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プレデター

村の特産は異世界です


・プレデター


 ゴールデンウィークですか、日本って変な習慣があるんですね。それはそれとして、ゴールデンウィーク前後で集落は大きく動き始めました。

 その第一は、研究所の工事が本格化したことでしょう。そのお陰で、第二別館が完全に使えなくなってしまいました。はい、作業員の方々の休憩施設として使われることになったんです。ええ、作業員の方たちの評判は上々ですよ。お陰で工事の方も捗る捗る、あっと言う間に基礎工事が完了してくれました。

 そうですか、元々浅いところに強固な岩盤があったのですね。だから基礎の杭打ちも、短時間で終了することが出来たのですか。ただ打ち込まれたコンクリートが安定するまでの養生は必要なのだと。


 第二が使えなくなったので、温泉の数が足りなくなってしまいました。住人にとって大きな問題なのですが、その問題は本宅の場所に仮設住宅を作ることで解決したようです。仮設住宅って、日本の常識では工事現場にあるようなプレハブですよね。どうして、他の建物と同じような住宅が建っているんでしょう。しかも温泉は、とっても立派な木造の建物が建っているし。

 今更ですけど、この集落って変ですよね。ええ、自分を例外にするつもりはありませんよ。空間転移なんて、世間常識で言えば十分に変……特殊すぎる能力ですから。でも、凄く役に立っているんです。


 最近変わったことはと言うとですね、第一の方で学校のようなものが始まったことです。どうやら、異世界から来た人たちへの教育の必要性が認められたようですね。それで誰が教師をしているのか、ですか。ほら、集落にはアメリカの大学で学ぶ4人がいたでしょう。そう、私たちファンタスティック・フォーが教師をしているんです。そうですか、不安しかないと言うのですね。酷いことを言うのですね、流石に全否定が難しいのは自覚していますよ。

 だから統率役に、立木さんの奥様ケイコさんに入って貰いました。本人は嫌がっていたのですけど、旦那さんに頼まれて断れなくなったようです。自分はただの英語教師、アメリカ人がいるので必要無いだろうと抵抗されたみたいですよ。でも必要なのは英語教育ではなく、こちらの世界の常識を教えることなんですけどね。


 その立木さんなんですけど、温泉から帰ってきてやけに張り切っていました。なにしろジャックとグレゴリーを使って、早期警戒システムなんてものを作り上げてしまったぐらいです。この早期警戒システムなんですけど、異世界からの空間転移を検出するものだそうです。しかもただ検出するだけではなく、世界のどこで発生したのかまで判定するそうです。内緒ですけど、リアルタイムデータを研究所から横流しして貰っているのだそうです。

 早期警戒システムを作ってどうするのか、ですか。諸星さんが仰るには、いざと言う時の備えのようなものなのだそうです。確かに、ここ以外に転移されることにも対処する必要はあるのでしょうね。


 ちなみに立木さん、先日本宅側に引っ越しをされました。はい、仮設に見えない仮設住宅へ転居されたと言うことです。よくわからないのは、ラズライティシア様の家のお隣さんなんですよね。それだけでなくて、屋根付きの通路が作られていたりするんです。


 もう一つ変わったことは、ですね。パンの国とのゲートに、プレハブの覆いが作られたことです。覆いと言うのか、大きなシャッターの付いた倉庫ですか。諸星さんが少しゲートを広げて、車でも通行できるようにしてくれました。

 だからと言うわけではないのですけど、ジャックとグレゴリーの家も本宅側に用意されました。ええ、なぜか彼らには戸建てが割り当てられました。でもですね、召使いを置くにはまだ狭いと思うんですよ。なぜ召使いを強調するのか、ですか。そこは、男爵家令嬢だろうと言うのですね。決まっているでしょ、私にはお相手がいないからです。ええ、僻んでいるだけですよ、こんなものは。


 あと変化のあった人はと言うと、カスミさんを忘れてはいけませんね。彼女は、第一に部屋を持っていたんです。ですが仮設住宅の建設を機に、本宅側に移ってきました。はい、その想像は間違っていませんよ。カスミさんですけど、立木さんの家に住むことになりました。

 ただあまり家にいることは無いようです。ケイコさんに邪魔にされたと言うわけじゃなく……あそこ、なぜか母娘のような関係を作っているんですけど……それはそれとして、京都まで出張をしています。出張前にエルフとか翼人から検体をとっていたので、分析とかしに行っているのでしょうね。


 諸星さんはどうしているのか、ですか。集落のリーダーですから、色々と忙しくされておいでですよ。時々東京に行く……お供として、私も付いて行っているのですけどね。東京に行って、政治家さんとか後沢さんとかとお話をされておいでです。

