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混沌する世界

村の特産は異世界です


・混沌とする世界


 小谷静香です。お久しぶりです。別に久しぶりでも無い、単なる挨拶だと思ってください。

 それでですね、今の上里集落はとても落ち着いているんです。ええ、なぜか落ち着いているんですよ。魔王はどうしているのか、ですか。それがですね、まったりのんびりなんかしてくれています。相変わらず人を食っているのかと言われても……あのですね、常識的に考えて貰えませんか?

 美味しく腹を満たせれば良いと言うのが、魔王さんたちの答えなんですよ。だったら、他に食べられるものを探せば良いだけですよね。実は、前の世界でも同じことをしていたのだそうです。確かにしていたんですけどね……十河さん。ええ、攫われた女子高生の方なんですけど。十河さんがですね、食べ物がもの凄くまずかったって言うんですよ。歓迎会で食事を出しますよね。そうしたら、美味しいってマジ泣きをしたぐらいなんです。

 結果が予想できた。そうですよね、予想できますよね。人を食うぐらいだから、肉好きだろうと考えたんです。それで試しにステーキを食べさせてみたんです。そうしたらですね、よほど美味しかったんだと思いますよ。『もう人は食べない』といきなり叫んでくれたんです。刺激も欲しいと言ったので、カレーも食べさせてみました。それでどうなったと思います? 魔王様、配下の方たちとお代わりの行列に並んでくれました。ちなみに好みは、中辛なのだそうです。その辺り、ちょっと意外かなと思いました。担々麺を啜る魔王様……ちょっとシュールだと思うんですけど、喜んで食べていましたよ。ちなみにシビ辛は、控えめが好みだそうです。


 前の世界の問題って、はっきり言って食糧事情じゃ無かったのですか? 美食とは言いませんけど、食べ物に拘れば争う理由って無かったと思うんですよ。

 それを指摘したらですね、女神様……フローリアンて言うんですよね。諸星さん、立木さんが呆れていたと言うのはどうでも良いですね。女神様が膝から崩れ落ちていましたね。ただですね、攫ってくるのは勇者じゃ無くて料理人だったって……その考え方が問題だと思うんですよ。


 ところで国連の決定は出たのか、ですか。もしもし、この状況で話が纏まると思いますか? 竜人だけでも簡単じゃ無いのに、そこに魔王まで加わってくれたんですよ。方向性が見えたところに、また新しい問題が追加されたんです。振り出しとまでは言いませんけど、議題の多くがゼロクリアになったと苦情を言われました。ええ、菅谷総理からなんですけどね。でも、その苦情って私たちに原因があるんですか?

 そうですか、集落に原因を作った女神様が逗留している。だから苦情の宛先として正当だと仰るのですね。なんかさぁ、IMO研究所なんだけど、細胞研究の看板を下ろした方が良いんじゃ無いのかな。


 なんです御衣黄さん。真面目にやっている研究者への冒涜だと言うのですか? 京都と共同して、色々と分析も進んでいると言うのですね。ええっとそれが正当な苦情と言うのは受け付けます。受け付けますから、ビール瓶を後ろ手に持つのを止めて貰えませんか? なんと言うのか、ひしひしと殺る気を感じてしまったんです。

 だから、舌打ちをしないでくださいよ。御衣黄さん、ひょっとして溜まっていませんか? 欲求不満を溜めているとか……だぁかぁらぁ、ビール瓶を振り回すのは止めてください。またおかしなのが加わった……はいはい、もっと積極的に迫らないとダメだと思いますよ。今のままだと、あなたの立場は娘さんなんですからね。真っ当な父親は、娘に対して欲情しないものなんです。あと気づいたんですけど、立木さんの浮気相手って異世界の人だけなんです。


 そんなことはどうでもいい……だぁかぁらぁ、ビール瓶はしまってくださいよ。それで集落の状況ですが、少しだけ進展がありました。と言っても、どちらかと言えばポンパドール伯爵家の方なんですけどね。大谷村から、男女1名ずつが出向してくることになりました。早速着任されたのですけど……はい、木下さんと田中さんと言うお二方です。そのですね、二人ともオタク要素は全くないそうです。スキーのインストラクター資格を持つ、バリバリの体育会系なのだそうです。


 なんで、そんな人を派遣してきたんだ?


