏くさいと言った方が良いのかも知れませんね。とてもではありませんが、王を名乗る人の居住地とは思えませんでした。
そしてもう一つ意外だったのは、普通に人が住む家だと言うことです。見た目を含めて、私たちってどうして戦っていたんでしょう?
「遠路ようこそおいでくださった。大したもてなしは出来ないが、寛いでいって貰えないか」
なるほど、あちらの方が魔王様なんですね。年齢的には、立木さんに似ているのでしょうか。とても落ち着いた雰囲気をされた男性です。後はですね、ベルランゴさんに似た角をお持ちです。
それで、こちらは誰がこの場を仕切るんです。立場的に言ったら、諸星さんだと思うんですよ。
「立木さん、仕切って貰えますか?」
「なぜ、リーダーの諸星さんが……仕方ありませんね」
はあっとため息一つ。ええ、そのお気持ちとても良く理解出来ますよ。
「まず、私たちが名乗る必要がありますね。私は、立木清彦と申します。こことは違う世界、あなたたちが戦った勇者が召喚された世界から来ています。そこで、副所長……つまり、ここにいる諸星所長の下で働いています。そして、この方が私たちの代表、諸星孝明さんです。超越と命令と言う最強の恩恵を持たれておいでです」
「諸星孝明です」
「名乗りがまだでしたな。魔王をしているグリフィスと言います」
とっても温厚そうに見える魔王様ですね。なんか、調子が狂うと言えば良いのか、私たちは一体何と戦っていたんでしょう。
「そしてこちらの二人が、私の部下朽木涼真と協力者である鴻池時也氏です。そしてその女性が、かつて勇者と共に戦ったシャルロット・ラングレーさんとなります。以上が、私たちの世界出身者となります」
今、一瞬きつい眼差しになってくれたわね。ええ、私を紹介したときのことです。
「次に、別の世界から来たものを紹介します。まず、魔王ヴェルサティス様です。女神の奇跡で、私たちの世界に転移されてきました。今は、私どもと一緒に生活されております」
「今紹介に与ったヴェルサティスであるっ!」
「グリフィスです。以降お見知りおきをお願いいたします」
なんで、こんなに腰が低いんだろう。私たちを騙しているってことは無いんだよね。
「そしてこの二人が、エルフの大魔法使いです。こちらがラズライティシア、そしてもう一人がエリシオンです。二人とも、この世界を滅ぼすことの出来る力を持っています」
「丁寧な紹介痛み入る。私が、当代の魔王を名乗っているグリフィスと言います」
そこで小さく息を吐き出した魔王、グリフィスさんは表情を引き締めて私たちの目的を聞いてくれました。この辺りは、当たり前の疑問になるんですよね。
「私たちの世界から、若人30名がエルデストラスハイゼローゼングランキルシュタマリエルリーザカインケルロードエルミタハイネダクスハーミタットベルベディア王国……長いな。その王国と女神パナメーラによって拉致されると言う事件がありました。拉致された……つまり、こちらの世界に戦力として召喚された若者たちを取り返し、さらには国王スと女神パナメーラを犯罪者として連行しております。名前が長いので、長いの1と私たちは呼んでいるのですが、その国王と女神は現在取り調べを受けています。以上が、簡単な状況の説明となります。何か、ご質問はありますでしょうか?」
「女神を連行したと言うのか?」
そりゃあ、疑問に感じますよね。だってあの女神、奇跡を使うことが出来るんですから。
「ええ、無力化して連行しています。ちなみに、諸星氏の力は女神を凌駕しています」
「女神を凌駕していると仰るのか?」
「はい、比較するのもおこがましいと思いますよ」
そうですね。蹂躙して……荷造り紐さんがですけど、蹂躙して連行してきましたからね。比べものにならないと言うのは間違っていないと思います。
「私たちの世界は、多くの国によって構成されています。そしてその国々の利害を調整する機関が存在しています。長いの1の国王スと女神パナメーラは、その機関に移送されて事情聴取を受けています」
「それですと、あなた方が危険を冒してこちらに来られる理由がわかりませんな」
「仰るとおり。上位機関が動いている以上、私たちの出番は無いはずです……ただ、普通はと申し上げさせていただきます」
