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開所式とか

村の特産は異世界です


・開所式とか


 立木さんが島根から帰ってきてから、色々なことが動き始めたと思う。その第一が、武見君、武見さんが魔法を使えることが明確になったことだ。

 魔法自体は、集落では使える方が圧倒的な多数と言うのは間違っていない。ただ、それまで武見さんは、魔法を使うことが出来なかったんだぞ。それを考えれば、画期的なことと言ってもいいと思うんだよ。ただその割に、立木さんたちはあまり重視していないんだよな。


「そうですね、魔法自体はさほど重要なことじゃないんです」


 俺の疑問に対して、立木さんの答えがこれ。それで納得できると思っているのかな?


「ソレイジョウノセイカハ、コウジクウカンカラエネルギーヲモッテコラレルコト」


 その辺りになると、俺にはさっぱりなんだが。それはなんだ、魔力と言って良いのか。その供給源の話のことを言っているのか?


「ソノコトヲイッテイル。コレガカイメイデキレバ、ジンルイハエネルギーカクメイヲムカエルコトニナル」


 エネルギー革命ですか。凡人……理系的な意味だけど、凡人の俺には理解出来ないことなんですけど。


「ワカリヤスイハナシ、ダイイチダイニノダンボウ。デンキモトウユモツカッテナイ」


 ええっと、そうでしたっけ。あそこは、魔法で温めていたんでしたっけ。なるほど、電気も化石原料も使わないと言うことですね。だとしたら、資源の無い日本にはありがたいことですよね。でもですよ、高次元空間でしたか。そこのエネルギーが枯渇してしまうと言うことはありませんか?

 その可能性はあるが、心配する程では無いと言うのですね。一応理由を教えて貰っていいですか?


「エネルギーノホユウリョウガチガイスギルトカンガエラレル。コウジクウカンノエネルギーハ、ギンガケイレベルヲコエテイル」


 なぜそれがわかるのかと言う疑問はあるんですけど。それを忘れるとして、銀河系を超えてくれるのですね。それって、太陽のエネルギーの幾つ分ぐらいなんでしょうね。そりゃあ、ここで使うエネルギー程度じゃ誤差にもなりませんね。

 それならそれで、その高次元空間でしたか。そのエネルギー源ってのは何なのですか?


「ウチュウヲツクルエネルギートカンガエルコトガデキル。ツマリ、コノウチュウノオオモトトイウノガカセツニナル」


 ごめんなさい。説明はもう良いです。どう考えても、俺には理解出来ませんから。それでもわかったのは、もの凄く画期的と言うことですか。

 ところで、このことを発表するのですか? なるほど、定例の記者会見で成果として発表するわけですか。ただ開所式での発表は見送ることにする。それは良いのですけど、まさか俺に振ってくれませんよね。そのレベルの話は、もはや俺の能力を超えているんですからね。


「それ以上のことが出来るくせに、一体何を言っているんでしょうね」


 いや、俺の持っているのは超越と強制だけですから。小難しいことは、さっぱりわからないんですけど。なんです、わからずに使っているのが恐ろしいと言うのは。仕方がないと思いますよ、ゼッタイシン様がくれただけなんですから。


「今更諸星さんが物を知らない……理系方面のことですけどね。それを論っても、意味が無いことは理解していますよ。なので開所式の質問は、武見さんに答えて貰うことにします」


 武見さんに、ですか。俺としては、立木さんの方が適任に思えるのですけどね。自分は司会、説得力は武見さんの方があると言うのですね。そうかなぁ、立木さんっておかしな意味で認知されてますよね。特に、訳のわからない世界のことは。

 嫌な認知のされ方と言ってくれますか。ですが、これは真理だと思いますよ。多分ですけど、他の人だと小難しい理屈をこねくり回してくれると思うんです。だから説明役は、立木さんが一番だと思っているんです。



 と言うやりとりがあった後、IMO研究所新社屋……研究所のお披露目が開かれることになった。ちなみに時期は、当初予定より2週間遅れの11月末。東京ならたいしたことはないのだが、ここ大谷村北部では大きな意味を持つ時期と言うことになる。

 どう言うことかと言うとだな、途中の県道が雪で通れなくなったと言うことだ。ちなみに集落なのだが、本宅回りの積雪は1mを超えてくれた。そして研究所の敷地なのだが、それ以上に深い雪に覆われてくれたのだ。つまり開所早々、研究所は雪に閉ざされてしまったと言うことだ。まあ、それが常識的な受け取り方と言うのも認められるのだがな。


 そこでなぜ『常識的』と言ったのかというとだな、研究所のアクセスに転移ゲートが活用されたからに他ならない。本宅及び第1、第2にゲートを設置したので、通勤には全く困らないと言うのが現実だったのだ。