 それは良いのですけど、お二人ともとても精力的に活動してくれています。諸星さんに挨拶をすませた後、カメラを持ってパンの国へと出張しました。ええ、引率としてセリカさんが同行したのですけどね。セリカさんはすぐに戻ってこられました。どうやら、放置しても大丈夫と判断されたのでしょうね。

 なんです、コミュニケーションお化けと言うのは。どこに行っても物怖じしないし、すぐに領民たちと仲良くなったと言うのですね。ちなみに言葉は……通じてはいないが、まるで通じているように思えてしまう。完全に勢いで突っ走っていると言うのですか。馬にもすぐに乗れるようになった……凄いですね、それは。


 それで、お二方は夜は……街の宿屋に泊まっている。夕食は、近場の酒場に繰り出しているのですか。そこでもしっかりと馴染んでいると言うのですね。何か、もの凄い人材を引き当てたと言う気が……それは否定しない。それそれで問題はあると言うのですか。それは……なるほど、伯爵家側で考えている受け入れプランと違っていると言うのですね。そうですか、もうちょっと貴族寄りの受け入れを考えていたんですね。なんです、村の奥様方の時はそうだったと言うのですね。

 あ~っ、その辺りはどの層を対象にするかで変わってきますね。どうやら彼らって、顧客のターゲットが若者のようですね。さも無ければ、バックパッカーとか。そっかぁ、最初にターゲットを明確にするのを忘れてたのがいけないんですね。真剣に価格設定から考えないといけないってことですか。


 若い方が来るのは歓迎する……ですか。それって、単なる観光のことを言っていますか? そこはかとなく、下心とか見えてくるんですけど。


 それからですね、セリカ様にはあまり嬉しくないお知らせがあるんです。あっ、警戒されましたね。サンマルク男爵家のカローラさん、コウベヤ男爵家のアイシスさんなんですけど、どうやら懐妊されたようです。ええ、嘘じゃ有りませんよ。やっぱり、ショックを受けましたか。

 このことが知られると、配下からの突き上げが激しくなる。そうですよね、ポンパドール伯爵家の跡取り問題がありますからね。さっさと跡継ぎが出来ないと、セリカさんの責任問題になりますもんね。ただ諸星さんのところって、まだどなたも妊娠されていないんですよ。もしかして、諸星さんに問題があるのかな?

 そうですか、それでもセリカさんが責められると言うのですね。難しいものなんですね、貴族の世界と言うのは。


 パンの国から来た男爵家御令嬢の懐妊の話をしましたが、もう一つ衝撃的なことがありました。いえ、衝撃的と言うのは良くないのですけど、アクアさんの妊娠が発覚したんです。ええ、相手は白船さんですよ。つまりですね、こちらの人間と翼人との間で子供が出来ることが証明されたことになるわけです。アリアさんたちがまだだから、やっぱり時期と回数の問題なのかな。

 それはそれとしてめでたいことなんですよ。だから、翼人たちが大盛り上がりになって……宴会、はい、妊婦は宴会不可ですからね。食べるのは構いませんけど、お酒は絶対駄目ですからね。お酒、我慢できませんよね。

 ちょっと怖いのは、御衣黄さんが嬉しそうにしていることです。ひょっとして、実験サンプルが増えたとか考えていませんよね。そこまでは言わない、それでも遺伝子サンプルだけは確保させて貰う。混血になったときの遺伝子の振る舞いが、重要な研究材料になると言うのですね。そうですか、京都からも検体確保の指令が出ているんですね。


 こわいな、それ


 以上の通り、上里集落はバタバタしながらも平和な時間が過ぎていますっ……十河さん、どうしてビールの空き瓶を持っているんですか?


「いえ、私のことを無視された気がして。あと、ビール瓶はかすみさんが持たせてくれました」


 御衣黄さん。余計なものを持たせるんじゃ無いっ!


 それは良いのだけど、ご実家の方は宜しかったんですか? え、ええっと、どうしてそこで泣いてくれるんです。私、私って、何か言いました。ただ、ご実家の話を聞いただけですよね。なんで、みんな私を責める目で見るんです? 諸星さんまで、一番泣かせたのは諸星さんですよね。


「すみません、私の事情なんです。どうして、今更帰ってきたと言う空気がビンビンと言うのか。実は、両親があの後離婚しているんです。失踪した私なんて、どちらが引き取るのかなんて決めてませんよね。5年も経ったから、もう死んでいるものと思われていました。それで、両親の間で押し付け合いが始まって……ぐすっ」


 ごめんなさい、ごめんなさい、微妙なことを聞いてごめんなさい。そう言うのって、ほんと重すぎるんです。それに小娘の私には、どうしようもないことなんですよっ。ヘルプ、ケイコさん助けてくださいっ!


