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集落へようこそ翼人さん

村の特産は異世界です


・集落へようこそ翼人さん


 転移ゲートが開けば、すぐに俺の耳に届くことになる。その辺り、空間転移検出装置の面目躍如と言う所だろう。そして転移が検出されれば、監視システムが即時に対応することになる。勿論、集落限定の話なのだがな。樹上に設置された監視カメラ、そして10台にまで増えた監視ドローンが一斉に侵入者の追跡をしてくれるのだ。

 そして侵入者を捕捉できれば、最終的には荷造り紐さんの出番となる。うん、侵入者は翼人だったよ。どうやら、ヴェルファイアの探査が成功したようだね。ただ、どうして彼女たちは武器を掲げているのだろう。しかも格好は、黒地の服に金色のモールが付いた派手派手の衣装なんだ。



 コロセコロセ、やりでじめんにぬいつけろ

 コロセコロセ、ていこうするまをあたえるな

 コロセコロセ、ぜつぼうするまもあたえるな

 コロセコロセ、ただのひとりもみのがすな



 いつもの求愛の歌かと思ったら、随分と物騒な歌詞……求愛の歌も物騒だけど、こっちの歌詞は殺伐としていないか。センティア、その辺りはどうなっているんだ?

 そうか、あれは求愛の歌じゃ無いんだな。敵対者に対して攻撃するときに歌う歌。つまり、侵入してきた20人で良いのか、この20人は敵だと思って良い訳だ。だったら……でもないけど、荷造り紐さん宜しくお願いします。


 その結果、その結果ねぇ。俺の前で、20人+2が土下座なんかしているよ。もうね、既視感バリバリと言えば良いのか、なんか見飽きた光景と言えば良いのか。

 それはそれとして、どうしてヴェルファイアとハイエースまで土下座をしているんだ? 流れ、同族の不始末をお詫びしている。自分たちの説得がうまく行かなかった結果だから、責任をとって土下座をしていると言うのだね。それは必要無いから、立ち上がってこっちに来てくれるかな?


「お慈悲に感謝いたします」


 いや、それもいらないから。だってヴェルファイア、君は俺の奧さんなんだろう? 俺としては、奧さんに土下座なんかされたくないんだよ。

 わかってくれたかな、それはハイエース、君も同じだからね。『役に立てなかった』『恐怖で体が竦んでしまった』と言うのを気にしているんだ。それはだな、俺の認識が甘かったのがいけないんだよ。だからハイエース、君が悪いわけじゃ無いんだよ。


 それはそうとして、誰が説明してくれるのかな?


「でしたら、族長のダイナ様が説明してくださいます」


 族長の名前はダイナなんだね。やっぱり、それ系の名前と言うのは言ってはいけないのかな。意味が理解出来ない……かい? コロモ自動車で模型を貰ったよね。ああ、それ系と言うのはそのことを言っているんだ。

 そんなことはどうでも良いのだけど、ダイナだったかな、説明をしてくれるかな。後、俺にはフェロモンは効かないぞ。そんなものを向けてきたら、陰獣……もとい害獣として駆除してやるからな。一族としての習性……だから見逃して欲しいと言うのか。だったら、さっさと説明をしてくれるかな?


「行方不明になった一族の者が、ドラゴンに連れられてきました。私たちへの威圧行為と考え、先手を打って制圧することを考えました」


 なるほど、アルカナに行かせたのが良くなかったと。それでヴェルファイア、彼女の言っているのはどこまで正しいのかな?


「アルカナさん、イセッタさんが居なければもっと揉めていました。態度が変わったのは、集落の説明をした後です。男の話と食べ物の話をしたら、目の色を変えて戦装束をしてくれたんです」


 なるほど、ダイナさんだったかな、何か言い分はあるのかな?


「有利な立場を確保するため、私たちの力を見せつけた方が良いと考えました」


 私たちの力ね……うん、交渉を有利にするための手管と言うのは理解してあげよう。ただね、喧嘩を売るのなら相手の力をちゃんと考えようよ。君たち、アルカナとイセッタに喧嘩を売れるのかな?


「あの二匹は、まだ私たちの世界に残っていました。ですので、二匹が戻る前に電光石火で制圧してしまおうと……」


 ああ、そう言うことね。なるほど、あの二人が最大戦力だと思ってくれたのか。なるほどねぇ、あの二人が最大戦力だと思ってくれたんだ。うん、そこに窓があるんだけどね。全員ちょっと、窓の外を見て貰えるかな。

 山しか見えない。うん、ほんの少しだけ我慢してくれると嬉しいな。と言うことなので、インテグラ、ちょっとドラゴンフォームをしてくれるかな? どうかな、彼女は二人よりもずっと大きいんだけど。うん、理解してくれて嬉しいよ。他にも、100m超級は3人居るんだよ。


 それからなんだけど、集落の戦力は彼女たちだけじゃ無いんだ。と言うことなので、ラズライティシア様ちょっと宜しいですか?