「つまり、普通では無いと仰るのか?」
普通じゃありませんね。特にIMO研究所がなんですけど。
「私たちの世界は、今まで異世界を認知していませんでした。こうして行き来できるようになったのも、つい最近のことなのです。そしてその技術は、私たち、IMO研究所と言っているのですが、IMO研究所だけが持っている技術になっています。それが気に入らない人たちが沢山いる……その場合、どうなるかは賢明なる魔王様ならご理解いただけると思いますが?」
「宜しければ、ご教授願えるか?」
「国王ス、女神パナメーラに、支援……つまり、助けて欲しいと言わせたい人たちが沢山いると言うことです。おわかりと思いますが、彼等の見た目は私たちと同じです。その同じ見た目をした者たちが、異形……つまり、あなたたちが使役する魔物に蹂躙され殺される。その被害を訴え、助けて欲しいと懇願された場合、上位組織はこの世界への介入を決定するのが予想できるんです」
「つ、つまり、私たちはあなた方に滅ぼされると言うことですかな?」
声が震えたのは、怒りからなのかしら。
「私たちが動かなければ、そう言う未来が待っていると思いますよ」
「なるほど、あなた方は降伏せよと言いに来られたと言うことですか?」
「降伏し、家畜のように使役される……あなた方が、そんな未来を望まないのは理解しているつもりです。そして私たちIMO研究所も、そんな未来なんてまっぴらごめんだと思っているんです」
そうですね、今となっては私も立木さんと同じ意見です。だって魔王様、とっても理性的に話をすることが出来るんですよね。これだけお話しできるんだったら、問答無用に殺す必要なんてないと思うんです。
「でしたら、あなた方は何を目的にこちらに来られたのか?」
「あなた方をお救いする……などと偉そうなことを言うつもりはありません。気に入らないことをしようとしている奴らの邪魔をしたい。せいぜいその程度のことを考えているだけです」
「その程度と仰るのか?」
あっ、魔王様の顔に苦笑が浮かんでる。うん、その気持ちはよくわかりますね。
「その程度のことです。そのためにですね、嫌みったらしいことをしようかと思っているんですよ。そのために、いくつかしないといけないことがあるんです」
「私たちに何をしろと?」
気になりますよね、やっぱり。
「まず、戦いの真実を詳らかにしようと思います。結果的に、女神パナメーラの嘘を暴くことになるのでしょう」
「女神の言っていることが嘘と仰るのか?」
「あなたたちが、人の国……残っている国ですけどね。その国を滅ぼそうと思っていないのはわかっているんです」
えっ、そうなんですか。ちょっと、それって考えていませんでした。
魔王様も驚いていますよね。まさか、そんなことを言われるとは予想していないと思うもの。
「そこに隠れている翼人の方。私は、何か間違ったことを言っていますか?」
えっ、翼人もいるの? 立木さん、神ってない? でも、諸星さんたちは驚いていないのか。
「お気づきだったのですね。失礼、私はリエッセと申します」
「リエッセさんですね。それで、私の質問への答えはいかがですか?」
「立木様で宜しかったですか。立木様の仰るとおりです。魔帝国と名乗っていますが、魔帝国は自分たちの身を守ることだけを考えています。私たちが支援をしているのは、魔帝国が滅びないようにするためです。先の戦いで、魔帝国は存亡の危機を迎えていましたからね。ですが、よくわかりましたね」
「姫騎士セフィーロさんが、あなたたちの介入を教えてくださったからです」
私も、同じ説明を聞いていたんだけどなぁ……やっぱり、年期の違いなのかな。
「魔帝国の実態を私たちの世界で公開することを考えています。そのためには、あなた方の協力が必要だと思っています。あなたたちが攻め滅ぼした国のあった場所は、元々あなたたちが住んでいた場所だった……と推測したのですが、これは考えすぎですかね?」
「なぜそのことをっ! 取り乱して申し訳ありません。仰るとおりとお答えします」
やっぱりさぁ、立木さんが神っていると思います。なんか、おかしくない?