 はい、十河さんはケイコさんが連れて行ってくれました。でも、境遇には同情するけど、まともに話も出来ないのはどうかと思うのよ。勿論、本人には言えないんだけど。どうかしましたか、お二人で雁首揃えて。


「小谷さん、この集落を作った理由を思い出してくれるかな?」


 この集落を作った理由ですか、それを忘れたつもりはありませんよ。十河さんのように、異世界から帰ってきた人を迎えるためですよね。ですから、私は迎えないなんて一言も言っていないんです。

 なんです立木さん、相手が高校生と言うのを忘れるなですか。いえ、忘れているつもりは無いんですよ。ただ高校生で、ご両親が存命なのですよね。今回の件は可哀想だとは思いますよ。でもですね、ちゃんと説明ぐらいして欲しいと思うんです。そうですか、心が一度折れた子には可哀想な要求だと言うのですか。そうか、心が一度折れているのかぁ。


「そう言うことです。しっかりしているように見えても、心には大きなひびが入っているんです。平和な日常からいきなり攫われて、しかも絶対に勝ち目の無い相手に特攻させられたんです。しかも、首輪なんてもので逃げ出すことも出来なかったんです。尤も、どこにも逃げる場所が無かったんですけどね。間違いなく、何度も何度も絶望して泣き明かしたと思いますよ」

「まあ、遊んでこいと言われた俺とは違うと言うことだ。しかも年齢も、全然違うのだからな」


 そうかぁ、諸星さんを見て安心していたところがあるんですよね。言われてみれば、10代の女の子にはきつすぎる環境だったと言うことか……しかも帰ってきたら、ご両親が離婚しているし。しかも彼女が離婚理由になっているんですよね。

 確かに、ハードすぎるわ。やっぱり、謝らないと……ええっと、それも不要なんですか。謝ることで、逆に傷を抉ることになってしまうと。だったら、私はどうすればいいんですか? どうする必要も無い、今まで通り接すれば良いのですか。


「ええ、彼女のケアは年寄りがやりますよ」

「それで彼女の身の振り方についてなのだがな。彼女の戸籍は復活させる。その場合、彼女は22歳になるんだよ」


 拉致されてから5年ですから、確かに22歳になりますよね。それって、法的には成人と言うことなんですか?


「そう、法的には成人と言うことになる。それから調べてみたのだが、彼女に対する法的補償は無かった。当たり前だが、誰も想定すらしていなかった事態と言うことだ。特定失踪に当たらないかと調べてみたのだが、それも相手が想定したものではなかったんだ」


 そうですよね。特定失踪はあの国による拉致被害を想定したものですからね。だとしたら、彼女はこれからどうなるんですか……と言うのは愚問でしたか。彼女のような人のために、この集落を作ったんですからね。

 だとしたらですね、エルビスとキャロルの二人はどうなるんですか? 立場としては、十河さんと同じですよね。ええっと、違うんですか。


「あの二人は、帰国することになる。当たり前だが、二人とも貴重な帰還者なんだよ。日本政府も突っ張る理由がないし、俺たちも残すことを主張できる根拠が無い。本人が残りたいと言わない限り、俺たちは口を出すことも出来ないと言うことだ」


 そうですね、彼女たちも拉致被害者なんですよね。帰る家があるのなら、その家に帰る方が幸せだと思いますよ。一般的な考え方としては、ですけど。


「従って、二人はそれぞれの大使館に引き渡しと言うことになりました。本人も、帰国することを希望しています。つまり、私たちは見守ることしか出来ないと言うことですよ」

「辛いことがあったら、逃げてきて良いとは伝えてある。助けて欲しいと願ったら、俺たちがすぐに駆けつけてやるとな」


 諸星さん、今の言葉ってヒーローみたいですね。ええ、ちょっとぐっときてしまいました。


 ところで十河さん、もう落ち着かれましたか。そうですか、落ち着くことが出来たと言うのですね。でしたら、私から十河さんに選択肢を差し上げます。そうです、この先どう生きていくのかと言う選択肢ですね。具体的に言うと、この集落に残るのか、この集落から外に出るのかの二択になります。

 十河さんの場合、復活した戸籍では22歳になるんです。政府と掛け合って、犯罪被害者給付金を受け取ることは出来ると思います。そのお金と『残ります!』……被せてきましたか。残りたいと言うあなたの希望は聞きました。責任者の諸星さん、それで宜しいですか?


「ああ、十河陽佳さんを上里集落は歓迎するよ」


 では、残ってからのお話をさせていただきます。十河さんは、高校を卒業されていません。ですので、復学して高校を卒業することも可能です。ただ、ここから通うのは物理的に不可能……でもないのですが、常識的に無理がありますよね。ですので代案として、白鹿高校への編入があります。白鹿高校は、ここからなら車で40分掛からない所にあります。ただ公共交通機関を使うとなると結構きついんですよね。そのほかに高卒認定を取得すると言う方法もあります。ただこちらだと最終学歴が中卒になってしまうんです。大学に通うのであれば、有効な手段ではあるんですけどね。大学入学とセットになると思ってください。

 白鹿高校への編入を希望するのであれば、通学については私たちで方法を検討します。幸い空間転移を使える人が大勢居ますから、転移でショートカットすることも出来ると思いますよ。後はですね、駅までの定期便を出すのも難しくありません。

 それでも覚悟して欲しいのは、自分が特殊な立場を持っていると言うことです。同年代の男女が、十河さんに対してどう感じることになるのか。十河さんも、興味の対象となることは想像することが出来ますよね?