「別に構わぬのだが……何故ぬしは手を抜こうと言うのだ?」


 手抜きと言う訳じゃ無くてですね、俺の能力は地味すぎますから。それからダイナ、その言葉は禁句だからな。ラズライティシア様を怒らせると、俺でも庇いきれないんだぞ。

 だからラズライティシア様、『死刑に決まった』と言わないように。もうね、新顔が増える度に同じことを繰り返していますよね。


「つまり、上下関係を叩き込めば良いと言うのだな?」


 その辺りは、お手柔らかにとしか……ええっと、こんなところで攻撃魔法を使わないように。鳥の羽を毟る魔法……ただ羽を毟るだけ。毟るだけって……翼ごと引っこ抜くのよりは優しい。そりゃあ、そうかもしれませんけどね。大丈夫、見せしめは一羽だけと言うのですか。


「なぁに、ぬしが直してやれば元通りになるだろう」


 そりゃあ、そうですけど……ああ、本当に毟ってくれたよ。しかしなんだ、手羽先を思い出したと言っちゃあいけないのかな。そうか、そう思っても口に出してはいけないんだね。

 ああ、ダイナさんだったか、マジ泣きをしているよ。他の19人……ヴェルファイアたちもか、みんな顔を真っ青にしているし……どうして、そこでしてやったりと言う顔をしてくれますか。してやったりだから……まあ、有言実行なのだからその通りなんでしょうね。


「そろそろ、元に戻してやったらどうだ?」


 そうですね、これで罰を与えたことにしましょうか。そう言うことなので、羽さんたち元に戻ってくれるかな?

 ところで白船君、取れ高はどうだった? なんで、引いてくれるのかな? やってることがえげつない。こんなことは、アクアには教えられないと言ってくれるんだね。ええっと、羽を毟ったのはラズライティシア様なんだけど。許した時点で同罪、反論は受け付けないと言ってくれるんだね。じゃあ、そう言うことにしておいてくれて良いよ。


「空撮もバッチリなんですけどね……ただ、もう見飽きた光景と言えば良いのか。翼人の飛行は、昨年だったらもの凄いインパクトがあったんですよ、ええ、昨年だったら」


 食傷気味……ずいぶんなことを言ってくれるんだね。事実だから認めろ……まあ、俺もそんな気がしていたんだ。唄だって、求愛ソングの方が面白かったしね。

 なになに、ゲートはどうなっていると聞いてくれるんだね。勿論、強制力を働かせて固定してあるよ。これで、二つ目の世界もゲートで繋がったことになるんだ。当初の目的とは違うけど、興行的にはありがたかったんじゃ無いのかな。


「コーメー様、ダイナ様たちはどういたしましょうか?」


 どうするのかって……しっかり罰を与えたからね。もう、これで許してあげようと思うんだ。後はだね、どうしたいのか希望を聞くことにしようと思ってる。


「だそうですけど、どうなさいます?」

「われら一族、コーメー様に忠誠を誓います!」


 忠誠と言われてもねぇ……まあ、今は何を言っても無駄なんだろうね。わかった、『よく仕えよ』で良いのかな。違う、ちゃんと断言しろと言うのだね。


 よく仕えよっ!


 しかしだなぁ、言い直しというのは間抜けに聞こえないか。気にしたら負け……確かに負けなんだろうね。

 それはそうとして、これからなんだけど……そうか、やっぱり宴会になるんだね。服部さんが張り切っている。なるほど、薄墨さんが急遽仕入れに行ったのかって、どこに? 近江町市場……蟹が揚がっているはずだと言うのだね。そうか、今日はタグ付きの蟹なんだ。


 よし、大宴会だぁっって……アルカナたちはどうしたのかな?




 なぜ私とイセッタが残ったのかと言うとですね、ちょっと気になる視線を感じたから……と言うことです。ですので、物陰から監視しているあなたたち。もう良いですから出てきて貰えますか?


「なぜわかったと言うのは愚問なのだろうな?」


 ええ、あなたたち程の存在です。押さえていても、隠しきれるものではないと思いますよ。

 それで、私たちと戦いますか?