 そしてこのゲートなのだが、魔王城他にも作られていたりする。この辺りは、魔王城公開と無関係では無い。冬になっても、小学生以下の招待は続いている。『今日の異世界に遊びに行こう!』の収録も、相変わらず魔王城で行われていたのだ。


 そしてIMO研の定例会見は、開所の告知と合わせて11月末に行われた。ただ詰めかけた報道陣が多いので、相変わらず大谷村役場のホールが会場となってくれた。その辺りは、ちょっと注目度合いを読み間違えたと言って良いと思う。

 それでも詰めかけた報道陣は、内外合わせて300名あまり。一介の、と言っちゃあいけないのだろうな。ただ設立から1年も経っていない研究所だと考えれば、破格の注目度と言って良いと思う。ちなみにこの報道陣、自力で大谷村までたどり着いて貰った。うん、転移ゲートの提供はしなかったんだ。


「お忙しい中お集まりいただいて感謝いたします」


 定例会見ともなると、開会の挨拶は副所長である立木さんの役目となっている。この辺りは何回も繰り返してきたことなので、特に報道陣の反応も無くなっていた。


「最初に研究所長の諸星より挨拶させていただきます」


 これもまた、これまで何度も繰り返してきた手順になっている。お陰で、俺も緊張しなくなっていた。いやぁ、人間って慣れる物なのだな。

 そこで話をしたのは、勿論IMO研究所の新社屋竣工のことだ。これで、京都に行かなくても出来ることが増えるのだからな。研究の推進と言う意味で言えば、大きな一歩に違いない。そしてもう一つは、魔王城並びにブーランジェリー王国公開の話だ。約1ヶ月で、無料招待は1万名を超えるところまで来たのだ。そのお陰で、長野県知事から貢献に対する表彰を貰っていた。と言うことで、IMO研究所の成果として発表させて貰った。

 魔法の話? しないよ、まだ色々と煮詰めてないからね。今発表すると、外野が煩くなってくれるんだ。


 後は、京都との連携を説明して俺の役目は終わりとなる。ここから先は、立木さんが伝達事項と軽いジャブを説明することになっていた。


「新社屋……と言うより研究所棟が完成いたしました。ただ当初の見積もりが甘くて、当面大谷村の施設をお借りすることになります。ええ、これだけの人数が入ることのできるホールが無いんです。200名以下に抑えられればなんとかなるのですけどねぇ……なんて言ってはいけないことはわかっています。ですので、当面スペースに余裕のあるこちらをお借りすることになりました」


 研究の場が京都になっていることを考えたら、必要なのは研究所棟じゃなくてプレスホールと言う気がしてしまった。ただそれでは、研究機関の体面を保つことは出来ないんだよな。


「これまで本宅側……つまり、仮設事務所に設置していた空間転移検出装置ですが、機能増強をして研究所棟に新設することとなりました。機能増強と言っても、フォールトトレラントシステムに変更した程度です。ちなみに仮設事務所の装置も、引き続き稼働を続けることとします。加えて、クローンシステムを東の大学に贈呈しています」


 データの出所を考えれば、寄付をするのは当然のことだよな。うん、色々とデータを横流しして貰ったのだから、やっぱりお礼も必要だと思うんだ。


「魔王城及びブーランジェリー王国公開は、来春GWを目処に一般公開へと移行する予定です。なお、12歳以下への無料招待も引き続き継続することを決定しております」


 これについては、結構内部で揉めたんだよな。特に鴻池さん、朽木君の二人から反対意見が出ていたんだよ。色々と準備も出来て、有料公開の形も整う以上、お金を取って入場させるべきと言われたんだ。それに今の状況だと、13歳以上が入場できないのが問題とも言われたな。

 それに対する回答が、無料招待の規模縮小と言うことだ。尤も規模縮小と言っても、一度に招待する人数を減らすと言うことなんだがな。それでも二人は抵抗してくれたのだが、最後は俺の決定と言うことで納得して貰った。いや、そこまでにしておかないと、立木さんが悪事……で良いのかな。また良からぬことを企みそうな気がしたんだ。だって立木さん、『国の来年度予算が』とか言い出したんだぞ。小谷さんに調べて貰ったら、文科省の補助金が動き出していたんだ。どうやら立木さん、杉村に囁いてくれたようなんだ。