「少し、時間を頂いても良いですか?」


 勿論。十河さんは若いんですから、考える時間はまだまだ沢山有りますよ。ええっと、もう一つの可能性を忘れていました。高校って、通信制もありましたね。それだと、ここで勉強することが出来ます。ちなみにですね、私は東の大学法学部卒業していますし、ケイコさんは高校で英語の先生をされていました。諸星さんは駅弁大学の法学部出身で、御衣黄さんは医学部で細胞学を学ばれたそうですよ。つまりですね、教えを請うには万全の環境と言うことです。

 すみませんジャックさん、グレゴリーさん。こちらのお二方は、アメリカの大学で学ばれていました。その意味で言えば、エリザベスさんとシャルロットさんもアメリカで大学生をしていましたね。


 ええ、結論をすぐに出す必要はありませんよ。それで、十河さんはどちらに住まわれますか? 今は、第二に部屋がありましたよね?


「それなんですけど、私の家に空き部屋があるんですよ」


 立木さんの家と言うことですね。立木さんの家ねぇ……いえ、教育的にどうかと思っただけです。ケイコさんが居るのは心強いんですけど、ラズライティシア様とかインテグラさんとか……言いたいことは理解出来ますよね。後はですね、御衣黄さんも注意が必要だと思うんです。

 はい、ご理解いただけましたか。ちなみに、私の家にも空き部屋がしっかりありますよ。しかも立木家からは、歩いて1分程度の距離しか離れていません。同居人がいなくてですね、最近寂しいなぁって思い始めたところなんですよ。


 そうですか、今はエルビスさんとキャロルさんの居る第二が良いのですね。なるほどなるほど、そこでこれからのことを話し合われるのだと。そうですね、今まで一緒に頑張ってきた仲間ですもんね。とことん話し合って、仲を深めてください。

 ところで十河さん、戸籍上二十歳を超えているんですよね。実はですね、美味しいお酒が沢山有るんですけど……


 飲まれます?


 悩みましたね、悩んでくれましたね。ええ、皆まで言わなくても結構です。谷山さんと外村さんに、出し惜しみはするなと指示を出しておきますよ。大丈夫ですよ、アルコール度数が低くて飲みやすいお酒も用意してありますからね。

 ところで魔王様たちが顔を出すんですけど、そちらは大丈夫ですか? 意外に怖くない、イケメン大好き……十河さんって、やっぱり今時の女子高生なんですね。




 俺の名はジャック、ジャック・チャップマン。異世界帰りの、ちょっとイカス男言うのがこの俺ジャック様だ……だからシャルロット、死神だなんて言ってくれるな。それに、誰も俺のことをイカスなんて言ってくれないんだよ。言葉が古いと言うのか、死語になっている。そうなのか、そう言えばキヨヒコも微妙な顔をしていたな。

 それは良いのだが、こんな俺にも奧さんが出来たんだ。そう、サンマルク男爵家三女のカローラだ。その系統の名前と言うのは、ここでは禁句とさせて貰う。


 男爵家令嬢なのだから、元々俺とは身分が違いすぎると思っていた。それに貴族って……前の世界で良い思い出が無かったんだよな。色々と持ち上げてくれたのは確かだが、目が、そう目が笑っていなかったんだ。そりゃあ、利用して終わったらポイ捨てのコマだもんな。利用価値がある間は、そりゃあ持ち上げてくれるよ。

 持ち上げてくれるけど、絶対に御令嬢は近付いてこなかった。俺たちに近付いてきたのは、せいぜい側仕え……つまり、使用人ってやつだ。しかもその使用人、特別に村娘を雇ったものらしい。こんなことを言っては駄目なんだが、人身御供みたいで可哀想に思えてしまったぞ。


 その記憶があるから、カローラに言い寄られても冗談にしか思えなかったんだ。ただなぁ、目が、そう目があいつらとは違ったんだ。なんと言えば良いのか、熱の篭もった眼差しと言えば良いんだよな。とっても熱い視線を俺に向けてくれたんだよ。

 それにさ、俺なんかに体を許してくれたんだぞ。そこまでされたら、普通に信用するよな。もう、今まで生きてきた中では、トップ3に入る喜びだったよ。なに、他の2つは何かって……あまり言いたくないんだが、そのうちの一つはこの集落に迎えられたことだ。そしてもう一つなんだが、金沢のスーパーで優しくして貰ったことなんだよ。そうか、わかってくれるのか。半額弁当は美味しかったかって? あれはな、愛情を弁当の形にしたものなんだよ。


 話を戻すが、俺の妻……良い響きだな、俺の妻、俺の妻。なんか、ずっと浸っていたい気がするぞ。俺の妻……くどい、話を進めろ。いいじゃないか、ようやく掴んだ幸せなんだからな。