「それは、そちら次第と答えさせて貰う。この世界に混沌をもたらすと言うのであれば、この場で抹殺するのを厭わないだろう」


 そうですか、あなたたちは世界を守ると言うのですね。流石は、誇り高き竜人と申し上げます。ただ、戦いと言うのは相手を見て行うものと言うのをお答えさせて貰います。


「ふん、体が大きければ勝てると言うのは奢りと言ってやろう」


 確かに、体の大きさだけで勝てるなんて思っていませんよ。それに、私たちは敗走して誇りを失った竜なのです。誇り高きあなたたちと正面から戦って、必ず勝てるというつもりはありませんよ。それに多勢に無勢ですか、私たち二人だけでは勝つことは難しいのでしょうね。


「心配をするな。回りの者たちに手を出させるつもりは無い」


 流石は誇り高き竜人です。ただ言わせていただくのなら、全員で掛かってきてくださって良いのですよ。いえ、これは私たちの力を見せるためです。勿論、私たち二人だけとは言いませんよ。


「そうか、では我々も全力を出させて貰おう」


 では、私たちもドラゴンフォームに移行いたします。


 『チェンジ・ドラゴン。トランスフォームっ!』


 決まりましたか。はい、沢山練習をしたんですよ。そうですか、意味がわからないと言ってくれるんですね。それは……残念です。ところで、そちらは20体で良いのですか? いえ、流石に凄い迫力だと思いますよ。インテグラたちを知らなければ、尻尾を巻いて逃げていたかも知れませんね。

 でも、私たちは上里集落から派遣されたんです。どう言うことかと言うとですね、コーメー様から武器を預かってきているんですよ。はい、いつもの荷造り紐さんですよ。反則……反則ってなんですか? 命のやりとりなんですから、時間を掛けても良いことはありませんからね。はい、勝てばいいんですよ勝てば。


 荷造り紐さん、お願いします


 いつ見ても、荷造り紐さんは頼りになりますね。ええ、20匹ものドラゴンを、あっという間に拘束してくれました。人間形態に戻って逃げようとしたのも居ましたが、その程度のことを想定していないと思いましたか。はい、別の荷造り紐さんが追い打ちを掛けてくれたんです。もうね、情け容赦ないと言えば良いのか。なんと言えば良いのか……


 すっとしたぁ


 いえね、一度使ってみたかったんです。だって、こんなものに捕まって身動き取れなくなるんですよ。屈辱に歪む表情……これ以上ない愉悦を感じてしまいました。性癖がねじ曲がっていないか……ですか。いやですね、コーメー様は可愛がってくれるんです。


「そんなことより、ここから先どうするの?」


 イセッタ、人がせっかく恍惚感を楽しんでいたのに。どうして、そうやって現実に引き戻してくれるんです。なんです、早く戻らないと宴会に出られなくなる。宴会……


 そうだったぁ


 うちの集落、何かにつけて宴会を開いてくれるんですよね。翼人が襲撃してきた……おびき寄せられた気が微レ存なんですけど。翼人が増えたら、間違いなく夜は大宴会ですよね。研究棟のホールだったら、収容能力はこれまで以上ですからね。間違いなく、過去最大の宴会になってくれると思います。

 だったら、さっさと帰ることにしましょう……なんですイセッタ?


「ここまでしておいて、放置していくつもり?」


 今回のミッションは、翼人を勧誘することなんです。従って、ドラゴンは予定に入っていないんです。だから、このまま放置と言うのが私の考えです。


「それで、本音は?」


 ドラゴンが増えると、私たちが霞んじゃうかなって。ほら、希少感ってのが薄れると思わない?


「思わないから。それからあなたたち、負けを認めますか?」


 いつの間にか、全員人間形態に戻っているわね。男女比率は半分半分かな。年齢的には、最初に話をしたドラゴン……そうですか、アウトランダーと言うのですね。そのアウトランダーと同じくらい歳をとった女性……喧嘩を売ってる? もう、あなたたちは負けたと思うのだけど。

 それは良いのだけど、同じくらい歳をとった女性……そう、プリメーラと言うのね。後は、それより若い男女が各6人。そして更に若い男女が各3人と言うことね。そっかぁ、こっちには子供が生まれているのね。それは、素直に羨ましいと思うわ。


「アルカナ、余計なことを言ってないの。それでアウトランダーさんでしたか、私たちへの敗北を認めますか?」

「不本意な決着ではあるが、わしらが負けたのは確かだろう。ああ、敗北を認めることにする」


 ちょっと偉そうって言っちゃ駄目? そう、黙っていろと言うのね。だったら黙ってるけど……


「これ以上突っかかってこないと言うのなら、すぐにあなたたちを解放します」

「わしらに、服従しろとは言わないのだな?」

「それをさせても良いことはありませんから。それに、そんな真似をしたご主人様に叱られてしまいます」

「そうか、服従を求めないと言うのだな」


 ふうっと息を吐いたアウトランダーさんは、一度目を閉じてからかっと見開いてくれました。


「ならば、大人しくこの場を引くことにする」

「理解が早くて助かります。それから、これは提案なのですけど。別の場所で大宴会を開く予定になっているんです。あなたたちも、参加とかしませんか? 勿論、お客様としてお迎えしますよ」

「別の場所と言うのか。確か翼人どもが攻め込んでいったと思うのだがな?」


 なるほど、そのことを気にしているのね。はい、イセッタ任せます。


「人に任せるのなら割り込んでこないの。と言う話は良いのだけど、あなたたちがどうやって負けたのかを忘れたのかしら? それに、あちらには私たちより遙かに大きなドラゴンも控えているのよ」