「その歴史的事実と魔帝国住民の苦境を利用させて貰います。ただそれだけだと弱いので、ちょっと私たちにご協力願えればと思っているんです」
あっ、立木さんが悪い顔をしている。これって、何か企んでいるときの顔だよね。
「私たちにお手伝いできることがあると仰るのですか?」
「ええ、あなた方の協力が必要だと思っています。それはそうと、鴻池さん、そろそろ落ち着かれましたか?」
「そうですね。なんとか落ち着いたと言う所でしょうか。お陰で、立木さんが悪人と言うのを今更ながら思い知らされましたよ」
「こんな優しい私を捕まえて、悪人と言ってくださいますか?」
「褒め言葉だと思ってくださって結構ですよ」
悪人が褒め言葉ねぇ。結構本気で『悪人』って言ってる気がするんだけど。
「私に、魔帝国をプロモートしろと仰るのですね?」
「人と言うものは、訳のわからないものに対して恐怖を覚えますからね。だったら、訳のわからない状態を解消してあげれば良いんです」
「魔帝国は、むしろ同情される立場であることを知らしめる……と言うことですか。ただ、まだインパクトが足りないと思います」
「インパクトが欲しいと言うのですね」
そこで頷くってことは、まだ隠し球があると言うことですよね。どうしてって聞いてもいいと思うんですよ。
「グリフィスさん。そろそろ、『本物の魔王様』を紹介してくださいませんか?」
「それも、お見通しと言うことですか……」
天を仰いでくれましたか。ええ、その気持ちはよくわかります。
あっ、別の扉が開いてくれた。出てきたのは翼人の女性……と小さな角の生えた可愛い女の子、だよね。ひょっとして、あの子が本物の魔王様なの?
「魔王であられるプレオプラス様です。先代ブルックランズ様のお嬢様です」
「プ、プレオプラスと言います」
ああ、おどおどしているよ。彼女、本当に魔王様なの? でも魔王ブルックランズって……確かに私たちが戦った相手なんだよね。そのお嬢さんってことは、そうか、当代の魔王様ってことになるのね。
「立木と申します。プレオプラス様、お目通りが叶って嬉しゅうございます。ところで鴻池さん、仰ったのはこの手のインパクトで良いんですよね?」
「あと、一声と言ってはいけませんか?」
「ほかの10傑衆の方も、年若い方ばかりなのでしょう?」
「もう言葉が無いと言えば良いのか」
あっ、別の翼人……こっちは男性かな。その男性が、女性を8人連れてきてくれました。最年長でも、30歳ぐらいに見えますね。でも殆どは、私より若く見えるんだけど……こんな子たちが、10傑衆とか言って戦っていたの?
「鴻池さん、まだ必要ですか?」
「いえ、十分以上です。ところで、急ぎますよね?」
「急ぐかと聞かれたら急ぐのですけど……一応時間稼ぎもしてあるんですよ」
「時間稼ぎをされている……」
時間稼ぎってと思ったら、立木さん、私の持っているカメラを指差してくれました。はい、確かに今までのことは全部録画していますよ。ええっと、録画だけじゃ無いと言うのはどう言うことですか? 生中継、ライブで送っているんですか? でも、その映像はどこに?
「首相官邸、アメリカ大統領、英国首相にですよ」
……絶句。いつの間に、そんな仕掛けを作ったんです?
「途中にドローンを飛ばして、中継網を作ったと言うことです。この辺りは、白船君、ジャック君、グレゴリー君が動いてくれた結果です」
本当に、いつの間にと言って良いですよね。ただ言われてみれば、今回白船さんが付いてきていないんですよね。記録係を自負していた白船さんだから、今までだったらここでカメラを持っていたはずです。なるほど、どうしてと思っていたんですけど、これで疑問が解消しました。
「では、最後の仕上げと行きましょうか」
最後の仕上げって……なに? ええっと、諸星さんが何かするのかしら?