 それ以外に、とても地味な作業もされておいでですよ。はい、いざと言う時の安全装置の作成です。こちらは自衛隊との共同作業なのですが、大量の荷造り紐を用意したんです。荷造り紐の機能、ですか。ご想像の通り、対象の捕獲用です。どうやら、100m級のドラゴンまで想定しているようです。その荷造り紐を、各地にある出張所みたいな所に置くそうです。なにか、間違って荷造りに使われそうな気がしてならないのですけど……


 すみません、ちょっと電話が。誰かなと思ったら、カスミさんですね。はい、仕事が終わったので迎えに来て欲しい、ですか。はい、この時期の京都っていいですよね。それで、今夜は? 皆まで言うなですか、美味しいお店を教えて貰ってあると言うのですね。それでお帰りは、そうですか、明日の朝で良いのですね。なるほど、美味しい和菓子を買って帰るのですか。ケイコさんにお土産を頼まれている。だったら、絶対に確保しないといけませんね。

 じゃあこれから飛びますけど、場所はいつものところで良いのですね。大丈夫です。ちゃんと、私の跳躍は予定に入っています。だから、警報が出ないようになっているんですよ。




 小谷静香です、お久しぶりです。それはどうでもいい、確かにそうなんですけどね。研究所建設で人がたくさん入ってきたのですが、その割には私の周りは平穏だと思います。勿論、集落公開に向けた動きがあるのは知っていますし、私も関与していますよ。それでも、新たな来訪者が無いこと、周りの人間関係が落ち着いたことが大きかったと言うことです。

 後はそうですね、細かな家事から解放されたと言うのもありますね。その辺りは立木さん……の奥様に感謝しかないのですけど、お三どんから炊事洗濯まで任せてしまいました。だって私が作るより、立木さんの奥様……ケイコさんの方がずっと美味しいから仕方がありません。ラズライティシア様やエクシブさんも、私が作ると露骨に嫌そうな顔をするんですよね。ただね、ケイコさんからは『先生は勘弁して』と言う悲鳴が上がっていたりします。ええ、綺麗さっぱり無視しています。


 それはそれとして、立木家とは不思議な関係が構築されていると思います。立木さんの奥さんはケイコさんなのに、なぜか朝ラズライティシア様が部屋から出てくるんですよ。一体何をしているのか聞こうと思ったのですけど、エクシブさんから『駄目』と止められてしまいました。

 ええ、別にカマトトぶっているわけじゃないんですよ。でも不思議なのは、週の内5日はエクシブさんとしているんです。そこで気づいた変化は、ラズライティシア様が可愛くなったと言うことです。だからエクシブさんも燃えている……何か下ネタになってしまいました。し、嫉妬じゃありませんよ、週の内2日は私が独占していますからね。


 私生活の変化はここまで……忘れていました。御衣黄さんのことがありましたね。でも御衣黄さんが、立木さんの家に住み込むことになるとは思っていませんでした。最初に彼女の顔を見た時、間違いなくトラブルの元だと思ったんですよ。だって、間違いなく女の顔をして立木さんを見ていましたからね。

 それなのに、今は親子のように見えてしまうんです。ケイコさんも、御衣黄さんを娘のように可愛がっているんです。京都出張から帰ってきたときなんか、お土産のお菓子と一緒に談笑なんかしています。ええ、私もお呼ばれしているんですけどね。そう言えば、そろそろ彼女が帰ってくる頃合いですね。だとしたら、今度はどんなお土産があるのかな。

 そんなことを考えていたら、私のスマートウォッチ……リンゴマークの付いた奴です。そこに、空間転移のポップアップが表示されました。どうやらシャルロットさんが、呼び出されたようですね。だとしたら、彼女が戻ってくるのは明日と言うことになりますね。

 有名な阿闍梨餅、炙って食べると更に美味しくなるんですよ。じゅるって……少し下品でしたね。あとですね、クリケットゼリーと言うのがあるんです。フルーツゼリーなんですけど、果物まるごと一つ使っていてとっても美味しくて贅沢な気持ちになれるんですよ。私のお気に入りは、グレープフルーツのゼリーですね。


 それはそれとして、このポップアップ表示。立木さん総指揮で、ジャックさんとグレゴリーさんが作り上げてくれました。原理なんですけど重力波? で良いんですよね。その有名な先生からデータを横流しして貰って、測位とかなんとかして作り上げたそうです。シャルロットさんを実験台に、かなりの精度が出ることが確認できているそうですよ。

 ただ気になるのは、立木さんが経理の仕事をしていないことですね。いえ、空間転移検出システムの構築って、もの凄い功績だと思いますよ。それを否定するほど、流石に馬鹿じゃありませんから。でもですよ、社会生活を送っていく上で、経理問題を避けては通れないと思うんですよ。


 それから立木さん、ニュートリノでしたっけ、そちらの研究所とも連絡を取り合っているようですね。どうやら、魔法使用時に検出される素粒子を調べているようです。それもあって、翼人の皆さんやハイエルフの皆さん、ラズライティシア様が張り切って魔法を使っています。