 俺の妻のカローラなんだが、男爵家でも三女と言うのは微妙な立場なのだそうだ。いや、カローラの器量は良いと思うぞ。細い銀色の髪がキラキラとして綺麗だし、見た目も可憐って感じで……いかん、興奮してきた。

 それはいいのだが、三女ともなると嫁ぎ先に苦労するのだそうだ。その辺り、引く手数多のセリカ様とは違ったと言うことだ。ただなぁ、セリカ様の話を聞いても羨ましくないのだそうだ。何しろ、求婚してくる相手が『アレ』なのが嫌と教えてくれたな。カローラが教えてくれたのだが、セリカ様は初夜の前にお相手を毒殺することも考えていたそうだ。やっぱり、貴族の御令嬢ってのも辛いものなんだな。


 その微妙な立場にある三女と言うことで、俺との婚姻には反対されなかったそうだ。それどころか、サンマルク男爵家の領地でお祭り騒ぎになったとも教えて貰った。その辺り、ポンパドール伯爵家のことを見ているからだそうだ。

 つまり俺には、目に見える形で恩恵をもたらす必要があると言うことだな。


 そんなことがあって嫁いできてくれたのだが、新居は本宅側にある一戸建てだった。ここが日本だと考えたら、十分に広い家と言うのは確かなんだろうな。あっちの家……俺が生まれた家と比べると、建物はちょっと小さくて、庭が……どこまでが庭なんだろう。とにかく、平地が少ないので庭が小さくなっていた。ただあっちに無かった『温泉』がここにはある。そして食い物にしても、定評のある日本食……ラーメンとかカレーって日本食か? まあ、日本食と言うことにしておこう。食い物は、間違いなく圧勝しているんだ。

 カローラが連れてきた側仕え……ところで、お手つき可ってなに……も、涙を流して喜んでいたぐらいだ。


 それでカローラなんだが、ちょっと細めなんだが……それが、また可愛いんだ。だから、励んだよ、俺、もの凄く励んだんだ。その甲斐あってで良いのかな、どうやらおめでたと言うことになったんだよ。偶然なんだけど、グレゴリーの所もおめでたなのだそうだ。うん、あいつも励んだんだな。わかるよ、あいつももの凄く喜んでいたから。だからさ、おめでたがわかったところで、俺たちは手を取り合って喜んだよ。だって、生死を供にした大切な仲間なんだからな。

 それをキヨヒコ……うん、立木さんって言った方が通りが良いかな。立木さんに報告したら、もの凄く喜んでくれたんだ。ちなみに立木さん、諸星さんと同じで俺とグレゴリーの恩人なんだ。だって俺たち、恩恵ぐらいしか取り柄がないと思っていたんだ。そう思っていたのに、世界的仕事をさせて貰ったんだよ。しかも世界的権威に紹介されたし、あちらの研究所とも連絡を取り合ったりもしたんだ。しかもだ、優秀な研究者たちが、俺たちの説明に熱心に耳を傾けてくれたんだぞ。なんかさぁ、大学で勉強して良かったと思ったよ。


 ただな、少しだけ気になったことがあるんだ。喜んでくれた立木さんなんだが、俺の肩を叩きながら『頑張りなさい』と言ってくれたんだ。普通は、父親になるのだから『頑張れ』と言うことだと思うだろう? でもな、その時の立木さん、どう言う訳か同情の眼差しを向けてくれたんだ。子供が出来たんだから、同情される理由はないよな。どうして『頑張りなさい』って同情されないといけないんだ?

 妊婦の安全の為、生まれるまではあっちはだめ。うん、それぐらいのことはわかっているぞ。だって、カローラは、とってもか細い体をしているんだ。無理をさせちゃいけないことぐらいわかっているぞ。だから、寝室も別々にしているんだ。一緒の部屋で寝ると、どうしても我慢できなくなるからな。


 ところでベルタ、シーマ、どうかしたのか。いや、俺はこれから寝るつもりだからね。それはわかっている、だから来たって……どうして服を脱ぎ始めたんだ? いや、俺はそんなことを考えていなかったぞ。い、いや、君たちも綺麗だとは思うよ。綺麗だけどさ、俺はカローラと言う奥さんがいるんだよ。

 これが貴族の常識……少なくともブーランジェリー王国では常識と言うのか? そうなのか、これが常識なのか? だったらグレゴリーの所も……そうか、あっちも同じなのか。


 お手つきありって、このことなの?