「カタリナ姫、姫騎士セフィーロをここに召喚する」
ええっと、転移じゃ無くて召喚なんですか。諸星さん、また新しい能力を開発したんですね。新しい能力じゃ無い。二人に来るように命じただけ……強制力って何でもありなんですね。
「フィアッタラノーボルクランボレフェラーロアウダボルオースチジャガロルスポルスベンベシトロエ王国王女カタリナ様。お呼び立てして申し訳ありません」
ええっと、今更だけど綺麗な人ですよね。でも、普段よりもお洒落しているのは、私の気のせいなのかしら。それにセフィーロさんも、前と違って露出が多いような気がするんだけど。なにか、違う意思を感じてしまうわね。でもカタリナ様、ドレスじゃ無いだけマシなのかな。
「とんでもありません。私は、真の神の奇跡を見せていただいたのです。はしたないこととは思いますが、感激に打ち震えております」
ああっ、何度も見た目をカタリナ様がしてるよ。諸星さんって、お姫様コレクターをしているよ。それは良いのだけど、どうして二人をここに呼んだの?
「カタリナ様。魔王プレオプラス様を紹介できることを幸せに思います」
「魔王……ですか? 彼女が、魔王なのですか?」
「プ、プレオプラスですっ! 魔帝国を代表していますっ!」
なんか、可愛いって言っちゃ駄目? もうね、もの凄く緊張してるのがわかるのよ。
「本当に魔王様なのですね」
そこでカタリナ様が大きく息を吐かれました。まあ、気持ちはわかるんですけどね。
「そして、そこに控えているのが10傑衆の皆さんです」
「私たちは、このように年端もいかない方たちを『悪』と決めつけ戦っていたのですか……」
「見た目で判断されますか?」
「立木様……で宜しかったですよね。それは、意地の悪い質問だと思います」
「仰るとおり、少しばかり意地の悪い質問でしたね」
う~ん、立木さんが紳士。そこでわかったのは、カタリナ様が諸星さんを気にしていること。そしてなぜか、セフィーロさんは立木さんを気にしているんだよね。
「リエッセ様。お久しゅうございます」
「カタリナ様。お会いできて嬉しく思っています」
「さて、せっかくお集まりいただいたのです。少し、これからのことを話しましょうか」
そうですよね。せっかく集まったんだから、ちゃんと話をしないといけないと思うのよ。それで、話はここでするんですか?
「申し訳ありません。おもてなしが出来るほど、私たちには余裕がございません」
グリフィスさんが、本当に申し訳なさそうな顔をして言ってくれました。立木さん、どうかしたんですか?
「同意いただければ、少しだけ場所を変えたいと思います」
場所を変えるって……そう言えば、転移能力者が勢揃いしていたわね。でも、飛び先はどこにすれば良いんですか? なんです諸星さん、そんなものは決まっていると言うのですね。
「ここにいる皆さんを、私の執務室へとご招待いたします」
「魔帝国の安全は、私たちが保証いたしますよ」
どうやって……そうですか、竜人と始祖竜が周囲に展開しているんですね。だったら、こちらの国じゃ乗り越えられないわ。なるほど、荷造り紐さんもスタンバってるんですね。もう、最強だと思いますよ。
「シア、シオン、話し合いの間、ここを守ってくれるかな?」
「攻め込んできた……忍び込んできた者は、消滅させれば良いのか?」
「せいぜい石にする程度にしてください。それ以前に、荷造り紐を持っていますよね」
「ああ、インテグラをぐるぐる巻きに出来るぐらいには」
にやりと笑ったラズライティシア様、うん、なんか格好良い。
「ベルランゴ、間違いが起きないようお前も残りなさい。構いませんな?」
「勿論とお答えさせていただきます」
どうやら、場所を変えるのは了解して貰えたみたいね。だったら、私が……違うの?