「なるほど、愚かな喧嘩を仕掛けたと言うことか」

「多分だけど、喧嘩にもなっていないと思うわよ。それで、大宴会に参加してくれますか?」

「喜んで……と言いたいところなのだが。わしらのような者がご相伴に与ってもよいのか?」

「入れ物の問題だけだから、多分ご主人様は歓迎してくれると思うわよ」


 あっ、考えてる。そりゃあ、私たちが来た目的がわかっていない物ね。うん、普通なら慎重になってもおかしくないと思うわ。だったらさぁ、縛り上げたまま連れて行くってのはどう?


「そんなことをしたら、ご主人様に叱られるわよ」


 冗談よ、冗談だから告げ口しないでね。ちょっとさぁ、手間を省こうと思っただけなんだから。


「そのご主人とやらと話をさせて貰えるか?」

「間違いなく、話をすることになると思います」


 そりゃあ、コーメー様ならしっかりと話をしてくれると思うわ。うん、イセッタは間違ったことは言っていないっ!


「なんで、あなたが偉そうにしているの」

「それは良いのだが、ありがたくご招待に与ることにさせて貰う」

「じゃあ荷造り紐さん。拘束を解いてあげて」


 しかし、荷造り紐さんって素直だなぁ。まあ、ご主人様も善人だから、荷造り紐さんが素直なのも頷けるか。


「だから、なんであなたが偉そうにしているのよ」


 気にしないで、これが私の素だから。長い付き合いだから知っていると思ったんだけど。




 俺の前で土下座をする老若男女20人。なぜって聞いても罰は当たらないよな。どうして、ことあるごとに俺に向かって土下座をしてくれるんだ? なんだ、インテグラが理由と言うのは。あっちのドラゴンは、最大でも40m程度。それに引き換え、インテグラの大きさは100m超と言うのだね。大きさの違いが強さのバロメータだから、全員で掛かっても勝負にならないと言ってくれるんだ。

 それで、どうして土下座に繋がるんだ? 敗北を認め、素直に沙汰を待っている。出来れば子供たちは見逃して欲しい……


 誰だぁ、おかしなことを教えたのはっ


 はあはあ、ぜいぜい。俺、争いは駄目って言ったよな。無理強いも駄目って言ったよね。翼人のように攻め込んでくるのも問題だけど、どうして敗北って話になってくれるんだ? アルカナ、イセッタ、その辺りじっくりと教えてくれるかな?


「諸星さん。その前に、彼らの誤解を解いた方が良いと思いますよ」


 ああ小谷さん、確かにその通りだね。まずですね、全員立ち上がって貰えますか? それから……誰に任せたら良いんだろう。立木さん……いないか、白船君、神代さん、20人を任せても良いかな? うん、取りあえず温泉で寛いで貰おうか。

 うん、男女にわかれて付いて行ってくれるかな。


「諸星さん、本当に良かったんですか?」


 それなんだけど、少し後悔なんかしているんだ。だって、平和に暮らしているところに土足で踏み込んだようなものだろう? そりゃあ、翼人は遅かれ早かれこっちに来ていたと思うよ。何しろ、ヴェルファイアたちを捜索していたんだからな。それを思えば、翼人はまだましだと思うんだよ。だけど竜人は、こっちから攻め込んだ形になっちゃっただろう? 流石に、やり過ぎに思えてしまったんだ。もう、後の祭りと言うのも確かなんだけどな。


「でしたら、竜人を送り返してゲートを閉じますか?」


 それが、一つの方法と言うのは確かなんだろうね。それはそうとして、立木さんは何か言っていたかな?


「それを、なぜ、私に聞きますか?」


 いや、一緒に米子まで行っていたよな。だったら、この話のことが出ていてもおかしくないと思うんだ。だって立木さん、ゲートが開いたのを知ってるよね。


「まったく、話題にも上りませんでしたね?」


 そうか、話題にならなかったのか。その、気にしたそぶりも無かったのかな? 知っている範囲で全く無い、魔法の話が殆どすべて……後は、立木家の団らんしか見ていない。フィオレンティーナさんも混じったんだよな。その状況で家族団らんって、それはそれで凄い気がするぞ。

 その話は良いとして、ちょっと立木さんの意見を聞いてきてくれるかな? いやだ、自分で聞きに行けって……所長命令、発令しても良いかな?


