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ある住民のつぶやき

村の特産は異世界です


・ある住民のつぶやき


 上里集落に来てどう思ったか、ですか。設立メンバーの一人ですから、『来て』と言うのとは少し違うと思うんですけどね。そりゃあ、私の志望していた道とは違いますよ。でも最近は、これはこれで大いにありと考えるようになってきました。だって異世界ですよ異世界。その唯一の窓口になっているんですから、世界的にはとても重要なポジションを占めているんです。

 その割に緊張感が無い。まあ、そう指摘されるのも理解しているつもりですよ。何しろ先日なんて、集落代表。諸星さんのことなんですけどね。諸星さんの沖縄旅行が、週刊誌に『悪意』を持ってすっぱ抜かれたぐらいですからね。

 ただねぇ、あの旅行って何も隠していないんですよね。だからすっぱ抜きも何も、沖縄県の人たちは全員知っていたと言って良いぐらいなんです。しかも宿泊したホテルからは、感謝状なんかも贈られたぐらいなんです。全員の記念写真とか、ヴェルファイアさんたちが海辺を飛んでいる写真とか、ホテルのWebページに特設のスペースが作られたぐらいなんですよ。だから『IMO研究所代表の爛れた生活』なんて書かれても、『今更何を言っている』程度でしか無いんですよね。


 そう言えば、定例会見では話題にも上りませんでしたね。ワイドショーの取り上げ方も、どこか違和感があったしぃ。セレスさんの水着姿とか、ヴェルファイアさんたちが飛んでいる映像が多かった気がします。

 あれっ、スキャンダルとは取り上げ方が違う気がしますよ。だったら、なんで無駄なってこともないか、それなりに売れたみたいですから。


「『俺たちも相手にしてくれ』程度の話ですね」


 これは、今回の旅行を企画した立木さんの言葉です。つまり、立木さんの意図通りの行動をしてくれたと言うことですか。まあうちの研究所、露出って意味だととっても少ないですからね。


「私の意図では無く、後沢氏、堀内氏の助言と言うことです。適度に餌を撒いて騒がせておけば、仕事をしている気になれるだろうと言うものです。ある意味、サービスみたいなものですね。後はですね、異世界に対して好意的な雰囲気を醸成すると言う意味もあります」


 あの二人ですかぁ。あの二人って、結構マスコミを騒がせているんですよね。でも、『仕事をしている気持ち』って、思いっきり馬鹿にしていませんか? そうですか、この程度の餌ではしゃぐレベルは相手にしていないと言うのですね。


「今回の目的は、諸星さんに『遊んで貰う』ことでしたからね。それから、奧さんずにこの国を知って貰うことです。加えて言うと、ファンタスティック・フォー問題の手打ちと言うのも有るんです」


 それって、米軍基地に行った奴のことですか。エリザベスさんを米軍基地に連れ込んだことを言っていますよね。初めに聞いたときなんか、流石にどうかと思ってしまったんですよ。あちらにも事情があると言うのは理解出来るんですけどね。

 なんです、最初のボタンを掛け違えたと言うのは、


「少しばかり、過激な手段を取り過ぎたと言うことです。本人はうまくやったつもりなんでしょうけど、関係の無い多くの人に多大なる迷惑を掛けているんですよ。しかも、対話の窓口を閉ざしてしまうと言う失敗をしてくれたんです」


 それは……確かに、村の人たちに迷惑を掛けていますね。村としては、遭難者が出たなんて不名誉そのものだと思います。その時は、うまい方法だと思ったんですけどねぇ……かなり配慮が足りなかったと言うことですか。しかも対話の窓口を閉ざしてしまったと言うのですね。

 でも、立木さんだったらどうしていました?


「小細工はいらなかったと言うのは確かですね。こちらで身柄を拘束、裏ルートで交渉と言う辺りですか。そうすれば、早い段階から外務省を巻き込むことが出来たんです。異世界出現と言う興奮で隠れていますけど、随分と官僚にもストレスが溜まっていると思いますよ。アメリカにしても、探りを入れた程度なのに、過激な反応をされて驚いたのではありませんか。小谷さんは、彼らから悪意に関する物を感じていないと思いますよ」


 そう言われてみれば、悪意を感じることは出来ない……ええっと、貰ったビーフジャーキーに呪いが掛けられていたんですけど、呪いですよ呪い、十分に悪意だと思っていいと思うんですよ。

 解呪されることが前提の呪いだと言うのですね。ちょっとした挨拶程度でしか無い。本気で攻撃するつもりなら、エリザベスさんが強制力を使っていたはずですか。それを言われると確かにそうなのでしょうが、正攻法だと交渉が長引きませんか? ええっと、結果は変わらない、彼らは問題なくここに残ることが出来たと言うのですか。現状を追認するだけになると言うのですね。その、一応理由を伺っても良いですか?