 カローラも承知していることと言うのか。ちゃんとご奉仕するように言われている。そ、そうなのか、そう言うことなんだな。立木さんわかりました。俺は『頑張って』みます。




 魔王城が現れたのに、上里集落にはまったりとした空気が流れていました。そのまったりとした空気を引き裂くように……大げさか。申し訳なさそうな顔をして、大谷村村長中林さんが現れました。


「諸星さんに伺いたいのですが、魔王城は一般人が立ち入ると危ないのでしょうか?」

「……すみません、ちょっと質問の意図が掴めなくて。その、普通の人が立ち入っても大丈夫かと言うことですか?」

「はい、ちょうど大谷村にありますからね。見学ツアーとか組めないか考えているんですよ」

「見学ツアー……ですか」


 なにか、もの凄くアグレッシブに聞こえるのは私の勘違い? あの魔王城、まだ日本政府にも公開していないんですよ。勿論、自衛隊も立ち入っていないんです。どう言うことかと言うと、様々な意味で安全性が確認できていないと言うことです。

 その安全性の確認できていない施設を、『見学ツアー』ですか。ええ、私は出身地のアグレッシブさを見くびっていたみたいですね。


「そうです。見学ツアー……と言うと固く聞こえますが、テーマパークみたいに出来ないかと考えたんですよ。何しろここには、パンの国へのゲートもありますからね。異世界をテーマとしたテーマパークを考えているんですよ」

「パンの国も魔王城も、ネズミの国のようなアトラクションじゃないんですけど?」

「それは、重々承知しておりますよ。ですので、体験型と言うのでしょうね。実際に魔王城やパンの国の生活を体験して貰うと言うのはどうでしょう?」

「どうでしょうと言われても……」


 ああ、諸星さんが困っているよ。うん、私だっていきなり話を持ってこられたら困ると思う。と言うか、話を振って貰いたくない。ですから、話を振って貰いたくないんです。

 だから、恥も外聞も捨てて……立木さん、ヘルプミー! ヘルプミーっ!


「大声を出さなくても聞こえていますよ。どうして、何でもかんでも私に話を振ってくれますかね」


 それはもちろん、立木さんが頼りになるからです。


「理系のエンジニアに、一体何を求めているんです……ところで中林村長。テーマパークの計画書ぐらいは作っているんですよね?」

「たたき台のたたき台であれば……こちらに」

「本当にラフスケッチのレベルなんですね」


 何のかんの言って、ちゃんと引き受けてくれるじゃ無いですか。だから立木さん、本当に頼りになるんですよ……ええっと、どうして諸星さんがいじけているんです?


「魔王城とパンの国の魅力は取りあえず棚上げします。その両施設に集客力があるものとして意見を言わせていただきます」

「私は、集客力があると信じていますよ」


 そりゃあ、世界にここにしかない本物の異世界とか魔王城ですからね。加えて言うと、ハイエルフとか翼人とか竜人とか、作り物じゃ無いリアルがここにはあるんです。集客力……心配なんていらないと思いますよ。


「実は、その集客力と言うのが問題なんですよ。中林さん、あなたは1日辺りの入場者数をどの程度と考えられていますか?」

「その見積もりはこれからなのですが……1日1万人は固いのかと」

「その1万人ですが、どうやってここまで来るのですか? そして来場された方たちは、日帰りなのでしょうか、それとも宿泊なのでしょうか?」

「出来れば、周辺施設に宿泊していただければ……と」

「周辺施設ですか。大谷村、白鹿村にはそれなりの宿泊施設があるのは承知しています。ただかなりの施設が、スキーをされることを前提にしています。テーマパークとするのなら、ただ宿泊できれば良いと言うものではないのですよ。異世界に遊びに来た……その興奮を冷まさないための配慮が必要になります。それは良いですね?」

「……仰るとおりと言うのは理解出来ます」

「そして宿から、魔王城、パンの国への交通手段が問題となります。パンの国は、ここの裏手に入り口があります。何の飾り気も無い、工場の搬入口と言うのが現在の見かけです。アクセス通路ですが、この居住エリアを抜けていく必要があるんですよ。そして魔王城ですが、山の中腹に現れましたからね。アクセス道路が一切無いと言う問題があります。こちらも宜しいですか?」

「……今のままでは、施設にアクセスすることが出来ない、と言うことですか」

「ええ、できませんね。魔王城とパンの国を観光資源にする着眼点は間違っていません。間違っていないと言うより、観光資源と考えない方が不思議なぐらいです」


 ああっ、記者会見の立木さんが顔を出したよ。中林村長さん、だんだん体が小さくなっていく……錯覚だけど。


「観光を考える以前……と言うことですか。つまり、出直してこいと」


 まあ、そうなるわね。日本政府が何を言ってくるのか……と言うより国連かしら。まだ各国の調整も終わっていないんだもの。自分の故郷だから、なんとかしてあげたいのはやまやまなんだけどね……

 ええっと立木さん、結論が早すぎるって、なに?