 その打ち合わせ……なのかな、私には口実にしか思えないんだけど。立木さんが、ちょくちょく奥飛騨の方へ出張するんです。目的地は温泉宿らしいんですけど、絶対に別の目的がありますよね。だって、ラズライティシア様が嬉しそうな顔をして付いて行くんですよ。いいのかなぁ、ケイコさんを置いて遊びに行ったりして。しかも、別の女性と。いえ、お土産ありがとうございます。赤山椒って、お料理に使うと美味しいですよね。あと、豆板と言うおかしも素朴で良いと思います。山椒チョコって……発想が斬新ですよね


 すでにお気づきかと思いますけど、研究所の先生たちには魔法のことはばれています。そして異世界のこともばれていたりします。でも、不思議なことに騒ぎになっていないんですよね。しかも、そこから情報が拡散していないし。聞いてみたら、海外にもばれているようなんですよ。インド、アメリカ、イタリアでしたっけ。データを使わせて貰う……と言うより、ノイズの原因として通告しているようですね。だから、そっちの方から研究者が日本に来ていたりするそうです。

 もうばれていますよね、しっかりばれていると思うんですよ。まあ、ばらしているとも言えるんですけど。その割に、どこも静かと言うのが菅谷先生のお言葉です。外務省に対しても、何の問い合わせも来ていないそうです。絶対におかしいと思いませんか。

 ひょっとして、科学者の方たちが結託しているのでしょうか。さも無ければ、何かの餌を差し出したとか……後者の方がありそうな気もするのですけど。一体なんででしょうね、これ。


 ちなみにですね、空間転移検出システム……大層な名前の付いた装置なんですけど。私の目の前にあったりします。小さなリンゴマークの付いた箱が2つと虹色の旗マークの付いた箱が1つがそれです。その小さな箱には、Melchior、Balthasar、Casperと言うラベルが貼ってあります。しかも大きなスクリーン……8Kの液晶なんですけど、右上にはMAGI SYSTEMとロゴが出ていたりするんですよ。これって、どこかからお叱りとかきませんか。

 多分大丈夫。その多分って、単なる希望的観測ですよね。それから、どうしてパソコンの種類が違っているんですか? OSに問題があっても、1台は確実に稼働することが出来る。なるほど、そう言う意味があったんですか……どうして顔を背けるんでしょう。

 8Kのスクリーンなんですけど、とっても大きなテレビと言うのがその正体です。そのスクリーン上には、世界地図が表示されています。その心は、転移現象発生地点を表示するためだそうです。ちなみにその地図、Go……マークが表示されています。集落の場所に緑色のアイコンがポップアップしたのは、シャルロットさんが転移をしたからだそうです。だから京都にもアイコンが出ているんですね。


 ええっと、どうして画面が切り替わったんですか。これからアニメの鑑賞会をする。これって、重要な観測システムじゃなかったんですか。大丈夫、観測自体は継続されている。ただ表示装置をアニメ上映用に使うだけだと。

 でも、それだと転移が発生したのがわかりませんよね。そうですか、転移検出時に画面が切り替わる。何の代わり映えもしない画面を見続けているのは苦行と言うのは認めますよ。それで、どんなアニメ……ああ、ちょっと南に行った所にある湖のやつですね。でもこの男の子って高校生だったよね。その高校生の男の子と女教師が……高校に通っているが、年齢は二十歳を超えている。だから規制には引っかからないのですか。倫理的にも問題は無い。その理屈って、どこかで聞いたような気がするのは気のせいでしょうか?


 それからお断りしておきますけど、田舎の高校生はこんな生活を送っていませんよ。美少女やイケメンなんて、少なくとも私は見たことはありません。後ですね、先生と教え子なんですけど……女子生徒と先生だったら、あまり珍しくないと言えば良いのか……そうですか、差し障りがあるからそれ以上は言ってはいけないのですね。

 そうですね、教え子と結婚している教師なんて珍しくありませんよね。


 ところでグレゴリーさん、赤いランプが点滅しているんですけど。後ですね、世界地図に赤いアイコンがポップアップしてきました。これって、まずくありませんか。あれ、ポップアップが2つ増えました。ところでこのアイコンなんですけど、大きさに意味があるんですか? そうですか、重力波の強度に関係しているんですね。それでアイコンが大きいとどうなるのです? 多分……多分、なんですか? 大きなゲートが開いた可能性があると言うのですね。

 それって、もの凄くまずいことになっていませんか。だってこのアイコン、ニューヨークとかモスクワ、北京を示していますよね。あっ、また1個増えた。今度はロンドンって、一体何が起こっているんですかっ!