「取り返すのより、ここに潜り込ませた方が都合が良いからです。ここは国家機密の塊ですけど、存在を知っている相手には機密なんて無いのと同じなんです。しかも、うちとの関係を構築することが出来ますからね。もしもうちと関係を構築できていたら、竜人の襲撃も違ったものになったと思いますよ」


 国家機密の塊……と言うのは確かですね。でも、ここを知っていたら……確かに、隠しておくようなことはありませんね。でもですよ、研究していることとかだったら……そっか、彼らには関係の無いことばかりでしたね。その意味なら、関係構築を最優先にしてもおかしくない訳か。

 そしてうちとの関係が出来ていたら、確かに竜人への対応も変わっていましたね。シャルロットさんが活躍すれば、諸星さんが出撃することも出来たわけですからね。違うか、出ていく口実ができていた訳か。


「そう言うことです。その場合は、竜人たちとの関係も変わっていたのでしょうね。ちなみにここの存在は、奥飛騨経由で各国に広まっているんです。それもまた、『外交』をされている方たちには気に入らないことだと思いますよ」


 そう言えば、重力波のデータを横流しして貰っていましたね。ニュートリノの観測データにしても、日本だけってことは無いんですね。でも、結果を見れば良かったのでしょうけど、本当にばらしてしまって良かったんですか?


「各国研究者が原因にたどり着く前に、こちらからネタばらしをしておくことにも意味があるんですよ。彼らの時間を無駄にしないと言う意味以上に、研究においてイニシアチブをとることが出来るんです。教えてなければ、各国研究所経由で騒ぎが起きた可能性もあるぐらいです」


 ええっと、立木さんってエンジニアだったんですよね。過去形じゃ無い、今も現役……ごめんなさい。でもエンジニアのくせに、どうして駆け引きの話をしてくれるんです? 現役の厨二病……それって笑うところですか?


「温泉好きの年寄りと言う立場も持っているんですよ」


 そうやって、煙に巻いてくれますか。ええ、私たちが未熟なのは認めますよ。ところで温泉好きのお年寄り……なんですけど、そろそろ次の宴会を企画しませんか? 確か、ビゴさんたちを招待するって言ってましたよね?


「確かに、彼を招待する必要があるんですよね。だとしたら、どこが良いのかなぁ……ちょっと候補を考えている所なんです。う~ん、農業とか工業とかかぁ、見るだけなら愛知県ってのも面白いのかもしれませんね」


 愛知県って、ちょっと意外だと思います。愛知県のイメージって、自動車会社のイメージしか無いんですけど。はい、長野と接しているのは知っていますよ。でもですね、それ以外のイメージが湧かないと言えば良いのか……あまり知らないと言えば良いのか。そうそう、後は赤味噌文化でしたっけ?


「愛知は、工業出荷額で日本一ですからね。自動車会社以外にも、多くの工場が海沿いに集まっているんです。そして意外なこと……でもないのですけど、かなりの農業県でもあるんですよ。温泉は……蒲郡辺りで探せばなんとかなるでしょう。それから、味噌の生産量は長野県が日本一ですからね」


 農業県なんですか。なになに、全国8位の出荷額なんですね。へぇへぇへぇ、一つ賢くなった気がします。瓦の生産額も日本トップって、結構地味なランキングだと思いますよ。うなぎの出荷量も全国有数……結構見所があるんですね。

 それから、味噌の生産量のことは長野県人なら常識です。


「自動車会社の工場見学をコースに入れるか。今まで山の物ばかりだったので、今度は海の幸尽くしも良いかもしれないな……船で島に渡るのも。うん、だったらあそこにしておくか」


 なにか、もの凄く楽しそうに聞こえるんですけど。それからこれは確認なんですけどね。当然ですけど、私も誘って貰えるんですよね? どうして、そこで意外そうな顔をしてくれますか。諸星さんにご褒美をあげたんですから、私にもご褒美があってもいいと思うんですよ。仕方が無い、仕方が無いってどう言うことです!


「深い意味はありませんよ。留守番は諸星さんに任せれば良いだけですからね。留守番、してくれるのかなぁ」


 その辺り、ちょっと調子に乗せてしまいましたね。私たち3人が旅行に出るのは、燕温泉で実績を作ってしまいましたよね。


「そうなると、結構足が遅くなるんだよなぁ……仕方が無い、名古屋の大学にも連絡をしておくか」


 今度は名古屋の大学なんですか。改めて言いますけど、人脈がバグっていませんか? こちらは違う、同期が学部長をしているだけ。いえ、全然否定になっていないと思いますよ。有名な研究者も同期……学生の頃から人脈がバグっていたってことですか?