 まあ、『今日の異世界に行こう!』のことを考えたら、無料招待を止めることは出来ないと言うこともあるんだ。あれっ、これぐらいのことは鴻池さんなら気づいているよな。


「最後に、細胞研究の成果について簡単に紹介します。こちらは、御衣黄主任研究員から説明いたします」


 う~ん、まだ御衣黄さんが固いかな。そりゃあ、ある意味歴史的な発表なんだからな。うん、緊張するのも無理もないと思うぞ。


「では私から紹介させていただきます。ただ研究途中と言うこともあり、簡単な紹介に留めさせていただきます」


 いきなり水を飲んだのは、それだけ緊張しているからなんだろうな。うん、俺にもその気持ちは良く理解出来るぞ。


「本山名誉教授のご協力の下、ハイエルフ、翼人、竜人の細胞分析を行ってきました。分析を開始して半年を過ぎましたが、なかなか成果が出なかったと言うのが実態でした。その理由なのですが、何をどう分析しても私たちの細胞との差異が見つからなかったのです。静的状態で差異が見つからないため、様々なストレスを細胞に与えてみました。それでも、私たちの細胞との差異が発見できなかったのです。その状況を打開するため、有識者の支援を仰ぐことにしました。その結果、体から切り離されたところで細胞が変異するのを観測することに成功いたしました。ただ体から切り離されてから変異するまでの時間は、1秒以下……実際には数百ミリ秒と言う時間でしかないのです。従って、消滅する物質……物質かもまだわかっていないのが実情です。現在消失条件の検証方法を検討しているところです。ビデオが用意できたようですので、細胞の変化を見て貰うことにいたします。対象物として、通常の人細胞を同じ時間軸で表示いたします」


 少し会場が暗くなって、御衣黄さんの背後のスクリーンに映像が投射された。ちなみに、この映像は俺も初めて見るものだ。なんかこう言うのって、如何にも研究所っぽくて良いよな。

 そして投影された映像は、どうやら逆回転で再生されるようだ。左右に並べられた細胞なんだが、最初は全く区別が付かなかったんだ。それが100倍に引き延ばされた時間の中、もやっとした物体が右側の細胞の中に現れてくれた。


「現状この器官……器官と言って良いのか判断できていないのですが、仮称としてMagic Solenoid器官、略称MS器官と呼ぶことにしました。ちなみにご覧頂いたのは、ハイエルフの細胞構造です。同様に竜人、翼人の細胞構造も観察しています。そしてそのいずれからも、MS器官に類する物を発見しています」


 思ったより反応がないなと思ったのだが、次第に会場のざわつきが大きくなってきた。どうやら、御衣黄さんの発表への理解が間に合わなかったようだな。おおっ、沢山のフラッシュがっ。これで、IMO研を作った意味を理解して貰えただろうか。


「採取が容易と言うこともあり、ハイエルフ、翼人、竜人、魔王様の精子も研究サンプルとしています。実は、精子自体私たち人と差が無いことがわかっています。そしてブーランジェリー王国での実績ですが、ハイエルフと人の間で子供が出来ることもわかっています。そこでの特徴的な組み合わせ、ハイエルフの女性から生まれるのは必ずハイエルフと言うことです。そしてハイエルフの男性と人の女性の場合、両者の特徴を持った子供……ファンタジーに便利な定義がありましたのでハーフエルフといたします。そのハーフエルフが生まれる場合と、人の特徴のみを受け継ぐ子供が生まれることがわかっています。私たちは、このことから魔力の有無が形質遺伝に影響を及ぼすのでは無いかと仮説を立てることにしました」


 ああっ、ざわめきが一段と大きくなったぞ。そりゃあ、今まで説明してこなかったことが公開されたのだからな。


「このMS器官に関して、オルティア副所長が物理学的なアプローチを行っています。その目的は、生物学的な形質遺伝ではなく、魔力の基となるエネルギー供給機構へと迫ることです」


 御衣黄さんが手招きをしたので、舞台袖からオルティアさんが演壇に現れた。そしてマイクを持って日本語で……英語じゃ無いんだ、日本語で研究の意義を口にした。


「ワタシハ、コウジクウカンエネルギーヘアクセススルテガカリヲエタトオモッテイマス。コノアクセスガセイコウスレバ、ジンルイハジュンスイナエネルギーヲテニイレルコトトナル。ゲンシリョクデハナイ、アタラシイエネルギーヲジンルイハエルコトニナルノデス」


 またシャッター音が鳴り響いてくれたぞ。やはりオルティアさんの威光が物を言っているよな。うん、普通なら荒唐無稽ととられてもおかしくないことを言っていると思うんだ。それなのに、集まったマスコミの顔に興奮が浮かんでいるんだよ。


「このことは論文にされるのですか?」


 質問、まあ、当然の質問だよな。それで、誰が答えることになるんだ? ああ、こう言うときの副所長だよな。うん、立木さんお願いします。


「副所長としてお答えいたします。研究として端緒に就いたばかりと言うこともあり、まだ論文化は先になるのではと思っています。更に言うと、論文を作成しても査読が出来ないと言う問題があります。具体的な問題点は、先ほどの現象を観察する手法にあります。私どもの研究所は、時間停止能力者も抱えています。先ほどの現象は、時間停止を掛けた上で細胞を採取して観察したものなのです。すなわち魔力を持つ検体、そして時間停止能力が観察に必要になってくるわけです。査読、追試の困難さを理解いただけたでしょうか?」