「それでも拒否します。所長命令を持ち出すのであれば、幹部を招集して幹部会議を開けば良いだけのことです」


 幹部会議かぁ、幹部会議ね。うん、幹部会議だよな。確かに俺に招集権はあるんだよ。でもなぁ……


「うだうだ言っていないでさっさと幹部会議を開けっ!」


 ああっ、小谷さんが怖い。可愛い子ぶっても似合っていない。むしろ気持ちが悪い……そりゃあ、自分でも似合っていないと思うけどさ。

 じゃあ、秘書の小谷さんに命令します。幹部会議を開くので、至急幹部を招集してください。


「どこまで呼びますか?」


 副所長以上と言うことで良いかな。後は、そうだね、ラズライティシア様も追加でお願いします。


「議決をとったら1対3で負けますけど……良いんですか?」


 なぜ1対3? 一人足りないと思うんだけど。そうか、小谷さんは中立と言うのだね。後の3は……まあその辺り、最後は所長権限で意見を通します。なんで、可哀想な子を見る目をしてくれるんだ?


「可哀想な子を見たからです……と言うのは良いのですけど。所長権限を持ち出すのなら、幹部会議を開く意味ってありますか?」


 意味、意味ならあるぞ。立木さんたちの意見を聞いて、これからの方針を固めるんだからな。だから、幹部会議の意味はあるんだよ。意味はあるから、至急集めてくれるかな?


「場所は所長室で良いんですよね?」


 流石に大部屋じゃ駄目だと思うんだ。それに、立派なソファがあるんだよ。だったら、使ってあげないと可哀想だと思わないか。だから、セレスといかがわしいことはしていないからな。考えたことは……流石に、無いとは言えないんだけど。

 とにかく、所長室ですぐに幹部会議を開きます。開くんだからなっ!




 小谷さんに指示を出した20分後……ちょっと中途半端な気もするが、まあ集まるのに時間が掛かったと言うことだな。その20分後に、所長室で幹部会議を開催した。

 俺たちの前には、セレスの入れてくれたお茶と……なに、この羊羹のようなもの。断面に鳥とお月様が浮かんでいるんだけど?


「会津のお菓子屋さんが出している羊羹ですよ」


 じゃあ、こっちの薄紙で包まれた丸いのは?


「それも、同じお店のお菓子です。柿を使ったお菓子で、家内が好きなのでお取り寄せをしたんです」


 へぇへぇ、いつの間にと言っても良いですよね。人の家庭のことに口を出すな……仰るとおりなんですけど、ご相伴に与らせて貰ってもいいと思うんですよ。甘えたことを言っている……俺は立木さんの息子じゃ無いと言うのですね。

 でもですよ、こう言ったお菓子のことを知らなくてですね。


「息子のところなら送りつけていますよ。それは良いのですけど、緊急幹部会議の開催理由を教えてください」


 ええっと、会議の理由ですよね。はい、ヴェルファイアたちの世界と繋がったことです。あちらのドラゴンまで来てしまったので、ゲートを含めてその扱いを決定しようと言うことです? ええっと立木さん、どうして無反応なんですか?


「なぜと言われても、諸星さんの説明を待っているからです」


 俺の説明……ですか? 会議の目的なら、今言いましたよね?


「説明でわかりにくいのであれば、方針を教えて貰っていません。今回の件は、諸星さんがご自身で判断されて実行されたことなんですよ。私たちは、特に説明を受けた覚えがないんです。何を目的として、どのような結果を期待していたのか。そして今回の出来事が、その結果に対してどうだったのか。その説明も無く、いきなり集められて何を言えと言うのですか?」


 ええっと、ちょっときつくないですか? 俺の好きな正論を言っているだけ。所長が所長の権限で始めた以上、最後までちゃんと責任を持てと言ってくれますか。


「そもそも、何を問題としているのかすらわかっていないんですよ。日本政府への報告、マスコミ発表、新しく繋がった世界との関係をどう考えているのか。探査を始める前に、腹案があったはずですよね?」


 腹案ですか……見つけて連れて来ること、繋げることしか考えていなかったと言ったら怒ります? 怒りはしないが呆れている。それでは、烏山元総理と同じと言ってくれるんですか。そこまで言いますか、そうですか、そこまでのことなんですね。


「問題は、諸星さんは軽すぎる神輿ではない言うことです。とは言え、ここで諸星さんを責めても何も始まりませんね」


 はい、仰るとおり……いえ、俺を責めてもと言うことじゃありません。偉そうに言うな、ですか。全くもって仰るとおりです。


「小谷さん。至急菅谷総理と連絡を取ってください。新たなゲートが開き、翼人とドラゴンと接触した。ゲートが開いた理由は……」


 ああっ、立木さんが天を仰いでいるよ。ごめんなさい、宜しくお願いいたします。


「ヴェルファイアさんたちを捜索するため、あちらからゲートを開いたことにしてください」


 うん、ゲート自体はあっちが開いてくれたからな。その説明なら、嘘を言ったことにはならないはずだ。きっかけ? きっかけは忘れてくれると嬉しいな。


「集落の方針として、ゲートは維持することでいいんですよね。その場合、両世界の関係は様子を見て拡大することとします。それからドラゴンと翼人ですが、いきなりの移住は問題が大きすぎます。特にドラゴンは、あちらの世界の安定の役目を担っていたはずです。その存在が消えたりすると、大きな混乱を引き起こすことになりかねません。従って、一度あちらに戻って貰います。勿論、ゲートを通っての行き来は認めます。ええっと、それから……」