 集落は落ち着いたと言って良いと思う。いや、落ち着いた、そう落ち着いているんだ。俺としてありがたいのは、御衣黄さんに絡まれることがなくなったことだ。ただなぁ、相手を考えると釈然としないものもあるのだが。嫉妬……違うぞ、そんなものじゃないからな。ラズライティシア様のこと、あっちは、まあ、なるようになるとしか言えないな。

 面倒を押しつけたと思っているのか、かな。いやだなぁ、そんなことを口に出して言うはずがないだろう。


 それはそれとして、御衣黄さんが生き生きとしているんだ。翼人やハイエルフたちから採血したり、細胞摂取……時々ハイエースたちが落ち込んでいるのは、精液提供を強制されたからだろう。さっささともってこいと、試験管を渡されたりしていたな。

 採取した精液はどうしているのか、かい。液体窒素の容器に入れて保管しているそうだよ。なにやら、畜産の世界では普通のことらしいんだけど。そうか、ハイエースたちは牛と一緒にされたことを気にしていたんだ。まあ、そう言うことにしておこうか。


 採取した細胞はどうしているのか、かな。シャルロットの力を借りて、京都の方まで運んでいるよ。どうやら、本格的に遺伝子分析を行っているようだね。後は、生殖細胞を使った培養実験だった……と思う。ただなぁ、御衣黄さんの目が時々怖いんだよ。そう、翼人やハイエルフの女性を見る目がね。

 ただまあ、研究所の目的としては正しい行動なのだろうね。まだ研究は端緒に就いたところだけど、力のある研究所と協力関係を築けたんだ。新しい研究所として、幸先が良いと言って良いと思う。


 順調なのは良いけど、だからと言って運営の問題がないとは言えない。京都とか飛騨とかの研究所との関係なのだが、共同研究とかで調整が必要になってくるんだ。短期的な話として、人材派遣……違うな、人材受け入れとかの話も出てくると言われている。ええ、立木さんにですけどね。今は国内、しかも立木さんの伝手だけだから問題になりにくいのだけど、有名になったらそれだけで一仕事になるのだそうだ。

 間違っても、俺に出来ることじゃないのは確かだろう。なのでよろしくと立木さんに言ったら、『絶対に無理』と断られてしまった。当たり前のことなのだが、分野が違いすぎるのだそうだ。


 おかしいな。今やってることも、絶対に畑違いだろう。


 それはそれとして、立木さんがやってくれました。なにをと言うと、『世界初』の空間転移検出装置と言う奴のことだ。今まで空間転移が意識されていないのだから、世界初になるのは当たり前だと言い返されたのだけど。

 宇梶教授の協力を得て、重力波のリアルタイムデータを横流しして貰ったらしい。しかもこのデータ、他の研究機関のデータも含まれていると言う代物だそうだ。そのデータに含まれている検知時間、検知方向を用いて、解析システムを作り上げてくれた。まあ、最終的な設計・製作はファンタスティック・フォーのジャックとグレゴリーなんだけど。過去のデータ、そしてシャルロットを使った実験で、そこそこの精度が得られるのが確認できたそうだ。


 その成果の一つは、ここ1年で俺たちに関係しない空間転移が見つからなかったことだ。つまりシャルロットの空間転移、翼人やハイエルフたちの転移以外は存在しないと言うことになる。データをもう一年遡ってみたのだけど、見つかったのはファンタスティック・フォー絡みのものだけだった。

 ちなみにこの検出データは、陸自にも提供されているそうだ。白船君の報告を聞いた上杉氏が、直談判してきた結果である。お陰で『専用回線』で良いのかな。市ヶ谷まで、専用回線が引かれることになったそうだ。そしてこれは余談なのだが、工事に来たのは立木さんの知り合いらしい。『なんでこんな所に』と相手が驚いたのがとても印象的だった。


 ここの所の変化は、そんなものだったかなぁ……ああ、大谷村との関係があったな。こちらは最初の計画通り、エリザベスに担当して貰うことにした。ただ予定外だったのは、そこにセレスが加わったことだろうか。『私も働きます』と言われたら、流石にダメとは言えないだろう。

 美女二人が対応しているので、今のところ大谷村対応には問題は出ていないと思う。それでも疑問に思えるのは、俺に声が掛からないことだ。理由なんて簡単、自分で口にしていると言うのだね。まあ、あの二人が行っているんだ、俺の出番はないのだろうね。


 色々と新しい動き、新しい人間関係が構築されたけど。集落は概ね順調に運営できていると思う。うん、平和が一番だと思うぞ。なんか、ポッチーが食べたくなってきた。これって、サブリミナル効果って奴か? 違う、単なる刷り込みと言うのですね。


 そんなことを思っていたら、いきなりスクリーンが切り替わってくれた。なんだ、一体何が起きたんだっ! しかも警報まで鳴ってるしっ!