「他の研究機関との連携はどうなっていますかっ!」


 当然出る疑問だよな。うんうん、立木さん宜しく。


「生物学的アプローチは、京都の大学の協力を得て進められています。御衣黄、武見両名を本山名誉教授のところに預けているのが現状です。そして物理学的アプローチは、東の大学の協力を得ることになっています。具体的には、大芝、宇梶両教授の協力を得ることになっています。加えて、名古屋の大学にも協力要請を行っています」


 名古屋の大学にも……そっちは知らなかったんだが。ああ、ここに日間賀島が生きてくるんだな。しかし、登場人物が並じゃ無いな。ノーベル賞級の研究者が揃ってるじゃ無いか。

 どうやら、マスコミもそのことを理解したようだな。ああ、日本人なら、この体制に文句を言えるわけが無い。しかも英国からオルティアさんまで加わっているのだから、『小さな研究所』として満点に近い体制だと思うぞ。

 しかしだ、これって全部立木さんの人脈だよな。バグってると言うより、神ってるって言った方がいい気がしてきたぞ。


「他の研究者に門戸を開く予定はありますか?」


 これだけのものを見せられたら、仲間に入りたいと考えても不思議じゃ無いよな。と言うより、そう考えないとおかしいと思うんだ。


「他の研究者に門戸を開く……そのご意見に対して、否定するわけには行かないと思っています。ただ現実を考えた場合、『誰』と言う問題が立ち塞がってくれるのです。もしも内外から手が上がった場合、どうやって研究に加わって貰うのでしょうか。その人選、スクリーニングを誰が行うのでしょうか。少しは人が増えましたが、IMO研は相変わらず小さな研究所なのです。擦り合わせを行う人員に事欠くと言うのが現実なのです」

「立木さんが、どこかに飲みに行く、若しくは温泉に行くと言うのはどうでしょうか?」


 ああ、立木さんが苦笑を浮かべたよ。まあ、苦笑も浮かべたくなるよな。確かにさぁ、御衣黄さん以外は全員温泉・飲み屋繋がりなんだもの。ああ、名古屋の大学は違っているのか。それにしたところで、話が動き出したのは日間賀島宴会なんだよな。


「温泉にも飲み屋にも行きますが……周りに迷惑を掛けないようひっそりと行くことにします」

「つまり、偶然出会うことも仲間に加わる条件と言うことですか?」

「神様の……」


 立木さんが天を仰いだよ。うん、その気持ちはよくわかるよ。だって、クロアさんなんて、もろ神様なんだもの。しかも女神のフローリアンさんもいるんだから、神様を持ち出したくないのも理解出来るんだよ。


「ここまで有名になると、それも難しいと思っています」


 だよなぁ、どこに行っても待ち構えている気がするよ。その中から選んだら、元々の目的と違ってくるよな。


「新たな人材については、IMO研の継続課題とさせていただきます」


 まあ、そうなるわな。多分だけど、東の大学とか名古屋の大学、京都の大学にコンタクトがあるんじゃ無いのかな。それならそれで、スクリーニング……は、そちらに任せれば良いんだからな。

 これで、IMO研究所の定例会見は終わりと言うことだ。しかし、今回の会見は盛りだくさんだったな。御衣黄さんのインパクトが大きかったからか、研究に関係の無い話題も出なかったし。後は、おかしな絡み方をする奴もいなかったな。違うか、混じっていたけど、それ以上の熱気に押しつぶされたのが正解か。まあ、ここまでの成果だけでも文句のつけようもないしな。しかもオルティアさんが加わったから、人材の面でも文句は言えないだろう。


 ちなみに、研究棟の開所式なのだから、内部の見学も組まれていたりする。ただこちらは、まだ『暫定』と言う説明が行われることになった。その辺り、今日の発表に大きく関係していたりする。どう言うことかと言うとだな、通常の設備ではダメと言うことがわかったと言うことだ。従って分析器メーカーが入って、新しい観測装置の設計から入ることになってしまった。ところで、誰が観測装置の設計に加わるんだ? ええっと、ハードウェア得意って。色々な物がバグってきていませんか?


 これで、研究所の本稼働は先延ばしが決定した。まあ立派な建物が出来たので、その施設は大いに活用することになったのだが。うん、立派な所長室……チェアも事務所のとは大違いだよ。いやぁ、なんか社長になったような気分だよ。


 それは良いんだけどね……いや、良くない


 立派な所長室……広さだって、なんでと言いたくなるぐらい広くとられている。立派なデスク……マホガニーの机。くそ重そうなんだけど、いつの間に運び込んだんだ。しかも黒の皮の椅子……手触りがもの凄く良いんだ。ちょっと大きめだし、マッサージ機能付きと言うのもいいと思うんだよ。なんかさぁ、もの凄いエグゼクティブになった気がするな。でもさぁ、部屋の中に誰も居ないんだよ。この広い部屋にさぁ、居るのは俺だけなんだよ。窓はあるけど、見えるのは冠雪した山だけだし。防音がしっかりしているのか、物音一つ聞こえてこないんだよ。