「今回は俺がやる。シャルロットは、ここで記録を続けてくれ」
そうですか、私の見せ場をとってくれるんですね。撮影係だろう……ですか。ええ、撮影係で私は来たんでしたね。じゃあ、行ってらっしゃい……違うか。
魔王様、ご苦労様でした。ええ、ここから先は温泉でも入ってのんびりしていてください。なんです、お子様が俺を待っていると言うのは。
「今日は、第二小学校のみんなが遊びに来てくれているのだっ!」
良い心がけ……と言って良いのかな。魔王城でのアトラクションに、燃えていませんか? 子供たちの喜ぶ顔が嬉しい……わかってはいますけど、魔王様の台詞じゃないと思うんですよ。
それからプレオプラス様、グリフィスさん、ほかの10傑衆の皆さん。ええっと、カタリナ王女様。ようこそIMO研究所上里ベースへ。IMO研究所は皆さんを歓迎いたします。
それは良いんだけど、立木さんなんか表情が怖いんだけど。怖くないって……絶対に何か企んでいますよね? あたりまえ、この機会を逃すのは愚か者と言ってくれますか。それで、一体どうしようと言うのですか? なるほど、エンターテインメント部門で打ち合わせをするのですね。
「ですので、朽木君と鴻池さんをお借りします」
これで、二人は名前の長い国関係とは一時的に離れ……なんで、縋るような視線を俺に向けてくれるんだ? 無事にこっちの世界に帰ってきたんだよ。だったら、もう心配はいらないと思うぞ。そうじゃない、立木さんが何を言い出すのか怖い。まあなんだ、加減はわきまえてくれてると思うぞ。覚悟は必要だと思うがな。
ドナドナされていった二人を見送ったところで……ところで、どうしたら良いんだ? ここに残ってるのって、俺とシャルロットだけだよな。相手はカタリナ王女、姫騎士セフィーロさん、それから魔王様に十傑衆のうち9人……こちら側の戦力が少なくないか。と言うことなので、困ったときの小谷さんを召喚っ。シャルロット、有無を言わさず連行してくれないかな。
「迷惑って言葉、知ってますか?」
まだ業務時間中だったよな。それに、こちらの情報は映像で見て知ってるよな。だから、迷惑と言う抗議は受け付けません。取りあえず、こちらの方々にお茶とお菓子を出してくれるかな。
「セレスさんに……と言っちゃいけないんでしょうね」
そこで小さくため息。ため息ぐらいなら、何度も吐いてくれて構わないからね。何を出せば良いのか……紅茶で大丈夫そうだよ。
お茶で落ち着いたら、話でもすることにしようか。取りあえず、俺たちがいない間……半日じゃない、足かけ二日なんだね。その間に、何か動きは見えてきたかな?
「日本政府は、今のところ落ち着いています。友池さんのお話では、皆さん鼻歌なんか漏れ出ているみたいです。どうやら、ヨーロッパの鼻を明かせることが嬉しいみたいですよ」
そうか、政府側は暗い喜びに浸っていると言うことか。それで、菅谷総理は何か言ってきているのか? ちゃんと記者会見をしろ……それぐらいの要求しか来ていないんだね。うん、記者会見だったら立木さんの仕事だから構わないよ。
ところで皆さん。お腹の具合は……うん、すぐに食事を用意させようか。小谷さん、すぐに用意させてくれるかな。何を出せば良いのか、かい? よくわからないから、適当に見繕って持ってきてくれれば良いよ。
山岡さんたちが張り切ってくれたので、これでもかと言う程料理が用意されました。ただちょっと予想を外してくれたのは、思ったほど食べてくれなかったと言うことかな。いや、普通に一人前は食べてくれたよ。でもさん、集落の住人はこの倍以上食べるんだよ。そう、比較の対象はここの住人と言うこと。
もう一つ予想が外れたのは、全員好き嫌いをしないで食べてくれたこと。肉やら麺やらカレーやパン、パンは固いのから柔らかいの、サンドイッチも用意してあったんだ。その辺りは、何が食べられるのかわからなかったからなんだけど。
どうして、泣いているのかな?