「取りあえず落ち着いてください」


 どうして落ち着いていられるんですか。それから立木さん、どうして俺の斜め後ろに立ってくれるんです。副官としてお約束の場所……すみません、ちょっと理解出来ないんですけど。


「検出場所はニューヨーク、北京、モスクワ、ロンドンの4カ所と言うことですね。白船君、自衛隊は状況を把握していますか?」

「現在問い合わせ中です。待ってください。上杉さんが画面に出ますっ!」


 おおっ、いつの間にテレビ電話が? 違う、これはチームズ……それはそれとして、何かそれっぽくなってきましたね。


「上杉さん、こちらのデータは届いていますね?」

「確かに受領している。モスクワ、北京の情報はないが、ニューヨークとロンドンは映像が入ってきた。DNNニュースを見ることは出来るか?」

「あいにく契約していないんですよ。ただBSニュースぐらいで速報が上がりそうですね。ええ、確認できました。巨大生物が出現したと言うのですね」


 ねえ、俺が司令官だよね。いや、正確には集落代表なんだけど。どうして立木さんが司令官みたいなことをしているんだ? パニックになった方が悪い、はい、仰るとおりです。


「ニューヨークは深夜の2時ですか。ロンドンは十分に明るくなっていますね。諸星さん、あの巨大生物に見覚えはありますか?」


 見覚えがあるかと聞かれると……以前見たドラゴンに少し似ているかなぐらいです。


「なるほど、それで現地の状況はわかりますか?」

「現時点で情報が錯綜しているな。想定外すぎて、あちらも対処が遅れている……いや、空軍に出撃命令が出たようだ」

「ジャック君、大きさの推定は出来るかな?」

「170フィート……すみません、50m前後と言う所です」

「別にフィートでも構いませんよ。しかし50mですか、かなりの大物と言うことになりますね」


 ロンドンはまだしも、ニューヨークの方は暗すぎてドラゴンの姿がはっきりとしない。ちょっと照明が欲しいかな……ごめんなさい、ブレスを吐けと言う意味ではありません。ええ、お陰で姿がはっきり見えました。でも、ビルを焼けとは言っていないんですけど。


「ドラゴンの攻撃能力が確認できたと言うことですね。そうなると、後は機動能力と防御能力なんですけど……上杉さん、東京で何か動きはありますか?」

「今のところない……政府で緊急対策会議が招集されたようだ」

「MHKの速報も出ました。アナウンサーもパニックになっているようですね。まあ、こんなものが現れれば、仕方が無いと言えば仕方が無いのですけど」


 怪獣映画が、現実のものとなってくれたのだ。冷静で居ろと言うのが、そもそも間違いのような気がする。


「それはそうですけど、パニックを起こしても何も解決しませんよ」


 仰るとおりなのでしょうが……どうして冷静で居られるのですか。性分って……ちょっと変じゃありませんか?


「上杉さん、自衛隊はこの事態にどう対処されるのですか?」

「他国でのことである以上、今のところ静観と言うのが答えになります。ただドラゴン、ですか、あれで打ち止めと言う確証はありません。従って、各基地が警戒態勢に入っています」

「50m級の空を飛ぶモンスターですよ。自衛隊はどう迎撃するのでしょうね」


 どうして、そこで俺の顔を見てくれますか。そりゃあ、荷造り紐の出荷は終わっていますけどね。


「小谷さん、菅谷先生は……この状況ではそれどころではありませんね」

「はい、緊急対策会議を優先されると思います」

「上杉さん、自衛隊ならどう対処されますか?」

「それは、攻撃と言う意味で仰っていますか?」

「避難誘導は行政の役割ですからね。被害の拡大を防ぐためには、ドラゴンを仕留める必要があると思います」


 やはり、荷造り紐さんに活躍をして貰うしかないのか。そんなことを考えていたら、グレゴリーが大きな声を上げてくれた。いや、なんだ、不謹慎にもアニメのワンシーンを思い出してしまった。


「新たな転移ゲートの出現を検出。いえ、日本じゃありません。アメリカ東海岸、西海岸、上海、中東の4カ所です。観測値は、先ほどより一桁大きくなっています!」

「上杉さん、情報はそちらにも行っていますね」

「こちらでも確認をした。何が現れたのか、これから確認を行う!」

「では確認をよろしく……おやおや、大芝からメッセージが来ましたね」


 大芝さんからですか。なにか、予想が出来る気がします。


「その予想は合っていますよ。何をしでかしたとの苦情ですから。取りあえず、BSを見ろとっと」


 なにか、答えが軽いですね。深刻にしても、なにも解決しないし状況も変わらないのですか。それはそうなんですけどね……ちょっとおかしくありませんか?


「そんなことより、ちょっと考えて見ませんか?」


 考えて見る……何をですか?