 真ん中に立派な応接セット……一体誰が来てくれるんだろう。ここって、これから雪に閉ざされるよな。恥を忍んで言うけど、もの凄く寂しいんだ。本宅の事務所だったら、小谷さんはいたし立木さんもいただろう。なんか最近当たりが強い気もするけど、ファンタスティック・フォーの2人も詰めてたんだよ。それなのに、シンと静まりかえった部屋に一人。もうね、寂しくて仕方が無いんだよ。ほら、ウサギと同じで寂しいと死んじゃうんだよ。


 と言うことで外に出たら、入り口の所にセレスが座っていました。もうね、これだけでほっとしてしまうんだよ。言っておくけど、ほっとしたんだからな。ムラッとしたとかじゃないんだからな。

 それでセレス、立木さんたちの部屋も個室なのかな?


「立木様、オルティア様は大部屋になっていますね。ジャックさんとグレゴリーさんも同じ部屋に詰めておいでです」


 なんで? 副所長だって個室を与えられるべきだよね。それに立木さん、IMO研への貢献がもの凄く大じゃないか。うん、個室を使って貰っていいと思うんだ。

 ところで小谷さんは?


「静香さんでしたら、ここに一つ机がありますよ。ただ、大部屋の方にも机があるんです。それから、私とエリザベスさんの机も大部屋にありますよ」


 え、セレスの机もあっちにあるの? だったら、朽木さんと武見さん、御衣黄さんの机はどうなってるの?


「お三方は、大部屋に机がありますね。武見様とかすみ様は、ラボの方にも机が用意されています」


 つまりさぁ、俺以外の全員が大部屋に机があると言うことだよね。なんで、俺だけ一人寂しく一人部屋なの?


「その辺りは……所長だからとしか言えないのですけど。ギルドでも、ギルドマスターは個室を使用されておいででしたよ」


 そりゃあ、確かにそうかもしれないけどさ。でも、何か寒々としているんだよ。


「暖房の温度を上げますか?」


 いや、そう言う意味じゃ無いから。ところでセレス、膝掛けを持ってどこに行くんだ?


「どこにって……大部屋にある私の席に戻るのですけど。かすみさんが、京都のお土産を持ってきてくださったんです。ですので、大部屋の皆さんでお茶でもしようと言うことになったんですよ」


 ええっと、俺は?


「後ほど、お茶と一緒にお持ちいたします。それから、コーヒーマシーンもありますので、好きなときにコーヒーも飲めますよ。勿論、お酒やソフトドリンクの入った冷蔵庫も用意してあります。クッキー、チーズ、その他のおつまみも用意してありますよ」


 い、いや、そう言うことを言っているんじゃ無くてだな。ええっと……


 ごめんなさい。一人は寂しいんですっ!


 お願い置いていかないで。思わずセレスの足にしがみついたら、なんかムラッときてしまった。ただなぁ、余計なことに気がついちゃったんだよ。うん、扉が少しだけ開いていたんだ。しかも扉の向こうから、人の気配が伝わってくるんだ。

 ひょっとして、見られてた? 覗かれていたのかな? そうか、しっかりと覗かれていたのか。誰が首謀者……ひょっとして立木さん?


「いえ、私は反対したんですよ。趣味が悪いし、始めてしまったらばつが悪いですから」


 始めてしまったらって……いえ、扉が開いてなければ可能性が微レ存と言うことで。だって、所長室にはとっても立派なソファーがあるんだぞ。つい、成人向けの映像を思い浮かべてしまったんだよ。お、俺は悪くないぞ、寂しい環境に置かれたのが問題なんだからな。

 そう言うことなので、申し訳ありませんが大部屋に俺の居場所を作って貰えませんか。所長室を作った甲斐が無い、そう言われると面目ないんですけど。


「小谷さん、所長室の中に居場所を作りましょうか?」


 そうすれば、俺と小谷さんの二人になる。まあ、間違いの起きない組み合わせと言うのは確かだな。それなら、寂しいのは緩和されると思うんだ……なんで、この世の終わりのような顔をしてくれるんだ? この世の終わり……いや、そこまで言われなくちゃいけないことなのか? 違うよな、違うと言ってくれるよな。


「仕方ありませんね、石原氏に改装の依頼を出しておきますよ」


 そ、それでお願いします。それで、俺も大部屋に居場所を作ってくれるんですよね? 狭いが仕方が無い……はい、無理を言っているのは理解しているんです。


「と言うことなので、諸星さんに一つお仕事を差し上げます」


 俺に、仕事を一つ?