「そこそこの大学を出れば、同期が出世していてもおかしくありませんよ」


 それは否定できませんけど。でも、繋がりのある人が尋常じゃありませんよね。

 ところで、あちらはどなたを招待するんですか。ビゴさんは当然として、それ以外の人はどうします?


「それなんですけど、セリカさんにビゴさん側の参加者を決めて貰う必要がありますね」


 それだと、セリカさんも行きたいと言うと思いますよ。ええ、諸星さん抜きの話です。だって、絶対に魅力的に見えますもん。人数に制限を掛けないと、大変なことになるんじゃ有りませんか? そうですか、パンの国からは4人に制限を掛けるんですね。ちなみにその根拠は?


「宴会の規模を考えただけです」


 そうですか、宴会を基準にしてくれますか。後は、宿の大きさに関係するんですね。人数が増えると、宿の確保が難しくなる。宴会の規模より、宿の確保の方が問題じゃありませんか?


「あとですね、今回は車での移動を考えているんです。それを考えると、10人程度に抑えたいと言うのが正直な気持ちですね」


 10人ですか、その心は何ですか? 免許証の関係、普通免許だと10人乗りに制限されると言うのですね。あのぉ、白船さんだったら大型免許を持っていますよ。ええ、自衛隊員ですからね。


「白船君ですか、普段なら彼を当てにしても良いはずなんですよ。ただ今は、アクアさんが妊娠中なんですよ。お連れするのは良いんですが、宴会に巻き込むわけにはいきませんよね」


 ああっ、アクアさんの問題があったかぁ。何しろ、こちらの人間とで出来た初めての子供ですもんね。そりゃあ、扱いが慎重になってもおかしくありませんね。そっかぁ、運転手の問題も出るんですね。

 ところで立木さん、立木さんはどなたといかれるのですか?


「シアとインテグラですかね。教授連がいませんので、オルティアさん、御衣黄さんは連れて行きませんよ」


 二人が文句を言ってきそうな気がしますね。名古屋の大学に行くんですよね、私も行くと主張しそうな気がします。そちらは対策をする。そうですか、十河さんを利用するんですね。ケイコさんの引率で、京都奈良の旅にいくのですか。それって、どこの修学旅行と聞いても良いコースですよね。

 なるほど、先日来た女学生を利用するんですね。十河さんと連絡先を交換していた。それも、なかなか楽しそうに思えてきましたよ。なんです、独身女性がおじさん宴会で羽目を外すのは良くない。それって、私を見て言っていますか?


「従ってエクシブ君を含めて5人になりますね。後はビゴ君とその婚約者、セリカさんを想定すると……都合8人か、今のところ私が運転できそうですよ」


 その見積もり、繰り返しますけど甘すぎますね。諸星さんが手を上げた時点で、間違いなく倍増しますから。


 どうやら、私の予想は間違っていなかったようです。何のことかと言うとですね、視察旅行への参加者のことです。

 しかし世の中、耳ざとい人が大勢いるんですね。一体誰が漏らしたのか、教授お二方が『俺も混ぜろ』と言ってきたんです。それからですね、私を忘れるなとオルティアさんも名乗りを上げてくれました。それに加えて、名古屋の大学から2名ほど……もうね、何の学会なんだと言いたくなってしまいましたよ。ああ、京都の方も『魚っていいなぁ、タコも美味しそう』とか連絡をしてきたんですか。なんです、明石が近いだろうって……それってわかってて言っていますよね。

 これで教授連が6名になったと言うことですね。なるほど、都合14名になったと言うことですか。ところで立木さん、諸星さんがちらちらとこちらを見ているんですけどどうします?


「部屋を確保する身にもなって欲しいんですけどね……」


 何しろシーズン真っ盛りですからね、どこもかしこも予約が一杯でも不思議じゃありませんよね。ええ、わかりますよ。私も昨年苦労しましたからね……嘘を吐け、ですか。立木さん、事情を知らないはずですよね。


 はい、更に視察旅行に追加が来ました。ちょっと意外な人なんですけど、誰有ろう魔王様が名乗りを上げてくれました。エクシブさん経由で、四天王と一緒に行きたいと言ってきたんです。ちなみに女神様の方は、修学旅行の方に名乗りを上げてくれました。京都奈良って、仏教とか神道とかの聖地ですよね。そこに関係の無い女神様って……連れて行っても良いものなんでしょうか。そうですか、少し息抜きがしたいと言うのですね。だそうです立木さん、宿の方をよろしくお願いします。

 それよりも、なぜに白船さんまで参加者に入っているんです? もの凄くお願いをされた。足にすがりついて離してくれなかった……少し疑問なんですけど、そこまで魅力的な旅行なんですかね。いえ、私は行きたいですよ、海の幸満載の宴会なんて、話を聞いただけでも美味しそうじゃ無いですか。

 ええっとアクアさんも参加者に入っている。アクアさんって妊婦ですよね、あの宴会に連れ込んで大丈夫でしょうか。アルコールって、絶対に胎児に悪いですよね。そうですか、それだけならノンアルで対処が可能と言うのですね。


 ところで諸星さんが何か言いたげにしていますけど、まだ無視しているんですね。




 余は魔王であるぞ。うむ、我の前では頭を垂れるのが礼儀と言うものだ。だから、頭を殴るのは止めてくれないか。致命的では無いが、かなり痛いのは確かなのだ。なんだ、これでも思いっきり手加減をしている。聖剣を使っていないだろうと言うのか?