そうか、こんな美味しいものを食べたことは無かったと言うんだね。それ以上、こんなに沢山食べ物があるのは初めてと言ってくれるのか。叶うのなら、国に持って帰りたいと言うのだね。
グリフィスさん、魔帝国の食糧事情はどのようになっているんですか?
「食糧事情と言うのは?」
そこから聞かれますか。ええっとですね、食べ物は十分にあるのかと言うことです。後は、種類がどうと言うのもあります。
「でしたら、全く足りていないと言うのがお答えになります。私たちはまだ良いのですが、魔法生物……つまり、魔物なのですが。食べたくないものまで食べなければ生きていけません」
食べたくないもの……ですか。深く聞かない方が良さそうですね。ああ、カタリナ王女の表情が怖いよ。つまり、食べたくないものってそう言うことなんだよなぁ。
だとしたら、食べ物さえあればその『食べたくないもの』を食べなくても済むと言うことですか?
「お答えとしては、その通りと言うことになります。ただ、その食べ物が問題だと思っています。カタリナ様、あなたの国でも不足している事実はさほど変わらないと思いますが……いかがでしょうか?」
「充足しているのは、スの国ぐらいだと思います。あの国が強い立場でいられるのは、女神パナメーラと食糧を握っているのが理由になっていますので」
そうですか、やはり色々と事情が……立木さん、打ち合わせは終わったのですか?
「ええ、とてもすんなりと。その辺りの事情は、フローリアンさんの世界と似ているんです」
似ている……別に、魔王たちが人を食べるからじゃありませんよね。そうですか、戦争と言うのは食糧生産の敵なんですね。戦争をすることで、農地が荒れ人手が失われるからと言うことですか。はい、理由として納得できますね。ええっと、更に長いの1が邪魔をしているのもあるんですか。
それで、結局悪巧みの結果はどうなったんです?
「実はですね。あと少し……1時間ほどなんですけど、『今日の異世界に行こう!』の生放送が始まるんですよ」
ええっと、まだそんな時間だったんですね。それで、『今日の異世界に行こう!』がどうかしたんですか? もしもし、本気で言っています?
「本気で言っていますよ。魔王様たちにゲストとして出演していただこうと思っているんです」
いきなりマスコミに出しますか。そうですか、先手を打つことが重要と言ってくれるんですね。言いたいことはわかるんですけど、ちょっと魔王様たちには負担が大きいかなと。
「だそうですよ。国の人たちを救うことになるのですが、やはり難しいですか?」
立木さん、その質問は卑怯だと思いますよ。魔王様、何をさせられるのかわかっていませんよね。それなのに、『国の人たちを救う』なんて言われたら、絶対に断れないじゃありませんか。
「世論を味方に付ける意味。今更諸星さんに講釈する必要はありませんよね?」
それをわかっていて言っています。わかっていて言ってるつもりですよ。ええ、効果が大きいのはわかっています。でもですよ、リスクがもの凄く大きいのもわかっているんですよ。なにより、魔王様は何もわかっていないんですよ。
「でしたら、諸星さんは国連の決定が出るのを待つつもりですか。さも無ければ、強制力を存分に働かせるつもりでしょうか? 諸星さんがその気になれば、問題は簡単に解決することが出来るんですよ」
それは、俺に人の意思を意のままに操作しろと言うことですよね。ええ、それをすれば問題が解決するのはわかっています。そして、俺自身がやってはいけないこととして封印しているものでもあるんですよ。
そうですか、立木さんも禁じ手で有るのは理解しているんですね。
「魔王様。魔王プレオプラス様。いかがなさいますか?」
「皆を守る……助けるためと言うのですね」
「絶対に大丈夫と保証することは出来ませんがね」
下手をしたら国連……常任理事国を敵に回すことになるんですよね。負けるつもりはありませんが……出来ればやりたくないと言うのが俺の気持ちです。下手をしたら、彼女を晒し者にすることになりますよね。
「わかりました。私に出来ることなら」
「そう言うことです。諸星さん、彼女は『王』として民を守る責任を自覚しているんです」
王として、ですか。まだ、俺が甘いと言うことですかね。それが美徳と言ってくれますか? 慰めでは無い、安全弁と言ってくれるんですね。その安全弁と言うのは、ちょっと嫌かなと言って良いですか?