「ドラゴンの出現場所です。ニューヨークにしても北京にしても、ロンドン、モスクワ等々。ああ、上海もありましたね。いずれも、人口が多くて政治経済で大きな役割を果たしている地域です。これを偶然と考えて良いのかと言うことですよ」


 言われてみれば、有名な場所ばかりと言うことですか。少なくとも、上里集落周辺のようなど僻地でありませんね。


「そう言うことです。場所の共通点は見つかっていますから、なぜ狙って転移ゲートが開かれたのかと言うことです。そしてこの先転移ゲートが開くとしたら、どこがターゲットになるのかを考えようと言うことですね」


 狙ってと言う以上、誰かの意図が含まれていると言うことですか。そりゃあ、こんなことが偶然に起こるとは考えにくいのは確かですけど。そして次の狙いですか、ありすぎて困ると言うのが答えになると思いますよ。人口の密集地なんて、世界の至る所にあるんですからね。特にアジア地区、アフリカ地区には数多くあると思います。


「敢えて外しましたが、中東はその条件に合致していますか?」


 確かに、人口の密集具合は大したことはありませんね。ただ経済的な影響は大きいと思いますよ。省エネが進んでも、未だに石油と言うの重要な資源であることには変わりありませんから。

 それから、政治的と言う意味でも影響が大きいですね。何しろ中東は、紛争の火種になっている地域です。


「上杉さん、何か補足することはありますか?」

「今、分析班が必死に理由を分析しているところだ。今あなたが挙げた条件だと、東京が無事でいられる理由がないのだ」

「だからと言って、行動制限を課すことは出来ませんね。そもそも、どこに居れば安全かすらわかっていないでしょう」

「仰るとおりと言うのが今の限界だ」

「ところで、現地の状況は伝わってきていますか? どうやら放送の方は、制限が掛けられているみたいなんですよ」


 確かに、画面に何の変化もありませんね。ひょっとして静止画?


「今のところは……米軍の攻撃は始まったようだ。攻撃は通っているようだが、ダメージがあるようには見えないな。西海岸の方は……こいつは酷いな」

「グレゴリー君、トベに画像は上がっていませんか?」

「ビューカウント狙いのゴミが多すぎて……オッケー、ゲットしました。今、スクリーンに出します」

「ああ、確かに酷いことになっていますね。ニューヨークに現れた奴より、更に巨大な体をしていますね。専門家じゃないのでわかりませんが、有効な兵器があるんですか?」


 映像が荒いのだが、襲ってきた奴の大きさは推測することが出来る。俺が出くわしたのは100m級なのだが、こいつはそれよりも大きいようだ。

 ところでこの化け物、人を食べていませんか?


「なるほど、テレビで映せないわけです。この調子だと、他の都市でも人を食べていそうですね」

「すみません、悪い報告です。新たな転移が、同じ場所で確認されました」

「地獄の釜の蓋が開いた……本来の意味は違うのですが、まさにそんな状況と言うことですね。欧風に言うのなら、パンドラの箱が開いたでしょうかね」


 いや立木さん、今は言葉はどうでも良いと思いますよ。


「まあ、言葉はどうでも良いのでしょうけど。願わくば、通常兵器で倒して欲しいですね」

「その通常兵器でとの話だが……」

「なにか、悪い情報がありましたか?」

「ニューヨークに現れた奴は、通常兵器での打撃が認められたそうだ。だが仕留めるところには至っていないのが現状となっている。そして西海岸、ロサンゼルスに現れた奴だが、こちらはでかすぎるのだそうだ。米軍が、小型核兵器の使用を真剣に検討していると言う情報が上がってきた」

「それだけ、状況が悪いと言うことですか。ジャック君、シャルロットさんを呼び戻してくれるかな。かすみさんは、今のところ危険は無さそうなんだが……状況判断を間違う子じゃないので大丈夫でしょう。慶子、皆さんに飲み物を出してくれないか?」


 飲み物、ですか、確かに喉が渇いている気がしてきました。だけど、良いんですか?


「良いも悪いも、今の私たちには何も出来ませんよ。ところでヴェルファイアさん、100m級のドラゴンと戦えますか?」

「戦いたくない……と言うのが答えになります。戦って勝つことがイメージできません」

「シア、シアはどうですか?」

「われか、相打ち覚悟で1匹ならなんとかと言うのが答えになるな。先制攻撃が通れば、落とすことは可能であろう。もしも通らなかったら、逃げるしかないと言うのが答えになる」

「懸念事項はなんですか?」

「あれだけの巨体が飛んでいるのだ。内包する魔力の量が、桁違いなのは想像に難く無い。硬い体に膨大な魔力、好んで戦おうと言う馬鹿はおらんだろう」

「つまり、あれ以上のが現れたら絶望的と言うことですか」

「すでに、あれ自体で絶望的だと思うぞ」

「テレビが静止画と言うのは、状況の悪さを物語っているのでしょうね」


 どうして、その、お茶をありがとうございます。お酒の方が良かったのか、ですか。いえ、ちょっと今はお酒を飲める気分じゃないんです。ところで、旦那さんなんですけど。どうして落ち着いていられるんですか?