 うむ、その配慮には感謝するぞ。ただなぁ、これでもちゃんと仕事をしているつもりなのだ。だからだ、もう少し優しくしてくれても良いのでは無いか? 台詞が棒読み、もっと感情を込めて台詞を言えと言うのか。だがな、余はこのような横暴な魔王では無いのだぞ。人を丸かぶりしていたのは、他に食えるものがないのだから仕方がないと思うぞ。だから今は、人を食いたいとは思わなくなったのだ。そう、ステーキはうまいと思う。とんかつとは、なんと贅沢な食べ物なのかと感激させて貰った。だがな、余にとって世界が変わったのは、カレーなるものを食したときのことだ。舌から鼻腔に抜けていく刺激、余が求めて止まなかった食い物に、ようやく巡り会うことが出来たのだ。


 それはそれとしてだ、ぬしは何を嬉しそうにしておるのだ。なに、旅先で宴会なるものをすると言うのか? 余は、余はそんなことを聞いておらんぞ。だから、教えてないと言うのは止めてくれないか。ぬしが嬉しそうと言うのは、その宴会なるものが絶品と言うことであろう。なるほど、立木の見立てに間違いないと言うのだな。ならば是非とも連れて行って貰いたいのだ。取りなしをお願いしていいだろうか。

 それは良いのだが、立木……立木様をぞんざいに扱っていいのか? 立木様だけなら怖くないのだが、見た目に不自由しているエルフと、癇癪持ちの竜人は流石に敵に回したくないと思っている。ああ、上には上がいることを、これ以上無く思い知らされた気持ちになったぞ。


 ところで、女神はどうしておるのだ? い、いや、今更女神などどうでも良いのだがな。ああ、そそる体と言うのは確かなのだが、ここにはそれ以上の者が大勢おるだろう。うむ、リーダーで良いのか、そのリーダーの奥方は全員そそる体をしておると思うぞ。特にセレス様だったか、思わず平伏したくなってしまうのだ。セレス様と比べたら、女神など格下も良いところだろう。

 ギョイコーはどうか、と言うのか。ところで、ギョイコーとは誰のことだ? 黒髪をした胸の大きな女性。時々針を持って現れている……ちょっと待て、あの女はギョイコーと言うのかっ。いや、なんだ、そそる体をしているのは否定せんぞ。だがな、あの女はアクトロスとは違った意味でおっかないのだ。この前のことだが、試験管で良いのか? ガラスの管を渡されたときには、思わず体が震えたぐらいだ。しかもなんだ、余に精液を出して持ってこいと言うのは。女ならば、体で奉仕して慈悲として余の精を受けるのが筋と言うものだろう。それなのにあの女は……

 いや、今何か背筋がゾクッときたのだが。冷たい視線を向けて、『さっさともってこい』と言ってくれたのだぞ。あれっ、また背筋がぞくりとしてくれたぞ。おかしいな、ここにはあの女はいないはずだよな。


 そんなことはどうでも良いのだが、余もその宴会旅行とやらに行きたいのだ。そうか、協力してくれると言うのだな。ところで、お付きの4人も連れて行っていいのだろうか。宴会は人数が多い方が盛り上がる。つまり、連れて行っていいと言ってくれるのだな。

 ところで海と言うのはどのようなものなのだ。そうか、ぬしもよく知らないと言うのか。それならば、なおのこと連れて行って貰いたいところだな。立木様に土下座をすれば良いのか、それで連れて行って貰えるのなら、プライドならいくらでも捨てて見せようぞ。




 ええっと、22歳を超えた元女子高生です。違いましたね、現役の女子高生でした。ただ高校課程は、通信教育で受けていたりします。ちなみにですね、今は第二を出て慶子さんの家にお世話になっています。慶子さん、とっても優しくしてくれるんですよ。だから、『お母さん』って呼んでも良いですよね。

 お母さんがいればお父さんもいるんですけど、その辺りはちょっと複雑な気持ちを持っています。ええっと誤解をして欲しくないのですけど、お母さんとお父さんはとっても仲が良いんですよ。それに二人とも、お互いのことをとても思い合っているのはよくわかるんです。本当の両親もこうだったらって、お母さんたちを見て悲しくなったぐらいなんです。


 はい、お父さんはとても優しくしてくれます。それに、私のことをとても注意して見てくれていると思います。甘えさせてもくれますし、悪いことは叱ってもくれるんです。だから、普通ならお父さんにも複雑な気持ちにならないはずなんですよね、普通なら。はい、お父さんには普通じゃ無い所があるんです。

 お父さんの女癖……で良いのかなぁ。お母さんが気にしてないのが不思議だけど、ちょっと不満を感じていたりします。どう考えても浮気だと思うんですよ。ええ、ラズライティシア様とかインテグラさんとかのことを言っています。ただお母さんに聞いてみたら、10年以上前に卒業したって言われてしまいました。ところで卒業って、なに?