「ヴェルファイアさん、女神様と魔王様を連行してきてください」

「有無を言わせず……で宜しいのですね?」

「立木が呼んでいるで結構です。ぐずるようなら、荷造り紐でぐるぐる巻きにしても構いません」

「はい、直ちに連行します」


 ええっと、なんでヴェルファイアさんが素直に従うんだろう。あの人って、諸星さん以外の命令を聞かなかったよね。

 なんです、これまでの実績って。魔王城攻略の時にも、自分が指示を出している……そう言えばそうでしたね。


「それから諸星さん。諸星さんには、とても重要な役目を果たしていただきます。諸星さんにしか出来ないことをお願いするので待っていてください。諸星さんは責任者なんですからね、部下の持ってきた企画を承認……まあ、差し戻しもありますけど。承認していただければ良いんですよ」


 あっ、うまいこと持ち上げた。流石は段取と気配りの立木さん。あれっ、属性が増えているような。ヨイショも付け加えておくかな?

 それは良いのだけど、早かったですね、ヴェルファイアさん。二人とも、素直に言うことを聞いたんですか? そうですか、誰に逆らってはダメか理解していると言うのですね。


「フローリアン様、ヴェルサティス様、ご足労頂き感謝いたします。本日ご足労頂いたのは、是非ともご協力願いたいことがあるからと言うことです」


 物腰は柔らかいんだけどねぇ。どうしてだろう、逆らえない雰囲気を醸し出してくれるのよね。


「まずヴェルサティス様に伺います。魔王城ですが、ゲストをお泊めするエリアはありますでしょうか?」

「客を泊める為の部屋があるのか、と言うことか……言うことですか」

「言葉遣いを改める必要はありませんよ。それで、客人用の部屋はありますでしょうか?」

「客を泊めると言う経験が無いのだが……眷属たちの部屋ならばかなりの数があるはずだ。この世界に転移する際、多くの眷属を失っておるのだ。その部屋が空いていると言うのが答えになる。ただ、こちらで言う快適さからはほど遠い部屋になるのだが……」

「それならそれで使いようがあると思っています。申し訳ありませんが、部屋の数と見取り図を用意してください」

「う、うむ、早速用意させることにしよう」

「次はフローリアン様ですが」


 ああ、女神様が背筋を伸ばしてくれたよ。でも、こうして見ると胸が大きいわね。女神様と言うだけあって、見た目も結構いいと思うし。


「な、何でしょう、立木様」

「例えばですね、あなたの奇跡でここと魔王城を繋ぐ通路を作ることはできますか?」

「奇跡で、空間を繋げろと言うことですか?」

「理解が早くて助かります。こちらの指定した場所と、魔王城の入り口を繋ぐ通路を作りたいんです」

「さほど難しくないと言うのがお答えになります……」

「諸星さん、パンの国へのゲートですが、少しだけ場所を動かすことは可能ですか?」

「出来るかと聞かれたら、さほど難しくないのだが」

「ではポンパドール伯爵様……違いましたね、ブーランジェリー国王様に伺います。そこでキョロキョロしないでください。諸星さん、あなたのことですよ」

「な、なんで、俺がブーランジェリー国王なんだっ!」

「無駄な足掻きは止めてください。すでに、即位のスケジュールも決まっていますよ」


 そうなのよねぇ、コロナ様が『勝った!』って喜んでいましたものね。それに諸星さん、しっかりと手を出していますよね。


「王国内の宿泊施設の実態を教えてください。位置、グレード、収容数、設備等の情報が必要です」

「なんで俺が……こ、国王として調査を命ずることにする」

「では、よろしくお願いします。それから、あまり時間を掛けないようにしてください」


 仕切るなぁ、仕切りまくってくれるよ。でもさぁ、短期間でテーマパークを作ろうと思ったら、これぐらいしないとダメなんだよね。


「フローリアン様、ヴェルサティス様。この世界には、『働かざるもの食うべからず』と言う言葉があるんです。ええ、ご理解いただけたようですね。お二人にも、食い扶持を稼いでいただきたいと言うことです。大谷村村長様より、魔王城の観光利用を打診されているんです。魔王城は、観光資源の価値が十分ありますからね。ただ、箱だけ公開してもすぐに飽きられてしまいます。ですので、魔王様と女神様にも一肌脱いで貰いたいと思っているんですよ」

「何故っ……いえ、何でもありません」

「拒否権はないのですよね?」

「嫌ですね、拒否権ぐらいありますよ。ただ、相応の覚悟はしていただきたいと言うことです」

「続けてください」


 強いなぁ、立木さんが強すぎるよ。どうして……そうか、ラズライティシア様とインテグラさんが効いているのか。うん、確かにあの二人を怒らせると怖いと思うわ。諸星さんぐらいしか勝てないと思うし。