 頭を掻いて……あまり頭を掻くと、薄くなった頭が……すみません、睨まないでください。


「マスコミへの発表……発表かぁ」


 まことに持って申し訳ありませんとしか言い様がないです、はい。マスコミ発表って、立木さんの仕事なんだよな。つまり、相談も無く面倒な仕事を押しつけたと言うことか。

 立木さん、俺に代わって所長をしますか?


「これ以上面倒を押しつけないように。小谷さん、日本政府と共同発表にした方が良いと思いますか?」

「大事にしないと言う意味であれば、IMO研究所単独の方が良くありませんか?」

「それはそうなのでしょうが、意図的に異世界と接続されたと言うのは大きなニュースなんですよ」

「そこは、ほら、異世界特区と言うことで押し通すと言うのはどうでしょう?」

「確実にツッコミどころですよね、それ」


 他の世界と繋げられるとなったら、間違いなく色々と突っ込まれるな。『なぜ勝手に世界を繋げた』と非難されても仕方が無いと思う……だから、悪かったと思っているんです。お願いですから、そんな目で見ないで貰えますか。


「諸星さんの力がありますから、どこと繋いでも問題は起こらない……違いますね、問題を収束させることが出来るのでしょう。ただ、いつもいつも、犠牲者が出ないと思わないようにして貰いたいものです」


 犠牲者、ですか。ここと繋がるのであれば、水際で押さえ込むことが出来ると思いますです、はい。ええっと、なんか間違ったことを言ってしまいましたか?


「翼人とかドラゴンとか、大物なら仰るとおりだと思いますよ。そうですね、例えば病原菌のようなものが入ってきたらどうしますか? それが空気伝搬……と言わなくても、感染経路の話をしてもわからないと思います。そう言う私も、漠然とした危険性だけで物を言っていますからね。ところで諸星さん、侵入防止の措置は行ったんですよね?」


 それなら、KeepOutのテープが活躍してくれると思う。ただ、小さな虫とかまでは対応出来ない……と思う。


「こちらが真冬ですから、当面心配はいらないと思いますが。伝染病の媒体として、蚊はあまりにも有名ですからね。対策が必要なのは間違いないと思います。とまあ、ツッコミどころが満載と言うことですよ。だから、どう説明したものか、かなり悩ましいと言うことです。やっぱり、白を切るしか無いのだろうなぁ……白を切ることにするか」


 色々とご面倒をお掛けいたします。次は気をつけることを約束させて貰いますです。


「次は……多分ですけど、次はあるのでしょうね。なんでしょう、この箍が外れた感覚と言うのは。一体、誰がこんなことを意図したのでしょうね」


 誰の意図……こんなことが出来るとすれば、ゼッタイシン様とかぐらいかな。つまり、コスモクロアの仕業と言うことになる訳か。だけど、こんなことをして何か良いことがあるのかな?


「後は、彼女たちの世界で何らかの混乱が起きたと言うことも考えられるのですが……多分ですが、質問しても答えてくれないのでしょうね」


 立木さん、クロアさんのことを誑し込みましたよね。だとしたら……ごめんなさい。そんな目で見ないでください。


「とにかく、各自……と言っても、私と小谷さんだけですか。必要な手配をすることにしましょう。それからティア、あなたにも一つ仕事を差し上げることにします?」

「ワタシノシゴト。キヨヒコヲナグサメルコト?」

「違いますっ!」


 即答だな、即答したな。ああオルティアさんががっかりしているよ。しかもラズライティシア様が、なんか嬉しそうな顔をしているし。


「諸星さん、余計なことを考えないように。それからティアにして欲しいのは、武見君とゲートを開いた術式を分析することです。今回はしっかりとした証拠が残っているし、再現性も期待できるのですからね。学術的な価値があると思っているんです」