 そうですか、まだお子さんに危険が及んでいないのが理由ですか。危なくなったら、保護を第一に考えると言うのですね。ちなみに今お子様はどちらに……東南アジアと東京ですか。東南アジアかぁ……流石に保護は難しいか。


「主人の娘ですよ。こう言った緊急事態にはなぜか強かったりするんです」


 流石にないでしょうと普通は言いますよ。でもご主人を見ていたら、なぜか納得できてしまうんですよね。


「その、良いですか」


 どうかしたのかジャック。そうか、また転移ゲートが出現したのか。


「転移ゲートですけど、先ほど現れた奴が短距離転移をしたようです」


 つまり、どう言うことなんだ? 上杉さん、『まずい』と言うのはどう言うことなんでしょうか。


「これで、核も使いにくくなったと言うことです。使用直前に転移されたら、攻撃自体が空振りになってしまう」


 殺傷力の大きな兵器だと、逃げられる可能性があると言うことですか。確かに厄介なことには違いありませんね。


「上杉さん、政府は命令を変更してきましたか?」

「今のところは何も。基地への出撃待機は継続中です」

「やれやれ、マスコミは大騒ぎのようですね。こんなことで、政府を叩いても仕方が無いのに」


 対策はどうなっている……って、こんなことを対策している方がおかしいと思わないのか。その証拠に、名だたる軍事大国が後手を踏んでいるだろう。『緊急事態条項』が整備されてないのがおかしいって……散々反対したよな、お前たち。


「それが、現実と言うことだ。従って、我々が出撃するためには法的裏付けが必要になる。ちなみに害獣駆除は、法的には自衛隊の仕事ではないとされている」


 ドラゴンが害獣……ですか。確かに獣には違いないんですけどね。でも、熊と同じ害獣……熊も馬鹿には出来ないのはわかっていますよ。ええ、あちらの世界で遭遇したことがありますから。怖かったですよ、チビってしまいそうになるぐらい怖かったのは確かです。その時は、師匠が追い払ってくれましたけど。

 それで、今はどうなっているんですか。各省庁が頭を捻って法の抜け道を探している。それって、どこかの映画で見たのと同じ奴ですか。そうですか、あれを思い出せば良いんですね。でも一つ気になるのは、あの映画でもそうですけど、自衛隊の手に負えることですか?


「確かに、対処可能かと言われると辛いところがある。そして米軍にできないことが、自衛隊に出来るとは流石に言うことは出来ない」


 ですよねぇ。犠牲を顧みずに攻撃すれば可能かも知れませんけど、民間人に死者が出たりしたら政権が持ちませんものね。


「確かにその通りなのだが……自衛隊の武器に、あのような巨大なドラゴンに対抗できるものがないと言う問題もある。嬲り殺しにするにしても、絶対的に弾薬が足りなくなるはずだ」


 それって、詰んでいると言うことですか。そうですか、詰んでいるのですね。だとしたら、あのドラゴンが日本に現れないことを願っていてください。


「諸星さん、報告があるのですが宜しいですか?」


 それって、良い報告ですか。いえ、悪い報告でも聞かないといけないのは確かなんですけどね。


「大規模な転移が確認されました。それから、大芝から連絡が来ました。盛大に出ていたノイズですけど、同じタイミングで収まったようです」


 それって、どう言うことですか?


「あくまで推測ですが、襲撃してきたドラゴンが消えたと言うことです。転移現象が確認できている以上、帰ってくれたと考えるべきだと思います。さも無ければ……」


 さも無ければ……ひょっとして、別の所に移動しているだけだと。そうですか、その可能性は否定できないのですね。ドラゴンの現れた理由がわからない以上、再度の襲撃についてもあるともないとも確信は持てないのですか。ええ、仰るとおりだと思いますよ。


「それで上杉さん、詳しい情報は入ってきましたか?」

「はっきり言ってお手上げと言うのがお答えになります。米軍に問い合わせをしますが、あちらも状況整理が追いつかないと思います」

「やれやれ、アメリカのマスコミ情報が頼りと言うことになるわけですね」

「日本のマスコミが、揃って騒ぎ立ててくれると思います。ですから、情報には事欠かないとは思いますが……」

「中国、ロシアの情報も知りたいところですな」

「それはそうなのですけど、出てくることはないと思います。かつて無い、強力な情報統制が行われることでしょう」

「それでも、何らかの情報は出てくると思いますよ。それが正確な情報かどうかはわかりませんがね」


 つまり、虚偽の情報が発信される可能性があると言うことですか。


「虚偽とまでは言い切れませんが、撃退に成功したぐらいは発表されるんじゃありませんか?」

「確かに虚偽ではありませんな……追い返したことは確かですから」

「犠牲者数は流石にわかりませんか?」

「アメリカやイギリスからは数が出てくると思います。被害規模については、その情報から類推することになると思います。それはそれとして」


 この短時間で、上杉さんが老けたように見えるのは気のせいだろうか。まあ、彼の立場を考えれば心労が溜まるのも仕方が無いことなのだろうな。だから、続く依頼も予想の出来るものだった。つまり、今回の襲撃を観測したシステムの提供と言うことだ。