「われの顔に、何か付いておるのか?」


 いえ、別に何か付いていると言うことはありません。ちょっと、思うところがあっただけで。ところでラズライティシア様って、何千年も生きてきた大魔法使いなんですよね。色々と昔の話を教えて貰ってもいいですか?


「それは構わぬのだが、我を呼ぶときに様を付けるのは感心できんな。ヨーカよ、我を呼ぶときには親しみを込めて『シアさん』とでも呼んでくれれば良い」


 シア、さんですか。でも、他の人たちはラズライティシア様と呼んでいますよね?


「あれか、本当なら気に入らぬのだがな。だが、関係の無い者に強制するわけにはいかぬだろう」


 だとしたら、私も同じだと思うんですけど。ええっと、私は違うんですか?


「うむ、ヨーカはキヨヒコの娘のようなものだからな。キヨヒコの娘なら、われにとっても娘と言うことになる」


 私が、シアさんの娘なんですか……いえ、嫌と言うことはありません。そのちょっと、実感が湧かないと言えば良いのか。繰り返しますけど、嫌と言うことはないんですよ。


「ヨーカが戸惑う理由もわかっているつもりだぞ。それから言っておくが、われはケイコとも仲良くしておるからな」


 よく一緒にお茶をしていますよね。そう言えば、インテグラさんもお茶仲間になっていましたね。最近オルティアさんも仲間に加わったみたいで……頭が混乱してきたと言うのは言っても良いことですか?


「まだ若いヨーカには難しいのかもしれんな。こんなものは、難しく考えてはいけないことなのだ。あるがままを受け入れる……当然だが、ケイコを蔑ろにするつもりは無いのだ」


 やっぱりよくわからないことだと思います。でも、皆さんの仲が良いのは確かだと思います。

 あっ、かすみさん戻ってきたんですか。京都はどうでした、相変わらず暑かったんですね。それで、お土産は?


 かすみさんと言うのは、御衣黄かすみさんのことを言っています。御衣黄って珍しい名字なんですけど、同じ名前の桜があると教えて貰いました。萌黄色をした、八重咲きのサクラなのだそうです。かすみさんは、私にとってお姉様みたいな人なんですよ。

 ただかすみさん、時々『お母さんの一人になりたい』って不思議なことを言うんですよね。ええっと、深い意味は考えないようにしています。怖いから。


「ケイコ母さんに渡してあるわよ。これからお茶にするから、二人を呼びに来たの」


 だったら、すぐに居間に行かないといけませんね。シアさん、急いでくださいね。


 居間に行ったら、すでにオルティアさんたちが待ち構えていました。それからですね、なぜか女神様……フローリアンさんなんですけど、彼女も居住まいを正していました。彼女に対して、まだちょっと苦手なところがあるのは内緒です。


「今日は冷煎茶と水ようかんですよ。水ようかんはかすみさんの京都のお土産なのよ」


 結局居間のテーブルには、お母さん、シアさん、インテグラさん、オルティアさん、フローリアンさん、かすみさん、そして私の7人が揃いました。

 美味しい水ようかんなんだけど、日本人じゃ無い人にはアンコは不評って聞いたことがあるわ。シアさんたちって、アンコでも大丈夫なのかしら? 馴れた、そして馴れれば美味しく感じられる。お茶の苦さとアンコの甘さが絶妙なんですか。インテグラさんも同じ、結構馴染んでいるんですね。


「ワタシハマダマダデス」


 そう教えてくれたのはオルティアさんです。この中では、最後に加わった人なので仕方が無いのでしょうね。それだからなのかな、お母さんがキッチンから別のお菓子を持ってきてくれました。綺麗なガラスの器に入った、紐のようなもの……葛きりなんですか。葛きりの夏みかんシロップ味なんですね。ところで、葛きりってなんですか?