「タシカニ、キヨヒコノイウトオリ。オレイハカラダデスレバイイカ?」

「そっちに絡めると、次からは無視しますからね。あとシア、ティアに協力してあげてください」

「代償を求めても良いか?」

「つまり、お預けして欲しいのだと?」

「う、うむ、役に立てるのはわれの喜びだからな。うん」


 立木さんって強すぎるなぁ。ところで小谷さん、さっきから視線がとても冷たいんだけど。


「ええ、しっかりと呆れていますから。良かったですね、後沢さんが立木さんを派遣してくれて」


 ああ、否定の出来ないことで俺を虐めてくれる。虐めじゃ無い、単なる事実の指摘。リーダーである以上、甘んじて受け止めろと言ってくれるのか。


「小谷さん、諸星さんは集落のシンボルなんですよ。能力の方は……経験を積んでくれることを期待しましょう」

「立木さんの仰るとおりなんでしょうね。何のかんの言って、諸星さんの力抜きでは成り立たない集落ですから……ただ、その能力も貰い物なんですけど」


 だから、余計な一言を付け足さないで欲しいんだけど。事実だから仕方が無い。そりゃあ、ゼッタイシン様に貰った恩恵なんだけど……


「そのネタも、何度も繰り返していますね。小谷さん、菅谷総理への連絡をお願いします。発表の方は、政府の指示に従うことにしますからね」

「政府の指示……ですか。立木さんが良いと言うのなら、それで良いんですけどね」


 なぜ、政府の指示だと問題があるんだ? 絶対に話を大きくしたがる……なるほど、菅谷総理に宣伝に利用されると言うことか。

 だから小谷さん、ことあるごとに冷たい視線を向けないで欲しいんだ。




 政府と調整の結果……うん、結果ね。この大宴会に、立木さんが欠席しているのが答えと言うことになるな。ああ、オルティアさんもご同伴……はっ、どうして背中に滝のような冷や汗がっ

 二人は、東京に行って今回の事件の発表と、事件が持つ学術的な意味を発表することになった。そして俺は、宴会では無く所長室でテレビを見ていた。副所長二人が苦労しているのに、所長が宴会でくだを巻いているのは許されないと言うのが小谷さんの指摘だった。まあ、これも勉強と言う意味なんだろうな。

 そうか、首相官邸で臨時の会見と言うことになったんだ。


「本日は、新たな事件がIMO研で発生したことをお伝えする」


 第一声は、菅谷総理と言うことか。まあ、異世界との新たな接続は、世界的な事件だから仕方が無いのだろうな。


「その世界的事件を、思いつきでやらないで欲しいと言うことです」


 小谷さん、その辺りは反省していますです。これからは、小谷さん、立木さんに相談してからすることにします。


「しないと言わない辺り……まあ、こっちは無駄な指摘と言うことですね」


 だから、そこで深いため息を吐かないように。ところで小谷さん、国会議員になる「無理ですっ!」

 被せてきたか、そうか、被せてきたか。そうだよな、立木さんの代わりって小谷さんでも難しいよな。


「こんなもの、向き不向きがあるんです。今の議員さんで、立木さんの代わりができる人は片手で数えらえると思いますよ」


 それでも、片手程度の数は居るわけだ。ただし、バグっている人脈を除くなんだ。そうだよな、あの人脈って絶対にどこかおかしいよな。

 それはそうとして、立木さんとオルティアさんが演壇に現れたぞ。


「事件と言うことですが、概要を教えていただけますか?」


 第一声は、いつもの記者さんか。どうやら、あの人、立木さん対応を任されたようだな。


「簡単に言えば、新たな世界とのゲートが開かれたと言うことです」


 もの凄く説明を端折ってくれたな。まあ、言ってることに間違いは無いんだが。


「それで終わりと言うことはありませんよね?」

「流石に、これで終わらせるわけには行きませんね。と言うことで、もう少し背景を説明させていただきます」


 聞く方も慣れたのかな、以前に比べれば殺伐とした感じがなくなったと思うんだ。まあ、IMO研究所の定例会見も役に立っているんだろう。


「集落にいる翼人ですが、事故によりこちらの世界に飛ばされてきたことはご存じかと思います。そうなると、残された側で捜索を行って居ても不思議は無いということです。そしてあちら側……名前が付いていないので、あちらと言わせていただいています。あちら側で、原因究明及び救助と言う話になったわけです。灰となった魔道具が原因とわかっていましたので、その魔道具に付与されていた術式の解析、再現。その結果、こちらの世界と繋がったと言うことになります。その結果、武装した翼人20人が侵入してきました」

「武装した翼人が、上里集落に侵入してきたと言うのですか。結果が見えた気がしますね」

「仰るとおり、結果は見えていましたね。ご想像の通り、侵入したところで荷造り紐によって拘束されました。そして諸星所長によって、ヒアリングが行われたと言うことです」


 事実として、何も間違ったことは言っていないな。


「同時に、あちらのドラゴンもこちらに入ってきています。大きさ的には、40m級でしょうか。十分に大きなドラゴンが人間形態で上里集落を訪問しています」

「翼人とドラゴン、ですか。魔王城公開に関わってきそうと言うのは言ってはいけないことですか?」

「魔王城公開に竜人は関係していませんよ。それはそうとして、新たに開かれたゲートをどうするのかと言うことがあります。閉じることも可能なのですが、学術的意味を考えると維持と言うのが答えになると思っています」