 だそうですよ、立木さん。


「評価していただいたことには感謝いたします。ただ、データが正規の手続きで取得したものでは無いんですよ。従って、システム提供は東の大学に依頼して貰えませんか。結果の提供でしたら、今まで通り提供することは吝かではありませんよ。むしろ、喜んでと申し上げます」

「正式な手続きを踏めと言うことですか。大芝先生は違うのでしょうが、自衛隊を毛嫌いしている人たちが多いんですよね、あそこは」

「それ以前に、なぜと言う疑問をぶつけられると思いますよ。どうして自衛隊が、協力依頼をしてくるのかと」


 ああ、上杉さんが頭を抱えているよ。そりゃあ、重力波観測と今回の事件の結びつきなんて誰も知らないんだからな。それなのに、ピンポイントで協力依頼なんかできるはずがないか。

 ところで立木さん、立木さんには解決策があるんですよね。ええ、とっても悪い顔をしていますよね。


「宇梶教授を巻き込む簡単な方法があると言えばあるんです」

「そんな都合の良い話があるんですか?」

「ええ、意外に簡単な方法があるんですよ。勿体ぶらずに言うとですね、今日の観測結果を発表して貰えばいいんです」

「ですが、空間転移のことは発表できないのではありませんか?」


 このシステムは、データの横流しで出来ていたはずだ。だから、公表できないと言うのが建前だと思っていた。


「発表するのは、重力波の観測データですよ。今日の事件に関係して、観測データが大きく乱れたと発表して貰えばいいんです」

「それは……それならば、確かに政府から依頼できると思います。しかし、教授は発表してくださるのですか?」

「余計な仕事が増えると文句は言われそうですけどね。まあ、世界の一大事ですから、嫌とは言わないと思いますよ。一応私の方から、発表しろと圧力を掛けておきますよ」

「なぜ圧力を掛けられるのかが疑問ですが……よろしくお願いしますと頭を下げさせて貰います」

「と言うことなので、出張許可をお願いします」


 今の話を聞いて、駄目だなんて言えるはずがないと思いますよ。それで、日程はどうされますか。


「できるだけ急いだ方が良いので、今すぐと言うことになりますね。ですので、ラズライティシア様をお借りして宜しいですか?」


 ラズライティシア様を、ですか?


「ええ、彼女に運んで貰おうかと思ってるだけですよ。空間転移自体は、シャルロットさんの方が使い勝手が良いんですけどね。これからのことを考えると、彼女を残しておいた方が良いと考えただけです」


 なるほど、確かにシャルロットの方が使い勝手が良さそうですね。ところで立木さん、お帰りはいつになりそうですか?


「それは、宇梶次第と言うことになります。事と次第によっては、酒瓶で殴り倒さないといけませんからね」


 酒瓶で殴り倒すって……日本の頭脳に対してそんな真似をしてはダメでしょう。大丈夫、殴り方の加減は心得ている。いざとなったら、ラズライティシア様の治癒魔法があると言うのですか。

 ちなみに宇梶教授は今どこに。埼玉の自宅に居るはずですか。でしたら立木さん、市ヶ谷に寄って貰ってもいいですか? あそこは行きたくない、昔の知り合いに会う恐れがある。あのぉ、前の職場で何かしでかしたんですか? 違う、帰して貰えなくなる。昔のシステムのお守りがって……IT企業ですよね?


「世の中には、年寄りしかわからないシステムと言うのがまだまだ存在すると言うことです」


 そんなものなのですか。それって、もの凄くやばくないですか。ええ、出張は許可しますよ。ところで奧さん、その旅行バッグは……そうですか、二人分の着替えなんですね。都会に行くのだから、1泊分で足りるだろう、ですか。


「かすみちゃんが帰ってきてるから、丸の内ホテルのアップルパイをお願いね」

「だったら、2ホール予約しておくか」


 つかぬ事を伺いますが、2ホールは何人分なんですか? 通常8人分、2軒+2人だからこれで十分なんですね。もう一つ伺いますが、+2って誰のことですか。そうですか、シャルロットと薄墨さんなのですね。

 いえね、ちょっと気になったことがあっただけです。できればあと2ホール、買ってきて貰えないかなと。セレスが言うには、立木家のデザートがとても美味しいんだそうです。ちょっと、ご相伴に与りたいなと。




経理だけじゃなく総務もしています……

いえ、これで話が動き出します。怪獣映画ではありません

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