 いえ、夏みかんの酸っぱさがとても美味しいと思いました。分類からいくと、これも和菓子の分類なんですね。なかなか深いなぁ、和菓子の世界も。


 お茶会では、本当に色々なことをお話しします。その中には、私の勉強や将来のこともあったりします。ちなみにですね、最近は大学に行くことも考えるようになりました。はい、お母さんの後輩になろうかなって思ったんです。その辺りはですね、先日遊びに来た人たちに誘われたのも理由になっています。実はあの人たち、私と同い年だったりするんですよね。

 今日の話題は、『修学旅行』なのだそうです。ええっと、わかりにくいですよね。お母さんに、京都奈良に遊びに行こうと誘われたんです。ちなみに、お父さんは同じ時期に三河湾の島で大宴会を開かれるそうです。パンの国ですか、ビゴさんと言う名代の方にこの世界を見て貰うのが目的らしいです。でも、どうして島に渡って大宴会なのかしら?


「その前に、自動車工場とかの見学が入っていると言っておったぞ。それに加えて、田んぼとか畑とかも見て回ると言っておったな」


 つまり、社会見学と言う奴ですね。ただ大人が行くので、締めは大宴会になるわけですか。


「宴会には、大芝教授たちも参加されるそうよ」


 あっ、静香さんも入ってきた。そう言えば、静香さんの印象も随分と変わったな。内緒のことだけど、静香さんって怖い人だと思っていたのよ。今でも怖いと思うことはあるけど、面白い人って思うことが多くなったと思う。後は、そう、結構だらしない人と言うのもあったわね。お酒にだらしないと言うのも有ったか。


「陽佳さん、お願いだから口に出して言わないでくれるかな。だらしない……特にお酒にだらしないと言われるのは堪えるから」


 でも、一升瓶を抱えてイビキを掻いていたんですよね。独身女性として、それはどうかと思いますよ。


「だったら、御衣黄さんも似たようなことをしているけど?」


 えっ、かすみさんも一升瓶を抱えてイビキを掻くんですか? しないしないって、そうですよね、かすみさんはそんなことしませんよね。


「でも、宴会ではっちゃけていたって教えて貰ったわよ」

「小谷さんみたいに、酒豪じゃありませんから」

「酒癖の悪さは、間違いなくシズカが一番だな。あのキヨヒコも、見たことがないと引いておったぐらいだ」


 静香さん、旗色が悪くなったみたいですね。ちなみに静香さんには、時々勉強を教えて貰っています。エリザベスさんとかシャルロットさんとかにも先生をして貰っています。ただ不思議なのは、英文法の先生はお母さんなんですよね。

 それからオルティアさんは、先生にはなれないと思います。ええ、お話が高度すぎて、全く付いていけないんです。やっぱり私は、文系女子と言うことなんですね。でも、かすみさんにも色々と教えて貰っていますよ。こうして見ると、高学歴の方が揃っているんですよね。


「ところで、修学旅行と社会見学なんだけど。修学旅行に行くのはケイコさん、陽佳さん、御衣黄さんの3人……ごめんなさい、フローリアンさんの4人で良いのよね?」


 そうか、やっぱりシアさん、インテグラさん、オルティアさんは社会見学組か。それって、お父さんがあっちだからってことだよね。

 それもあるが、宴会大好きって……宴会って、しょっちゅう第一の方でしていると言っちゃ駄目なことかしら。それとこれとは別、海の幸にも興味があると言うのですね。


 ところでかすみさんは、社会見学組じゃ無くて良かったんですか? えっと、私が理由なんですか? 京都の案内は任せておけと。甘味の美味しい店を色々と開拓してあると言うのですか。


「ところで宿泊なんだけど、京都はポーションホテルを確保したみたいよ。あと奈良だけど、奈良のホテルなんだって。順番は、奈良に行ってから京都にしたみたいね」


 ああ、お母さんが苦笑を浮かべてる。つまり、この順番には理由があるってことかな。でもちょっと疑問なのは、こっちにフローリアン様が加わることね。だって京都とか奈良って、仏教と神様目当てにいくところだよね。


「この世界には、本当に沢山の神様がいるんですよ。それぞれ縄張りがあるんですけど、拘っては駄目と言うことです。そしてここでは、私は根無し草の女神でしか無いんです」


 フローリアン様って、元の世界から切り離されてしまいましたからね。この世界にも同じような神様がいるとしたら、フローリアン様って外様? で良いんですよね。


「それに、あちら側は気持ちが落ち着きませんし」


 うん、それはわかる。だってお母さんって、間違いなく癒やし系だから。

 この4人で旅行に行くのって、なにかわくわくしてくるんです。鹿ちゃん、頭を撫でてあげたいなぁ。




 小官はって、固すぎますかね。ええ、最近割と暇なんかしています。誰だ、俺のことを撮影係と言う奴は。他にも、運転手なんかもしているぞ。威張る所じゃ無い、そりゃあ、まあそうなんだけどな。

 立木さんの話を聞いたとき、間違いなく俺の出番だと思ったんだよ。だって俺、大型の免許を持っているんだよ。つまり、10人以上を運ぶことが出来るんだよ。アクアを置いていくのか、かな。これが仕事なんだから、アクアだって聞き分けてくれると言うものだろう?