「強制の恩恵を使って、少しレイアウトをいじって欲しいんです」


 それでいいの? それでいいのなら、バンバン力を使うけど。それで、どうすればいいのか具体的に教えて貰えるかな。その仕事は石原さん……どの壁をいじって良いのか確認が必要だと言うのですね。

 なるほど了解です。部屋を広げるまで、俺は隅っこで邪魔にならないようにしています。はい、今日のおやつですか。そこから混ぜて貰えると嬉しいと思っておりますです、はい。




 12月に入ったところで、鴻池さんからロケの話が舞い込んできた。どうやら、行き先はハワイなのだそうだ。その辺り、日本政府から強いお願いが入ったらしい。多分だけど、アメリカ政府からのプレッシャーに負けたのだろうな。

 しかしハワイか……青い海、はじける波。回りには、外人しかいないんだよな。それは勘違い、日本人も結構いる。日系人を含めると、かなりの数の日本人がいると言うのですか。いえ、それでもハワイですよ、ハワイ。業界的に言うと、ワイハじゃないですか。これでこそ、IMO研究所の所長になった甲斐があると言うものだ。

 それで鴻池さん、俺以外は誰が行くことになるんです? それからですね、飛行機の乗ったのは先日の沖縄が初めてだったんです。ですから、国際線に無事乗れる自信が全くないんですよ。


 ええっと、どうしてそこで政府専用機なんて話が出てくるんです? テロ対策、後は入国管理の問題もあると言うのですか。しかも外務省の職員がフルアテンドしてくれる。外務省の職員の方って……エリート中のエリートですよね。そんな人が、俺の面倒を見てくれるんですか? 畏れ多いと言えば良いのか、勿体ないと言えば良いのか。

 ところで、どうして全員でこめかみを押さえてくれるんです? 俺、何か間違ったことを言っちゃいましたか?


「諸星さん、もう少しご自身の立場と言うものを理解していただきたいのですが……」


 俺の立場……IMO研究所の所長なんて、大した立場じゃないと思うんですけど。違う、異世界への窓口を統括する唯一の存在。俺を中心に、各種人材が集っているのがIMO研究所と言うのですか?


「そもそも、諸星さん以外に誰が竜人を押さえられるんですか?」


 誰が竜人を押さえると言われても……竜人最強のインテグラは、立木さんにデレデレなんですけど。そう言う話じゃ無い。暴れたときに、力尽くで押さえ込めるのは俺だけと言ってくれるんですか。

 どうかしたのか、ですか? いえ、立木さんもなんとか出来そうな気がしたと言うだけのことです。ええ、立木さんが普通の人と言うのはわかっているんですよ。ただ、そう思ってしまったと言うだけのことですから。


「それを言われると否定できない気がしますが……立木さん、反論は受け付けません。それからですね、ハワイにはセレスさん、翼人、ハイエルフの構成をお願いしたいのですが……」


 ああ、ヴェルファイアは仲間捜しに行っていたな。戻ってくる予定が未定だから、数に入れるのは難しいと思うぞ。ただ、センティアが居るから1名なら確保することが出来るぞ。


「でしたら、諸星さん、セレスさん、ルーテシアさん、センティアさんの4人と言うことになりますね。はい、あまり大人数だとアテンドするのが難しくなってしまうんですよ。次の機会では、竜人、それからブーランジェリー王国の方にも参加して貰いたいと思っているんです」


 ヨーロッパかなぁと漏らしてくれたので、それだったらコロナとかセリカが適任と言うのは理解出来る。ただ見た目の問題があるので、翼人の参加は必須なんだろうな。だとしたら、ヴェルファイアとセンティアのどちらかと言うことか。ハイエルフは、ルーテシアの代わりにポルテを連れていくのもありかもしれない。

 まあ、アルカナとイセッタは、ロンドンの関係があるから難しいのだろうな。


「次は、冬の北海道と言うのも計画しています。ニセコ辺りだと、パウダースノーを楽しむことが出来るんですよ」


 雪……スキー場ってことか。恥ずかしながら、スキーをしたことが無いんだよ。ああ、冬山行軍なら何度かしたことはあるんだがな。ただ、あれって間違いなく命がけのことなんだよ。俺たちは大丈夫だったんだが、何人かの冒険者が凍死しているのは知っているんだ。


「ニセコは、れっきとしたレジャーですからね。よほどのことが無い限り、凍死と言うことにはなりませんよ。ところで諸星さんは、不幸体質とかはお持ちじゃありませんよね」


 なんだ、その不幸体質とか言うのは?