「それだけ、諸星さんの力が大きいと言うことです。それはそうと、そろそろ頃合いになってきましたね。シャルロットさん、特設スタジオまで私と諸星さん……小谷さんもですね。それ以外の方々を飛ばしてくれますか? あちらでは、魔王様……ヴェルサティス様が迎えてくれますよ」
「そ、そうなんですか、でしたらりいぷっと」
全員転移していきましたね。それで立木さん、何をしようとしているんですか?
「その前に、どこまで用意できているかをお知らせします。まずMHKですが、これまでの国際放送に加え、ネットでもリアルタイム放送をしてくれる手はずが整っています。勿論、無料公開になっていますよ。ちなみに、世界各国からアクセスできるようにしてくれました」
そこまで手はずを整えた……つまり、このことを予定していたと言うことですね。そうですか、いくつか準備したものの一つと言ってくれるんですね。
「吉岡さんに、食糧支援……正確に言うと炊き出しですね。そちらの準備を指示しておきました。ちなみに、こちらは時限法の範囲となっています。炊き出しを行う際には、マスコミのカメラが入る計画です。友池氏……実篤さんの方ですけど、ギブソン大統領とのアポイントを取って貰っています。応諾の答えを貰ったところで、諸星さんと話をして貰うつもりです」
お、俺が、また大統領と話をするんですか? い、いや、必要なことならやるんだけど……本当に必要なんですよね?
「ええ、必要だと思っていますよ。その後で、もう一度国連で演説とかして貰うつもりです」
マジですか? いえ、必要なら対応するのも吝かでは無いと言えば良いのか。そうですか、今のは半分脅しと言ってくれますか。と言うことは、半分は本当と言うことになりますよね。
世論を味方に付ければ、そこまでしなくても回っていく。そのためにも、今日の『今日の異世界に行こう!』が重要と言ってくれるんですね。それから小谷さん。その冷たい視線、もう慣れてしまったんだよ。
「そうですか、でしたら違うパターンを考えることにします。それはそうと、もうばらして良いんですよね?」
ばらしてって、何のことを言っているんだ? 立木さん、どう言うことなんですか?
「実はですね、すでに色々と動き出していたりするんですよ。諸星さんたちの行動なんですけど、トベで生中継されていたんです。もの凄いビュー数でしたし、コメントも滝のように流れていたんですよ。だから魔王様……プレオプラスさんでしたか、テレビ出演はダメ押し以上の意味は無いんだそうです。菅谷総理ですが、実はニヤニヤと笑っていたりしたんです」
つまり、俺だけが蚊帳の外ってこと? それって、ありなの? もの凄く大きな意味があったと言ってくれるんですね。一応理由を伺っても良いですか?
「諸星さんが、本気で彼等のことを心配していることが伝わったと言うことですね。立木さんの脅し……なのかなぁ。それだけだったら、もう少し時間が掛かったんじゃありませんか。人って、合理的判断だけじゃ動けませんよね?」
そのために、俺を蚊帳の外に置いたと言うのか。意味は理解出来たが、文句を言っても良いことだと思うんだよ。ところでセレス、どうして今頃出てきたんだ?
「我が君をお慰めするためですよ」
つまり、不満はセレスにぶちまけろと……い、いや、好きですよ。絶対に嫌だなんて言いませんけど。そうやって、誤魔化してくれるんですか? 踊らされているうちは、まだまだ任せられない。そうですか、まだまだだと言ってくれますか。
さあって、そろそろ温泉にロケハンに行くか