 それで今の参加人員なんだけど、俺以外は15人だな。だったら、マイクロバスで十分いけるじゃ無いか。なんだアクア、どうして目を潤ませて迫ってくるんだ。い、いや、お前は今大切な時期だろう? 離れたくないって……いや、だから、そんなことを言われてもだ。し、仕事だから仕方が無いだろう。だから、『私と仕事のどちらが大事』なんて、使い古された台詞を使わないで欲しいんだよ。だから、離婚するって……正確には結婚していないよな?

 どうしても駄目なのか、か。私がこんなに頼んでも駄目なのか……って。良いか、料理は良いがお酒は厳禁だからな。雰囲気だけなら、ノンアルコールの飲み物にしてくれよ。いいか、これは意地悪で言っているんじゃないからな。お腹の子供のためを思って言っているんだからな。

 これで、俺を含めて17名と言うことか。運転手は別。だったら、今のところ16名と言うことになるな。マイクロバスの定員を考えると、荷物置き場を考えて6名程度と言うことか。うん、補助席を使わないことが前提になっている。


 それで立木さん、レンタルのマイクロバスなんですけど。いえ、ここから参加者が乗っていく車のことを言っているんです。便利さを考えたら、レンタカーを使うのが良いですよね。大丈夫ですよ、俺が大型免許を持っていますから。

 なんです、小型バスをチャーターすると言うのは。予定が決まっているから、チャーターしても問題が出ないと言うのですか? 名古屋から教授3名が加わるので、収容人員を考えなくてはいけない。でしたら護衛は必要ありませんか? ラズライティシア様とエクシブさん、インテグラさんがいるのに護衛が必要かと言うんですね。だったら、だったらですね、撮影係が必要だと思うんですよ。ええ、絶対に必要だと思うんです。


「仕方がありませんね」


 はい、立木さんが折れてくれました。やはり、お願いするには熱意が必要なんですね。いえ、土下座なんかしていませんよ。足にすがりついたのは……その辺りは見なかったと言うことでお願いします。




 立木様からのお誘いを、姉経由で教えて貰いました。答え、答えですか? 喜んでと、二つ返事でお受けすることにしました。神の国……ええっと、ニッポンでしたか、その日本を視察させてくださるのですよ。しかも私たちのために、視察の後に宴まで開いて頂けると言うのです。ええ、控えめに言っても飛び上がって喜ばせていただきました。もの凄く嬉しいことなんですけど、それでも一つだけ問題がありました。

 立木様は、きっと気を使ってくださったのだと思います。ですが、許嫁を連れてきて……と言うのは、なかなか超えるべき問題があるんですよ。いえ、流石にいないとは言いませんよ。痩せても枯れても、元子爵家の跡取りでしたからね。いることはいるんですけど……


「ビゴ様、なにか問題があるのですか?」


 い、いや、ビスタ。別に問題がある訳ではないぞ。うむ、立木様がな、私に許嫁と共に参上するようにと言ってくれたのだ。色々と、姉様が嫁がれた世界を見せてくださるとのこと。ポンパドール伯爵家発展のためと言うのはわかっておるのだ。わかっておるのだが、そこにビスタを連れて行っていいのか。視察の後には、酒宴が開かれると教えて貰っている。良いか、酒宴が開かれるのだぞ。だから不安に感じておるのだ。


「私も、少しであれば酒精を嗜んでおります。たとえ酒宴であっても、粗相をしない自信はございます」


 ああ、われらの知る酒宴ならば心配はしておらん。そしてこちらの世界であれば、多少のことがあっても大丈夫だと思っているのだ。ただなぁ、あちらの世界となると問題が多くなるのだ。何よりも、20歳を超えなければお酒を飲むことが出来ないのだそうだ。つまりお前も私も、お酒を飲むことが出来ないのだよ。そのような者が、果たして酒宴に加わっても良いものなのか。私は、それを心配しているのだよ。


「ですが、立木様にご招待を受けたのですよね。それを断るのは、礼を失したことになりませんでしょうか。お義兄様の顔を潰すことにもなりかねないかと思います」


 それが正しいのは、私も理解しているのだよ。だから、こうして悩んでいると言うことだ。せっかく招待を受けたのに、誰一人として酒宴に付き合えぬと言うのが問題だと考えておる。


「でしたら、ビゴ様が側室を娶れば宜しいのです。行き遅れ……ごほんごほん、妙齢の方に心当たりがございますのよ」


 今、間違いなく『行き遅れ』と言ったよな。その『行き遅れ』と言うのは、姫騎士ピアッツァのことを言っているのか。もしもそうなら、回りに気をつけてから言うのだぞ。ピアッツァは、最近嫁ぎ先が無いことに神経質になっているのだからな。