「いえ、思いも掛けない事故を引き起こすことを言っています。幾ら真冬のニセコでも、整備されたところで遭難するとは考えられませんからね」


 不幸体質かどうかは自信はないのだが、空も飛べるから遭難の心配はないと思うぞ。


「今ので、逆に心配になりました。ホワイトアウトと言うのをご存じですか?」


 ホワイトアウトって、字面からすると真っ白になることかな? ああ、知ってるかと聞かれたら知らないと言うのが答えになるな。


「雪で目の前が真っ白になって、方向とかの感覚を失うことを言うんです。そうなると、冷静に行動しないと最悪の事態を引き起こすことになるんですよ」


 冷静に対処すれば良いのだよな。ああ、それだったら俺は大丈夫だな……こらそこ、一番危ないと言わないように。超越の恩恵を持つ俺なんだぞ。落ち着いてさえいれば、問題なんか起きるはずが無いだろう。

 だから、問題だらけと言ってくれるな。実績がある……竜人とか魔王城の時にパニックになっていた。あれはだな……経験を積んだと思ってくれれば良い。やはり信用ならないって……立木さん、何か言ってあげてください。


「今更、私に何を言えと? もしかして、嘘を吐けと仰ってるのですか?」


 そこまで言ってくれますか。ほら、小谷さんもなんとか……いや、いい。なんか、悪い方に向かっていきそうな気がしたんだ。


「まあ、諸星さんなら遭難すら『超越』してくれそうですけどね。だから、まあ、諸星さんだけなら心配していませんよ。いざとなれば、知っているところに転移すれば良いわけですからね」


 そ、そう、俺は転移も出来るんだよ。だから、その反応のせいで信用できなくなると言わないように。お、俺だって、傷つくハートがあるんだからな。象が踏んでも大丈夫……すみません、意味不明なんですけど。




 ちょっと失敗してしまいました……ええっとですね、その、最初のボタンを掛け違えたのがいけなかったんですよ。はい、無事故郷にたどり着くことが出来たんです。そこでですね、記憶を頼りに集落に向かった……ところまでは良かったんですけどね。

 当たり前ですけど、私たちは神隠し、で良いのかな。神隠しのような物に遭ったことになっていました。そうなるとですね、行き先を探すと言う話になるんですよ。その手がかりが、ハイエースが見つけてきた魔道具なんです。はい、しっかりと燃え尽きて灰になっていたんですけどね。その灰を手がかりに、刻まれた術式解析なんかしていたそうです。その魔道具に刻まれていた魔法回路の解析、魔法回路の働きから転移先の割り出し。それら諸々の作業を終えて、いよいよ捜索隊を出すかどうかと言うところまで来たのだそうです。


 その総指揮を執っていたのが、私の母であるベルベディアなんです。年齢は……私よりは200歳は上なのかな。翼人族の中でも、武闘派として有名と言うのが私の母です。おかしいですね、どうして武闘派の母から私のような知的な娘が生まれるのでしょうか。

 だからハイエース、蛙の子は蛙と言わないように。そのことわざは、主人様の国の言葉ですからね。こちらでは通じないと言うのを忘れないように。だったら翼人の子は翼人……それで意味が通じましたね。残念なことに。


 それでアルカナさん、イセッタさんを連れて村へと帰還したと言うことです。母娘の感動的な対面があったのだろう……ですか。もしもし、相手は屈指の武闘派なんですよ。口よりも先に拳が飛んでくると言われた猛女なんです。その母が、再会に感激して抱きついてくると思いますか? もしも抱きついてきたとしたら、さばおりからフロントスープレックスに移行することはわかっているんです。

 はい今回ですか、今回は殴りかかってきてくれました。しかもですよ、破壊力が増すように拳の強化までしてくれたんです。そこまでされたら、反撃しないわけにはいきませんよね。ですので、しっかりと反撃させて貰いましたよ。

 結果、結果ですか。言い訳をさせていただくのなら、集落の生活でいささか平和ぼけをしていたようですね。ノックアウトされたのか、ですか。嫌ですね、私だけノックアウトされて終わるはずがありませんよ。しっかりと、体重の乗ったアッパーを返しておきました。


 その時ハイエースがどうしていたか、ですか。青い顔をしてアルカナさんたちの陰に隠れていましたよ。役に立たないと言うより、勇気を出したとしても結果は同じですからね。却って、足手まといにならなくて良かったと思います。

 最後はですね、アルカナさんたちのドラゴンフォームで決着が付きました。幾ら私たちが強くても、50m超級のドラゴンには敵いませんよ。襲撃してきた仲間……まったく血の気が多いんですから……仲間たちですが、全員気を失って墜落していきました。意外にひ弱だと言うのが、後から教えられた私の感想です。ちなみに私ですが、相打ちになって伸びていました。


 お母様、老いたとは言え侮れませんね


 アルカナさんとイセッタさんのお陰で、私たちは強い立場を保つことが出来ました。それでも、勧誘? でしたか、結構難航したのは確かです。やはり、知らない世界に対する恐れが強いのだと思いますよ。後はですね、私たちの言葉が信用して貰えなかったと言うのもあったようです。何しろ、竜人を連れてきてしまいましたからね。

 ちなみにですね、こちらにもドラゴンと呼ばれる種族は存在します。と言うか、しっかりのさばっているんですよ。でも、大きさは始祖竜でもアルカナさんより少し小さいぐらいですかね。その配下ともなると、コローラルさんの大きさ程度です。