「大したことをして貰おうとは思っていません。ちょっとした寸劇をして貰うぐらいですよ」

「わ、私に出来ることなら喜んで……」

「余、余も、協力を惜しまないぞ」

「では中林さん、後は村内のロジスティクスを考えましょうか。来場者のアクセス方法、駐車場をどこに確保するのか……諸々を持ち帰って検討していただけると幸いです」

「さ、早速検討させていただきますっ!」


 ああ、中林さんがスキップしながら帰って行ったよ。そりゃあ、見せて貰った計画って、計画と言うのがおこがましいレベルだったからね。立木さんのお陰で実現性が見えてきたんだから、そりゃあ嬉しいと思うわ。


 さすがは立木さんですね、何のかんの言って解決策を考えてくれるじゃ有りませんか。諸星さんも良かったですね、有能な副所長さんを迎えられて……それは認めるが、皮肉を言われている気がしてしまう。ええ、皮肉を込めて言っていますから。

 それで立木さん、どうかしたんですか。褒めて貰えるのは嬉しい。ただ、今回のことにはからくりがあると言うのですか。なんです、そのからくりと言うのは。


「こんな美味しい話を、後沢氏と堀内氏が見逃すと思いますか? 異世界を観光資源にと言うのは、すでに彼らが検討の俎上に載せていたんです。その際に問題になったのが、パンの国だけだとインパクトが弱いこと、そして大谷村のインフラが貧弱と言うことです」


 なるほどぉ、中林さんの持ってきた青写真より、もっと進んだ検討がされていたと言うことですね。その辺りは、流石は日本有数の実業家と言うわけですね。


「彼らが問題としたのは、この付近が国立公園になっていることです。つまり、開発するのが難しいんですよ」


 そりゃあ、国立公園ですからね。色々と許可が必要と言うのは理解出来ます。なるほど、アトラクションを作ることができないと言うわけですか。


「そこに魔王城が出現したんです。異世界の観光資源として理想的だと思いませんか? しかも、国の許認可をすっ飛ばすことが出来るんですよ」


 許認可をすっ飛ばすことが出来るって……異世界から転移してきた魔王城を撤去する法的根拠、ですか。そんなものあると思う方がおかしいですよね?


「そう言うことなので、彼らの方で検討を加速させてくれているんです。大谷村の全面的協力も得られ得ますから、かなり早く実現できるのではありませんか?」


 確かに、計画が加速しそうですね。ただ気になったのは、今の話を中林村長にはしていませんよね? 当然理由があるんですよね。参考までに、教えなかった理由を教えてください。


「村が意外に元気が良かったと言うのも有りますがね。それに加えて、後沢氏たちに頼って欲しくない……違いますね、依存して欲しくなかったからと言うことです。自分たちの村が何をすることが出来るのか、どうやったら村民たちが本気になることが出来るのか。お仕着せでやってしまうと、悪乗りされて勘違いの激しいことをすることになるからです。資金まで含めて、どこまですることが出来るのかを考えて欲しかったと言うことです」


 悪乗り、勘違い……ですか。なんか、わかる気がしますね。世界初の施設だと考えたら、どんなものを作って良いのかわからないし。大資本が入るとなると、湯水のごとくおかしな方に使いそうな気がしますしね。


「実は、けちくさい使い方はしたくないのだそうです。勿論、無駄遣いしろとは言っていませんよ。お金をケチって、見窄らしい施設を作りたくないだけです。多分ですけど、大谷村のロケーションを活用することになると思いますけどね」


 なんです、その大谷村のロケーションと言うのは。そうですか、異世界に行く途中は大都会であってはならない。特に魔王城なんて、秘境……すみません、今ちょっと胸に来るものがあったんです。そうですか、秘境を抜けていく方が好ましいと言うのですね。ええ、異世界ものを見ても、魔王城って辺境にありましたね。


「本当に魔王討伐に行くわけじゃありませんからね。あくまで、秘境感が必要なだけです。途中の移動は、女神の奇跡を利用するつもりでいますからね」


 それって、転移の奇跡と言う奴ですか。ひょっとして、それだけでもアトラクションになると思いませんか?


「本当なら、もの凄いことなんですけどね。ただ転移するだけだと、もの凄く地味なんですよ」


 地味かぁ……確かに、ここんとこ転移を便利に活用してるわね。移動するのは便利だけど、アトラクション感って全くなかったわぁ。


「やってみるまで、何が受けるのかはわかりませんけどね。5人組ぐらいで、勇者パーティーでも組んで貰いましょうか」


 それで、魔王城討伐と言うことですね。そして魔王討伐に成功したら、パンの国に凱旋をすると……


「流石にそれは、パンの国側の負担が重すぎますね。むしろ、バッドエンドなんか面白いと思いますよ」


 それで、オークたちの部屋に意味が出るわけですか。ところで立木さん、どうしてアイディアがポコポコと出てくるんです? ひょっとして、オ・タ・ク?


「ただの大人の嗜みですよ」


 大人の嗜みって……違うと思うのは気のせいですか?




アクティブな過疎の村。

交流が進めば、こんなことも起きるのかと

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