 それからピアッツァなのだが……いささか礼儀に疎いところがあるのだぞ。酒宴の場で粗相を働こう者なら、ポンパドール家がお取り潰しになる恐れもあるのだ。


「では、お酒を飲むことが出来ないと酒宴をお断りになりますか?」


 それを問われると辛いのだが……究極とまでは言わないが、ぎりぎりの選択を迫られると言うことだな。仕方が無い、一度父上に相談してみることにしよう。


「相談されるのでしたら、お義父様よりお義姉様の方が宜しいのかと」


 なぜ父上を避けると言うのだ。確かに、父上より姉上の方が頼りになるし、決断が正しいのもその通りなのだが……だが、姉上はすでに嫁いだ身なのだぞ。


「ですが、今回のお話を持ってきてくださいました。それでしたら、相談しても不思議ではないと思いますよ」


 そう言われればそうなのか。ならば、姉上に相談してみることにしよう。なんだセバス、客が来ていると言うのか? 違う、客では無い、ロバ家のピアッツァが来ていると言うのか。


 なぜだ?


 いや、今は理由を考えているときでは無いな。ちょうど良い、こちらに通してくれ。


 うむよく来たな。ただ話をする前に、一つ教えてはくれないか。何故鎧を纏って現れたのだ?


「これが、私の正装にございます」


 そうか、それが正装と言うのか。正装ね……これから戦にいくわけでは無いのだがな。それで、何故このようなときに訪ねてきたのだ?


「はい、セリカ様より側室に入れと命ぜられました。ただセリカ様は、すでに嫁がれた身です。ですので、ビゴ様のご指示を伺いに参りました」


 側室に入れ、そして私の答えを聞きたいと言うのだな。だとしたら、ますます鎧を着ている理由がわからないのだが。ピアッツァよ、お前は側室の意味を理解しておるのか?


「ビゴ様の子を産むことと心得ております」


 それなのに、鎧を着て私の前に現れると言うのか。何故、着飾ってこないのかと聞いてもおかしくないと思うぞ。


「恥ずかしながら、ドレスを1着も持ち合わせておりませんでした。ですので、一番私らしい鎧を纏ってきた次第でございます」


 だそうだビスタよ。私は、余計に不安になってしまったぞ。本当に、ピアッツァを連れて招待に与って良いのだろうか。私には、取り返しの付かないことになる気がしてならないのだ。


「ビゴ様。確かに私は、礼儀に疎いところがございます。ですが、体であれば自信を持っております。必ずや、元気な赤子を産んで見せましょう」


 ああ、問題としているのはそんなことでは無いのだがな。なんだセバス、まだ何かあったのか? そうか、姉様から翼人便が届いたと言うのだな。一緒にモモが届いたと言うのだな。それは、今夜の食事が楽しみ……姉様、本当に大丈夫なのでしょうか。


 姉様の手紙は、ブーランジェリー王国第三王妃からの正式な招待状だった。その招待状には、私とビスタ、そしてピアッツァの名前が記されていた。これで是非も無く、ピアッツァを連れて行くのが決定したことになる。

 ピアッツァよ、私からお前に命ずることにする。私の側室となり、ビスタと共にニッポン視察について参れ。


「はい、夜伽は今夜からで宜しいでしょうか……今、なんと仰りましたか?」


 私について、ニッポンへの視察について来いと言ったのだ。招待を受けた以上、お前を連れて行かないわけにはいかないのだ。


「し、しかし、私は礼儀作法が身についておりません」


 それぐらいのことはわかっているつもりだ。わかっているから、今から手を打つことになっている。

 ビスタ、徹底的に鍛えてやってくれるか?


「畏まりました。ではピアッツァ、私について来てくださいね。まずは……お風呂に入って着替えるところから始めましょうか」

「お、お風呂、と言いますか。水浴びでしたら、参上する前にすませて参りましたが?」

「汗の臭いが染みついた鎧を着ていては台無しだと思いますよ。それに、御髪の手入れもされていませんよね。ビゴ様の側室として恥ずかしくないよう、これより徹底的に磨き上げて差し上げます。良いですね、すべてビゴ様の為と言うのを忘れないようにしてください」

「ご主人様のため……と仰るのですね?」

「国王陛下の側近立木様直々のご招待なのですよ。しかもニッポンなる神の国へと連れて行ってくださるのです。そこで恥を晒そうものなら、ロバ家一族の命程度では贖いきれないと言うことを理解してください」


 まあ、極端に過ぎる気はするが、言っていることに間違いは無いのだろうな。特にピアッツァの場合、脅かしすぎても過ぎることはないだろう。取りあえずビスタ、ピアッツァのことは任せたぞ。




修学旅行って、やっぱり京都奈良ですよね……古い

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