 それでも、しっかりと強いんですけど


 追加の情報ですけど、私たち翼人と竜人は仲が良くありません。何しろ私たちは、飛べない生き物を『地べたを這い回るウジ虫』と蔑んでしましたからね。それなのにドラゴンは、私たちと同じステージに立っているんです。ええ、気に入らないからと言うのがドラゴンを嫌う理由です。

 嫌ってはいますけど、だからと言って戦争なんかはしていません。はっきり言って、勝ち目なんかありませんからね。まだ20m級は良いのですけど、始祖級ともなると蟷螂に斧で良いのでしたっけ、私たちの武器では傷一つつけられなかったんです。


 そこに、始祖級よりも大きなドラゴンが現れたのですよ。もう、パニック以前の問題になってしまいました。始祖級よりも大きなドラゴンですから、現れた理由が気になりますよね。いよいよ私たちが目障りになったのか……要は、私たちが仲間を売ったと思われたわけです。

 いえ、本当に包み隠さず色々と報告したんですよ。その中には、私たち16人のうち12人が相手を見つたことも含まれています。しかもアクアが妊娠したとも伝えたんですよ。本当なら、食いついてきてもおかしくない餌のはずなんですよ。それなのに、なぜか信用して貰えなかったんです。場を納めるのには貢献してくれたのですけど、竜人が居るのが影響したようです。


 それで、どうやって説得したのか、ですか。それがですね、アルカナさんとイセッタさんが万能収納袋から食料を出してくれたんです。その結果、その結果ですか。ええ、一発で落ちてくれましたよ。もうね、こんなにも簡単に裏返るのかと言いたくなるぐらいでした。食べ物のお陰で信用してくれたのは良いのですが、『男は連れて来なかったのか』はないと思うんです。もうね、どんだけ飢えているのかと心配になってしまいました。

 はい、色気と食い気の双方の話です。


 こら、そこ、おかしな魔道具を取り出してはいけません。そんなものを使わなくても、ここにゲートを開くつもりですからね。なんです、それだと主導権を奪えないと言うのは? だから、そこっ! どうして戦装束を纏ってくれるんです。アルカナさんたちに勝てないあなたたちが、攻め込んでどうにかなると思っているのですか?


「われら翼人族精鋭20。これより殲滅任務に向かいます!」


 こらぁ、殲滅してどうするんです。せいぜい捕食……ゲフンゲフン。いずれにしても、平和的に話し合いをしてですね。平和的に殲滅する……どうして、あなたたちは口より先に手が出るんです。

 だから勝手にゲートを開こうとしないように……ああっ、なんかゲートが開いちゃった。だからぁ、武器を持って攻め込もうとしないように。まずは、目的地が合っているのか確認してから……いえ、合っていたからと言って攻め込めと言ってはいません。いませんから、武器を置いていってくださいっ!


 アルカナさん、イセッタさん、すみませんが制圧してくださいっ。

 手遅れって……放っておいても大したことにならないと言うのですか? なんです、荷造り紐さん最強と言うのは。荷造り紐さん最強ですか……言われてみたら、心配しても仕方が無いように思えてきました。ええ、私たちも荷造り紐さんに捕まりましたからね。最初にガツンとやられた方が、扱いやすくなるのも期待できるわけですか。仰るとおりなんでしょうね。

 ただ、私たちが行かないと面倒なことになりそうな気がするんです。行っても大差は無いのでしょうが、行った方が無難だと思いますよ。


 アルカナさんとイセッタさんはどうされます? そうですか、もう少しこの世界を見てみると言うのですね。でしたら私とハイエースが、主人様に説明することにいたします。じゃあハイエース、急いで報告に参りましょう。

 こら、そこで逃げ腰にならないの。ヴェゼルに搾り取って貰いますよ。そう、大人しく付いてくれば良いんです。


 ゲートを潜ってみたら、どこかで見たような景色が広がっていました。どうやら、主人様の世界と繋がったようですね。これで、第一段階は超えたと言うことになるわけです。後は、荷造り紐さんに活躍して貰いましょう。


 あっ、前から荷造り紐さんが飛んでくる……なんで、私たちまで捕まるの?


 荷造り紐さんさぁ、私の顔ぐらい覚えてくださいよ。あなたたちの主人、コーメー様の第……何番目なんだろう。とにかく、コーメー様の奧さんの一人なんですからね。

 理解出来た、理解してくれたのですね。でしたら、すぐにでも解放していただけるとありがたいのですが。なんです、このまま連れて行った方が話が早いと言うのは。どうして手抜きを考えてくれるんです、そのあたり、厳重に抗議したいと思いますっ! しかも、ハイエースは捕まってないしぃ。それって、差別だと思いませんか?




荷造り紐さんは最強です(何度目?)

それからオフィス物は、隔離コーナーの定番でした。

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