「学術的意味、ですか。オルティア副所長がおいでなのは、その学術的意味に関わると考えて宜しいのでしょうか?」


 うん、この人相手だととっても話がスムーズだな。


「そのことについては、後ほど説明させていただきます。加えて申し上げると、集落の住居部分がまた手狭になってしまいました。大谷村から用地の提供を受けていますので、集合住宅の建設を検討することになります」


 そうか、翼人が増えれば、それだけ部屋が必要になるんだ。確かに、新しい住居が必要になってくれるな。


「諸星さんの心の棚と同じで、増設すればするほど手狭になりそうな気がします」


 なぜ、俺の心の棚を持ちだしてくれる? ちなみにだな、心の棚は、もう作らないことにしたんだ。作っても無駄と言うのがわかったからな。


「IMO研究所に必要だったのは、研究所棟ではなく住居だったと言うことですか?」

「住居が必要なのは確かですが、研究所棟のことは否定させて貰います」

「今、少し悩まれたのがお答えだと思わせていただきます」


 ああ、相手もツッコミどころを心得てきてるな。今のところ危ない話が出ないのは、事情を理解出来ていないからと思って良いんだろうな。


「学術的な意味をご説明いただけますか?」

「ソレハ、ワタクシカラオコナイマス」


 説得力の点なら、オルティアさんなんだろうな。ああっ、だからかな、質問者が変わってくれたぞ。


「学術的な意味とは、高次空間、ネルギーの方ではなく空間そのもののことを言っていますか?」

「ソノシツモンハ、ジュウヨウナテンヲフクンデイマス。ワタシタチノセカイト、ベツノセカイガイトテキニセツゾクサレタ。リュウジンハドアヲアケルヨウナモノトイッテイタガ、コチラハマホウトイウカタチデジッコウサレテイル。ジュツシキヲカイセキスルコトデ、コウジクウカンアクセスノホウホウヲシルコトガデキルトカンガエテイル」

「アクセス方法がわかれば、論理構築が可能と言うことですか?」

「マサニソノトオリノコトヲカンガエテイル。マダエネルギーノモンダイハアルガ、クウカンヲコエルホウホウジタイガアタラシイハッケントナル」


 武見君が術式を解析できるんだよな。だとしたら、高次空間だったか、そのアクセス方法がわかることになるわけか。そう考えると、集落に集まった人材って……なんか凄くないか?


「IMO研究所で、術式の解析は可能なのでしょうか? 術式を公開して、世界中の学者を巻き込んだ方が良いのでは無いでしょうか?」

「ソノコトニカンシテハ、タチキフクショチョウガセツメイスル」

「現時点で、公式に異世界及び魔法を研究しているのはIMO研究所だけとなります。従って、術式公開だけをしても意味が無いと考えています。人材的には、大魔法使いのラズライティシア様、そしてプログラムの天才武見和志研究員を抱えています。能力不足を感じた際には、外に人材を求めることもあるでしょう。ただ、今のところは内部で賄うことを考えています。失礼、理論検証はオルティア副所長がいましたね。現時点で、これ以上のメンバーは無いと確信していますよ」


 確かになぁ……なんだ小谷さん、何か気になることがあったのか?


「今、さらりと重要なことを言ってくれたのに気づいていますか?」


 重要なことって?


「公式に異世界と魔法の研究をしているのが、IMO研究所だけと言ったことです。これって、仲間に入りたければ表に出てこいって言う意味なんですよ」


 なるほど、何気ない一言にも大きな意味が含まれているんだ。何気なくない、もの凄く嫌味になっていると言うのだな。そうか、気づかない俺がダメと言うことになるんだな。


「駄目とは言いませんよ。ただ政治家を志すのなら、ちりばめられたワードに気を使う必要があると言うだけです。でもなぁ、なんでエンジニアのおじさんに教えられるんだろう」


 それだけ、立木さんも苦労してきたと言うことじゃ無いのかな。

 この記者会見も無事終わりそうだから、責任者として宴会に顔を出そうか。後は、シャルロットを派遣して、立木さんたちを回収する必要もあったな。


 ところで小谷さん、今何か言ったか?


「いえ、別に?」


 そうか、なんか『見つけた』と言う声が聞こえた気がしたんだ。そうか、俺の気のせいだったんだな。

 それはそうと、薄墨さんが仕入れてきた蟹なんだが、早く行かないと食い尽くされてしまいそうな気がするんだ。


「見た目は、味の前に意味の無いことでしたね。そう言えば、今シーズン初の蟹……」


 三河湾では、ワタリガニだったか。そっちは食べているんだがな。タグ付きのズワイガニは、また違った味わいがあると思うんだ。どっちもうまい、それを否定するつもりは全くないと言わせて貰おう。

 ところで、なぜ口ごもってくれたんだ? 内緒。内緒って酷くないか?




荷造り紐さんは最強です!

あと、手羽先……笑

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